ミズナラやコナラなどブナ科の木が枯れる「ナラ枯れ」の原因となる甲虫(こうちゅう)を駆除するため、天敵の「線虫(せんちゅう)」を樹木に注入する対策が効果的なことを岐阜県森林研究所が実証した。実験の結果、甲虫は30分の1まで減少。化学農薬を注入する従来の対策に比べコストは3分の1で、環境への影響も抑えられるという。全国に広がるナラ枯れを食い止める有効な対策として注目を集めそうだ。【山盛均】

 ナラ枯れは、カシノナガキクイムシ(略称カシナガ)という体長約4ミリの甲虫が、幹に穴を開け入り込む時に持ち込むカビの一種「ラファエレア菌」が原因になる。菌が樹木の組織を壊し、水を吸い上げられなくなって枯れてしまう病気だ。

 同研究所によると、90年代に全国に被害が広がり、09年時点で26府県で確認されている。岐阜県では96年に最初に確認、09年には42市町村中30市町村で被害が確認された。

 幹に穴を開け薬液を注入したり、ビニールシートで幹を覆って虫を遮断する防除法があるが、コストがかかるうえ、十分な効果は得られなかった。

 同研究所は、甲虫の体内に入り込んで殺す線虫に着目。果樹の害虫駆除用の生物農薬として商品化されている体長0.3~0.5ミリの「スタイナーネマ線虫」を水に溶かして樹木に注入すると、カシナガの幼虫を自分で探し出して取り付き、殺すことが分かった。

 08~09年の実験では、何もしない木からは5カ月で約3000匹のカシナガが確認されたが、線虫を注入した木からは約100匹しか見つからなかった。実験結果は、4月に茨城県つくば市で開かれた日本森林学会で発表した。

 同研究所の大橋章博・主任専門研究員は「データの収集を続け、来年には実用化にこぎつけたい」と話している。

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