厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会」(座長=永井良三・東大大学院医学研究科教授)は3月19日、第11回会合を開き、委員から集約した意見や関係者からのヒアリングを基に、最終的な報告書案「チーム医療推進について(案)」を取りまとめた。報告書案には、保健師助産師看護師法(保助看法)にのっとったこれまでの看護師業務を拡大し、チーム医療を推進するキーパーソンとして医師の「包括的指示」の下、一定の医行為を行う「特定看護師」(仮称)を創設することが盛り込まれた。特定看護師の養成に必要な教育と評価のあり方、実際に想定される医行為の例なども示されている。ただ、医療安全の確保の観点から法制化する必要があるかどうかについては、委員の間で最後まで意見が分かれた。

 会合では、前回出された素案を基に、最終的な取りまとめに向けた議論が交わされた。報告書案では、特定看護師の扱いについて、「当面、現行の保助看法の下において、医療の安全の確保に十分留意しながら特定の医行為を実施することを原則とする内容の試行を行うことが適当」とし、試行の結果を検証した上で「法制化を視野に入れた具体的な措置を講じるべき」としている。
 これについて、検討会メンバーの羽生田俊氏(日本医師会常任理事)が意見書を提出して反論。「法制化によって、特定の医行為が特定看護師の業務独占となった場合、むしろ看護師の業務縮小であり、看護師で対応している地域のチーム医療は崩壊する」として異議を唱えた。これに対して山本隆司氏(東大大学院法学政治学研究科教授)が、「医療の安全を考える上でも法制化は必要」と指摘。また、他の委員からも「まずは現場の実態調査を」「試行でできるだけエビデンスを得た上で、法制化を検討してみては」などといった意見が出され、法制化については最後まで意見が分かれた。

■看護師の「医行為」実態調査へ

 こうした議論を踏まえて、厚労省の事務局が文言の修正を行い、最終的な報告書としてまとめる。また、来年度の早い段階で、特定看護師が行う業務の範囲や要件などについて話し合う検討会を設置するとともに、現行法でグレーゾーンとなっている看護師の「医行為」に関する実態調査を行う方針だ。


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