放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委)は10日、ジャーナリストの田原総一朗さんがテレビ朝日の番組で北朝鮮の拉致被害者について十分な根拠を示さず「生きていない」と発言したことについて「放送倫理上問題があった」とする見解を発表。一方で拉致被害者家族会などが求めていたさらなる謝罪放送については必要性を認めなかった。

 田原さんは09年4月25日未明放送の「朝まで生テレビ!」で、拉致被害者の横田めぐみさんと有本恵子さんについて「外務省も生きていないことは分かっている」などと発言した。これに対し、家族会などが「重大な人権侵害」と抗議。同局と田原さんは文書と番組内で謝罪したが納得を得られず、6月、家族会が放送人権委に救済を申し立てていた。

 放送人権委は、発言が「配慮に欠ける」と判断。またテレ朝が5月15日付で謝罪文書を出したことに対し、「スピード感覚の欠如」と批判した。さらに5月30日未明の番組内で謝罪した際も、アナウンサーの発言に田原さんが割って入ったことなどを挙げ「準備不足」「謝罪が真摯(しんし)なものであったかどうか疑問を感じさせる」とした。ただ発言行為自体は「言論の自由の範囲内」と結論づけた。

 田原さんは「私の発言を表現の自由の範囲内と判断してくれたのはありがたい。発言内容は外務省の幹部のインタビューに基づいており根拠がある。ただ被害者家族の方々の気持ちを傷つけたことは改めておわびしたい」、テレ朝広報部は「決定内容を真摯に受け止め、今後も放送倫理に十分配慮した放送に努める」とのコメントした。【高橋咲子、栗原俊雄】

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