テノール屋さん 望月哲也のブログ -243ページ目
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カプリッチョを終えて

ブログは演奏会情報を主に書いていこうとおもっているのですが、たまにはその自分の出演した演奏会について思うことを書いてみようと思います。
22日に僕が出演する《カプリッチョ》が終了しました。ご来場いただいた方々、本当にありがとうございました!
僕にとってリヒャルト・シュトラウスという作曲家は『いけないところをくすぐられる』作曲家です(笑)変な表現ですけど。なんて言ったらいいかなぁ…僕の体の中にある、敏感な感覚を刺激する作曲家です。瞬時に泣けたり、ときめいたりしてしまうのです。
今までシュトラウスのオペラ作品をいくつか歌いましたが、今回歌ったフラマンは最も好きな役でした。
約3年半ぶりに二期会オペラのステージに立ちました。以前は『演技すること』ってものすごく意識してやっていたと思うのですが、今回はいい意味で力の抜けた自然体で演技することが出来たと思ってます。
演出についてはいろんな方からいろんな意見を伺うことが出来ました。
僕の私見ですが、オチを感じにくいこの作品に善かれ悪かれ方向性が見えた事は良かったと思うし、僕が3年半ウィーンで暮らしている際に、暮らしていた地区がたまたま、ユダヤ人が多く住む地域だったので、日本では全く感じることのなかった人たちを感じ、この人たちに関心があったので、今回の舞台で自分がユダヤ人として舞台に立つと知った時には、とても大きな衝撃を受けたし、実際にその連行されるシーンを初めて稽古した日には、他のキャストの方々も、心の中にズシッと重いものを感じると話していました。
本来の筋なら、前半でやっと逢引きの約束を取り付けていたので、最後のAUF WIEDERSEHEN!は『また明日!11時にあなたの図書室で』と爽やかに言えたのでしょうが、今回はその一言はこのまま連行されたら、絶対に逢うことが出来ない『永遠の別れ』を告げていると思うと、たった一言の事ですが、とてつもなく重い言葉になってしまいました。
ぐだぐた書いてしまいました。初めて書いたので、乱文をお許し下さい。
僕の次のオペラの舞台は、来年3月のびわ湖ホール、神奈川県民ホール共催の《ラ・ボエーム》です。おそらく多くの方が僕のイタリアものに関して???って思うかも知れません。実際にこのような大きな舞台で、イタリアオペラを歌わせてもらうのは初めてですから(笑)でも、やはり僕はイタリアオペラにとっても憧れがあって…本当に歌いたかったのです。
12月はいろんな場所で『第九』を歌います。今年はドイツ人の指揮者との共演が多いので楽しみです。
12月18,19日
名古屋フィル第九演奏会
指揮:ティエリー・フィッシャー
12月24,25,26日
東京都交響楽団第九演奏会
指揮:ゴロー・ベルク

どうぞよろしくお願いします!

カプリッチョ

明日22日、日比谷の日生劇場にて二期会オペラ公演、リヒャルト・シュトラウス作曲《カプリッチョ》
出演者
伯爵令嬢:佐々木典子
伯爵:初鹿野剛
フラマン(作曲家):望月哲也
です。
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