『Paterson (原題)』 (2017) ジム・ジャームッシュ監督

Wed, February 15, 2017 18:24:41 Theme: 洋画 ハ行

 
大学3年の時に劇場公開で観たジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』とスパイク・リーの『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』は、日本で紹介された彼らの作品としては最初のものだったと記憶している。その2作品に打ちのめされ、それ以来、彼らの作品をしばらく追っかけていた。
 
ジム・ジャームッシュに関しては、『ダウン・バイ・ロー』(1986年)、『ミステリー・トレイン』(1989年)、『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)、『デッドマン』(1995年)と、公開時に観てからしばらくご無沙汰だったが、久々に観た『ブロークン・フラワーズ』(2005年)が期待した割にはさっぱり。そして前作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013年)はファンにとってはまあまあという出来。
 
この最新作はなかなか評価が高く、予告編も面白そうなので期待して観たが、いかに何も起こらないジム・ジャームッシュ節を覚悟していると言っても、これはさすがに何も起こらな過ぎ。はっきり言ってかなり退屈で、何度か時計を見た(上映中に途中で席を立った人は約1名)。
 
主人公は、ニュージャージー州のパターソンに生まれ育ったパターソン(アダム・ドライバー)という名のバス・ドライバー。彼の日常の一週間を描いているのだが、何か特別なことが起こるわけではなく、淡々と展開していく。彼の趣味は詩を書くこと。彼の詩が映画のモチーフになっているのだが、ほかの作品を散文的とするなら、この映画はまさに詩を読むかのごとく行間に漂う雰囲気を味わう作品と言ってもいい。
 
彼と一緒に住むインド人の彼女はアーティスト志向のかなりエキセントリックな人物なのだが、彼女の幾分kinkyな行動にも鷹揚として動じない。また、夕食後に彼女の犬(マーヴィンという名のイングリッシュ・ブルドッグ。カンヌ映画祭で「パルム・ドッグ賞」を受賞)を散歩させ、途中、パブに寄って1杯のビールを飲むのが日課なのだが、そこで起こる様々なことにもあまり心を動かされているようには見えない。
 
ベッド・サイドには、彼が海軍のユニフォームを着て映っている写真が飾られている。映画の中では一切触れられていないが、あまりの感情の起伏の少なさにPTSDを疑った。
 
主役を演じたアダム・ドライバーは、自分にとって印象的だったのは『もしも君に恋したら。』
の演技だが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『沈黙ーサイレンスー』の出演が人の記憶には鮮明かもしれない。いつも少し癖のある雰囲気だが、初めて「いい人」の印象を受けた。彼の演技は悪くなかった。
 
ということで、ジム・ジャームッシュのファンであっても、自分にとっては少々厳しい作品。カンヌのコンペティション部門に出品された作品であり、自分とカンヌの相性を再々々確認した感じ。
 
★★★★ (4/10)
 
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