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April 30, 2005 07:39:27

Hedda Gabler

テーマ:critique

Theatre BebelによるイプセンのHedda Gablerを観劇。
劇を簡単に説明すると、満足できない結婚生活を送る、気位の高い女ヘッダのもとに、ある日昔の女友達と昔心を寄せ合っていた男が現れる。二人は共に著作活動をしているのだという。ヘッダは嫉妬し、男をまた自分の支配化に置きたいと思う。けれどある日男は酒に酔って原稿をなくし、世に醜態をさらしたことで、行き場を失う。傷心の男にヘッダは自分の所有する対のピストルの一つを手渡し、「どうぞ最後は美しく」と言う。そして男は森の中で発見される。しかし、女友達が原稿の写しを持っており、同じく著作活動をしていたヘッダの夫と共に、原稿の編纂をはじめる。それまで夫をばかにしていたヘッダは行き場を失い、残りのピストルで自殺する。という話。
イプセンはこの『Hedda Gabler』によって世に初めてリアリズム演劇を紹介した。解説によれば、当時はその手法がモラルに反するとして大ブーイングにあったのだとか。「この演劇が、批判に耐えて生き延びたのは、一重に熱烈な一群のファンのおかげだ」と解説は続ける。そのファンの多くが、当時、ロシア社会に生まれつつあったインテリゲンチアだったのだと言う。ちなみにイプセンはノルウェー人。でもノルウェーの小さな社会のつきあいに耐えられなかったイプセンは、外国、特にイタリアとドイツに長く住んでいた。でも評価したのは主にロシア人。ヨーロッパの文化を育む土台は、小さな島国ではとても太刀打ちできない、広さと深さを持っている気がする。(当時のヨーロッパについてよく知っていれば、もっと面白いんだろうなあ…。)それにしても、イプセンは当時ヨーロッパが突進していた「近代」を批判したのだ。よく生き延びたなあ。
そしてもちろん、イプセンの批判は現代の社会にも強く響いてくる。特に、ヘッダが執拗に死の醜悪さを恐れ(現に夫の親類が死の床にある時も「死や病は醜悪だからみたくない」という理由で見舞いに行かない)男が自殺を試みたと聞いて、「素晴らしいわ。この世にそんな勇気のある美しいことのできる人がいるってことが!」と言うのだけれど、実は男は自殺に失敗し病院で苦しんでいる、というくだりは印象的だ。ヘッダにこの事実が告げられる時の、「夢から覚めろ」という台詞。これは、全てに秩序と美しさを求める近代への強い批判であるようにも感じられた。現実は「近代」という枠には収まらない。その代表例はたしかに人の死であり、命だと思う。この問題は今本当に重い。イースターにジョン・ポール二世が最後の力を振り絞ってお祝いの言葉を述べた時、「あんな姿で出てこないで欲しい」と思った人が結構いたそうだ。そんな、自分も含めた現代人の姿と、気位が高く、生活に満足できず、人を妬み、陰謀を働き、結果自らの首をしめることになったヘッダが、死の醜悪さを恐れる姿が重なる。

April 29, 2005 00:58:54

Oh No

テーマ:短歌

言の葉が 行ったり来たり してる間に

新緑風に ゆれる季節に

April 22, 2005 18:35:29

しいのみ学園

テーマ:perspective
しいのみ学園とは、1954年に、当時福岡学芸大(現福岡教育大)の教授だった昇地さんが、小児脳性麻痺で、知的身体的障害を持った自分の子ども達二人のために、私財を投じて作った、知的障害児のための療育施設である。モットーは、「子どもは叱らず、自分に厳しく」。療育という考え方がなかった開設当時は、知的障害児を教育するという考え方に、自治体の理解を得られず援助が受けられなくなった時もあった。でもめげずに、世界の療育法を原著から研究し実践し続けた。昇地さんは現在100歳。依頼をうけて、韓国と中国の大学でも、特殊教育論を教えている。また、国際協力機構の草の根技術協力事業の一環としてはじまった、中国での特殊学級の設立支援事業にも日本側代表として携わり、去年10月、長春市内の小学校に中国ではじめて特殊学級が開設された。中国全土に特殊学級が広がるまで活動を続けると言う。壮大な夢である…。特殊学級や養護施設には問題もあるだろう。でも、知的障害者は学べないという偏見をうちやぶって、学ぶ場を提供したということの意味は大きい。それは「人間は合理的でなくてはいけない」、という思想に基づいている近代社会において、最も弱い立場にある知的障害者に、生きる場を提供したに等しいとさえ思う。これもちょっと壮大すぎる考えかもしれないけれども。
April 21, 2005 23:38:39

[英]シャーロッテ・ケース第二回判決

テーマ:news

[英]シャーロッテ・ケース第二回判決
シャーロッテ・ウィアットちゃんの延命措置について、延命措置はしないという第二回目の判決が下った。シャーロッテちゃんは、2003年、予定日より3ヶ月早く、脳や肺に重度の損傷をうけて生まれた。去年10月、1歳の誕生日を前に、一度、延命措置をしないという病院側の判断は妥当という判決が出されたが、これを不服として、両親が再審を申し出ていた。冬を越さないと思われていたシャーロッテちゃんだが、予想を裏切って18ヶ月目を迎えている。今後の成長も予想ができないため、判決は、再検討の可能性も残すことを示している。


2005年の記事(BBC)
2004年の記事

April 19, 2005 07:53:46

詩篇30:5 

テーマ:diary

夕暮れには涙が宿っても、朝明けには喜びの叫びがある。

Weeping may stay for the night, but joy comes in the morning.

                                                  

April 19, 2005 07:44:16

Sunday Crafts

テーマ:living

今週の実り その1

Pear Cake Pear Cake

 

今週の実り その2

English Muffin English Muffin

April 19, 2005 07:40:04

The One World Health

テーマ:news

第三世界に属する地域に特有の病気のための医薬品の開発を目的として設立された、The Institute for One World Healthが、この度はじめての大規模な治験結果を、イタリアで行われた第三世界会議で発表した。治験の対象となったのは、Leishmaniasisという、蝿を媒介する感染症で、その最も危険な形態が、年間20万人の命を奪っている。発表によるとparomomycinという抗生物質が有効であることがわかった。この研究結果もさることながら、興味深いのは、やはりthe Institute of One World Healthという団体である。これは、医薬品開発を目的とする世界ではじめての非営利団体で、Victorica Haleによって2000年にアメリカに設立された。活動は諸団体からの助成金で賄われている。2002年にはかのビル・ゲイツファンデーションからも助成を受けている。病気の90%が第三世界にあるといわれる中、営利を目的とする医薬品会社は、先進国の病気の治療にのみ力を注いでいる。Dr. Haleの活動は、医療の世界にある不平等に一石を投じる。

 

The Economist

April 11, 2005 21:38:18

Home Bakery Bread

テーマ:living

日曜日、久しぶりにパンを焼く。

幸せなひと時。

 Bread 10April05

April 11, 2005 08:27:56

怒る人

テーマ:diary

先日、オックスフォードへお買い物に言ったときのこと。気に入った本も手に入り、おいしいレストランで食事もし、ルンルン気分で道を渡っていたら、突然、「危ない!」と相棒が叫んだ。

はっとして立ち止まると、自転車が私の調度目の前で止まっていた。

―ぶつかるところだったのか。

と、思ったものの、危険を全く感知していなかった私は、そのままぼんやりと立ち去ろうとした。

その時!

すでに、止まった場所から一メートルほど漕ぎ出していた自転車がはたと止まって、乗っていた男が突然、ものすごい声で怒鳴り始めた。はじめは、まさか自分に向かって怒鳴っているとは思わなかったのだけれど、やっぱり怒りは私に向けられていた。その人の後ろで自転車を漕いでいた女の人が、「道を渡ろうとしていただけじゃないの」と、なだめてくれたのだけれど、私はわけがわからなくなっていたので、そのまま立ち去ってしまった。

見ず知らずの人に、あんなことを言われたのは生まれて初めてだった。

あまりに危険過ぎて、びっくりしたことが、思わず怒りになって出てしまったのだろうかと思ったけれど、やっぱり、普通なら、あんなにのどを枯らして、怒鳴るような場面ではないだろうと思った。

彼は明らかに、私ではない何かに、はじめから怒っていた。

そこに、運悪く、私がぼんやりと通りかかって、怒りを爆発させるきっかけを与えてしまったのだろうと、というのが、最終的に行き着いた答えだった。

傷ついたし、腹も立ったけれど、彼の怒りの原因は私以外にあるのだとしか思えなかったので、ちょっとその人が、かわいそうになった。

この気持ちのいい青空の下、あんな気持ちで、生きているのか…。

 

例え、こちらが原因を与えていたとしても、やっぱり理不尽だと思えるような形で、怒りの対象となることが時々ある。傷つくし、腹も立つ。いつか仕返ししてやる、と思うときだってある。

でも、ふと、この人はどうしてこんなに怒っているのか、と考えてみると、怒る人がなんだかかわいそうになってくる場合が多い。

例えば、今中国の人たちがなぜあんなに怒っているのか考えてみれば、中国社会の急激な変化や、広がる貧富の格差など、彼らの苦しい状況が垣間見える。彼らはThe Economistでレポートされていたような、情報規制社会の中の「声なき多数者」なのだ。

国際社会には、彼らの怒りを単なる「過剰な愛国心」として片付けるのでなく、経済成長の歪として理解し、解決の道を探って欲しい。難しいけれど、まず日本に、その一歩を踏み出して欲しい。

心からそう願わずにはいられない。

ブログには政治的なことは書かないようにしようと思っていたのだけれど、あまりに悲しい出来事なので、祈るつもりで書きました。

 

 

April 07, 2005 21:19:01

雨のち晴れ

テーマ:短歌

雨ふれば 春霞の空 また晴れて

ひつじ雲にも 夕焼けの色

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