昔、「ディープインパクトは右手前で「飛ぶ」」
と言う事を自分で書いた記憶があって、

過去の記事を調べていたら、ディープインパクトは

「ディーインパクトのデビュー戦からJCまで、レースビデオを分析してみると、右手前の方が迫力ある走りをしている。また右手前で走りたがる感じが見受けられる。ディープの助手の方も右手前の方が力のある走りをするとコメントしている。」

さらに

「中山、阪神、京都のコースは右回りで直線は左手前になる。彼は右手前よりは得意ではないが、左手前でも、他の馬と比べたら、やはり速い。しかし右回りの場合、相手を圧倒するような走りは、直線ではなく、実はコーナーで見せている。彼は最後方から、最後のコーナーで信じられないほどの速さであがってごぼう抜きをして見せる、そして直線入り口ではすでに、2、3番手内にいるので、その後あっというまに先頭に立って勝っている。右手前が使えるコーナーで「飛んで」から余力で左手前に替えて直線で突き放す感じだ。

そこで、昨年の有馬記念の中山コースで敗れた時の彼の走りは、いつもの右回りで見せているコーナーでの積極的なごぼう抜きを見せず、直線でスパートをかけたため、左手前の走りでは、「飛ぶ」ことができず、ハーツクライに敗れてしまった。おそらく、菊花賞からの疲れもあったと思うが、もう少し、コーナーで得意の走りが出来ていればと考えられるレースだった。」

と自分で書いていた。2006年だから11年も前の記事だ。

そして今回ディープインパクトの娘であるファンディーナの
皐月賞のビデオを良く見てみたら、コーナーでは右手前、
最終コーナーを過ぎて先頭に躍り出る瞬発力を見せた時も右手前だった。
しかし、坂道に上がる時に左手前にしたとたん失速しはじめた。

彼女は父親同様、左手前が弱点だったのかもしれない。

武豊騎手はディープ産駒の特徴を良く知っていたため、
皐月賞のコーナーでファンディーナの外を封じて
右手前でマクルというディープ産駒の武器を封じた可能性が高い。
皐月賞前の取材に武騎手は
「外から被せたらどうなりますかね。」
とコメントをしたそうだ。

中山急坂での左手前がブレーキになったのも
ファンディーナ敗因の一つかもしれない。


*利き脚について
馬は利き脚によって左右どちらかの脚を先行させる体勢で走る。
コーナーでは、右回りなら右手前、左回りなら左手前で走らなければならない。もし逆の手前で走ろうとすると、コーナーを回りきれず、外へ膨らんでしまう。
直線で手前を替えるのは、同じ脚ばかりに負担がかかると疲労してしまうので、馬自身が替えたり、騎手の騎乗技術で替えることもある。どちらかの利き脚が強い馬の場合、手前を替えたとたんに脚色がよくなるのはこのためだ。