サン・モリッツ駅からタクシーで街外れのロープウェイ乗り場へ。
シグナール展望台(標高2234m)へ登るためだ。
サン・モリッツが一望できる絶景ポイントだ。
しかし駅舎は真っ暗。ゴンドラも動いていない。
ドイツ語の張り紙を見ると(読めない)、
シーズンオフで運休のようだ。
僕たちはサン・モリッツ散策に軌道修正、
路線バスで街の中心にあるポスタ・ヴェリア広場へUターン。
「Engadin Pass(エンガディン・パス)」で運賃はタダだ。
広場近くにそびえているのがホテル「バドルッツ パレス」
1896年創業。ツインルームで1泊460フラン(5万1000円)から。
世界の王室やVIP、セレブ御用達のホテルだ。
オードリー・ヘプバーン「シャレード」の撮影でも使われた。
僕たち極東のセレブにふさわしいホテルだが、シーズンオフで休業中。
涙を飲んで、ミドルクラスの四つ星ホテルに変更した(大ウソ)。
「ハンゼルマン」は撮影中、オードリーが何度も訪れていたカフェ。
ミーハーな僕たち、もちろんスイーツをいただいた。
詳細は後日レポートの予定。
再びバスに乗り、セガンティーニ美術館へ。
エンガディン地方の自然や文化をこよなく愛した
ジョヴァンニ・セガンティーニの絵画を一堂に展示している。
日本での知名度は高くないが、
広島県立美術館で展覧会が催されたこともある。
入場料は10フラン(1150円)。
小さな美術館としては高額。
チケットは小さな紙に印刷されたシンプルなもの。
入場時にビリッと半分ちぎって返してくれた。
「生」「存在」「死」の運命3部作は晩年の最高傑作。
写真で紹介したいが、館内は撮影禁止(監視カメラ付き)。
これは中期の作品「湖を渡るアヴェマリア」(部分)。
庶民への深い哀惜が感じられる傑作の一つだ。
美術館からサン・モリッツ湖畔へ。緑一杯の遊歩道を散策。
石造りの素朴な教会で旅の平穏を祈願する。
ウサギさんの表情がさえない。
スイスの旅も最終盤、疲れが貯まっているのだろうか。
ホテルに戻ると、ウサギさんに大災厄が起きているのが判明した。
■スイス気まぐれクイズ ウサギさんに起きた大災厄とは何でしょうか?
≪ジョバンニ・セガンティーニ(Giovanni Segantini)≫1858~1899。オーストリア生まれ。1894年にエンディガン地方に移住、アルプスの農民の悲哀に触れたことで、農民への「哀惜」あふれる作品を描くようになった。アルプスのミレーとも言われる。腹膜炎のため、41歳の若さで死亡した。