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June 30, 2012

終了報告

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6/30 6月最後の1日が無事終わり明日から7月です.もう後半がスタートです.

川崎のMさんのエピフォンの作業が無事に終了しております.梅雨時の作業遅れの中、お待ち頂きありがとうございました.もう1本のアコギの方は来週からスタートさせ1週間程で完成させますので、お待ち下さいませ.

1890年イタリー製のリクリエイト・ヴァイオリンのバスバー変更も接着まで終了しています.
高々、割り箸と然程変わらないサイズのバスバーの素材の違いがイメージ通りの変化を見せてくれるのか、それはこうして実際に試せば分かる事です.

更には現状で全く同じ栂材でバスバー製作した1920年ドイツ製の個体も今回と同じ様にバスバーを交換して同じ変化を示せば、それはそのまま確実性の高いデータと言う事になります.

2本同じ事を試してそれが同じ傾向のサウンド指向を示し、今度はそれを同じ様に別素材のバスバーに変更して、それも同じ変化が得られれば2種のバスバー素材のサウンド指向を把握出来た事になりますし、オーソドックスなスプルース材の響きは何度も確認していますので3種の傾向差までデータを得たのと同じ事になります.
と同時にバスバー素材と魂柱素材のマッチングバランスもデータとして得られています.共材でバスバーと魂柱を製作した場合、バスバーと魂柱を別素材で製作した場合の特徴も一度経験すれば決してその特色は忘れません.

長きに渡る経験上、一度弾いたギターやベースのサウンドは自分でも驚く程長い間記憶している事が出来ます.ヴァイオリン族の製作でもそれは同じでしょう.実際にこうした検証作業で変更前のサウンドの事は忘れる事が無いのですから.

それから、これも良くある事なんですが、楽器の所有者のことは早く忘れがちなんですが、楽器を見るとその楽器の事はすぐに想い出したりします.「あ~この楽器ね、ハイハイ覚えてますよ」って言いながら、所有者の事は想い出せなかったり・・この人誰だっけ? (;^_^A

とにかく、他の事だとすぐに忘れちゃうのにね.考えたらとっても不思議です.
特にヴァイオリンは耳元で誰よりも大きな音で聴こえますし、更に顎に挟んで弾きますから骨伝導で頭蓋骨に直接響きますので余計にサウンドの響きの違いは明確に分かります.
これはギター関係を遥かに越える反応部分で、直接「脳」に響いて来ますからね.

耳どころじゃなく、脳で直接モニターするなんて・・全くもってスゴイ楽器です.

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June 28, 2012

経過報告 

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6/28 ヨコハマ 取り敢えず晴れ、みたいな感じの日.

Mさんのエピフォンのフレット打込みと仕上げが終了致しました.
明日からセットアップへと進みます.

ヴァイオリンの写真は以前の試作品で従来のヴァイオリンの構造を元に作製したものですが、数々の検証結果、その内容では全くダ~メ!と言う結論でこれまた最終仕様内容へと作り替えの最中.

最初の写真がオーソドックスなバスバー設定のままのショットで次の写真が修正後のもの.結果的に何と元のサイズの半分にも満たないサイズへと変更しています.

まあね、最初取り敢えず従来のヴァイオリンの図面を見ながら作ったわけなので「え~っ・・ヴァイオリンのバスバーってホントにこんなにデカくていいのお?」と思いつつも作ってみるわけです.で、サウンドチェックで明らかに低域がバスバーに食われて響かない.
「やーっぱりデカ過ぎるじゃないの~、ったく!」とブツブツ言いながら、別個体で従来のヴァイオリンの標準サイズのバスバーからサイズダウンして組み上げ直し、ベストバランスを探って結論を見るわけです.
そしてそのサイズを新たな基準として、この個体も変更してあげているというワケです.勿論バスバーだけでなく板厚設定と削り形状にしても掴んだデータを元に全てやり直します。
こうした作業を様々な検証対象にその都度行なっているのです.

ねっ!めんどくさい作業だなーと思うでしょ?読んでるだけでも.
でもこれをやってるうちにスーパーな感性が身に付くんです.
丁度F-1のドライバーとメカニックの仕事を一人でやってる様な感じかな.想像力を働かせ感性を研ぎすまして作業をし、それを試し、掴んだデータを元に一旦バラして作り替え、また試す.
その繰り返しを各部分に行なっているうちにどんどん的が絞られ正解が見えて来るんです.
分からない事がどんどん減って行き、正解を短時間で割り出す能力が身に備わるからなんです.

そもそもですね、現在世間に出回ってるストラディバリとかグアルネリの図面とかって、たぶんですが、間違ってると思いますね.
あの名器のサウンドを聴くと、こんな設定の楽器の響きとはちょっと思えないからです.

図面を見ながら「この設計で、あの音は絶対に出ないな」と以前に思ったことが今では現実となっています.その代わり、10本程のヴァイオリンを平均で3回程作り替える羽目になりましたねえ
これを金額で換算したら300万近くなるでしょうね。
これがワタクシの支払った授業料と言う事になります。

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June 27, 2012

経過報告

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6/27 ヨコハマ晴れ

今日も晴れてくれました.助かる! 久しぶりのカスタム品への塗装です.
ネックの生地磨き作業では夏の様な日差しを浴びて全身汗だくになりました.これまた久しぶり.

また川崎のMさんのエピフォンもフレット打込みまで終了.
フレット打ちっぱなしで、フレットの上面擦り合わせをしていないこの状態でも演奏上問題が出ないくらいの精度が出ています.明日からはフレットファイリング整形と仕上げへと進めます.


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June 26, 2012

まとめ経過報告

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6/26 ヨコハマ夏日 いいですね~夏日.

梅雨時に何と貴重な快晴.ありがたいなあ~と思いつつも、今日はボランティアの予定日で外出しなくてはいけなかったのです.それでも作業も行っています.

カスタムオーダー品のネック達の生地仕上げ加工ですが、IさんのCCR-312のネック(写真手前のネック)だけはご本人が週末にネックを確認したいとのご要望のため、仕上げまでは進める事が出来ない為に半加工で中断しています.

Iさん以外の作業は予定通り進めておりますのでご安心を.今日の様な晴れが続いてくれるといいんですけどねえ.
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June 23, 2012

個別報告 川崎市のMさん

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6/23 ヨコハマ 取り敢えず晴れ.中途半端な天気.

写真は指板修正&リフレット作業となったMさんのエピフォンです.
ガタガタだった指板面ですが、皆さんもリペアーショップにこうした古い楽器をリフレットに出す時は気をつけないと、指板がデコボコだからといってキレイに平にされちゃったりしますからね.

特にローズ指板でスケール上の頻繁に押えるポジション部分が抉れてしまっている個体は古い楽器によく見かけますが、それらは深いものでは1ミリ程もエグレちゃってます.
それを完璧に指板面を美しくする為だけに全体を削られた場合、楽器としての設定変更と何ら変わらない結果になります.指板上面高が1ミリ以上下がったワケですから、それは当然です.

こうしたケースではリペアーに出す際に「指板修正は出来る限り必要最低限の処理でお願いしますね」と一言添えるべきです.でないと音はどうあれ指板面もフレットもピカピカになってればOK!と思ってる未熟なリペアーマンに作業されるかもしれませんからね.あぶねーあぶね~( ̄_ ̄ i)

当然今回も指板の削り修正が最小限で鳴りのバランスもサウンド自体も別な楽器に成ってしまわぬ様に部分削り修正に留めています.でもサウンド面でも完璧に仕上がります.それが作業目標ですからね.

「どーですお客さん、指板もフレットもピッカピカでしょっ!ねっ」な~んて見た目の事ばかり言ってるリペアーマンには作業を依頼するべきじゃあ無いですねえ.
見た目がピッカピカになった替わりにサウンドがペラッペラになってるかもしれませんからね.
お~こわっ   (ノ_・。)   参考までに.

Mさん、暫く指板の様子をチェックしてからフレット打ち込みに進めますね.

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June 22, 2012

立ち上がれ

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6/22 ヨコハマ 何とな~く晴れてはいました.

世の中以前とは色々変わって来ましたね.原発再稼働反対の市民デモが今日も行なわれた様子.
国民が直接意思表示する事が少なかった我がニッポンですが、変わり始めた様子ですね.
大いに結構.その声に国がどう応えるのか、注目しましょう.

それもそうなんですが、早いところ国内の電源周波数を55Hzで統一してくれないかなあ.
そうすれば国内電源規格の統一で電力不足に対しても東西の電力会社が融通し合えるから原発何て無くてもやりくり出来ると思います.
国内に2種の周波数規格が存在する国なんて世界でも日本くらいなもんですからね.馬鹿げてるったらありゃしないわ.爆弾

写真は完成済みのヴァイオリンですが、結果的にまたバラしてバスバーの交換をする事にしました.
この2本はバスバー材を栂材を使用しており、その特性を掴む為にその他の設定はtmp共通基本設定で作り上げてバスバー材だけを栂材を使用し、その検証したのです.
栂材は非常にレスポンスに優れているので採用した場合の結果を確かめたかったのですが、残念ながらローエンドの厚さや延びが不足していました.
まあ、フォーキーでアイリッシュ系のサウンドにはマッチするのですがクラッシックではNGでしょうね.検証は1本だけですと見解をまとめるのに不十分ですので、あえて2本同じ事をやってみて、同じ結論、同じ判断が出た場合にワタクシはその結論を採用します.
理想なのは魂柱と同じ個体材からバスバーも作り出すのがサウンドはベストバランスですね.
スプルースのバスバーとクリスマスツリー材の魂柱でのミックスも非常に素晴らしいです.

こうした度重なる検証が本当に重要なんです。想像がつくからって実際にやらないと、経験値にはならないんですね。想像値でしかない。この差は実に実に大きいのです。
何もやらずに想像値や巷情報だけでアタマが固まったらもうその人間は進歩しませんから。
後輩達にはネット情報はいっさい見るなって言ってますね。裏付けの無い情報などゴミと同じですから。

2枚目の写真は本日出荷されたビオラ奏者Sさんの18インチビオラです.
まだ寝ぼけた状態ですがSさんが所有されている600万で入手されたというオールド・ビオラと比較検証を行なって頂く予定に成っております.
この個体の仕様でおよそ50万で販売可能という結果が出ましたので、後は一桁上のクラスの楽器と比較してどうなのか、と言うテーマ検証です.
数ヶ月先になると思いますが結論を楽しみにしています.出来れば常識を覆したいですね.メラメラ


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June 21, 2012

個別報告 エピフォンのMさん

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6/21 ヨコハマ曇り空 たまに小雨

いや~蒸し暑いですね~ 今日は写真のMさんのエピフォンのフレットファイリングを行なうつもりでしたが、トラスロッドを締めますとグニュ~ンと指板面が波打ってしまいフレットファイリングでは間に合わず、指板修正&リフレットを行なう以外に手は無い事が判明致しましたので、Mさんにはそのご報告です.

既にトップに接着されていたブリッジは剥がして修正済みですが、指板修正&リフレット(抜けていたドットポジマーカー入れ)作業との合計で¥55.000+TAXの作業と成る見込みです.
取り敢えず後はご本人の判断に委ねます.ご連絡をお待ちしております.

皆さんにはあまり認識されていない部分かと思いますが、トラスロッドはギブソン系の様なヘッド部でロッド調整する構造ではキレイな修正はは非常に困難と言えます.
確かにロッド調整そのものは機能はしますが基本的に理想的なロッド修正が可能にする為にはネックの端末で締め込む、端末締めタイプでなくてはならないんです.

それはネックの張力負荷が最も掛かるのはネックの仕込み部分なのです.ヘッド側で締め込むロッドの場合、そのネック端末部分はロッドの仕込みカーブが終わって単に埋め込まれているだけの為に一番張力負荷が大きい部分に効力が発揮出来ない構造なのです.

それだけでなくこの個体の様にヘッドからロッドの仕込みカーブが始まっている構造のロッドは5F前後に仕込みカーブの深い部分が始まっているので、ロッドを締め込みますとこの部分が盛り上がり、先ほど述べた端末部分でロッドの効力が無い為にネックが耐えられずに落込むことで結果的に指板が波打ち状態に成ってしまうのです.特にロッドが食込みやすいマホガニーネック材の場合では完全に構造欠陥と言えます.

でも当時はセットネックのギター系ではトラスロッド調整がし易い様にヘッド側で調整出来る構造をどこも単純に採用してしまったのでしょうね.物理的に考えれば本来有り得ない選択だと言えます.

現実にはこうした事実が分かっていても定番楽器達がこうした構造で製作されてきた為にオリジナルと異なる仕様で製作した場合、オリジナル仕様と違うから、と言う理由でユーザーが買わない事をメーカーサイドは恐れ未だに同じ仕様で製作され続けているのです。

ある意味で馬鹿げた話です。
わざわざ問題のある仕様で作り続けられているなんてね。┐( ̄ヘ ̄)┌

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June 20, 2012

爪痕

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6/20 ヨコハマ 台風一過

台風一過の晴れ日でしたが庭先に確認に出ましたら強風で燻煙庫の小さい方が無惨になぎ倒されておりました.今日は作業を中断してその片付けに追われました.

幸いネック専用の燻煙庫で、勿論台風が来るという事で燻煙は行なっていませんでしたから楽器としての被害はありませんでしたが、燻煙庫そのものは完全に壊れてしまいました.もう二度と使えそうにありません.まっ、仕方ないですね.気持ちを切り替えて先に進みましょう.o(^-^)o
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June 19, 2012

どーしようもなっ!

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6/19 ヨコハマ じめじめジトジト 台風間近.

今日はこの湿気ですから生地加工もな~んも出来ません.まあ、出来ないワケじゃないんですけど、やらないって事です.

木は新たに削りますとそれまで内部に隠れていた部分が露出して直接呼吸しますので、こうした湿度の高い日に削った場合は湿気を含んだ空気を吸わせちゃうんですね.
そして湿度が下がった時にまたその湿気を吐き出すのですが、その時に動きたい部分があると動こうとするので、その部分に狂いが生じます.

取り敢えず t.m.pの楽器は燻煙処理済みの木材で製作してますから狂いが出たとしても最少に留まりますからいいんですけど、チューン関係の持ち込み楽器の場合、燻煙処理を行なっていない木部は安心して削れないんですね.
暴れ出したらその部分を修正をしなくちゃ行けませんし、その費用はこっち持ちに成る場合だってありますのでね.たとえ対象楽器がオールドの個体でも暴れるやつは暴れますので.注意が必要なんです.

今日は1900年イタリー製のヴァイオリンをバラしてグレードアップ作業を行っています.
この個体はヴァイオリニスト・Yさん用に作業をしたものですが、現在レコーディングが中断している状態だそうで、チェックの日程が予定よりもかなり延びそうですので、じゃあこの機に更にグレードアップしちゃえ、と言う事で行なっています.
現状でもかなりのグレードのサウンドが出てましたが作業したのが検証結果が出切る前段階でしたので、今回最新の設定データ通りに作り替えています.

行なっている作業はバスバーの形状変更と古い楽器でしたのでネック仕込み部のブロック材があまり良い状態ではなかったので新しくブロック材を作って仕込み直します.
まず楽器をバラして古い元のブロック材を取り去り新たにブロック材を作り直しています.
まあ、元の作りはイタリア人らしい仕事と言えばそうなんですけど、やっぱり大雑把ですねえ.
基本的に作業自体がヘタクソです.( ̄・ ̄)ふ~っ

でも未だに、クレモナ製の楽器は人気が高いそうです.気をつけないと見える部分だけはキレイに仕上げてありますが見えない部分は目一杯手を抜いてる個体がけーっこう多いですから注意した方がいいですよ~.
ワタクシの場合はリクリエイト作業前提で素材として購入しますのでいいんですが、それでも手を灼きますよ~イタリア製のは.その意味ではドイツ製の方が作り自体は丁寧なものが多いですね.でもバランス良く鳴らない個体が多いのはどこのも共通ですね.設定がみんな必ずズレてますもん.物理的にバランス良くなる楽器を作るには、ってそこからスタートしていない事が見て取れます.何百年もの伝統的な作りを継承して、って事なんでしょうけどね.
実際、作りそのものよりも設計/設定部分で的を外して結果的に失敗してるものが殆どです.

まあ、Yさんはレコーディングでトラブル発生のご様子ですが、ある意味この楽器に取ってはよりグレ-ドが高まって結果オーライに持ち込めるでしょう.楽器の値段はその分上がっちゃいますけどね.

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June 18, 2012

プレイヤーズ・ハイ

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6/18 ヨコハマ 蒸し暑い1日でした.明後日には台風がいらっしゃるそーで.波

写真は本日の作業メニューのひとつでカスタム品ネックのペグ穴加工.写真はRetroCity.
この天候ですと、カスタム品達はペグ穴加工と生地研磨まで進めたら中断でしょうね.残念ですが.

ビオラはSさん用の個体.本日無事に完成しておりますが、まだ微調整を行なうつもりです.
一旦音を出してみて少し驚いたんですが、ヴァイオリン族はご存知の通りアゴで挟み込んで演奏するので耳元で楽器が鳴るだけでなく骨伝導で頭蓋骨に直接振動を感じます.
その為に暫く弾いていますとアタマがクラクラするんです.脳が揺れてるんです.

そこで急遽Sさんに電話して「Sちゃん、たった今ビオラが完成したんだけど、ちょっと心配事があって・・弾いてるとね脳が揺れてふらふらするんだけど、コレって大丈夫なのかな?」
そしたらSさんが「それはマツシタさんがビオラ初心者だからですよ~ ワタシも最初はクラクラしましたから」って言うんですね.「へ~っ、そーなの?じゃあコレは問題じゃないんだ」

彼女は「そこまでクラクラするくらいだから、きっと凄く鳴ってるんでしょうね!弾くのが楽しみですっ!」って.あ~良かった.そーいうもんだそうです.
しかし慣れれば別なんでしょうけど、本当に大丈夫かな?って未だに少し心配するくらい、このビオラを弾いているとアタマがボ~ッとして来ます.

まるで大地と言うか、大海原の様な音なんですね.深くどこまでも続く響きがそれをイメージさせます.その響きが奏者自身を揺らすんです.ちょっと他の楽器では味わえないでしょうね.

皆さんもご存知無いというか、認識されていないと思うのでお話ししておきますが、ヴァイオリンやビオラ奏者は周囲で聴いている人とは別なサウンドを聴きながら演奏をしています.誰よりも耳元で楽器の発する音を聴き、同時に楽器をアゴで挟みながら演奏している為に骨伝導によるサウンドもモニターしながら弾いている為です.

ですから自分が演奏している楽器のサウンドと、それを他者が弾いた場合のサウンドも当然同じ音には聴こえません.あくまで両者は異なった条件なので別な聴こえ方をしているのです.

案外その事実を一般の方は認識されていない様です.

ニュースで「ストラディバリと最近の楽器を比較試聴した際にストラディバリよりも新しい楽器の方が評価が高かった」なんて事が話題になったりもしましたが、そもそもそれは試聴者側での評価です.
奏者に取っては自分が弾きながら聴いているサウンドとは、回りに居る誰よりも近い位置での耳からのものと自分だけが感じる事が出来る骨伝導の双方のミックスサウンドで判断してるので、単に試聴した場合の評価は同条件での試聴とは全く異なるのでイーブン評価自体が出来ないのです.

ですから、あのニュースで「やっぱりストラディバリがいいって言うのも、思い入れがかなり影響してるんじゃないのお?」って、ちょっと意地悪な意見が横行してましたが、ワタクシはそれを聞いて「あ~あ、みんな知らないんだなあ~、やっぱりね」って思うだけでしたね.

まず弾いてる奏者が自分の出しているサウンドに陶酔出来なくてはいい演奏自体が出来ないんですよ.楽器の使命はまず奏者をプレイヤーズハイに誘う(いざなう)事なんです.
悪い楽器は 弾く気にも成れない楽器 のことですね.
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