山下達郎がついに全国ツアーを行うようです。
日程は以下の通り。

2008年
12月5日 (金) 厚木市文化会館
12月9日 (火) 島根県民会館
12月11日 (木) 広島ALSOKホール
12月12日 (金) 広島ALSOKホール
12月18日 (木) 大阪 フェスティバルホール
12月19日 (金) 大阪 フェスティバルホール
12月22日 (月) 宇都宮市文化会館
12月27日 (土) 大阪 フェスティバルホール
12月28日 (日) 大阪 フェスティバルホール

2009年
1月11日 (日) 長崎ブリックホール
1月13日 (火) 福岡 サンパレスホール
1月14日 (水) 福岡 サンパレスホール
1月17日 (土) 高松 アルファあなぶき・大ホール
1月18日 (日) ふくやま芸術文化ホール
1月21日 (水) 鹿児島市民文化第一ホール
1月22日 (木) 鹿児島市民文化第一ホール
1月27日 (火) 岩手県民会館
1月28日 (水) 青森市文化会館
1月31日 (土) 東京 NHKホール

2月1日 (日) 東京 NHKホール
2月5日 (木) 富山オーバードホール
2月6日 (金) 石川厚生年金会館
2月10日 (火) 新潟県民会館
2月11日 (祝・水) 新潟県民会館
2月16日 (月) 宮崎市民文化ホール
2月17日 (火) 熊本 崇城大学市民ホール
2月21日 (土) 名古屋センチュリーホール
2月22日 (日) 名古屋センチュリーホール
2月28日 (土) 東京 NHKホール

3月1日 (日) 東京 NHKホール
3月5日 (木) 神戸国際会館こくさいホール
3月6日 (金) 神戸国際会館こくさいホール
3月13日 (金) 秋田県民会館
3月14日 (土) 八戸市公会堂
3月20日 (祝・金) 長野県民文化会館
3月21日 (土) 大宮ソニックシティ
3月27日 (金) 群馬県民会館

4月3日 (金) 仙台 東京エレクトロンホール宮城
4月4日 (土) 仙台 東京エレクトロンホール宮城
4月9日 (木) アクトシティ浜松
4月12日 (日) 静岡市民文化会館ホール
4月16日 (木) 東京 中野サンプラザホール
4月17日 (金) 東京 中野サンプラザホール
4月20日 (月) 横浜 神奈川県民ホール
4月21日 (火) 横浜 神奈川県民ホール
4月24日 (金) 札幌 北海道厚生年金会館
4月25日 (土) 札幌 北海道厚生年金会館

全国28都道府県 33会場47公演。

す、すごすぎる・・・
どれか一つにでも行ければいいけどな・・・

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山下達郎 My Best

テーマ:

調子に乗って山下達郎のマイベスト10曲を選んでみようと思う。

絞るのは大変だった。


1.Get Back In Love Again

  前回の記事でも書いたとおり、歌詞が最高。

  その上サウンドもいい意味でこの時代らしさにあふれている。

  達郎自身初めてデジタル・レコーディングに臨んだというアルバム『僕の中の少年』だが

  自分はまだ通して聴いたことがない。

  しかしこの曲がアルバムのハイライトであることは容易に想像できる。

  達郎は楽曲へのアプローチが並のアーティストと違うのだが、それは自身の求めるサウンドへの

  飽くなき探求が生み出すものである。

  そしてこの曲の歌詞、サウンド、歌唱、演奏のすべてに彼の表現したいものがバシッと反映されている。

  個人的には彼のベスト・トラックである。

  何度聴いても、泣ける。はじめ達郎の歌はねちっこくて好きではなかったのだが、この曲の歌には

  感情を抑えつつも抑えきれないように何かを伝える、彼のスタイルが最も効果的に表れている。

  初期は歌詞を書かなかった達郎。自身が語るに、レコーディングのメンバーの力量を引き出す楽曲

  づくりに重きを置いていたという。その後自分の伝えたいことを見つめなおし、よりシンガー

  ソングライター的なアプローチに方向転換をしていった結果、こんな素晴らしい歌詞を書くようになった。

  せつなくも力強い男心、骨太の愛を感じさせるこの歌詞が大好きだ。


2.Your Eyes

  長い間、達郎の曲ということを知らないでいた。どこかで耳にした「I See Your Eyes」というフレーズ。

  そして透き通ったサウンド。

  知らない人にアメリカン・ポップのスタンダード・ナンバーのカバーと言っても信じてしまうだろう。

  事実、自分も洋楽だと信じて疑わなかった。

  今回達郎作品を聴いて思ったのは、彼は自身の愛する洋楽のスタイルを模倣しつつもそれを凌駕して

  しまっているという事実。この曲などまさにその典型。


3.Jody

  日本語バージョンもある、というかそちらの方が先なのだが、自分は『BIG WAVE』収録の

  英語バージョンの方が好きだ。

  これもどこかで聴いたことがあった(恐らく飲料水のCM)が、印象的なサビのフレーズを最大限生かす

  アプローチをしている。日本語詞だとどうも意味を聞き取ろうとしてしまって、素直にこのサウンドに

  浸れない。達郎の楽曲は洋楽的な聴き方をしてしまう。

  恐らく本人もある程度そうした聴かれ方を意図していることだろう。


4.LOVE SPACE(『JOY』収録バージョン)

  初期の達郎サウンドは、まるっきり洋楽といっても過言ではない。

  というのは、オケを単なる歌のバックとしての位置付けに留めていないからである。

  彼のソロデビュー作がニューヨークのミュージシャンを起用してのレコーディングであることは

  よく知られているが、  3枚目のアルバムであるライブ盤『It's A Poppin' Time』で起用したメンバー

  の音は、海外のミュージシャンと比べて全く引けをとらない。

  これはメンバーであったドラムの村上”ポンタ”修一も後に語っているとおり。

  (こちら を参照)

  『JOY』収録のテイクは、観客の熱狂振りが伺える。そしてメンバーのノリも最高。

  それぞれのソロも圧巻だ。坂本龍一はまだ芸大在籍中のところを引っ張ってこられたという。

  タンバリンがすごくいいリズムを奏でている。誰が叩いているのだろう?

  知っている人がいれば教えて欲しい。

  ドラムが好きな人は絶対にこの曲を聴いて欲しい。素晴らしいから。うなるから。

  日本のポップスの歴史のある意味転換期に記録された史料的な価値も高いこのレコーディング。

  その場に立ち会えた人々を幸運と言わず何と言おう。後追い世代としちゃあ悔しいけど・・・

  聴くたびにニヤリとしてしまう。


5.ターナーの汽罐車

  これは1つ前の記事でも書いたとおり、ドラムがとにかく最高。誰が叩いたのだろうと思ったら、なんと

  達郎自身が叩いているというではないか!!!

  ・・・すごいよ達郎様。

  曲を作った本人が一番曲を理解しているのは言うまでもないことだが、それをここまで

  完璧に表現してしまえるとは。まさに脱帽。こんなドラムを叩いてみたい。

  内省的な歌詞も深くて素晴らしい。どうやったらこんな歌詞が書けるのだろう?


6.蒼氓

  はじめ、この曲はあまり印象に残らなかった。

  しかし聴けば聴くほどその味わい深い歌詞が染みてきた。

  憧れや名誉はいらない
  華やかな夢も欲しくない
  生き続ける事の意味
  それだけを待ち望んでいたい

  達郎自身の生き様、魂がそのまま表れた歌である。

  MUSEから贈られたリフレインは、永久(とわ)に鳴り響く。


7.THE WAR SONG(『JOY』収録バージョン)

  達郎の作品としては珍しいメッセージソング。スタジオ作は聴いたことがないのだが、

  JOY収録のライブ・バージョンはとにかく力強く語りかけてくる歌と演奏である。

  達郎の歌は時に不安定になるが、それも逆に強い気持ちを伝えてくれる。

  終盤、フェードインしてきてからがまた圧巻。

  土岐さんのサックスソロ、それに呼応する青山さんのドラム。

  そしてコーラス陣の技量と安定感。本当に日本人だけで構成されたバンドなの?と言いたくなる。


8.Loveland Island

  数年前にドラマ「漂流教室」の主題歌となった時に初めて聴いた曲。

  楳図かずお原作の同ドラマはSF仕立てで異様な雰囲気であった。

  達郎の爽やかなサウンドとのミスマッチ感が  さらに何か絶望的な雰囲気をかもし出していた。

  曲を聴くたびにその何ともいえない雰囲気を思い出してしまう。曲としてはさほど面白くないと言っては

  失礼だが、割とわかりやすいアプローチである。だがそれだけに何となく哀愁を漂わせる。

  この現実というIslandがいつしか簡単に崩れてしまう砂上の楼閣に過ぎないものだという

  途方もない連想をさせるのは、ドラマだけのせいだろうか。


9.Sparkle

  元々ツアーの予備としてアルバム『For You』の頃に友人から5万で譲り受けた

  フェンダーのテレキャスター。

  このギターのサウンドを生かしたいがために作った曲だという。

  イントロのカッティングは、カッティング好きな私の真ん中まっすぐのストレートだ。

  達郎もこのサウンドが気に入り、ライブでは逆にそれまで使っていたニューヨークで2000ドルの

  タイマイを大枚をはたいて購入したオールド・ヴィンテージがいつしかお蔵入りになっていたという。

  曲としては、初期達郎サウンドを髣髴とさせる洋楽よりのアプローチであるが、

  見事にジャパニーズ・ポップスへと消化しきっている。名曲と言えよう。

  ちなみに自分のベストmp3ディスクの1曲目を飾る。朝から気合が入るカッティングだ。


10.アトムの子

  この曲はリアルタイムで接していたが、達郎作品としては異色である。

  アフリカン・ビートのような、原始的なリズムと祈りをささげるようなコーラス。

  達郎はノリノリでライブのように、煽る。

  「自分はロックンローラーだ」という達郎のロック・スピリッツを感じる。

  そして特筆すべきは歌詞。

  どんなに大人になっても 僕らはアトムの子供さ

  どんなに大きくなっても 心は夢見る子供さ

  このハードなサウンドにこのピュアな歌詞。

  このギャップは達郎にしか出せないだろう。



達郎は好きな音楽をいつまでも追求し続けるだろう。

そして素晴らしい音楽を、MUSEは彼を通じて届けてくれるだろう。

なぜなら、彼は今でも夢見る少年だから。



次点:ジャングル・スウィング,風の回廊(コリドー)

    RIDE ON TIME, Solid Slider, Windy Lady, Minnie ほか多数


痔点:いちじく浣腸’75

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あ、この曲知ってる。
この曲も聴いたことある。
どこで聴いたか忘れたけど・・・


山下達郎を聴いていてこんなことを何度も考えた。
最近彼のアルバムをいくつか入手して聴いていたのだが、これほどたくさんの曲を

自分が知っているとは思わなかった。
ただし70年代から80年代初頭、彼がブレイクする前の作品にはほとんど耳なじみのある曲はなかった。
そしてそれらの曲での彼の声も、聴き覚えのあるあのフックのある歌い方ではなく、

悪く言えばのっぺりとしたひっかかりの無い朴訥な声、
良く言えばイノセントで透明感のある声であった。


そしてその音楽性も初期とそれ以降は全くと言っていいほど違っていた。
初期はモータウンのR&Bからの影響を強く感じるグルービーなリズムとコーラスが印象的なサウンド。
ファンキーなナンバーもあったり、ライブでインプロバイゼーションを引き起こすことを前提とした、
クロスオーバーまたはフュージョンのジャンルに踏み込んだ作品が多数あった。
全く玄人好みの作品だ。
彼自身、この時期はアルバム単位での作品作りに重きを置いていたようで、

そのせいかシングルヒットには全く恵まれていなかった。
3rdアルバムの『It's a popping time』はライブ盤だが、それはレコーディングに充てる予算が

少なかったせいもあったという。
自分が山下達郎のアルバムでちゃんと聴いたのはこのアルバムが初めてだった。


聴いて、驚いた。
まずはバンドメンバーに。
ドラムに村上ポンタ秀一、キーボードに坂本龍一って・・・何?
ポンタさんは言うまでも無く日本一のセッションドラマー。

あのマイルス・デイビスが本気で起用しようとしていたという伝説の持ち主。
ジャズからフュージョンからポップスからロックまで、とにかく幅広いジャンルをカバーする

音楽性の広さとテクニック、そして人間味あふれるドラミングで誰からも愛されるドラマーである。
このアルバムでのプレーは、時にダイナミックに、時に繊細に、それでいて

ボーカルや他の楽器を邪魔することなく、見事に「Play The Song」している。
うまいドラマーは数多くいれど、彼ほど曲のもつイメージや歌詞を自分のものとして理解して、

ドラムをリズム楽器としてだけでなく感情を表現する媒体として自在に操り、

曲を生かすことのできるプレーヤーはいない。


坂本龍一はその時期はまだYMOでの活躍でビッグネームになっていなかったのだろうか?
邦楽については時間軸がよく分かっていない。
自分はプレイヤーとしての坂本龍一は知らなかった。
しかしここで聴ける彼のキーボードはテクニックうんぬんを超えたセンスの良さが輝いていた。
天才的なひらめきで次々と生み出されたフレーズ。それをさらっと聴かせてしまう。
正直こんなに上手いとは思っていなかった。


さらにサックスには自分が以前ライブハウスでバイトしていた時によく出演していた

土岐英史さんの名前があった。
当時自分は土岐さんのことを全く知らなかったのだが、いつも素晴らしい演奏をしていた。
しかもとてもいい人。偉そうに自己主張をすることのない、ミュージシャンではとても珍しいタイプの人と思った。
この人も曲を引き立たせるような素晴らしいサックスを吹く。
フレーズも音色も目だって印象に残るものの、決して曲を壊さない。
土岐さんはその後も達郎のツアーやレコーディングによく参加しているようだ。
特に同じくライブ盤の『Joy』では、存分にそのプレイが楽しめる。


他のメンバーも最高。詞も共作している吉田美奈子さんもバックコーラスで参加している。
この時期の達郎が一番!というファンもかなりいるんだろうな、と思った。
「私はこの時期から聴いてるんだよ」とか「このライブ自分行ったんだよね~」とかいうファンがいそうw
「クリスマス・イブ?・・・ふっ。甘いね。Popping TimeのSolid Sliderも聴いたことないんだろうね」
みたいなコアかつマニアックなファンがごろごろいそうだw


まだアルバムごとに聴き込んでいないので中途半端なことは書きたくないのだが、

それでも語りたいアルバムがある。
それは映画のサントラとして製作された『BIG WAVE』。
全編英語の歌詞で、達郎オリジナル曲とカバーとが収録されている。


これを聴いてよくわかったのが、達郎がどうしょうもなく洋楽が好きなんだっていうこと。
洋楽だけ、という訳ではないだろうが、とにかく自分の好きな音楽に対して誠実に向き合って、

自分のものとして消化しているのだ。
それが一つ一つの楽曲に、一つ一つの音に表れている。


LPでのB面がビーチボーイズ関係のカバーなのだが、その中の「Girls On The Beach」を聴いて驚いた。
ほぼ完コピ、アレンジもコーラスも全くそのまんまだったのだ。
それだけでは何の感動も無かっただろうが、その全てのクオリティが抜きん出て高かった。これに驚いた。
音質も素晴らしい。達郎は自身のラジオ番組でも自分でリミックスやリマスターを手がけた楽曲を

放送していたと記憶しているが、このアルバムでの彼の仕事ぶりは素晴らしい。

もちろんそれらの作業を達郎自身がすべて行ったわけではないだろうが、

ともかくこの作品は音が良い!


そして彼のオリジナル曲のクオリティ。アルバム2曲目に当たる「Jody」。
自分は以前どこかで聴いたことがあって、その時から気に入っていた。
日本語バージョンの方が先だが、全編英語のこちらの方が素晴らしい。
ファルセットをあんなに多用してもいやらしくない。伸び伸びした声といい、

青空に突き抜けるようなサウンドといい、聴いてスカッとする。


とどめは何といっても「Your Eyes」。
この曲も自分はどこかで聴いたことがあった。そしてその時、「何ていい曲なんだ!」と感動した覚えがある。
お聴きになったことのある方は分かるとおり、あの「I See Your Eyes♪」のメロディが美しく印象に残る。
自分も作曲をしているが、印象に残るフレーズを生み出せたときの喜びは言葉で言い表せない。
「おしっ来たっ!!」てな具合で、後はこのフレーズを生かすための前後のメロディや構成や歌詞をつけていくのだ。
恐らく達郎も、このフレーズを思いついて、一人ガッツポーズしていたに違いない

作曲家としてはそのフレーズが出てきた時点で「勝ち」なのだ。


そして達郎は恐るべきクオリティでこのフレーズを生かしている。
だから自分は「きっと誰かのカバーだろう」と思っていたぐらいである(失礼)。
この曲のこのフレーズに匹敵するのは、Eaglesの「Desperado」における

「Oh You're Hard One♪」ぐらいである。(聴いたことがある人ならわかってくれるだろう)
たとえ達郎の名前が残らなくても、この曲は、この曲、このフレーズは残っていくだろう。
現に自分の中にはしっかりと残されていた。

達郎の名前とは全く別に、心の中の大切な場所に。


とにかくこのアルバムは、普段洋楽しか聴かない人に達郎を紹介するのにはベストであろう。
自分の体験から確実に言える。

で、ベストと言えばたくさんの種類が出ている達郎だが、自分はやはり

80年代のヒット曲満載の『Treasure』が一番好きだ。
このベスト盤、達郎自身の意向がばっちり反映されていて、曲順といい音質といい、

あきれるぐらい完璧である。
達郎がいかに音楽を愛し細部にまで気を使っているかが、聴いていてひしひしと伝わってくる

100点満点のベスト盤だ。


中でも自分が気に入っているのが「ターナーの汽罐車-Turner's Steamroller-」。
この曲がヒット曲かどうか知らない。ただ「クリスマス・イブ」や「さよなら夏の日」などの

誰でも知っているナンバーではないことは確かだ。
ミディアムテンポのリズムにベースのルート音とギターのアルペジオから乗っかり淡々と始まる。
そして切ないメロディと歌詞を感情を絶妙に抑えたボーカルで達郎が歌い上げる。
終盤の「走る 朝が来るまで」の繰り返しのあたりで、いつも鳥肌が立つ。涙が自然とこぼれる。

<追記>

この曲を洋楽に例えて言うと、Policeの「Every Breath You Take」である。

淡々とした進行でありながらしっかりと深く胸を打つ。

こんな曲を書ける日本人アーティストは多くないだろう。


フェードアウトまでのピアノのフレーズもさることながら、ドラムがとにかく最高
全編淡々とリズムを刻んでいるだけのように聴こえるかもしれないが、

こういう一見何気ないプレイが一番難しい。
(達郎の楽曲にはコンピューターの打ち込みも多いが、フレージングからしてこの曲はそうではないと思う。
もしそうだとしたらこんなリズムトラックを作った人は天才だ。)

オカズ(フィルインともいう、タムなどを使った通常のリズムパターンとは違った

アクセントをつけるフレーズのこと)の数々はテクニック的には難しくないが、

こんな風に決して派手になり過ぎずバッチリと曲に合うように雰囲気をかもし出しながら

叩くことは、並のドラマーにはできない。
この曲はポンタさんだろうか?それとも青山さんだろうか?とにかく自分の理想とするプレイである。


またTreasureの中には、自分が完全に白旗揚げて参りましたというしかない楽曲が一つある。
それは「Get Back In Love Again」。
達郎ファンにはなじみの曲であろうが、恥ずかしながら自分はつい最近まで曲名と

この曲が名曲だという話は知っていながら、一度も聴いたことがなかった。

で、聴いてみた。
また聴いてみた。
そしてもう一度。
何度も。
何度も。




・・・反則である。


この歌詞は何だ。
このメロディは何だ。
このサウンドは何だ。
このボーカルは何だ。
このコーラスは何だ。
このアレンジは何だ。
この転調は何だ。
このクオリティは何だ。
胸に残るこれは何だ。
滴り落ちる熱いものは、何だ。


自分の持論として、「楽曲にはそのアーティストの生き様、精神性、人間性の全てが映し出される

というものがある。
この曲には山下達郎という一人のアーティストのそうしたものが映し出されている。
他には「蒼氓」などの楽曲もそうした曲の一つである。
達郎本人は「クリスマス・イブ」が歌詞、メロディ、サウンド全ての面で最高傑作と思っているようだが、

自分はこの曲が一番だと今のところ、思う。

今のところ、というのはやはり長い人生いろんな場面に遭遇し、その1ページに

この歌詞の内容があまりにも合致しているから。
また人生が続くうちに他の楽曲の歌詞がぴったりくることがあるだろうし、

そんな長い付き合いを達郎の音楽とはしていけるだろう。


しかしいったいどうして達郎はこんな素晴らしい音楽を生み出すことができるのだろう?
それは達郎は音楽の神Museに愛された男だから、ではないだろうか。
彼自身ビーチボーイズやモータウンをはじめとする洋楽をはじめ、様々な音楽をこよなく愛している。
そして生まれ持った才能とセンス、それを表現するために怠らなかった努力、

その末に掴み取った歌の表現力と音作りの技術。
そうした彼の全てが、彼から出てくる音楽を構成している。


そんな彼をMuseは愛した。

彼を通じてMuseは音楽を伝えている。
そう、彼はMuseと相思相愛なのだ。


彼というアーティストを持った日本は幸せだ。
彼の音楽を母国語で聴ける、私たちも幸せだ。



達郎についてはまだまだ書きたりないので近いうちにまた書くことがあるだろう。
少なくとも氷室のニューアルバムが出るまでは達郎に浸ってしまうだろうからw

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We're All Water

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今日、素晴らしき出会いがあった。

それはジョン・レノンの妻であり共演者であった芸術家オノ・ヨーコさんの作品との出会いです。


ジョンはビートルズの成功のさなかの1966年、当時新進の前衛芸術家であったオノ・ヨーコと出会いました。

有名なエピソードですが、その時ジョンはヨーコの展示会がオープン前に訪れ、ヨーコのアートに触れました。

当時の前衛芸術といえば、物を壊すなどの過激さで人々にショックを与える作品が多かったようです。

しかしヨーコの作品はそれとは逆。

展示会に用意されていた作品の中でジョンが感銘を受けたのは、脚立が天井まで届いていてそこに虫眼鏡がぶら下がっているというもの。

脚立を上っていってその虫眼鏡を使えば、天井に書いてある文字が読めるのですが、ジョンはここでもし破壊的だったりバカにしたような言葉が書いてあったならば、ヨーコのことをなんとも思わなかっただろうと後に告白しています。

実際にヨーコが書いていた言葉とは


「Yes」


そこに温かいものを感じたジョンは、ヨーコに好意を抱いたといいます。

ジョンは会場を去る前に、別の作品に興味を持ちました。

それは板のそばに釘とかなづちが置いてあり、誰でもわずかなお金を払えば板に釘を打ってその作品に参加できるというものでした。

ジョンはぜひ釘を打ちたいと言いましたが、ヨーコはオープン前に誰にも釘を打って欲しくなかったため(この時点ではヨーコはビートルズのことをほとんど知らなかった)、丁重に断りました。

しかし話題を呼ぶと思った展示会場の責任者のすすめにより、ヨーコはしぶしぶOKしました。

するとジョンは「想像上のお金を払うから、想像上の釘を打たせてくれ」と言ったそうです。

ヨーコはそこでジョンを見つめ、2人はにっこり笑ったといいます。


その後の2人については割愛しますが、今でもヨーコさんは芸術家として作品を発表しています。

写真はその作品の一つ。ある方にいただいたものです。

「We're All Water」という、70年代にヨーコさんが発表した曲に基いたパッケージ作品ですが、中に黒い紙の入れ物に、一枚の白い紙が収められていました。

それを水に濡らすと、上の写真のように文字が浮かび上がりました。

これを見たとたん、なんだかわからないけれど温かいものを感じました。

正確に言うと、このパッケージに触れた瞬間、それを感じていました。


私たちはみんな水


有名人もそうでない人も、人間である以上その体は8割近く水で出来ているといいます。

私たちにたいした違いはないし、いつか水のように蒸発していくもの

だから一緒に交わり調和しましょうというメッセージなのです。


まるで禅問答のようですが、しかめっ面して説教を聞くよりも

ユーモアあふれる表現で気づかせてくれることの方が、心に残りますよね。

正直言ってヨーコさんのジョン作品に対するスタンスに賛同しかねるところはあったのですが、このような作品に触れると、彼女の人間性が伝わってきます。

長い間の誤解が、水のように溶けていったような感覚を味わいました。


だから、今日は水のようになって寝ます

ありがとう、水のみんな