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作品社と云う書店から『名探偵ホームズ全集』全三巻が刊行されはじめました。第一巻が1月刊行、第二巻が4月刊行予定、第三巻が7月刊行予定です。

ああ、ホームズってシャーロック・ホームズだろ、既に幾つも訳がでているぢゃあないか、又全集かいと思った方、少し違います。

これは山中峯太郎氏が児童向けに、書き直したものを復刊したのです。

 

初めの巻は昭和29年に別の形で刊行されたものを全集に繰り入れたもので、全集の最後の巻は昭和32年に刊行されました。当時の、児童が読み易くわかりやすくという事で、取り扱う事件そのものは変えないで、ホームズやワトソンの人となりを判り易く書き直したり、「デビット」とののしるところを「ひきょう者」とののしる事に改めたりしています。文章が読み易くタッチも軽いので気が付いたら、(元の)1冊をしまいまで読んで居たなどということもしばしばでした。山中峯太郎は多分、書いて居るときは、原作のロンドンは当時の東京を、原作のイギリスの田舎は当時の日本の郊外や田舎をイメージして書いていったのだろうと思えます。

当時の学校図書館や公共図書館で大変の人気で子供たちが奪い合いをして読んだというはなしも聞きます。確かに、昭和30年代の前半では東京はともかく地方ではテレビの放送もNHK一つしかなくそれも電波状況が悪くてろくに映らないというところも少なくなかったでしょうし、テレビの機械そのものが高価でテレビのない家庭が珍しくない時代だったという事もあるでしょう。でも、図書館には他の本も色々あったはずです。やはり、こどもを引き付けてわくわくさせてつづきを読みたくさせるものがあったのでしょう。他の本は、面白くなかったり、すぐにあきてしまったりする内容だったのかも知れません。特に当時の学校などの推薦図書や先生が読めという本の中には偉人伝が必ずといっても良い位はいっていましたし、読んだら「読書感想文」を書かされたりするもので、決して面白いものではなくむしろ「お説教」だっただろうと思います。そういった中で、こどもたちが自分で選んだ本ですから面白いと思えたのだろうと思います。

ポプラ社は、ホームズ全集を完結させた後、南洋一郎に「怪盗ルパン全集」を書いてもらっています。これも一旦は15巻で完結したものをその後に増巻して25巻に更に5冊増して結局全30巻の大全集となります。これと「少年探偵江戸川乱歩全集」(当初15巻その後増巻を繰り返し最終的には全46巻)とがポプラ社の3本柱だったらしいです。

 

児童向けのホームズはたくさん出て居ますが、全作品を一人の人が書いたのは山中峯太郎が最初で、その後は最近の日暮まさみちの講談社青い鳥文庫版までありません。一つは版権の関係で出せない挿話もあったためですが、版権の問題がない挿話だけでも全部を一人でというのは、阿部知二がやっているだけです。あとは、複数の人が手分けしてやっているか、全部に及んでいないかです。

これは、以前はポプラ社から、全20巻で刊行されていました。色々の事情からか、装丁が何度も変わっているので古本のバラ本で揃えようとすると装丁がまちまち等ということになりかねません。途中で表紙絵も変わって居ます。

 

この全集は最初から全20巻で企画されたものではなく、昭和29年に「世界名作探偵文庫」の一部として企画されたものです。その「文庫」第1巻が「名探偵ホームズ 深夜の謎」、第2巻が「名探偵ホームズ 恐怖の谷」、第3巻が「怪盗の宝」でした。その後も評判が良かったのでしょう、ホームズものは続いて、「まだらの紐」「スパイ王者」「銀星号事件」「謎屋敷の怪」「火の地獄船」「鍵と地下鉄」「夜光怪獣」「王冠の謎」「閃光暗号」と他の作者の作の巻をはさみながらも12冊も刊行されます。

この「文庫」シリーズの中でもホームズは特によく売れるので、ポプラ社は、「文庫」シリーズから独立させて更に残りのホームズものを全部をおさめて「名探偵ホームズ全集」として刊行する事になりました。そこで「文庫」シリーズの品切になった巻から、全集に入れて行ったので、本来ならば5冊目になるはずの「スパイ王者」が第1巻に、8冊目たる「火の地獄船」が第2巻になりました。

 

はっきりいって今迄シャーロック・ホームズを大人向けでキチンと読んだことのない人は、いきなり手を出さない方が良いでしょう。が、新潮文庫なり光文社文庫なり創元推理文庫なりで全部読んじゃったよという方で、何か面白いリライトはないかと思って居る方や訳は正確なのだろうが堅苦しくていけないという方はお読みになってびっくらされると思います。全集はその前身の「文庫」版からかぞえて足かけ4年で全20巻が完成します。

 

今回の復刊では、元の7冊ないし6冊をまとめて一冊にしてしまったためにやたら部厚な本になっています。版元の作品社は厚い本を出すところなのですが、重いし部厚だしそこは少し困ったところです。今回は山中峯太郎とホームズと江戸川乱歩との研究家の平山雄一氏が註をつけています。三冊目には解説もつく予定なようです。

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