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2014-09-16 11:34:10

ハワイで実践 バイリンガル育児 その114 ハワイの幼稚園受験

テーマ:バイリンガル教育
常夏の楽園ハワイにも「お受験」があるのをご存知でしょうか。

ハワイの教育熱心な家庭から絶大な支持を受けている人気校といえば、オバマ大統領の母校であるプナホウスクール、そして中国革命の父、孫文が卒業したイオラニスクールです。

両校とも150年以上の歴史と伝統を持つ、幼稚園から高校までの一貫教育私立校です。

両校へ入学できる学年は、幼稚園、6年生、7年生、9年生(プナホウは4年生も入学枠あり)と決まっており、毎年、各学年において熾烈な受験競争が繰り広げられます。

中でも志願者数が最も多い「幼稚園受験」は受験生よりも保護者が過熱することで知られています。

ハワイの受験シーズンである秋から冬にかけて「お受験」にまつわる噂が飛び交い、父兄たちは情報収集に躍起になります。

我が子のためによりよい教育環境を望むのは親として当然であり、好ましいことです。

ただ両親とも日本人家庭の子どもが幼稚園受験をする場合、いくつか注意点があります。

複数言語環境で育つ子どもがアメリカ社会に適応し、自立していくには「正しい発達の順序」があることを理解してください。

日本人家庭の幼稚園受験

ハワイの幼稚園受験は日本に比べて簡単だと思っている方が多いのですが、プナホウ・イオラニに関して言えば、志願者の学力水準は高いです。

というのも、受験生の多くは、両校の卒業生・在校生、または、高学歴・高所得家庭の子弟であり、アメリカの受験を勝ち抜く教育を「家庭で」受けているからです。

幼稚園受験では、個人面接と集団観察によって、言語力、数学力、記憶力、思考力、運動能力、社会性などの発達が評価されます。

公式な数字ではありませんが、プナホウ・イオラニの合格ラインは、個人面接時の適正テストで90パーセンタイル以上(全米の同年代の子どもの上位10%以内)と言われています。

バイリンガルの子どもは、特に年齢が小さいうちは、英語力の発達がネイティブよりも遅れているのが普通です。

現地のプリスクールに通っていれば日常会話はできるでしょうが、幼稚園受験で要求されるのは、高度な思考と認知を伴う英語力です。(自分の考えや感情を的確に伝えられるレベル)

よって、家庭で英語を教わることができない日本人の子どもは英語面で大きなハンデがあるのです。

また、幼稚園受験では欧米的コミュニケーションスキルやソーシャルスキルの発達も重視されます。

アメリカの学校教育への知識が少ない日本人父兄は、子どもの学力面だけに目が向きがちです。

いくら学力が高くても、それを他者に伝える力、他者と共有する力が育っていなければ、アメリカの受験では評価が下がることを知りましょう。

幼稚園受験の注意点

幼稚園受験のためにと、両親が日本人なのに、子どもを英語漬けにするケースがあります。

親子の会話を英語にしたり、幼い子どもを一日中英語ネイティブのナニーに預けたり、母語が発達途上の子どもに不自然な言語環境を与えると、英語力が伸びるどころか、英語も日本語も発達が悪い「ダブルリミテッド」に陥ることがあるので注意してください。

バイリンガル育児では「母語の育成」が何よりも優先されなければいけません。

愛情溢れる触れ合いを通して親から子へ母語を継承するプロセスは、言語運用能力、コミュニケーション能力、思考力など、子どもの学習能力と対人関係の土台を作る過程でもあります。

この土台が強固であるほど、第二言語である英語も、学力も、対人関係も、スムーズに身につけられる子どもに育ちます。

また、親の言葉を伝えることは、子どものアイデンティティ形成にも大きく影響します。

海外で育つ子どもにとって「自分は何者なのか」という文化アイデンティティを確立することは、自立した個として人生を歩むために不可欠です。

親から言葉を継承せずに育った子どもは、文化アイデンティティが混乱し、それが精神を不安定にし、自立を遅らせる原因になります。

幼稚園受験は通過点

幼稚園受験では、目先のテクニックや知識の詰め込みよりも、人と関わり合える力、深く考える力、自ら行動できる力など、子どもの人間形成に重点を置きましょう。

受験は子どもの成長にとって一つの過程でしかありません。

子どもの発達を長い目で考えた教育を与えていくことが、結果として、私立学校が求めるリーダーシップと行動力を備えた人材の育成につながります。
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2014-09-03 05:18:39

ハワイで実践 バイリンガル育児 その113 ソーシャルスキルを育てる

テーマ:バイリンガル教育
アメリカの子育てで留意すべき点に「ソーシャルスキル」があります。

これは集団や社会でまわりの人たちと良い人間関係を形成していく力のことです。

日本人の子どもが、幼稚園、小学校と進み、さらに自立して社会に出て行く過程で「ソーシャルスキル」は環境適応を促進し、アメリカの生活をより楽しく、快適にしてくれる大切な役割を持ちます。

ソーシャルスキルには、礼儀作法、コミュニケーションスキル、シンキングスキル、問題解決スキル、自己表現スキルなど、対人関係に関わる全ての技術が含まれ、子どもの成長に応じて家庭や学校で指導されます。

多様な文化と価値観が共存するアメリカ社会では、人間関係を円滑にするための技術として、誰もがソーシャルスキルを身につけておくことが求められます。

対人関係の土台は親子関係


ソーシャルスキルは「技術」なのですが、それを支えているのは性格と人柄です。

子どもの性格が素直で、周囲へ思いやりがある人柄ならば、ソーシャルスキルは簡単に身につきます。

その一方で、性格が強情で、自分勝手な人柄だと、対人関係の技術を身につけ、良い人間関係を築いていくことは難しくなります。

子どもの性格や人柄の方向性を決めるのは親子関係です。

中でも一緒に過ごす時間が長いお母さんの影響が一番強いことを知ってください。

「自分はお母さんから愛され受け入れられている」と子どもが100%実感できると、母子の信頼関係が成立します。

すると、その信頼感が土台となって、周囲の人にも思いやりと信頼感を持って接する人柄に育ちます。

反対に、お母さんがいつも不機嫌でガミガミ怒っていると「自分はお母さんに受け入れられていない」という不安感が潜在して、周囲の人にも不信感を持つようになります。

この乳幼児期に成立する心の土台の違いが、外交的・内向的、明るい・暗い、素直・頑固、人なつこい・人見知り、という性格や人柄の違いへと発展していくのです。

もちろん、友だち作りや人付き合いが苦手というお母さんもいるでしょう。

だから子どもも親と同じ性格に育つというわけではありません。

子どもの性格は親の接し方次第でいくらでも変えられるのです。

子どもの対人関係は、遺伝するものではなく、母子関係から育まれる「信頼感」や「安心感」によって方向性が作られることを忘れないでください。

ソーシャルスキルを高めるには


子どものソーシャルスキルを高める簡単な方法は、スキンシップを増やすことです。

子どもが朝目覚めた時「○○ちゃん、おはよう」といって抱きしめほおずりをします。

簡単なお手伝いを頼み、できたら「ありがとう、○○ちゃんが手伝ってくれて助かったわ」といって抱きしめます。

お母さんが意識してスキンシップを増やすことによって、子どもの安心感と信頼感は大きくなり、家族以外の人とも積極的に関われるようになっていきます。

コツは言葉だけでなく、必ずスキンシップを加えること。欧米ではスキンシップは信頼感を確認するための常識的なマナーですが、日本人にはちょっと照れくさいですね。

でも、愛される人柄作りのためですから、恥ずかしがらずにどんどん実践してください。

スキンシップは子どもの年齢に関わらず「親から愛され大切にされている実感」を高める効果があります。

人付き合いのルールを教える


友だちが作れない、極端な引っ込み思案、極端に攻撃的など、人付き合いが苦手な子どもを「持って生まれた性格だからしょうがない」と放っておいてはいけません。

繰り返しますが、子どもの対人関係は改善できるのです。

まずは母子の信頼関係を大きくすることから始めましょう。

また、ソーシャルスキルの基本を教えてあげてください。

笑顔で挨拶する、相手の目を見て話す、人の話をしっかり聞く、感謝の意を伝える、相手の気持ちになる、丁寧な言葉使いをする、自分の感情をコントロールする、どれも当たり前のルールですが、きちんとできない子どもが多いのです。

人と関わる基本的なルールを学ぶだけで、子どもの対人関係は目に見えて良好になります。

町中で見知らぬ人と目が合った時に無愛想だった子どもが、ニッコリ微笑んで挨拶できるようになれば、周囲の人の対応はガラリと変わります。

人付き合いのルールを実践すると、何よりも自分自身が楽しく、明るい気持ちになることを理解させましょう。

母子の信頼関係作りと対人関係のルールを教える、これがソーシャルスキルを育てるポイントです。
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2014-08-02 03:07:36

ハワイで実践 バイリンガル育児 その111 競争心を育てる

テーマ:バイリンガル教育
アメリカは自由と平等を重んじる国です。

万人に自由と平等を保障するということは競争が激しい社会ということでもあります。

集団や協調を重んじる日本では子育てや教育に競争を持ち込むことは少ないですね。

しかし、競争の国アメリカの子育てでは「競争心の育成」に目を向けることが必要です。

日本で競争心が強い人というと、他人を踏み台にしたり、自分の利益のために手段を選ばない貪欲な人など、否定的なイメージがあります。

一方、アメリカで「competitive」といえば、自己の能力を高めるために努力を惜しまない人、意思や決意が強い人、負けず嫌いで粘り強い人など、肯定的に見られる場合がほとんどです。

アメリカ人は本当に競争が大好きです。

自分が競争に参加することも、競争を見ることも好きです。

競争が生活のあらゆる場面に浸透しているので、アメリカ人家庭では、ごく当たり前に、子どもを幼い頃から競争に参加させます。

勉強もスポーツも競い合わせて能力を向上させるのがアメリカ流なのです。

個性とチャレンジ精神の育成

競争に参加させる目的は、個性と才能の錬磨、そしてチャレンジ精神の育成です。

スポーツ、音楽、勉強、様々な競争に参加することで、子どもは「自分は何に向いているのか」を知ることができます。

個性に気づき、能力に磨きをかける。

それを自覚させるために競争を経験させるのです。

また、

困難に立ち向かう力、

敗北から再び立ち上がる力、

失敗を恐れずチャレンジする力、

プレッシャーの中で実力を発揮する力、

絶対にあきらめない根気強さなど、

たくましい精神力を育てるには競争を体験させるのが一番です。

目標達成のためにコツコツ努力を積み重ねる経験は、人間の資質で最も大切な「自信」を大きく育ててくれます。

もちろん競争は一握りの勝者と多くの敗者を生み出します。

確率では敗者になる可能性の方がはるかに大きいのです。

それなのに我が子を競争に参加させるのは、子どもがアメリカ社会で生きていく上で欠かせないトレーニングだからです。

競争と向き合う訓練をせずに厳しい競争社会に放り出す方が、保護者としては余程無責任なのです。

充実した子どもの競争環境


アメリカの競争文化を支えているのが競争環境の豊かさです。

スポーツを例にとりましょう。

ほとんどの競技はシーズン制で、一年間に2~3の異なる競技に参加できます。

複数競技を経験することで偏りのない運動能力を開発できると同時に、子どもが自分の才能や好みに合った競技を見つける助けとなります。

多くの競技は参加者の年齢やレベルによって細かく分類されており、初心者から上級者まで、自分の能力に合った競争に参加できるようになっています。

この仕組みがあらゆる競技に根付いているので、子どもは自分と同じレベルの相手と切磋琢磨しながら技能を向上させていくことができるわけです。

特筆すべきが、両親を始め、競争に関わる人の「勝敗へのこだわりが少ないこと」です。

もちろん競争に参加する目的は勝つことです。

しかし、勝つために一所懸命努力したのであれば、負けても勝利と同様に高く評価されます。

真剣勝負の中にも「ゲームを楽しめばよい」「負けても次に勝てばよい」という寛容さがあるので、誰でも気軽に競争に参加できるのです。

反対に「やるからには勝たねばならない」と勝敗へのこだわりが大きすぎると、子どもに恐怖心や不安感を植えつけてしまい、実力を発揮できなかったり、競争を楽しめなくなったりします。

子どもの「健全な競争心」を育てるためには、どのようなレベルで競うにせよ、両親が「全力を出し切ればよい」という姿勢を保つことが大切です。

競争経験を積ませよう

アメリカで子どもが自己実現を図っていくためには「競争」を避けることはできません。

大学受験、就職、昇進、転職、子どもの未来は厳しい競争の連続です。

時には敗北や挫折を経験することもあるでしょう。

しかし、次の目標に向かって立ち上がり、自己研鑽を怠らない精神が育っていれば、どんな困難も力強く乗り越えていくことができるはずです。

真剣に競争と向き合う経験は子どもの人生に必ず「プラス」の影響をもたらしてくれます。

アメリカは健全な競争心を育てる環境が整っていますから、両親は「社会に出すためのトレーニング」と捉え、積極的に競争経験を積ませてあげてください。
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2014-07-01 05:56:49

ハワイで実践 バイリンガル育児 その109 国際性を育てる

テーマ:バイリンガル教育
バイリンガル子育てを実践している父兄は、子どもを世界で活躍できる「国際人」に育てたいと望んでいることでしょう。

日本で国際人といえば、真っ先に思い浮かぶのがバイリンガルです。

しかし、外国語が話せる=国際人ならば、世界中のバイリンガルは皆国際人ということになります。

アメリカは移民の国です。

二カ国語を話すバイリンガルに出会うことは珍しくありません。

そこで育てば誰もが国際性を身につけると思われがちですが、実際はそんなことはありません。

アメリカで生まれ育ち、二カ国語が流暢に話せても、異質な文化や価値観に偏見を持っている人はたくさんいます。

もちろん、アメリカは子どもの国際性を育てやすい環境であることは事実です。

これは子どもの学校を見れば一目瞭然で、多様な国籍、人種、民族、文化を持つ生徒が、一つ屋根の下で席を並べて勉強しています。

自己とは異なるバックグラウンドを持つ同年代の友だちと交流することによって「人間は皆同じである」という偏りのない視野を身につけることができます。

しかし同時に、多様性に富んでいるが故に、文化的同質性を求める傾向もまた強くなるのです。

母文化と母語を伝える

異質なものを受け入れる、それを可能にするには、まず、自分が誰なのかを知ることが必要です。

そのためバイリンガル子育てでは、両親の文化を子どもに伝えることが強く求められます。

母文化環境が希薄な海外で育つ子どもにとって、親から継承される文化は「アイデンティティ」形成の土台となる大切なものです。

また、家庭における母語教育をもっと強調しなければいけません。

言葉と文化は車の両輪のようなものであり、切っても切り離せない関係です。

親から言葉を継承せずに育った子どもは、文化アイデンティティも生活する土地の主要文化へと同化してしまいます。

子どもに確固たる文化アイデンティティを与えたければ、しっかりした日本語力を身につけさせることが必要です。

永住家庭の中には「子どもはアメリカで生活するのだから言葉もアイデンティティもアメリカ人で構わない」という考えの方がいます。

しかし、両親から母語と母文化を継承されずに育った子どもは、自己形成の過程で大なり小なり葛藤を抱えることになります。

「自分は何者で、どこに属すのか」という帰属意識(文化アイデンティティと呼ぶ)があいまいであることは、人間の精神をとても「不安定」にするのです。

文化意識を持った子育て


多文化社会を構成する人は、一人ひとりがそれぞれの文化の代表者です。

これは子どもの社会でも同じで、日本人であれば「日本の代表」のように周囲から扱われます。

子ども自身は日本人という意識が薄くても、周囲から「日本ではどうなのか?」と絶えず質問されます。

つまり日本人であることを強烈に意識させられならが育つのです。

日本では子どもが日本人である自分を意識することは少ないですが、海外ではそうはいきません。

両親はこのことを知り、文化意識を強く持って子育てにあたってください。

といっても難しく考える必要はありません。

日本の昔話や絵本を読み聞かせたり、日本の祝祭日を祝ったり、日本の行儀作法を教えたり、日本のポップカルチャーに触れさせたり、和食を食べるのだって立派な文化教育です。

また、日米の文化や習慣の違いについて子どもと話をしましょう。

例えば、日本ではお茶碗を手に持って食べますが、欧米では食器を持ち上げるのはマナー違反です。

どちらが良い悪いということでなく、それが文化の違いであり、それぞれの文化を尊重し、場面に応じて使い分けることを教えてあげればよいのです。

多様な文化に触れる経験

多様性を重視するアメリカでは、世界中の文化に触れる機会が日常的にあります。

学校行事はもちろん、それぞれの文化コミュニティーが相互理解を深めるために様々なイベントを開催しています。

異質な文化と身近に触れ合うことができるアメリカの豊かな環境を子どもの国際教育に利用しない手はありません。

文化というのは居心地が良いものですから、自分でも気づかないうちに、特定グループとの交流や慣れ親しんだ習慣に流されがちです。

しかし、国際人としての広い世界観や視野を子どもに与えたければ、まず、両親が自文化の殻に閉じこもることなく、異文化との交流を楽しむ姿勢を持つことが大切です。
2014-06-14 10:48:31

ハワイで実践 バイリンガル育児 その108 英語力を身につけるには

テーマ:バイリンガル教育
「アメリカで暮らせば英語ができるようになりますか?」という質問をよく受けます。

答えは「YESでありNOです」。

英語には生活英語力と学習英語力があります。

生活英語力というのは日常生活で必要な英会話力のことで、大抵の子は2~3年アメリカの学校(完全英語環境)に通えば、自然に身につけることができます。

一方、学習英語力は英語、社会、理科、算数などの教科学習で必要な英語力で、読み書きはもちろん、読解力、論理的思考力など高次の認知や思考を要するものです。

学習英語力は毎日学校に通って英語漬けになっても自然と身につくことはありません。

学校の指導、家庭のサポート、そして何よりも本人の努力によって獲得していくものです。

5歳でアメリカに移り住んできた子どもであれば、6~7歳になる頃には友だちとの英会話を楽しめるようになります。

ところが、学校で要求される学習英語力はまだ発達途上であり、授業についていくだけで精一杯、宿題や課題をこなすのに人一倍時間が必要、という状態に陥るのが普通です。

生活英語力は英語環境に浸れば数年で身につきますが、学習英語力を獲得するには5年~10年という長い期間を要します。

学習英語力=リーディング力


子どもの学校適応を促す特効薬が学習英語力の育成です。

なぜなら、学校は勉強する場所であり、子どもは毎日5~6時間授業を受けて過ごすからです。

学習英語力が未熟な間は、授業内容の理解も低いですから、授業を楽しむことも、積極的に勉強に取り組む意欲も湧きません。

この状態が長く続くと「自分は勉強ができない」と自身を喪失していくので要注意です。

では学習英語力を短期間で獲得するにはどうしたらよいのでしょうか。

学習英語力を支えているのは「リーディング力」です。

英語のリーディング力が身につけば、読書を通して語彙力、表現力、文法力など、英語力全般を自分の力で向上させていくことができます。

さらに、授業で理解不足だった内容を読書によって補うことができるのです。

問題は英語のリーディング力を身につけるのは子どもにとって簡単ではないという事実です。

英語の文字を読むだけでも多くの集中力を要するのですが、さらに内容理解も伴わなければならないのです。

満足なリーディング力を身につけるには子ども自身の努力はもちろんですが、環境を整え、子どもを励まし、時には一緒になって読書に取り組む両親の役割が重要となります。

アメリカの文字指導


アメリカは日本よりも一足早く、子どもが5歳になる年からキンダーガーテンで文字指導が始まります。

日本の子どもが小学校に上がると五十音と漢字を習うように、アメリカの子どもたちは「フォニックス」と「サイトワーズ」という方法で英語の読み書きを習います。

フォニックスとサイトワーズの違いを確認しておきましょう。

フォニックスは単語を分解して文字と音の関連を教える教授法で日本語の「ひらがな」のようなものです。

例えば「DOG」であれば「D/ド」「O/オ」「G/グ」と文字単位に分解して読み方を教えます。

一方、サイトワーズは単語を一かたまりで丸覚えさせる教授法で「漢字」のようなものです。

サイトワーズでは「DOG」を「ドッグ」と教えます。

アメリカではキンダーから小学2年生にかけて読み書きを指導しますが、日本人子弟の多くは消化不良に陥りますから家庭でも予習・復習を怠らないでください。

アメリカの学校はあまり宿題を出しませんから、家庭の責任で「Phonics」や「Sight Words」のワークブックを購入して取り組ませましょう。

リーディングへと導くには

フォニックスとサイトワーズを学ぶと簡単な単語が読めるようになります。

ここから本をスラスラ読めるようになるまでのプロセスが学習英語力獲得の最初の難関です。

バイリンガルの子どもは慣れない英語の活字への抵抗感が強いので英語の本を読みたがりません。

だからといって放っておくと学習英語力の定着がどんどん遅れてしまいます。

キンダーから小学校低学年の時期に両親が根気強く読書指導をすることが学習英語力獲得のポイントです。

家庭では毎日30分の読書を日課としてください。

大切なのは、子ども一人で読ませるのでなく、両親がついてあげること。

両親も一緒になって英語の読書を練習するという気持ちで子どもの読書につきあってください。

子どもが困難に立ち向かう時は両親の温かいサポートが必要です。
2014-06-01 05:41:36

ハワイで実践 バイリンガル育児 その107 学力の土台を作るには

テーマ:バイリンガル教育
バイリンガルの子どもが現地の小学校に上がると、大なり小なり、学習面で困難を経験します。

子どもが基礎学力の獲得で苦労する原因は大きく2つ。

1つは英語のリーディング力の弱さ、そしてもう一つが家庭のサポート不足です。

リーディング力の弱さは、複数言語環境で育つ子どもが避けては通れないプロセスです。

英語力には生活英語力(会話力)と学習英語力(読み書きの力)があります。

生活英語力は2~3年で身につくのに対し、学習英語力の獲得には5年~10年という長い期間が必要です。

もう一つの大きな原因が、家庭のサポート不足です。

日本人父兄の多くはアメリカの学校教育についてあまり知識がありません。

そのため子どもの教育を100%学校任せにする傾向があります。

各教科で今何を勉強しているか、宿題や課題をきちんとこなせているか、授業参加はできているか、子どもの学校での様子を詳細に把握できている両親は少ないのではないでしょうか。

親が英語苦手だから、あるいはアメリカの教育システムに不案内だからと教育を学校任せにしてはいけません。

両親が積極的に学校と関わり、先生と協力し合うことによって、子どもは学力を定着させていくことができるのです。

学習英語力を伸ばすには

両親とも英語が苦手という家庭で子どもの英語力をどうサポートすればよいのでしょうか?

答えは簡単です。両親が子どもと一緒に宿題や課題に取り組めばよいのです。

小学1~2年レベルの勉強であれば、英語が苦手という親でも何とかこなすことができます。

親が一緒に勉強することで、子どもは親のサポートを実感することができます。

その安心感が下支えとなって、困難に立ち向かえる粘り強い心が育つのです。

また、日本語の本を読み聞かせてあげましょう。

子どものリーディング力を高める一番の方法が読み聞かせです。

お母さんが本を読んであげると、子どもは頭の中でイメージを想起し、それを自由に操作することを学びます。

これが想像力となって将来の読解力へと発展していきます。

日本語で培われたイメージ力は英語にも応用されます。

つまり、日本語で高い読解力を有す子どもは英語でも高い読解力を示すようになります。

子どもが小学生になっても読み聞かせは継続してください。

子どもの年齢や興味に応じて少しずつ読む内容を高度にしていきましょう。

また、授業に関連する内容の本(特に理科や社会)を読んであげることで、学習理解を深めていくことができます。

算数の計算プリントに取り組む

英語力がネイティブより劣るバイリンガルにとって「算数」は重要な教科です。

算数は数を扱いますから、英語力が弱くても、努力次第で優れた能力を発揮することができます。

「ボクはクラスメートより算数ができる!」と、子どもが自信を持てれば、その自信が原動力となって英語力もグングン伸びていきます。

算数は子どもの自信を育てる大切な教科であることを知りましょう。

家庭では毎日計算プリントに取り組みましょう。

小学校低学年では、四則計算(足し算、引き算、かけ算、割り算)が正確にできることが目標です。

計算力は学校の授業だけでは身につきませんので、家庭でも必ず練習してください。

毎日1~2枚の計算プリントに取り組むことを家庭のルールとしましょう。

プリントは計算問題がたくさんあるシンプルなものを与えてください。

プリントをさせる時のポイントは子ども一人でやらせないこと。

10~20分程度ですから、お母さんが横について、答えをチェックしながら進めてください。

答えが間違っている時は、子どもにもう一度考えさせます。

消しゴムでごしごし何度も書き直させる必要はありません。

答えがなぜ間違っているのかを発見させることに重点を置いてください。

両親が学校に参加する

アメリカの学校は親の参加を歓迎しています。

学校ボランティアは、クラスマザーなどのリーダー的活動、登下校・休み時間・放課後に子どもの安全をモニターする活動、広報物の製作や配布、図書の整理や補修、行事やイベントの手伝い、スナックや飲み物の用意など、様々です。

まずは担任の先生にボランティアをしたい旨を伝えましょう。

ボランティア活動を通して、先生との間に信頼関係が成立すれば、子どもの学力はスムーズに定着します。

家庭と学校が連携することで、子どもにとって最適、最良の学習支援が実現します。
2014-05-09 08:50:06

ハワイで実践バイリンガル育児 その105 幼児期の家庭教育

テーマ:バイリンガル教育
子どもは皆無限の可能性を持って生まれてきます。

そして、その可能性を大きく伸ばすのが家庭教育です。

日本とハワイで20年以上に渡って子どもの教育に関わってきた経験からそう断言できます。

特に、乳幼児期に家庭でどのように育てられてきたのかが、子どもの学習面と精神面の方向性を決定づけます。

海外で育つ子どもは、二つの言葉と文化の狭間で成長していきます。

バイリンガルの子どもは、単一言語で育つ子どもたちよりも、はるかに厳しい環境の中で、多くの障害を力強く乗り越えていかなければなりません。

だからバイリンガル育児では、乳幼児期に子どもの「言葉」と「自信」を大きく育てることが必要なのです。

日本と同じような感覚で子育てをしていると、海外では、子どもの言葉も心も栄養失調になってしまいます。

お母さんは子どもの言葉の先生

バイリンガル育児では、子どもが生まれてから6歳までの言語環境に細心の注意を払うことが必要です。

この時期の子どもは言葉を習得する最適期にあり、適切な環境があれば、二カ国語でも三ヶ国語でも何の苦労もなく身につけることができます。

しかし、その一方で、この時期に言葉のインプットが不足すると「言葉の土台」が弱い子どもに育ってしまいます。

子どもの言葉は、周囲から豊かに刺激を受けることによって発達していきます。

子どもの周りに言葉という刺激が少なければ、言葉は生きるためにさして必要ないものとなり、子どもの頭脳は言葉にあまり反応しないように育ってしまいます。

子どもとお母さんが家で二人きり、いつもテレビをつけっぱなしという環境が最もいけません。

子どもと一緒にいる時は、いつも言葉をかけ、歌いかけ、絵本を読んであげましょう。

お母さんが子どもの言葉の先生であるという意識を常に持ってください。

まだ言葉を話せない子どもに何を話かけていいのか分からないという方は、絵本の読み聞かせをしてください。

絵本は感情を込めて抑揚をつけながら読むと子どもがよく反応します。

毎日最低1時間は絵本の読み聞かせを実践しましょう。

乳幼児期に言葉の土台を大きく育てることができれば、第二言語である英語の発達がスムーズに進むことはもちろん、将来、子どもが日本語を失う心配はありません。

日本語と英語が高度に発達したバイリンガルに育てるカギは乳幼児期の言語環境にあるのです。

子どもの自信の源は「愛されている実感」

海外の学校に通う子どもは、言葉、文化、習慣などの違いから、様々な困難に遭遇します。

海外から日本に移り住んできた移民家庭の子どもが、日本の学校適応で苦労するのと同じように、アメリカの学校に通う日本人の子どもも多くの壁にぶつかります。

それらを乗り越え、生き生きと学校生活を楽しむためには、乳幼児期に「自信」が大きく育っていることが必要です。

「自信」が大きく育っている子は、困難に屈することなく、立ち向かっていくことができます。

なぜなら「自分はやればできる」と確信しているからです。

それだけではありません。勉強でもスポーツでも、何事にも恐れずに積極的にチャレンジすることができますから、何に取り組んでも、高いレベルに到達することができます。

子どもの自信を大きく育てる方法はたった1つだけです。

乳幼児期にたっぷり愛情を与えることです。

母親が愛情を惜しみなく与え、子どもがそれを実感することができれば「自信」は大きく育ちます。

「私はお母さんから愛されている」「ボクはママから受け入れられている」これらに勝る自信は世の中に存在しないのです。

子どもの自信は努力して成し遂げたり、トロフィーをもらって得られるものではありません。

母親の愛情を「実感できた時」に得られるのです。

子どもに愛情を伝える一番の方法がスキンシップです。

言葉で百回「愛している」と言うよりも、お母さんがギュッと抱きしめてあげる方が子どもは何倍も感動します。

母親が自信不足に陥らないように

海外子育てでは、子どもだけでなく、母親が自信不足になることがあるので注意してください。

母親が不安を抱えたまま子育てをしていると、必ず子どもに伝染します。

できるだけ外に出て、バイリンガル育児を実践するお母さん方とコミュニケーションをとりましょう。

お母さんが自信を持って、明るく元気に子どもと接することで、明るく、賢く、やさしい子どもが育ちます。
2014-03-28 12:25:40

ハワイで実践 バイリンガル育児 その103 アメリカの移民英語教育

テーマ:バイリンガル教育
移民の国アメリカの学校は、英語を母語としない子どもたちへの英語支援が充実しています。

英語を第二言語で話す子どものサポートプログラムは、ESL(English as Second Language)やELL(English Language Learner)と呼ばれ、大学で専門的に教授法を学んだスペシャリストが指導に当たります。

家庭で英語以外の言葉を話す子どもたちが、どれだけ早期に英語力を身につけられるかは、学力の獲得はもちろん、子どもの学校適応や人格形成に関わる重要な課題です。

ELLプログラムの存在は、多くの移民家庭にとって大きな救いです。

特に両親が限られた英語しか話せない場合、家庭で子どもの英語学習をサポートすることが困難なので、学校のELLプログラムに頼る部分が大きくなります。

その一方で、両親が実用的な英語力を有している場合、ELLには極力頼らずに、家庭の努力で子どもの英語力をサポートしていくことが理想です。

学校の判断でELLに配置された子どもは、普通クラスの生徒とは別に、英語の指導を受けなければなりません。

子どもによっては、クラスメートと離されたり、特別扱いされた経験が、劣等感やコンプレックスにつながることがあります。

ハワイ州のELL認定プロセス


ハワイ州の公立学校に子どもを入学させる際に、保護者は家庭の使用言語調査表(Home Language Survey)を提出します。

子どもの母語が英語でないと判断されると、英語能力テストの受験が義務づけられます。

テストの結果、英語力支援が必要であると判断されると、学校が推奨するELLプログラムへ配置されることになります。

ELLプログラムを卒業するには、州が設定する基準を満たすことが必要であり、通常2年~5年かかります。

ELLプログラムへの配置を決定するに当たり、学校は保護者に対して生徒の現在の英語能力と推奨するELLプログラムの詳細を書面で通知する義務があります。

保護者はELLプログラムへ子どもを参加させるか、プログラムへの参加を拒否するか、他のプログラムへの参加を求めるか、を選択することができます。

両親とも日本人家庭の子どもがこの英語能力テストを受けると、大抵はELLと認定されます。

公立学校への進学を予定している家庭では、学校からのELL通知を見て驚くことのないよう、ウェブサイトなどでELLプログラムについてリサーチしておくことが大切です。

ELL生徒の指導方法について


ELLの授業形態は、Pull OutとPush Inと呼ばれる方法に大別されます。

Pull Outは生徒がクラスを離れて、他のELL生徒たちと一緒に英語指導を受けるスタイルです。

生徒は英語レベルに応じて、週に1日~5日間、各45分程度の指導をELLのスペシャリストから受けることになります。

Push Inは生徒が普通クラス内で、他の生徒たちと同じ授業を受けながら英語のサポートを受けるスタイルです。

英語力が比較的高い生徒が対象で、担任の先生、アシスタント教師、ボランティアなどによる英語指導を受けます。

子どもの英語レベルにもよりますが、普通クラスの授業を受けながら必要な英語支援を得られるPush Inは、教科学習のロスが少なく、総合的な学力向上に有効です。

いずれの場合も、ELLの子どもはクラスメートとは「違う」扱いを受けることになるので、自信やプライドが傷つきます。

両親はこのことを理解し、早期に英語力を向上させられるよう、十分なサポートを心がけてください。

子どもがELLと認定されたら

子どもがELLと認定された場合、速やかに担任の先生と面談し、プログラムの内容や家庭での支援方法について意見交換をしましょう。

バイリンガルの子どもが英語力を獲得していくには、家庭と学校が連携してサポートを与えていくことが必要です。

家庭でも最大限の支援を実践することを学校に伝えてください。

両親が協力的な姿勢を示すことによって、学校もサポート体制を強めてくれます。

両親がいかに学校と関わるかが、子どもの学校適応に影響するのです。

アメリカの学校は親の関与を歓迎していますから、積極的に先生とコミュニケーションをとるように努力しましょう。

先生との信頼関係が強まるにつれ、より適切なサポートが期待できます。

子どもをどうしてもELLに入れたくない場合、英語プログラムを持たない私立学校へ進学させる選択があります。

当然、学校のサポート不足を家庭の責任で補うことが前提となります。

いずれの道を選ぶにせよ、子どもの学校適応で最も重要なことは「両親のサポート」であることを肝に銘じてください。


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2014-03-14 04:07:44

ハワイで実践 バイリンガル育児 その102 日米意思表示スタイルの違い

テーマ:バイリンガル教育
アメリカは移民の国です。

様々な人種、民族、文化背景を持つ人たちが一つのコミュニティーを構成しています。

多様な価値観が混在する社会で、人々が快適に暮らしていくには、お互いが考えを伝え合い、相互理解を深めていくことが要求されます。

日本人から見ると、アメリカ人の意思表現は率直すぎて、思いやりに欠けると感じるかもしれません。

しかし、自分の考えをあいまいにせず、明確に相手に伝えることは、多文化社会で意思疎通を円滑にするために必要なことなのです。

日米の表現の違いで大人以上にとまどっているのが子どもです。

家庭では日本的な「察する」意思表現が(暗に)期待され、学校ではアメリカ的な「率直な」意思表現が(明確に)要求されます。

「家庭と学校、いったいどっちに合わせればいいの?」と、子どもは混乱します。

アメリカの学校教育を理解する

アメリカで暮らしていても、日本人家庭では、子どもを日本的価値観に基づいて育てるのが普通です。

親の価値観や文化を継承することは、アイデンティティ形成に不可欠なプロセスであり好ましいことです。

しかし、親が過度に日本的な物の見方に偏った子育てをしていると、子どもが現地校適応で苦労することになるので注意が必要です。

現地校に上がれば、アメリカ的個人主義に基づいた教育が子どもを待っています。

そこでは、生徒一人ひとりが自分の考えを持ち、自分の考えの根拠を説明することが要求されます。

意思表現が苦手な日本の子どもたちは、先生から指名されないようにと、教室の隅で小さくなっているのです。

現地校の生活はカルチャーショックの連続です。

「答えは自分で考える」「分からなければ質問する」「意見を言う時は理由を言う」「話し合いで問題解決をする」。

大人でも難しい表現力を要求される子どもが、毎日どれだけ苦労しているのか、少しはお分かりいただけるでしょうか。

なぜアメリカの学校で意思表現が重視されるのか?

それは、自分を深く知ることができると同時に、他人にも自分を知ってもらうことができるからです。

自分は何が好きで、何が嫌いなのか、自分の良いところは何で、悪いところは何か、自分は何を考え、何をしたいのか。

意思表現を通して、人間は一人ひとりが違う存在であること、そして、互いの違いを尊重することが、より良い社会形成につながることを理解させるのです。

子どもに選択させるのがアメリカ流


アメリカの子どもたちは生まれつき自己表現が得意かというと、そんなことはありません。

家族や周囲の人によってトレーニングされているのです。

アメリカは個人主義が徹底していますから、子どもといえども意思を尊重します。

はっきりしない子どもに「Yes or no!」「It’s up to you!」と親が選択を迫る場面に遭遇した経験を持つ方も多いと思います。

どのアイスクリームが食べたいのか、ジュースは何を飲みたいのか、靴は何色が欲しいのか、おもちゃはどれが欲しいのか、プールで遊びたいのかサッカーがしたいのか、子どもは常に選択を迫られて成長していきます。

選択することによって、自分のことがよく分かるようになり「好き・嫌い」や「イエス・ノー」をはっきり表現できるように育つわけです。

一方、日本人の子育てでは、幼い子どもに選択させることはほとんどありません。

食べ物も洋服も、親が選んで与えるのが一般的です。

親からすれば、子どものためにより良いものを選んであげているわけですが、その一方で、子どもが選択する機会や「僕はこれが好き!」と意思表現するチャンスを奪っているのです。

意思表現の源は「自信」です

大抵のバイリンガルの子どもは、現地校に数年通えば、アメリカ的な意思表現ができるようになります。

それは、生きていくために必要だからです。

しかし、形だけの意思表現では、周囲に受け入れてもらうことはできません。

日本の学校に通う外国人が、日本人に溶け込むために、日本人の真似をしても、違和感を感じると言えば分かりやすいでしょうか。

意思表現にはアイデンティティが伴います。

「私はこういう人間です。だからこう考えます。」

そう胸を張って表現できることが理想です。

そのためには、何よりも、子どもが自分に「自信」を持つことが大切です。

海外生活では子どもが「自信」を喪失しがちです。

両親は子どもの「自信作り」に配慮した子育てを実践してください。

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2014-02-13 16:29:15

ハワイで実践バイリンガル育児 その100 欧米流コミュニケーションスキル

テーマ:バイリンガル教育
アメリカで暮らす日本人の子どもたちに求められるのが、欧米流のコミュニケーションスキルです。

「以心伝心」に代表されるように、非言語コミュニケーションを重んじる日本人にとって、自分の気持ちを伝えたり、意見を主張するのは苦手分野です。

しかし、アメリカで育つ子どもが、欧米流のコミュニケーションスキルを身につけずに現地校に通い始めると、学校生活や対人関係で様々な不利益を被ることになるので注意が必要です。

これは子どもだけの問題ではありません。

ネイティブとコミュニケーションできるレベルの英語力を身につけている大人でも、欧米流のコミュニケーション「スキル」が未熟なため、地域コミュニティーに溶け込めなかったり、誤解を受けたり、無用なトラブルに巻き込まれたり、という経験を持つ方は多いと思います。

欧米流のコミュニケーションスキルというと「自己主張ばかり」と思っている方がいますが、それは誤りです。

相手の感情や立場に気を配りながら「自分の考えを正確に伝えるスキル」は、多様な価値観が共存する社会で人々が快適に暮らしていくために身につけなくてはならない生活技術なのです。

日米コミュニケーションスタイルの違い

ほぼ単一民族国家である日本では、いちいち言葉で伝えなくても察し合える非言語コミュニケーションが、生活のあらゆる場面で通用します。

最近では非言語コミュニケーション能力の高さが、社会性や集団適応力の尺度と考えられているようです。

いわゆる「KY」「空気が読めない」という流行語の登場です。

一方、多様な人種、民族、価値観が混在するアメリカでは、自分の考えをきちんと言葉で伝えなければ、正しく理解してもらえなかったり、誤解を受けることがしばしばあります。

文化背景が異なる相手と円滑な意思疎通をするには、互いの意見を明確にした上で、互いを理解しようとするコミュニケーションスタイルが必須なのです。

海外で子育てをしている家庭では、日米のコミュニケーションスタイルの違いを認識し、両者をバランスよく育てることが望まれます。

現地校では日本流の非言語コミュニケーションは通用しません。

周囲の意見に合わせたり、授業中に黙っている生徒は、学習内容を理解していない、英語力が不足している、授業に参加する意欲がない、などマイナスの評価を受けてしまいます。

日米子育て文化の違い

日本の子育てでは、個性が強い子よりも協調性が高い子、自己主張する子よりも素直な子が「良い子」の条件と一般的に考えられています。

子どもが自分の意見を押し通せば「我がまま」や「生意気」とマイナスに捉えられるのではないでしょうか。

このような、集団、調和、協調を重んずる価値観を受け継いだ日本人の子どもたちが、直接的な自己表現をためらい、議論や衝突を避ける性格に育っていくのはうなずけることです。

他者に共感したり、他人のことを気遣う思いやりを育てるのは素晴らしいのですが、同時に、自分のことを他人に理解してもらうことの大切さも子どもには伝えたいものです。

「言葉に出さなくても分かり合える」自分ではそう思っていても、相手は自分のことをちっとも理解していない。

また、実際は自分も相手のことをよく分かっていない。

そんな経験をしている方がたくさんいるのではないでしょうか。

欧米の子どもたちは、コミュニケーションスキルを身につけている親によって育てられますから、家庭で「伝える技術」が自然にトレーニングされています。

欧米の子育てでは、子どもが自分の考えを持ち、その考えを周囲に伝えることが何よりも重視されます。

これは子どもが生まれた直後から母子のコミュニケーションを通して始まり、成長に応じて段階的にトレーニングされていきます。

子どもの言葉に耳を傾けよう

もちろん日本人の子どもも意見や主張を持っています。

ただそれを「言葉で伝える」訓練が足りないだけなのです。

日本人としての価値観やアイデンティティを維持しつつ、必要な場面ではしっかりと自分の思いを表現できるように、子どもを導いていけばよいのです。

伝える技術を育てる一番の方法が、会話に「なぜ?」「どうして?」を増やすことです。

自分の思いを言葉で表現することを習慣づけるのです。

問いを増やすことで思考が深まり、豊かな表現が身についていきます。

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