『猿の惑星: 聖戦記(グレート・ウォー)』 (2017) マット・リーヴス監督

Wed, August 09, 2017 18:15:32 Theme: 洋画 サ行

 

猿の惑星シリーズは、1968年から1973年の間に5作(『猿の惑星』『続』『新』「征服』『最後の』)制作され、その後28年を経て制作されたのは、酷評されたティム・バートン監督『PLANET OF THE APES/猿の惑星』。

 

更に10年を経て、新リブート・シリーズが2011年に始まった。本作は、2011年『猿の惑星: 創世記(ジェネシス)』、2014年『猿の惑星: 新世紀(ライジング』に続く、新リブート・シリーズの第三作。更に続編が予定されているようなので、完結編ではないはずだが、内容的には完結編と言ってもいいもの。

 

前作『猿の惑星:新世紀(ライジング)』は、オリジナル第一作目には及ばないものの、シリーズの中ではそれに次ぐ出来だと考えた。それまでの手垢のついた「猿 vs 人間」という構図から離れ、「猿 vs 猿」がメインの構図だったからである。いい出来だった前作に引き続き、監督はマット・リーヴス。期待してもよかったのだろうが、予告編を見る限り、またぞろ「猿 vs 人間」という構図になっているようで、あまり期待できないと感じた。しかし、その予想はいい意味で裏切られた。なぜなら、War(原題は『War for the Planet of the Apes』)の主体は「人間 vs 人間」であり、エイプはそれに巻き込まれているだけだからである。

 

それにより、新リブート・シリーズにおいて、主人公のシーザーが一貫して人間との協調を訴えていたことと整合性が取れた。

 

そしてこの作品は、前作よりも更によい出来と言ってよい。テーマは、協調と慈悲。そして猿にはそれがあり、人間にはそれがないという実に皮肉な描写となっている。

 

特殊メイクの素晴らしさは相変わらずだが、シーザーに喜怒哀楽の表情があることが印象的だった。例えば、人間に囚われた息子コーネリアと再会するシーンでシーザーが見せた表情は、まさに同じ状況で人間が見せるそれだった。前作で、「エイプはエイプを殺さない」と言うコバを粛清したシーザーが、本編でどのようにエイプの団結を築いていくか、また妻と子供(ブルーアイズ)を人間に殺された彼がどのように復讐心と折り合いをつけるかなど、心情に深く踏み込んだ見どころが少なくない。

 

またこの作品のシリーズにおける重要さは、オリジナル第一作につながる内容だということ。オリジナル第一作では、宇宙から帰還した人間が遭遇した異星(と彼らが思った)の社会では、人間が言葉を失い知能も退化していたという設定。その理由がこの作品で描かれている。

 

新リブート・シリーズは新作の度に更によくなるという、「続編で前作より面白いものはない」という通常の映画のシリーズの常識を覆している。今後、続編があるのか、もしあるのなら更によい出来のものが出来得るのか、オリジナル第一作を子供の頃に親に連れられて劇場で観て以来のファンとしては、楽しみなシリーズである。

 

★★★★★★★ (7/10)

 

『猿の惑星: 聖戦記(グレート・ウォー)』予告編

 

 

 

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