No.152.貿易を科学する
最速で貿易事業の達人になる秘訣 -126-
「差」で稼ぐ貿易の法則」 -124- 【副業から起業編】
<貿易ドリル>No.18
(前章までの内容)
この章では、「差」で稼ぐための貿易の
法則を実践的な例を交えながら解説して
います。
(本章では)
今回から、貿易事業に関わるに当たって
便利な貿易ドリル(実務演習)により
実際の貿易業務の内容を実践に即して
解説します。
【貿易ドリル】18回目
原価見積計算編:為替レートリスク計算
通貨他条件別に為替レートリスクを
計算します。
前回はドルベースで計算しました。
今回は、英国ポンドベースで計算します。
通貨:英国ポンド
発注時点でのレート:200円と仮定。
レートリスク率①:0.06%
レートリスク率②:1.70%
発注日から支払日までの期間:30日
計算当日レート x (リスク率① x 日数 + リスク率②)
*リスク率①を0.06%, リスク率②を1.00%とした場合、
200円 x (0.06/100 x 30日 + 1.00/100)
= 200円 x (0.018 + 0.01) = 200円 x 0.028
= 205.6円となります。
2.80%のレートリスクと計算されました。
前回、紹介した高精度計算サイトでは、
リスク率が固定で自動計算されていました。
下記の新しいサイトでは、リスク率の
変えて入力可能です。
為替レートリスク1と2変更可能で試してみて下さい。
尚、No.148-No.150までの高精度計算では、
リスク率1を危険率1、リスク率2を危険率2
と表現しています。
また、ここで別のレート計算上の課題を
申し上げます。
真に厳密にレートの影響を計算する時、
外貨建てのFOB契約で輸入発注した場合、
その外貨建てのレートリスクは、
支払額が決定してから、商品が入港する
までの期間の計算が必要です。
その理由は、主に下記の二つあります。
①貨物が国内の港に到着してから
船会社から請求されるCFSチャージや
THCチャージなどは、すべてその時点
で計算されて請求されます。
商品代金を支払った時点ではありません。
②同様に、輸入時の関税・消費税の
支払いも貨物が国内の港に到着後に
発生します。
そして、そのレートは直近のレートを
参考に税関が決定します。
支払時期にレートが確定するのは、
商品代金である外貨のみです。
従って、厳密に計算するときは、
このレートリスクも別途計算する
必要があります。
この計算式は、次章で説明します。
次章に続く。