現時点で最新作の『マダム・マロリーと魔法のスパイス』こそまあまあだけれど、それでもかつてのレベル(1993年『ギルバート・グレイプ』は名作)にはほど遠いラッセ・ハルストレム。かなりがっかりした2010年の『親愛なるきみへ』の前作となる作品が本作品。

 

いかに御大ラッセ・ハルストレムと言えども、日本人にとっては「どうせあの話だろ」であり、リチャード・ギアが少々安っぽさをもって捉えられているので、日本ではあまりポピュラーではない作品かもしれない。しかし、これがなかなかよかった。

 

勿論、ストーリーは忠犬ハチ公の話そのものなのだが、いかにもお涙頂戴物がそれほど安っぽくなく仕上がっている。それは勿論、監督の手腕でもあるのだが、リチャード・ギアの演技も悪くない。ハチと心を通わせる田舎の大学教授をいかにもそれらしく演じている。

 

犬人間ではないので、特に犬にこだわりはないが、やはり「忠犬」には秋田犬がしっくりくるということがこの映画を観て分かった。拾われた時の幼いハチも、成長して主人を慕う大人のハチも、帰ってこない主人を待ち続ける老犬のハチも主役にふさわしい存在感だった。

 

馬鹿にしないで、観る価値は十分にあったと思う。

 

★★★★★★ (6/10)

 

『HACHI 約束の犬』予告編