『ノーカントリー』 (2007) ジョエル/イーサン・コーエン監督

Sun, April 23, 2017 12:03:45 Theme: 洋画 ナ行

 

コーエン兄弟監督作としては最も評価の高い作品がこの作品だろう。2007年度アカデミー賞でも作品賞と監督賞をW受賞している(ほかに助演男優賞と脚色賞受賞)。

 

公開時に観た印象としては、コーエン兄弟の一つのスタイルを確立した作品だとは感じたが、題材的に少々ドライに過ぎ、彼らの魅力である絶妙なユーモア感に欠けているように感じた。やはりそれより10年前に公開された96年『ファーゴ』や97年『ビッグ・リボウスキ』の方が好きな作品だと思ったことを覚えている。

 

10年を経て観ても、その印象はあまり変わらなかった。確かに、大金を巡って追う者と追われる者との緊張感は、最後まで保たれ、主役の二人の存在感はインパクト大である(サイコキラー的殺し屋アントン・シガー役のハビエル・バルデムはこの作品で助演男優賞を受賞しているので、主演はベトナム帰還兵のルウェリン・モス役のジョシュ・ブローリンということなのだろうが、シガーの方がはるかに存在感は大きいと誰しもが感じるだろう)。

 

とにかくアントン・シガーは人を殺しまくる。映画の中で、彼と関わって死ななかった者の数の方が少ないのではと思わせるほど。彼の使うキャトル・ガン(屠畜の際に、ボルトを牛の額に打ち込んで気絶させるもの)や巨大なサイレンサー付きショット・ガン(現実には、ショットガンに効果を期待できるほどのサイレンサーはあり得ない)は映画史上まれにみる冷徹な殺し屋のキャラクターを際立たせている。

 

シガーがモスの隠れる最初のモーテル(リーガル・モーテル)でなぜ金の隠し場所としてエアダクトを疑ったり、モスの潜伏場所を突き止めるため彼の妻と母にどうしてメキシコ人が都合よくアプローチできたかなど、細かいところでは出来過ぎ感はあるけれど、全体の緩みない展開から細かい瑕疵はそれほど気にならない(但し、リーガル・モーテルの部屋番号は制作上のミス。モスが最初にチェックインした部屋は136号室。あとで追加した部屋番号はその2つ左隣の138号室。だから最初の部屋のエアダクトの奥の左に押し込んだスーツケースが、後に追加した部屋のエアダクトの奥の右に見えるのだが、2部屋隔てたにしては、距離が近すぎる。また、アントン・シガーが踏み込んで、待ち伏せしていたメキシコ人3人を撃ち殺す部屋は138号室となっていて、136号室と入れ替わっている)。

 

コーエン兄弟の作品としては唯一2時間を越える作品だが、それは彼らにとって表現したいことが多かったのだろうと思う。

 

コーエン兄弟のファンとしては、これが彼らの代表作と言われると少し違うかなという思いもあるけれども、観て間違いなく損はないと思われる作品。残酷なシーンにアレルギーがなければ。

 

★★★★★★ (6/10)

 

『ノーカントリー』予告編

 

 

 

 

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