ホストクラブ大暴走!!その③

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12月18日。

私は綺羅から「今レイのお店にいるよー」というメールが来て行くことを決定。

その日は綺羅のお店の友達(すみれ)が初回で一緒に来ていた。


席に通されて、すみれと初対面。

私は軽く頭を下げて隣りに座った。

綺羅が私に紹介する。


綺羅:「えーと、同じお店の子ですみれちゃん。」


私:「始めまして。」


すみれ:「綺羅が前のお店で同じだった子だよね??」

私:「うん。私亜紀です。」


第一印象は清楚で綺麗な子だなーって思った。

綺羅はクラブで働いていた。

やっぱり美人系というか、そういう子がクラブに向いてるんだぁとも思った。

2人に比べて私はまだ子供っぽい。

歳が下っていうのもあるけど、たぶん精神的な年齢の差だ。


綺羅とすみれは男性のタイプが似ているらしく、2人で誰がかっこいいとか性格はこうだとか話していた。

レイのお店にはショータイムがあり、売れっ子のホストを中心にダンスをする。

素肌に革のベストで、前ボタンを開けたまま踊ったりもするから、体のラインがもろに見えたりする。


綺羅:「あの人の体のラインきれいじゃない??」


すみれ:「いいねー!がっちりしてて。」


2人はがっちりとした人が好みらしい。

男らしいというか筋肉で締まってるような・・・。

それに対して私は正反対とまではいかないけど、


私:「ええ!?がっつりしすぎじゃない?レイの方が細身だし、なんかかわいいじゃん。」


綺羅:「亜紀はタイプ変だから(笑)」


私:「変!?あんまり男男してるの嫌じゃん。暑苦しいよぉ。」


綺羅:「レイは細すぎじゃん!あれじゃ女の子だよ。」


私:「そうかなー。」


でもショータイムで踊っているレイを見て、ジャニーズのコンサートってこんな感じかなーなんて思っていた。

ジャニーズって華奢な人多いし。


綺羅はすみれが気に入ったホストを一緒になってかっこいいと言っていた。

薫じゃなくて彼にすればよかったとも(笑)

綺羅と私が初回の時、そのホストは付かなかったから。





相変わらずレイはほとんど席にはいない。

ほんとにいない。

席に付いても、1回につき長くてせいぜい10分。

ヘルプの時間が長いから、遊びに行ってるのに疲れてくる。

私たちもがんばって話すけど、本当に疲れてくると口を利きたくなくなる。

そういう状況が毎回だと行くのがだるくなるのが本音。

レイのお客をやっているとまさしくその状況が続く。

やっぱりヘルプが楽しいお店っていうのが本当にいいお店なんだろうナって思った。

自分自身にも言えることだけど…。



この日はお店に着いてからレイが来るまで時間がかかった。

またいつものように指名がかぶっているみたい。

ようやく席に来たと思ったら突然、


レイ:「今日帰り空けといて。」


私:「なんで!?」


レイ:「約束果たしてなかったよな。焼肉行こう!」


私:「約束はしてたけど、別に今日じゃなくても…。前もって言ってよ。」


レイ:「いや最近あまりかまってないし、たまには飯でも食いに行こうぜ。」


私:「うーん。どうしよう。」


レイ:「いいから待っててよ。」


私:「分かったよ。ちゃんとおいしいとこね☆」


レイ:「おう!」


私は内心恐かった。

レイって仕事中は本当にテンションも高くて楽しいけど、仕事が終わると人が変わってしまいそうな気がしてプライベートはあまり気がすすまないって思ったのが本音。

でも一緒にいて楽しいし、遊んでみたいとも思ってはいたからいい機会かなとも思った。



結局その日お店が終わったのは午後1時半頃…。

こっちも待ちくたびれてやっぱり帰りたいって思ってたけど、帰るって言うのも嫌味な気がして行くことにした。


レイ:「遅くなってごめんな。でもまだミーティングとかあるから近くのコンビニで待ってて。」


私:「まだ待つのぉ??疲りたよぉ。」


レイ:「いいから。待ってて。」


私:「あんまり遅かったら帰っちゃうから。」


レイ:「すぐ行くから!」


綺羅とすみれとお店のコンビニの前で別れてしばらく一人で待ってみるも、レイはなかなか来ない…。

20分くらいして立ってるのが疲れたから喫茶店に勝手に移動。

そこでしばらく待ったけど連絡すらないからメールしてみた。


「遅いし疲れたからもう帰るね。」


そしたら即行電話かかってきて、


レイ:「今どこにいんの??コンビニ着いたよ。」


私:「今行くよぉ。」


ってかすぐ来れるのにわざと来なかったでしょ~!!

って言いたくなるくらいすぐ来た(笑)

確かに仕事終って休憩くらいはしたいだろうけど…。

だったらムリしなくてもって思っちゃう。



で、会ったのはいいんだけど、なぜか後輩の子が一緒にいるし。

しかも話したことないし…。

2人っきりだとまずいのかなと思ったけど、たくさんいるほうが楽しくていいかなと。

それよりはスーツのほうが嫌だよ。

なんかまるっきりアフターって状況が嫌。

一樹と遊んだ時は私服だったから…。


とりあえず、みんなで焼肉の某有名店へ。


レイ:「何食う??好きなもの頼めよ。」


私:「なんでもいいよ。」


レイ:「じゃ適当に…。ネギタン3人前とカルビ2人前、ロース、豚とろ…。」


そんなに食べれるのか!?ってくらい頼んでるけど(笑)

ってかタン頼みすぎじゃないかい?

3人なのに1人前ずつってこと??

って思いつつ口出しするのもめんどくさいから見守るだけ。


注文したものが来て、いざ焼こうって時に、ここでホストと一般人の違いを感じちゃった。

普段私は奉行(焼く係り)になるのに、焼こうとした私からトング(お肉を挟む器具)を取り上げた。


レイ:「俺が焼くからいいよ。」


人によると思うけど、そういうのって女の子がするものだとずっと思っていただけに、

「さすが!」って思った☆


私:「なんでこんなにタン頼んだの??好きなの??」


レイ:「女ってみんなタン好きじゃない??」


私:「確かにタン一番好きだけど。」


レイ:「だろ??いっぱい食えよ。」


ホストを長くやってると女の子の心理とか、やっぱりよく分かるようになるんだナ。

感心したけど、恐くも思えた。

私の考えてることが全部読まれてる気がして…。


レイはその後いろんな話をしてくれた。

自分の新人時代の話が多かったけど。

でもやっぱり苦労してきてここまできたんだろうなって思った。

NO1を維持するのって簡単じゃない。

他の人より努力してるから結果になるんだろうし。

私ももっとがんばらなきゃって励まされた気がした。



お互い疲れてたから、焼肉屋を出てすぐにバイバイ。

やっぱりレイはプライベートよりお店で会うほうが魅力的かもって思った。

ホストとお客って不思議な関係。

確かにお金でつながってるものだけど、学べることもあるわけだし。


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爆弾…

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綺羅はもうお店には絶対行かないと言った。

私もそう思ったけど、原因が一樹じゃないだけに心残りがあった。

担当と問題があったわけじゃないのにもう会いたくないなんて変な話なのかな?





次の日の夜一樹から電話があった。


一樹:「おはよー。…昨日は本当にごめん。」


私:「気にしてないよ。」


一樹:「いや、やっぱりあれは俺が間違ってた。亜紀ちゃんがいるのに感情的になって帰ったりして。」


私:「智哉さんから話聞いた?」


一樹:「いや何も。何かあったの?」


私:「うん/…昨日大ゲンカした。」


一樹:「なんで??」


私:「分からない…。一樹くん送ってお店に戻ったら、綺羅と智哉がケンカしてて、どうしたの?って聞いたら智哉がなんで一樹を帰らせたんだっていきなり言われて。」


一樹:「俺が原因か…。ごめん。帰るべきじゃなかったよな。」


私:「いや一樹くんが原因なわけじゃないと思う。話がどんどんもつれて大きくなっちゃって。」


一樹:「そっか。まだ智哉さん来てないから後で話聞いてみるよ。」


私:「もういいの。綺羅はもう絶対お店には行かないって言ってるし、私も一樹には悪いけど智哉さんとあそこまでケンカになったのにもう会いたくないよ…。」


一樹:「俺は話がまだ全然分からないし、こんな終わり方するのは嫌だよ。今日今から綺羅ちゃんと来れない??タクシー代と飲み代は全部俺が出すよ。」


私:「今日行ってもきっと気持ちは変わらないと思う。綺羅は絶対行きたくないって言い張ってるし…。」


一樹:「そっか。仲直りするなら早い方がいいと思ったんだけど。」


私:「私は智哉さんが怖い。また怒り出したりしたら嫌だし…。」


一樹:「分かった。とりあえずまた連絡するから。」


電話を切ったけど、もう連絡はしないで欲しいと願った。

いい機会なのかもしれない。

これであきらめもつくし、今の私はお店に行ってもきっと一樹まで嫌いになりそうだから。

私の考えは矛盾している…。

好きだけど、智哉が嫌いだからもう会いたくない。

会いたくないのは智哉であって一樹じゃない。



自分でも結局どうしたいのか分からずに、答えも出ないまま一樹とは連絡を絶ってしまった。

たまにメールが来ていたけど、連絡を取ったところで行く気もないのに申し訳なくて返信はしなかった。





一樹のお店には行かないと決めて、その後はまたレイに会いに行くようになった。

レイには感情がなかったから会いに行って辛いということはなかった。

感情が全く無かったと言えばウソになるのかもしれないけど、独占したいという気持ちがなかった。

レイが酔って噂のエレチュウをして以来、私との帰りのキスは当たり前になっていた。

ごめんと謝りのメールを入れてきたのになんでだろーと思いつつ、別に私も拒否はしない。

でもレイは私に擬似恋愛をするわけでもなく、私もそれを求めるわけでもなく…。

でもお店の中ではまるで恋人のように接していた。

不思議な関係だったかもしれない。


レイには一樹とのことを全部話した。

本気で好きになりかけていたこと。

智哉とケンカしたこと。

考えた末にあきらめると決めたこと。

レイにとってはライバルがいなくなったわけだから好都合だったかもしれない。

でも私には彼らの都合なんてどうでもよかった。


綺羅も薫に飽きたと言っていたけど、結局また薫に戻った。

私がレイを気に入っていたというのもあるけど、智哉のことがあって薫のほうが断然マシだと思ったらしい。

ケンカ以外のことにも綺羅は不満に思っていることがあったと言っていた。

小さいことだけど、その小さいことがたくさんあるとお金を払ってまで会いたいとは思わない。


私:「ねぇ、色恋ってどうやるの??」


レイ:「いきなりなんだよっ(笑)」


私:「だってね、この間ヘルプの人がレイのことやたらかっこいいっスよねー、とかレイさんのどこが好きなんスか??とか聞いてくるから、私は色恋じゃないんだけど…別にタイプでもないしぃって言ったら、レイさんで色じゃないのはかなりレアっスって言ってたよ?」


レイ:「(笑)まぁ…。」


レイ:「色恋ってのは信じさせることだな。とりあえず相手が反論しても反論しかえせ。」


私:「でもお休みの日とか会いたいって言われるでしょ??」


レイ:「だから休みの日はわざと連絡しないんだよ。相手は連絡取れなかったら心配するだろ?んで会いたいからお店に来るんだよ。」


私:「へぇ。すごいね。でも私けっこう来てるから色彼だと思われてるんですけど…。」


レイ:「俺の色彼は週4か5くらい来るぜ??まぢ信者だな(笑)俺は色彼ほど外では遊ばないようにしてる。」


私:「なんで??怪しまれない?」


レイ:「外でしょっちゅう会ってたらわがままになるだろ?お店に来なくなるし。だから友営のお客が優先。」


私:「そうなんだ?」


レイ:「もしお前が今俺を好きだって言ったら、俺はお前にも色をかけるよ。」


私:「うん。心配要らない(笑)」


レイ:「そっか(笑)」


レイ:「でも俺は亜紀のこと付き合うとかじゃないけど、女として好きだよ?」


私:「うん、ありがとう☆」


私:「私もレイはなんていうか…尊敬もしてるし接客うまいし、営業がしつこくてたまにウザイことを除けば好きかなー(笑)」


レイ:「あはは…痛いとこつくなぁ。」


私:「でも水商売は営業してなんぼだからね。」


レイ:「まあね。」


私:「でもレイはウソつくよね(笑)」


レイ:「なんで!?」


私:「今日はヒマだからヒマだからって強引に呼ぶくせに実際来てみたら、全然席に付かないじゃない。」


レイ:「いや本当にヒマだってば。ただ自分の席以外にも付かなきゃいけないじゃん。」


私:「いや、たまにサボってるしぃ。ヒマじゃないなら呼ぶなよって思うし。」


レイ:「亜紀が来ると忙しくなる(笑)」


私:「ウソをつくのはやめなさい(笑)」




レイは時々冷たい目をした。

それがなんなのかは分からない。

レイは11月NO②だったのに12月はNO①になっていた。

顔では笑っているけど、きっと私には言えないような辛さをたくさん抱えているんだと思う。

19歳にして。

レイは自分のことをあまり話したがらなかった。

詮索もしないけど、一度家族の話題になってみんなで話していた時、レイは自分に話を振られて話題を変えた。

言いたくないんだなって思って、それ以上は聞かなかった。



レイのお店に行くといつも直をつけてもらっていた。

回数を重ねるうちに直とは本音で話せるくらい仲良くなった。

直は仕事の愚痴とか、これから先どうしたいだとか真剣な話を聞いてくれたし、話してもくれた。

直に対しても恋愛感情はなかったけど、話していて楽だった。


直:「最近接客のしかた変えたんだよ。」


私:「どんな風に?」


直:「まぁ、始めは盛り上げから入るけど、親密な話もできるようになった。」


私:「冗談しか言わない人がいきなり真剣な話をしだしたら逆にギャップがいいかもね。」


直:「まだ分からんけどなー。」


私:「試してだめだったらまた方法変えればいいじゃない。」


直:「そうだな。」


直はちょっとうつむいて私を見た。


直:「俺さ、言っちゃいけないのは分かってるけど、けっこうお前のことタイプなんだよな…。」


私:「はぁ??初耳ですけど。」


直:「ヘルプだから言えるわけないだろ…。」


直:「顔がタイプなわけじゃないんだけど(笑)」


私:「一言多いよ…(怒)」


直:「いや、でも近頃かわいく見えてきた。」


私:「ありがとう☆でも私も直くん好きだけど?」


直:「お前は友達としてって感じだろ?」


私:「う~ん。今のところは…。」


私:「じゃぁ、今度合コンでもしよっか☆」


直:「なんで合コンやねん!」


私:「いやなんとなく(笑)みんなで飲んだらおもしろいかなって。」


直:「お店のホームページにアドレス載ってるから…。」


私:「了解☆今度メールするね!」


これって私が連絡したら爆弾じゃん!って思ったけど、別にレイのことを好きなわけじゃないし、直に対してもそんな気はないからいいかなって思ってしまった自分がいた。

直と連絡を取ったからと言ってお店に行かなくなるわけでもないし…。

私的に興味本位ってやつで…。




それからサイトで調べて直にメールした。

直はすごく喜んでいた。

毎日メールするのが日課になっていた。

どちらからというわけでもなく、「今仕事終わったよー。」とか「今日は何食べた。」とか。

電話もするようになった。

連絡を取り合うようになって少しだけ直に対しての見方が変わった。

なんかいいヤツだなーっていうか、安心できるナっていう。

友達以上恋人未満っていう言葉がぴったりな気持ち。

一樹のことがあって傷ついていた私には、直が心の隙間を埋めていてくれていたのかもしれない。


お店も普通に行っていた。

連絡を取ってから初めてお店で会った時、直はちょっと照れくさそうに席についた。

直は会えてうれしいと言ってくれた。

レイにはもちろん、お店の中でバレるようなことは言えないから、親密そうだと思われるような内容の会話は避けて話していた。


連絡を取り合うようになって一週間、私はまだ友達のつもりで仲良くしていたけど直は違ったらしい。

電話で話しているとき、


直:「なぁ…俺お前のこと好きだわ。」


私:「いきなりどうしたの!?」


直:「いや、けっこう前から思ってたけど言えなかった。」


直:「レイさんのお客さんだし、まずいのは分かってる。でも好きなんだよ。」


私:「…私直のこと好きだけど、まだ付き会いたいとかそういう感情じゃないよ。」


直:「そういう気持ちって変わるものなの??」


私:「分からないけど…。」


直:「じゃあ亜紀が俺のこと好きになるようにがんばるから。」


私:「私は今のままでも楽しいよ?一緒にいて楽だし。」


直:「俺は嫌だ。本当は付き合いたい。」


私:「うん…。じゃあとりあえずは今のままで、仲良くしよ??それじゃダメかな?」


直:「分かった…。別にお店に行くなとかそんなこと絶対言わないから。」


私:「うん。」


それから直は外で会いたいと言うようになった。

でも私は悩んでいた。

外で会って直に好きだと言われても今の私にはその気持ちに答えてあげることはできないし、好きと言えば好きだけど、一樹に対しての好きとは違う。

今一歩踏み出せないところがあった。



また一つ悩みが増えてしまった…。

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一樹と最後の日

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12月6日。

その日私は仕事でけっこう飲まされていた。

いつものごとく飲んだ時の私はハイテンション。

酔っ払うと好きな人に会いに行きたくなるのはなぜだろう…。

どうしても会いたくなった。


綺羅に電話。

元からこの日は一樹のお店に行こうと話はしていたけれど迷っていた。

この間みたく雰囲気を悪くしたらそれこそ痛い客だと思われる。

怖かったけど、酔っている私は会いに行くことを決定。


私:「今から新宿向かうね。」


綺羅:「今日行くことにしたの?」


私:「うん。」


綺羅:「じゃあ付いたら連絡してね。」


この日、私は同じお店の女の子(愛美)をもう一人誘っていた。

誘っていたというより、彼女も歌舞伎町のホストクラブに行ってみたいと言うので一緒に行くことにした。


綺羅が先に歌舞伎町に着いたらしく、先にお店に行っているとのこと。

お店で合流することにした。


受付にて。


私:「新規の子がいるんですけど。」


内勤:「ご指名は一樹さんですよね?」


私:「はい。」


この日の会話はあまりよく覚えていない。

酔っていたからなのだけれど…。


でも一樹のテンションはいつも通りになっていて安心した。

席に案内されると、綺羅と智也が話している。


一樹:「ちょっとだけ待っててね。」


一旦その場を離れる一樹。


綺羅:「お疲れ。」


私:「お疲れぇ!遅くなってゴメンネ。」


智哉:「亜紀ちゃん来ること聞いてなかったからびっくりだよ~。」


綺羅:「うん。言ってないもん(笑)」


智哉:「お!友達??」


私:「うん。愛美だよ☆」


智哉:「初めまして。先に一杯やってまーす。」


私は愛美が真ん中になるように座った。

いつものようにボトルが来て割り物を聞かれる。

そのすぐ後くらいに一樹が戻ってきた。


一樹:「お疲れちゃーん!」


私:「お疲れちゃーん??」


それこの間要が言ってたような…。


一樹:「知らない??」


私:「知らないけど…。でもかなりかわいい☆」


私:「お疲れちゃーん♪」


一樹:「気に入ったの?」


私:「うん!」


要:「けっこう最近みんな使ってますよね。」


一樹:「もっと新しいのがあるよ!」


一樹は表情を作って、



一樹:「ええ~っ!?」


は??何のマネ?


私:「え?」


一樹:「これさぁ、サザエさんに出てくるマスオさんのマネなんだけど(笑)」


一樹:「ええ~っ!?」


私:「あはっは~!確かに言うね!」


一樹:「驚いた時に絶対言う。放映中毎週一回は言ってるかも。」


要:「それ代表がマネ始めたらみんなやり出したんスよね~(笑)」


私:「みんなで言ってたらしつこいかも(笑)」


みんなで話して盛り上がってたけど、愛美と綺羅が会うのは初めてなので大丈夫かなと少し心配した。


私:「愛美大丈夫??」


愛美:「何が?」


私:「あんまり気を使わないでね。」


愛美:「大丈夫だよ。」


淳:「愛美ちゃんていうんだ。よろしく!俺淳でーす。」


愛美:「あ、はい。」


淳:「そういえば、亜紀ちゃんはあれから元気になったの?」


私:「うん、まあなんとかね…。」


淳:「俺亜紀ちゃんが元気ないのとか嫌だからさ。」


私:「ありがと。」


この時席に付いていたのは、智哉、一樹、淳、要の4人。

愛美が新規のためか多めに付いている。

他にも時間で何人か付いていたけど、あまり印象に残ってない。


話しをしているうちに愛美は淳を気に入ったらしく、2人で盛り上がっていた。

なんだか淳を取られた気分だったけど愛美が気に入ってくれれば淳にとっても私にとっても都合がいいし、淳を応援したい気持ちだった。


その後はかなりな勢いでみんな飲んでいたために、私は合間合間の記憶がない。

話した内容とかもよく覚えていないし…。

でもすごく楽しかった気がする。

この間思った不安もこの時は考えずに楽しんでいた。




気づいたらだいぶ時間も経っていて、時刻は7時くらいだった気がする。

この日はなぜかラストソングが終わってからもカラオケの曲がなり響いて、ホストたちが歌っていた。

状況的にはスナックのような…。

席をはずしていた一樹が戻ってくるなり愚痴をこぼした。


一樹:「今日の店はありえないな。」


私:「どうしたの?怒ってる?」


機嫌が悪いらしく、ため息までついている。


一樹:「この店は仕事できない後輩が多すぎる。」


私:「なんで!?いきなりどうしたの?」


一樹:「ここは俺と智哉さんの席なのにヘルプも少ないし、おまけにカラオケなんて歌ってるし。うちの店はカラオケ禁止なんだよ。ラスソンしか歌わない決まりなの。なのになんで遊んでんだよ。」


私:「カラオケ禁止なんだ?それは分かるけど、ヘルプはちゃんとずっと付いてたよ?」


一樹:「付く人数が少ない。やる気あんのかよ。」


ヘルプの人数も関係あるんだって思った。

幹部の人のヘルプは多く付かなきゃいけないってこと?

見たことない一樹の不機嫌さに驚いていた。

仕事熱心なんだナって思ったけど。


しばらく2人で黙りこくって座っていると、突然一樹が言い出した。


一樹:「亜紀ちゃんごめん。」


私:「何?」


一樹:「俺、今日はもう帰るわ。」


私:「いいけど、勝手に帰って平気なの?」


一樹:「今俺はこの店にいたくない。こんなやる気のない奴ら見てるとイライラしてくるわ…。」


私:「うん。私は綺羅なんかと一緒に帰るから残るね。」


一樹:「うんごめん。」


私:「じゃあ今日は私が外までお見送りいたします(笑)」


一樹は席を立って出口に向かう。

私も一樹に付いて行く。

お店の外まで一緒に行って、タクシーに乗った一樹を見送った。

私はそのままお店にUターン。



席に戻ると綺羅と智哉が言い合いをしている。

酔っているのかそのケンカにおかまいなしで仲良く話している淳と愛美。

状況が全然読めずにボー立ちする私…。

一樹を送っている間に何があったっていうんだろう。


綺羅:「だからそういう問題じゃないでしょ!」


智哉:「何が!?お前の言ってることは意味が分からないよ。」


私:「綺羅!どうしたの!?」


綺羅:「智哉が意味の分からないこと言ってる。」


智哉:「はぁ??それはお前だろ!」


私:「何?」


智哉は私を見て、今度は私に文句を言った。


智哉:「お前もお前だよ!一樹が帰ったのになんで文句言わないんだよ。」


私:「え?だって帰りたいって言うから。」


智哉:「勝手に帰っていいわけねぇーだろ!」


私:「私が悪いって言うの??あんな不機嫌な状態でいられても逆に困るもん。」


智哉:「お客さんより先に帰っていいわけねぇーんだよ。」


私は豹変している智哉にびっくり…。

でも私も酔っていたからあまり話が分かってなかったのかも。


私:「私が帰っていいって言ったの。だからいいじゃない。」


智哉:「なら腕組んだりするな!」


よく覚えてなかったけど、私は酔っ払ってお店で一樹と腕を組んでいたらしい。

後で綺羅に聞いたけど。

でもずっと組んでいたわけじゃないと思う。

記憶にないくらいだから。

綺羅も別に迷惑かかるようなことはしていなかったって言ってたし。

でも綺羅も実際かなり酔ってたみたいだから確実ではないんだけど。


私:「腕くらいいいじゃん。」


私も酔っていたから売り言葉に買い言葉で、逆ギレ。


智哉:「お客さんはお前だけじゃねんだよ。他のお客にしめしがつかないだろ!」


私:「別に何も求めたりしてないじゃん。」


綺羅とケンカしていたはずなのに、私と智哉のケンカに摩り替わっていた。


私:「しかもさ、何で智哉がそんなこと言うわけ?担当じゃないじゃん。一樹に言われるならまだ分かるけど智哉は関係ないじゃん。」


智哉:「俺は一樹の上司なんだよ!後輩の心配して当たり前だろ。」


綺羅:「ってかなんでいきなり亜紀に逆ギレしてるわけ!?」


智哉:「お前はだまっとけよ!」


綺羅:「何でそんな言い方しかできないの!?」


私:「綺羅に当たることないじゃん。」


智哉:「当たってねぇよ!お前らがわけ分からないこと言ってるからだよ。」


3人とも酔っ払いで、今思えば何を言ってるのか分からない状況だった。

そもそも元のケンカの原因はなんだったのか…(笑)

でもこの時の言い合いはかなり激しかった。

いつもなら絶対あんなにキレることなんてないのに、お酒が入っていたせいか私もかなりムカついていた。

なんでいきなり暴言を吐かれなきゃいけないのかわけが分からないし。



散々言い合ったあと私はついに、


私:「もういい!!帰る。」


私は勢いよく立ち上がって、出口へ向かおうとする。

智哉が一瞬私の腕をつかんだけど、


私:「智哉なんて嫌い!」


腕を振り払ってお店を出た。

一人でお店を出て振り返ると綺羅と愛美が出てきた。

私は無言で歩き出す。

すると淳が追いかけてきた。


淳:「おい、ちょっと待てって。」


私:「ごめん。じゅん②もう2度と来ない。」


淳:「そんなこと今聞いてないだろ。とりあえず話聞くから。」


私:「ついて来ないでよ!」


淳に当たる私。

彼はちっとも悪くないのに…。

でもイライラがピーク状態できつく当たってしまった。


綺羅:「亜紀嫌がってるから。」


淳:「俺はこんな終わり方嫌なんだよ。一樹もいなくてこんなことになって。いいから止まれ。」


淳に言われるとどうしても止まるしかない。


私:「何??どんなこと言ったって私もうお店には行かないよ??話し合って何になるの?」


淳:「来る来ないの問題じゃないよ。とりあえずどっかに入って話そう。」


私:「嫌。帰る。」


淳:「いいから。な?落ち着けって。」


私:「…分かった。」




みんなで喫茶店へ向かう。

なぜか気づくと話したこともない新人らしいホストが一人。

なぜ彼がついて来たのか??

淳だけでは収まらないと思ったのかな?


あまり人のいない小さな喫茶店に入った。


淳:「何飲む??」


私:「いらない。」


愛美:「あ、ウーロン茶で。」


綺羅:「同じでいいよ。」


いらないと言った私の分も淳は頼んでくれた。


淳:「で…どうしてあそこまでの言い合いになったの??」


綺羅:「智哉がありえないよ。うちらは仮にもお客だよ?あんな言い方するなんて信じられない。」


淳:「うん。」


綺羅:「同じ接客業をしてる立場として許せない。私から暴言を吐いてケンカしたなら分かるけど、いきなり智哉がキレだしてさ。意味分からないよ。」


私:「あそこまで言われて、もう智哉の顔2度と見たくない。一樹とじゅん②には悪いけど絶対行きたくない。」


淳:「そっか…。一樹にさっきから電話してるんだけどつながらないんだよ。あいつ携帯置いて帰ったのかな??」


言われて私もかけてみるけどつながらない。

でも一樹にかけてなんの意味があるんだろって思った。

もう会いには行けないのに。

かければきっと説得される。

一樹には会いたいし、ちゃんと話したい。

でもそれ以上に智哉の行動に対しては許せなかった。

私たちが暴れたわけでもなく、罵声を言ったわけでもないのにどうしてあそこまで言われたのかが分からなかった。



結局話し合ったけど、私と綺羅の考えは変わらなかった。

ましてや当人の担当がどちらもいない。

ヘルプの人が心配して追いかけて来るなんていったいどうなってるんだろう。

これ以上話し合ってもムダだと思って淳に帰ると言った。

喫茶店を出た後もじゅん②はついて来る。

区役所通りまで出てきたところで、


私:「もう解散しよ?じゅん②ありがと。」


淳:「お前らこれからどうするんだよ。」


私:「飲み直すよ。」


何が一番悪いって、愛美に申し訳なかった。

せっかく来たのにこんなことになっていづらかったと思う。

だからレイのお店に連れて行ってあげようと思った。

こんな気分のまま帰りたくないし。


綺羅:「飲み直すの?レイのとこ?」


私:「うん。行こっか。愛美もこのままじゃつまんないでしょ?」


愛美:「あー。みんな行くなら行こうかな。」


綺羅:「薫に電話しよ。」



綺羅は薫に電話した後、


綺羅:「うん。まだやってるみたいだから行こ!」


私:「綺羅。先行ってなよ。後からすぐ行くから。」


綺羅:「早く来てね~☆」


と言って綺羅は先にレイのお店に向かった。

綺羅がいなくなった後、しばらく無言でその場にいる4人。


淳:「亜紀ちゃんも行くの?」


私:「うん、行く。じゅん②…。本当に迷惑かけてごめんなさい。」


淳:「それは全然いいよ。一樹のことにしてもお店側も悪いわけだし。」


私:「一樹にはじゅん②から言っておいてよ。」


淳:「今日絶対電話かけてくるはずだからちゃんと自分で話し合えって。」


私:「でももう行かないって決めたし、あんなケンカになった後で気まずいだけだよ。」


本当、話し合うって何を??

私は一樹になんて言えばいいの?

あのケンカって、くだらないことで揉めて言い合ってただけじゃん。

これ以上一樹と淳に迷惑はかけたくない。

こんな手間のかかる子なんて嫌われる…。


私:「じゃあ、もう行くね…。」


淳:「じゃあ俺も行く。」


私:「え??マジで言ってるの?」


淳:「マジだよ。」


私:「いいよ。愛美と2人で行くよ。綺羅待ってるし。」


淳:「行くって。お前がなんと言っても着いて行くよ。」


この人何考えてるんだろーって思ったけど、綺羅を先に行かせてしまってるから行かないわけには行かないし。


私:「分かった。でも同業は入れるか分からないよ?」


淳:「行くだけ行ってみよう。」





淳は新人の子を返して私と愛美に付いてきた。

レイになんて言おう…。

説明しづらい。

レイのお店に着いてカウンターまで来たところで、ちょうどレイが迎えに来ていた。

綺羅が言ったのかな??


私:「レイ…。」


レイ:「亜紀!久しぶりだね。」


レイは私の後ろに立っている淳を見て顔色を変えた。


レイ:「申し訳ないんですがこのお店は同業はお断りしているんです。」


淳はうなずいて軽く会釈した。


私:「そうなんだ。ごめん。」


そう言われて綺羅には悪いと思ったけど、ここまで来て淳だけに帰れとは言えなかった。


レイ:「帰るの??」


私:「うん。ちょっと帰れっていうのも悪いからさ。また近いうちに来るから。本当にゴメンネ。」


レイ:「分かった。」


外に出て駅に向かって歩く。


淳:「もう帰るの??」


私:「うん。もうはしごはあきらめました(笑)」


淳:「駅まで送ってやるよ。」



3人でブラブラ歩く。

私は淳に悪いと思っていた。

どうしてここまでしてくれるんだろうって。

さすがに愛美に気に入ってもらうためとは思えない。

なんだかんだ言って淳が一番私のことを考えてくれていたかも…。

でも今日の恩返しはもうきっとできない。

お店に行くのは簡単だけど、感情はそんなに簡単じゃない。



駅に着くまで淳はまたいろんな話をしてくれた。

愛美にも気を使いながら。

ふと一瞬だけど、どうしてこの人が初めて行ったときに付いてくれなかったんだろうとまで思ってしまった。

好きとかじゃないけど、考えてみればお客さんを置いていってしまう一樹より、懸命に追いかけてきてくれた淳のほうが全然人間味がある。

そんなことを思いながら歩いていた。


淳:「気をつけて帰れよ!」


私:「ありがと。」


愛美:「バイバーイ☆」




綺羅のいない2人の帰り道。


私:「せっかく遊びに来たのにごめんね。」


愛美:「全然平気だよ。でもさっきのお店に行きたいナ☆すっごく今どきって感じがしてさ。トランス流れてたし。」


私:「じゃあまた今度だね。」


愛美:「よろしくで~す。」




私は一樹を忘れる覚悟をしていた。

まだ本気になったわけじゃない。

間に合う…。


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一樹への想い…その②

テーマ:

2日後の12月3日。

仕事が終わるとまた綺羅から電話があった。


綺羅:「智也から営業来たよ~♪」


私:「そっか。どうする??」


綺羅:「亜紀は一樹に会いたいの?」


私:「会いたいよ。」


綺羅:「じゃあ行こっか!」


どうして綺羅が智也を指名することにしたかというと、ホストの世界には上下関係がそういうことを左右させるらしく、智哉以外からは連絡が無かったと言っていた。

3人気に入っていて連絡先も交換していたのに綺羅に連絡をしなかったというのは他の2人のホストが明らかに指名権を放棄したことになる。

智也は常務取締役だった。

他の2人は後輩なわけで、先輩に指名を譲ったんだと思った。

綺羅もそのことに気づいていたみたいだけど、智哉を気に入っていたし、わざわざ彼らの関係を複雑にすることもないだろうと、智也を指名することにしたんだと思う。


私は一樹に会いたいという気持ちとは別に、会いに行っても自分が辛いだけだという葛藤があった。

本気にはなれない…。

普通の出会いじゃない。

自分が同じ仕事をしているだけに、それは痛いほど分かっている…。

意思の弱い私。

レイも急に一週間以上会いに来ないのでどうしたんだと言ってくる。

口では綺羅に、もうレイなんていらないと言い放った。

これからは一樹に会いに行くと…。

でもレイに会いたくないわけじゃない。

あちこちでいい顔する自分がいて複雑だった。

遊びなんだからと言ってしまえばそれで終わるけれど、私はそんなに器用じゃなかった。


複雑な気持ちのまま何も考えていないフリをしてお店に行く。

その日は締め日の後だったためにお客さんが少なかった。

お店に入ると何人かのホストが入り口に一番近い席で携帯を触っている。

その中に一樹もいた。

私に気づいて、


一樹:「どうしたんだよ!?」


私:「おはよー。来ちゃったぁ♪」


一樹:「ちょっと席に先座ってて。」


この間と違ってテンションの低い一樹…。

何かあったのかな??

席に座ると智哉が来た。


智哉:「仕事だったんでしょ?お疲れ~。」


綺羅:「今日はかなり静かだね。やっぱり締め日後はお客さん少ないの?」


智哉:「まあ、今日はね。」


智哉:「何飲む??ジンロでいい?」


綺羅:「うん。」


智哉:「割り物は?」


綺羅:「緑茶。」


智哉:「亜紀ちゃんは?」


私:「同じで。」


内勤に頼む智哉。

ジンロと割り物が来て、タイミングよく一樹も着席。

みんなで乾杯。


智哉:「そう言えばさあ、この間社員旅行に行ってきてさあ、お土産まだ残ってるからあげるよ!」


綺羅:「何??」


智哉:「見れば分かる(笑)ちょい待ち!」


お土産を取りに席を立つ。


一樹:「あ!俺もあるんだよ。せっかくだから亜紀ちゃんにあげるね。」


智哉と入れ替わりで一樹が席を立った。


智哉:「これだよー。」


何やら小さいチャイナ服のような…。

赤いサテン生地のようなものでできていて人が着れるほど大きくない。

小型犬でも小さいんじゃないかと思うくらいミニなチャイナ服…。


綺羅:「犬用??でもないよね?何に使うの?」


智哉:「これはね、ボトル用のカバーなんだよ。」


と言ってジンロにチャイナ服を被せる。


綺羅:「あはは。ウケるんだけど。」


智哉:「ウケ狙いじゃないですから~!」


私:「うんジンロのボトルなんだけどかわいく見えるね☆」


智哉:「だろ??」


私のボトルには私が水生の白いペンで文字が書いてある。


KAZUKI AKI 本気と書いてマジと読む(笑)←その他いろいろ。


一樹:「たいした物じゃないんだけど…。」


一樹がくれたものは、木でできた置き物のような置き物!?

手描きだと思うけど、サルの絵が描いてある。


私:「かわいい☆ありがとう!」


一樹:「そんなんでごめんね。」


もらったけど、どこか心の奥ではえげつないことを考えていた。

お客さんのためにたくさん買ってきた中の一つでしょ!

そんなのくれたってうれしくない。

一樹の優しさを踏みにじっている自分…。

今思えばその時の気持ちって嫉妬だったのかも。


一樹は妙に元気がない。

私はつまらなかった。

この人ってこんなに無口な人だったかしら?

人にはテンションがあるからいつでも楽しくできるわけじゃない。

でも今日は本当にあまり口を利かない一樹。

好きだという気持ちがあるから、私と一緒にいてつまらなそうにされるのが嫌だったんだと思う。

レイに同じことされてもきっと不満には思わない。

今日はやる気がないのねって納得するだろう。

彼がヘルプやトイレに席を立つ度にイライラが増した。

性格の悪い私。

割り切れない自分。

幼い考え方だと分かっていても言ってしまったこの一言。


私:「今日はつまらない。」


一樹:「うん、俺つまらないヤツなんだよ実は。」


何肯定してるのよ!


私:「楽しませるのが仕事でしょ??何か話して。」


一樹:「俺もともとそんなに話さないしなぁ…。けっこう他の人が話すのに便乗してるし。」


私:「開き直りじゃん。」


言い方がどんどんきつくなる。

こんなこと言いたいんじゃないのに…。


一樹:「もうこのキャラでずっとやってきてるからなー。」


私:「……。」


そこで会話は終わった。

私はなんでこんなにイライラしているのかが分からずに綺羅と智哉の会話に加わる。

しばらく一樹から顔を背けていると、一樹は席を立った。

それを見て私は逃げたんだと思った。

他の指名客かヘルプかもしれないけど、今日のこのお客の数でそれはありえない。

でも今隣りにいられても話すこともない。

これ以上痛い客にはなりたくない。

私が口数少なく考え事をしていると心配した淳が席に付いてくれた。


淳:「亜紀ちゃんおはよ♪」


私:「じゅん②!!]


淳:「どうした?元気ないな。」


私:「今日はなんだかつまらなくて…。」


淳:「俺が付いたんだからつまらないとか言わせないぜぇ!」


私:「なんかじゅん②来ると安心するわ…。」


淳:「一樹と何かあった??」


私:「何も…。でも何もないからつまらない。」


淳:「はぁ?」


私:「じゅん②を信用して言ってもいいかな??一樹には絶対言わないでね。」


淳:「何?」


私:「ホストとしてじゃなく人として聞いてくれる?」


淳:「分かってるよ。」


私:「こういうことはお店ぐるみになるから心配なんだけど。」


淳:「本当に言わない。俺の中だけに閉まっとくよ。」


正直、淳に相談してもきっと一樹に言われてお店ぐるみで説得させられるんだろう。

分かっていたけど、お兄ちゃんみたいに接してくれる淳にはだまされてもいいと思った。


私:「私ね、一樹が気になる…。」


淳:「それは分かるよ。」


私:「一樹はホストだし、分かってるの。多くは望んではいけないって。」


私:「でも好きって気持ちはあるんだよね。ずっと会いに来れなかったのもそのせいなの。」


私:「一緒に来る子がいなかったっていうのもあるけど、あきらめようと思って来なかったのも本当。」


淳:「そっか。」


私:「一昨日来た時、今度は大阪行こうって言ってくれたんだ。うれしかったけど、他の子にも言ってるんだろうなって思ったらなんか辛くて。」


淳はほとんど何も言わなかった。

ただ話を聞いていてくれただけ。

きっと一樹を好きになって、傷ついた女の子を何人も見てきたんだろう…。

私もそのうちの一人。

もっと違うこと言われるかと思った。

一樹はきっと亜紀のこと気に入ってるよとか、他の子には遊びになんて誘わないよとか。

普通だったら、お客さんが担当を好きになったらハマらせるのに好都合なのに。

でも淳は否定も肯定もしなかった。

この人は本当に人として私の話を聞いてくれたんだって思った。

私が淳をホストだけど信頼したのはきっとそういうところなんだと思う。

本当はそれもテのうちだったのかもしれないけど、そう思わせないのは彼の人徳だろう。


淳:「俺はアドバイスらしいことは何も言ってあげられないけど、亜紀ちゃんのテンションをあげることならできる!!」


私:「どうやって??」


淳:「一緒に飲もうぜぃ!!」


私:「私、じゅん②と話せてよかったよ☆」


淳:「亜紀ちゃんのためならがんばるって!」


私:「ありがとう。」


この日お店に来てよかったと思った瞬間だった。

その後は淳と他のヘルプが加わって私と綺羅はけっこう飲まされた気がする。

帰る頃にはフラついていたような…。

一樹はずっと席に付かなかったわけじゃないけど、この日2人で会話することは無かった。

みんなで話していただけ。

むしろ私が2人で話す状況を避けていた気がする。



このもどかしい気持ちをどうしていいか分からずに、イライラは募って行くばかり…。

一樹への想い…

テーマ:

レイのお店に通い始めて一ヶ月が経とうとしていた時、綺羅が言い出した。


綺羅:「私、そろそろ薫に飽きてきた。」


私:「なんで!?」


綺羅:「だってお店行っても薫全然付かないし、ヘルプ付いてる時間が長すぎて疲れる…。」


私:「確かに…。何気にうちらもお店行って疲れてるよね(笑)」


綺羅:「亜紀はいいよね。いつもヘルプは直くん呼んでるから楽じゃん?」


私:「まあ…。でも必ず付いてくれるわけじゃないじゃん。綺羅はお気に入りのヘルプとかいないの?」


綺羅:「私もいると言えばいるけど、それでも疲れるよ。そろそろ新規開拓したいナ。」


私:「私はあちこち行くのあまり好きじゃないけど…。でも綺羅が退屈なのにレイのとこに行くのも嫌だし。新しいお店に行きたいなら付き合うよ。」


綺羅:「一樹くんのところは?結局あの日行こうとしててレイのとこ行っちゃったから、そのまま話が流れちゃったじゃん?」


私:「そうだね。じゃあ今度は一樹のところに行こっか。」


そうは言ったけど本当は一樹に会うのは怖くなっていた。

レイのお店に行っても私は充分楽しい。

一樹に会ってまた気持ちが戻った時のことを考えると辛い。

でも借りを返したいと思うのも本音だった。

怖い気持ちはあったけど、一樹のお店に行くことにした。




後日、綺羅と新宿で待ち合わせしてたけど、遅れるから先に行っててと言われて先に行くことに。

歌舞伎町へ向かってセントラル通りを歩いていると、またキャッチの山。

声をかけられるのが嫌だったから、早歩きで下を向きながら歩く…。


キャッチ:「あのー、すいません。」


そのままシカトしてぐんぐん歩く。


キャッチ:「○○○(レイのお店)ってお店なんですけど飲みに来ませんか??」


え??

レイのお店じゃん!と思って振り返った。

キャッチと目を合わせる私。


私:「なんだぁ(笑)」


直:「お前かよ!!(笑)」


2人で大爆笑!


私:「いやこっちのセリフだから(笑)今日はキャッチしてるんだ。」


直:「いつもしてるよ。この時間帯はお店にいるけど…。今日はヒマだからねー。」


直:「ってかお前めっちゃ早歩きだし、下向いてるから気づかなかったよ。」


私:「だってキャッチに絡まれるじゃん。今みたいに(笑)」


直:「でもかなりの確立だよなー。よりによってお前にキャッチするとは…。」


私:「今日はレイのとこには行かないんだ。」


直:「なんで??」


私:「綺羅がね、○○○飽きちゃったんだって。新しいとこ行きたいらしいよ?」


直:「そーなんだ。」


私:「そういえばあれからお客さんは増えたの??」


直:「ダメだなー。送りもらえても返ってこない。」


私:「私が初回の時に付いてくれてたら指名してあげたのに。」


直:「いや、でもレイさんには勝てないよ。」


私:「ヤツはプロだからねー。」


直:「でもマネしたいなって思う先輩は決まったよ。」


私:「よかったじゃん。その先輩目指してがんばりなよ。」


直:「おう!お前いいヤツだな。」


私:「まーねー♪偽善者ですから(笑)」


直:「いやマジで。いつも相談のってくれるし。」


私:「そうだっけ??でも私は直くんのヘルプが一番楽だよ。直くんいなかったら私も綺羅みたいに飽きちゃってたかも。」


直:「うん。じゃぁヘルプ専門で(笑)」


私:「あきらめるなしぃ!!」



そんな感じで先に一樹のお店に行くはずだったのに綺羅が来るまでずっと直と話していた。

直がちょっとサボりたいからここで話してたいって言ったからなんだけど。




綺羅と合流してお店に向かって歩く。

内心ちょっとドキドキ。

今日行くことは一樹に言っていない。

ずっと行っていなかったから連絡しづらかった。


綺羅:「新規開拓楽しみだぁ♪」


私:「綺羅にはレイのお店より楽しく感じるかもね。年も上の人がけっこういるし。」


久しぶりにお店に入る。

受付で一応確認。


私:「一樹くんは今日出勤してますか?」


内勤:「出勤してますよ。ご指名は一樹さんですか?」


はい。と言おうとした時、一樹が私の目の前を通った。

私に気づいて、


一樹:「おお!!超久しぶりじゃん☆すっかり連絡もないしどうしたのかと思ってたよ。」


久しぶりに見たけどやっぱりかっこいい!

また惚れてしまいそう…。


私:「来るのが遅くなってごめんね。」


一樹:「席に案内するよ。」


お店に入ると大混雑。

こんなに混んでるのは初めて見た。


私:「今日はすごく混んでるね。」


一樹:「うん。まー今日は締め日だからね。」


私:「そっか!今日は締め日だ。」


締め日だと分かってたら違う日に来たのに…。

久しぶりに来て締め日だとちょっと気まずい。

なんか忙しいのに迷惑な客みたいじゃん。

太客ばっかり来る日なのに申し訳なく思った。

でも隣を見ると綺羅はうれしそうなので安心した。


一樹:「今日はニューフェイスがいるねぇ。」


私:「そ♪最近仲いいんだよ。彼氏かよ!ってくらい会ってる(笑)」


一樹:「名前は~??」


綺羅:「綺羅だよ。」


一樹:「綺羅ちゃんね。亜紀ちゃん元気だった??」


私:「うん☆かなり音沙汰だったから忘れてるかと思ってた。」


一樹:「んなわけないじゃん!元気そうで何より。」


私:「本当はね、今月の3日に来ようと思ってて新宿まで来たんだけど、祝日はこのお店お休みじゃん。祝日なこと忘れててさぁ。サザエさんみたいだったよ(涙)」


一樹:「あはは。相変わらずおドジさんでかわいいねぇ。」


ダメだぁ…やっぱりドキドキしてしまう。

レイの時は手を握られてもなんとも思わないのに。


一樹:「綺羅ちゃん男メニュー見る??」


綺羅:「うん。見たい!」


内勤に頼む一樹。

綺羅は男メニューをもらって見始めた。


綺羅:「へぇ。かっこいい人多いねー。」


一樹:「うちは俺を筆頭にイケメン多いよぉ(笑)」


私:「あは…。」


一樹:「あは…って(笑)」


急に店内を見回した一樹は、


一樹:「ごめんね、俺ちょっと行ってくるわ。」


と言って行ってしまった。


綺羅の席には何人かのホストが交代で付いていた。

このお店は基本的にヘルプでも接客がうまいので退屈はしない。

レイのお店は売れっ子と売れっ子じゃないホストの接客レベルの差が激しすぎて疲れる。

綺羅が行きたくなくなる理由も分かる気がする…。


やっぱり締め日だから一樹は忙しいらしくてあまり席にいなかった。

シャンパンコールも連チャンで行われていた。

それでも私の席にはヘルプが2人も付いてくれていた。

混んでいるのになんだか申し訳ない気分。


一樹がいない間、要というホストが付いた。

彼は身長も高く、街を歩いていたら女の子が振り返って見直しそうなほどかっこいい。

癒し系の顔で、俳優にいそうな感じだ。


要:「おじゃましまーす。要ですどうもー。」


私:「わぁイケメン登場だ。」


綺羅:「うん。かっこいい。」


私:「前私が来てた時はいなかったよね?」


要:「まだ始めて3ヶ月くらいです。」


私:「だからかぁ。でも始めて3ヶ月には見えないんだけど。」


綺羅:「なんかオーラがあるよね。」


要:「そんなにおだてても何も…出しますけどー。」


私:「なになに??」


要:「モノマネ。まずは福山雅晴のマネね。」


表情を作る要。



要:「小雪っ!」


私&綺羅:「似てるしぃ!(笑)」


要:「次は志村けんね。」


また表情を作る要。



要:「ようこさん、めしゃーまだかい?」


私&綺羅:「あはは。似てる似てるぅ!」


私:「マジうまいんだけど☆」


綺羅:「要くんおもしろいねー。」


要:「ありがとちゃーん!」


私:「ありがとちゃーん??」


要:「知らないの??インスタントジョンソンのネタだよ。」


私:「知らない。でもそれいいね。ありがとちゃーん!て。」


みんなで盛り上がってたけどお店に着いた時から気になってることがあった。

淳のことだ。

プール以来だしちゃんとお礼も言いたい。


私:「ね、じゅん②と話したいんだけど…。忙しいかな??」


要:「いやたぶんそろそろ付くと思うよ?淳さんと仲いいの??」


私:「うん。来るとかまってもらってる(笑)」


要:「今呼ぶからもうちょっと待っててね。」



10分後くらいに淳が来た。


淳:「亜紀ちゃんじゃーん!」


私:「来るのが遅くてごめんね。じゅん②は綺羅と私の間に座ってよ!」


私のわがままに応えて隣りに座る淳。


淳:「あのプール以来顔見せないから心配しちゃったよ!どっか遠くにでも行ったのかと思った(笑)」


私:「ずっと気になってたんだけど、なかなか来れなくて。今日は恩返しをしに来ました。」


淳:「俺もすげー楽しかったし、またみんなで行きたいよな。」


要:「一緒にプール行ったんすか?」


淳:「そうなんだよ。一樹なんかとみんなで。」


淳:「あん時はこいつをプールにぶち込んでさぁ。化粧全部落ちてすっぴんだったよな(笑)」


私:「もうしょうがないと思ってあきらめたんだよ。」


淳:「亜紀ちゃん最後まですっぴんだったよなー(笑)」


私は淳に耳打ちした。


私:「今日は枝(指名しているお客さんの新規の連れのこと)連れてきたからうまくアピってよ(笑)」


淳:「コラコラ…枝って(笑)」


私:「だってじゅん②に指名を勝ち取ってほしいんだもん。」


淳:「まあ一樹指名の子だから俺も一緒に指名になったら楽しいだろうけど…。こればっかりは彼女が決めることだしな。」


私:「そうだね…。」


淳:「友達は名前なんていうの?」


綺羅:「綺羅。噂のじゅん②でしょ??」


淳:「亜紀ちゃん情報!?何言われてんだろーな(笑)」


綺羅:「すごく優しくていい男だって!」


私:「うん。」


淳:「亜紀ちゃん分かってるね~♪よし久しぶりに会えたから今日は飲もうぜ!」


それから淳と綺羅で話していたり、いっきコールなんかもしてかなり楽しかった。




みんなで盛り上がっていると要と交代でまた新しいホスト(智哉)が来た。

長髪で、いかにもホストですって感じのしない大人な人だ。

本当に仕事ができる人は格好が質素な人が多い。

彼もその一人。


智哉:「おお!盛り上がってるねー!この席は。」


ヘルプ席はいっぱいのため、綺羅の隣りに座る。


智哉:「飲んでるのかー!?飲んでないなら俺が飲ませる!」


綺羅:「テンション高いんだけど(笑)」


私:「ああ!!智哉さんでしょ!?」


智哉:「なんだ?俺を見たことあるのかぁ?俺は知らないのに気持ち悪いですからぁ~!」


手振りをしながら目を見開いて私に物申した。


私:「あはは。いやウワサとかで(笑)」


前に一樹のお店のスレをを見た時、1位2位を争うすごさで叩かれていた人だ。

どんな人か気になってて、目の前に来たから思わず言ってしまった。


智哉:「どうせホスラブとかだろ??あんなの信じるのは信者ですから。」


私:「いや信じてるわけじゃないんだけど、ネタとかがおもしろかったから(笑)」


智哉:「あれは笑い事じゃなくうっとおしい。」


私:「それだけ人気があるってことだよ。」


綺羅:「人気あるの??」


智哉:「それは昔の話ですからぁ。今は落ちこぼれた(笑)最近は悲しいことにナンバーにも入っていない落ちぶれホストです。」


智哉:「って俺に何言わせるんだよ!俺の格が下がって印象悪くなっちゃっただろー(笑)俺は確かにもう年だけどまだホストでいる気満々ですから~(笑)」


綺羅:「しゃべりすぎ(笑)早口だし。」



とにかく智哉はテンションが高くておもしろい。

真面目な話もするけど、とりあえず私と綺羅が話す隙もないほどにしゃべり続ける(笑)

綺羅と私は智哉のワンマントークショーに大爆笑していた。

智哉と入れ違いでようやく一樹ご帰還。


智哉:「シャンパンの時また呼んでねー。」


一樹:「ただいまぁ。全然付けなくてごめんね。バタバタしちゃってさ。」


テンションの高い一樹。

またかわいいキャラになってるし(笑)

隣りに座るなり私に肩を組む。

またドキドキ度アップしちゃうってばぁ!!


私:「ううん。忙しい日に来ちゃってごめん。別の日にすればよかたtね。」


一樹:「いいよー。だってまたお店休みの日とかに来ちゃいそうじゃん(笑)」


私:「あはは…。」


一樹:「そろそろシャンパンコール亜紀ちゃんの番だから待っててね~。」


私:「うん。」


…そうなんです。

私シャンパン入れてしまったんです。

締め日なのにシャンパン入れないなんてなんだか申し訳なくなってきて、一樹がいない間に綺羅と相談して入れることにしたんです。

シャンパン一度入れてみたかったのもあるし、どうせ入れるなら一樹のために初シャンパン入れようと思った。

ずっと来てなかったのも負い目に感じていたし。


一樹:「いやー今日も飲まされたね。ムダにシャンパンばっかり…。」


私:「締め日だからしょうがないよ。」


うう…またムダにシャンパン飲まなきゃいけない状況を作ってしまった私って(涙)

ごめんなさい。


一樹:「亜紀ちゃんさ、今度は大阪行かない??」


私:「大阪??」


一樹:「うん。俺大阪行きたいんだよね。」


私:「日帰り?遠くない?大丈夫なの?」


一樹:「いや泊まりでもいいんだけどね。」


私:「日帰りでいいよ。何か目的でもあるの?」


一樹:「お好み焼き食べたいね~♪」


私:「そんな理由!?(笑)」


一樹:「いいじゃん。大阪の町をブラブラすれば。」


大阪はずいぶん遠くない?

またどこかに連れて行ってもらえるのはうれしいけど。

でもいつって言われたわけじゃないしナ…。

あんまり期待するのはやめとこう。


一樹:「お!きたきた。そういえばシャンパン飲む人誰呼ぶ??」


私:「綺羅、じゅん②じゃダメ??」


綺羅:「智哉が呼んでって言ってたけど…まいっか(笑)淳くんでいいでーす!」


綺羅はすでに酔っているらしくかなりご機嫌☆


ぞろぞろとホストが集まってきて私と綺羅の席はホストで囲まれた。

マイクを持った人登場。


マイクホスト:「はい!気を引き締めていきましょー!!」


マイクホスト:「………えーあー亜紀ちゃんから一樹さんにシャンパンいただきましたぁ!」


マイクホスト:「あーざーーすっ!!」


マイクホスト:「……。」


マイクをやってからまだ間もないホストらしくセリフにつまっている(笑)

それを見かねた一樹はマイクを取り上げた。


一樹:「もういい!俺がやる。」


マイク一樹:「俺のシャンパンなのに俺がマイクってどういうことだぁ!?」


マイク一樹:「亜紀ちゃんありがとう☆」


マイク一樹:「素敵な!」


ホストたち:「素敵な!」


マイク一樹:「シャンパン!」


ホストたち:「シャンパン!」


マイク一樹:「ありがと!」


ホストたち:「ありがと!」


マイク一樹:「亜紀ちゃん絶対いい女」


ホストたち:「亜紀ちゃん絶対いい女」


マイク一樹:「そんな今の気持ちを一言。」


私にマイクが向けられる…。

すっごく恥ずかしい!!

適当に、


私:「○○○(一樹のお店の名前)日本一!!」


マイク一樹:「○○○日本一いただいちゃいましたー!!」


その後も長々とコールがあったのだけれどはずかしくて聞いてなかった。

いつの間にかシャンパンが開いてみんなで乾杯。


飲み終わった後もコールをやってくれた。

初のシャンパンコールにかなり感動した私。

恥ずかしかったけど…。

でも初シャンパンが一樹でよかった。



一樹のお店は締め日好例のシャンパン合戦があるらしく、一般のお客さんは営業終了時間で帰してしまうらしい。

太客のみで行われるシャンパン合戦は壮絶なものだとか。

一樹はそのシャンパン合戦を嫌がっていたけど。



送りの時、綺羅は3人気に入った人がいるからと言って3人送りを呼んだ。

智哉、淳、要の3人(笑)

彼女いわく、3人の中で一番営業をかけてくれた人を指名するらしい。


ビルの前の道路にて、5人で立ち話。


一樹:「今日はありがとね~。」


私:「うん。ごちそう様☆」


そう言った後、後ろから「ぎゅう」ってしてくれた。

私マジで心臓バクバク。


一樹:「もうこの子かわいいから~☆」


智哉:「おお!ラブラブだねー!!こっちはもっとすごいから~!」


すると智也はいきなり綺羅をお姫様抱っこした。


綺羅:「きゃぁ!やめてよぉ。恥ずかしいじゃん(泣)」


パン!!

淳がふざけて無防備にされた綺羅のお尻を叩いた。


綺羅:「もう最悪だよー!」


淳:「綺羅ちゃんパンツ見えてるから(笑)」


要:「おいおい…。いくらなんでもそこまでサービスしろって言ってないって(笑)」


智哉:「サービス!?勘違い。汚いパンツだから!」


綺羅:「下ろしてぇ(笑)」


でもなぜか大爆笑の綺羅。

その光景をみて私と一樹も大爆笑。


私:「あは、仮にも綺羅はお客さんだから~(笑)扱いウケるしぃ!」


智哉:「あなたたちみたいな人はお客さんにもなれませんからぁ~!!」


私&綺羅:「あははは。」


一樹とバイバイするとき、私から一度ぎゅって抱きついちゃった。

後ろからだけど。

一樹が酔ってるから今日は特別☆


私:「ありがと。またね。」


一樹:「気を付けて帰るんだよー。帰ったらメールしてね。」


私:「うん。」




はあ…また好きになっちゃったよ。