現代ポピュラー音楽作曲思考と音楽教育/不定調性論のブログ

世田谷music school M-Bank発信による、ポピュラー音楽作曲思考、アーティスト楽曲研究(主に作曲観点からの思考について)、そして音楽教室運営などについてのブログです。
不定調性論発祥の地です。


テーマ:
2017追記
四度和音で「さくらさくら」をハーモナイズしてみよう。
Youtube動画にてその響きも聴けます。
http://www.terrax.site/entry/2017/07/20/210104


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四度和音や二度和音、すなわち三度堆積和音以外の和音についてです。

<四度和音>
まず三度堆積和音を考えてみましょう。

C△ならc(長三度)e(短三度)g
Cmならc(短三度)e♭(長三度)g
Caugならc(長三度)e(長三度)g#
Cdimならc(短三度)e♭(短三度)g♭

という具合に、これらの和音は長三度と短三度でできていますね。
(まれにCsus4ならc(完全四度)f(長二度)gというのもありますね。)

この三度和音の慣習に飽きて(?)しまったから、四度や二度の堆積音で現れる和音も活用しよう、という試みが20世紀の近現代音楽などを起点に起こったわけです。
この試みは、マイルス時代のビル・エバンスやジョン・コルトレーンの時代からのマッコイ・タイナーなどの使用に引き継がれました(また少し意味合いは違うのですが)。
マッコイ・タイナーが指癖として用いたヴォイシングについては
https://ja.scribd.com/doc/46876563/McCoy-Tyner-Jazz-Improvisation
等をご参考に。

現代ではこれらの和音を自在にミックスして表現する方法がとられています。
例えばイントロだけ、とかAメロにとことんsus4とか、間奏のところで不協和音的二度和音=クラスター!みたいなチョコっと使用、という感じが、比較的初心者でも入りやすいかな、と思います。

これに対応するために、不定調性論は三度堆積によらない和音作りも、三度和音を作るのと同じような方法論で既存和音との区別をなるべく感じさせないような体系を根幹とする、を実践しています。逆を言えば、不定調性的な和声制作ができれば、四度和音使いたいなぁ、とか、二度和音てどうやって使えばいいんだろう、とかという問題に敷居は感じない、というわけです。

■四度和音の構成
三度和音は長三度と短三度で区分けしましたね。四度和音はどうでしょう。
cを中心として、四度解釈できる和音は、
c-e=減四度
c-f=完全四度=P4
c-f#=増四度=+4
となります。でc-eはいわゆる長三度となりますので、これを"減四度だ!"と主張して、果たしてどこまで通用するでしょうか?人に対して、というより自分がどこまでこの和音を四度の関連和音だと思えるか、です。
だったらc-f#だって減五度であり、四度と言えないじゃないか、ということもできます。
こういうの、ピアノ上は同じ音なので、微分音などを用いる場合などはここでは考えない、ということで進めますね。なお、不定調性論では微分音まで考えて名前ではなく、ピッチを不等式で表せるように考えてあります(教材第6章参照)。

そういう前提ではc-eが減四度として使えない、という時点で四度和音は三度和音の領域に組み込まれてしまう、というわけです。
そうなると、四度和音は完全四度と増四度で作る、という話になります。
おそらくこの二つの音程で四度和音をつくる、と学ばれた方もいらっしゃるでしょう。

気を付けたいのは、がっつり高度な四度和音を使っても、
1、そんなにインパクトはなく笑、
2、その意味が通じないどころか笑、
3、「なんかそこは普通の和音でいいんじゃないかな」って言われることが多い笑、
という宿命にあるこの四度和音はほんとうにいろいろと難しいので、この響き本当にいいなぁ、と思える人は、上記の三点を十分に精神的にカバーしたうえで使ってみてください。
そこから芸術としての表現に持っていけるかどうかは各位がどのくらいその響きが好きか、にかかっているので、"そうでもなかった"人は、別にあえて使わなくてもよい、みたいなところになるんではないでしょうか。


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では教科書通りにP4と+4を使って四度和音を作ってみましょう。
1--c(P4)f(P4)b♭
2--c(P4)f(+4)b
3--c(+4)f#(P4)b
4--c(+4)f#(+4)c
となります。

4は二和音ですから、除外されることになります。では減四度=-4を加えたらどうなるでしょう。
5--c(-4)e(-4)g#=Caug
6--c(-4)e(4)A=Am/C
7--c(-4)e(+4)a#=C7omit5
8--c(P4)f(-4)A=F/C
9--c(+4)f#(-4)b♭=C7(b5)omit3

という感じになります。
上記の5-9までの和音を用いることで、四度和音のコンセプトが自然と入り込んだ音楽になる、ということができます。しかし聴いている方としては、Am/CやF/Cなど単純に三度堆積和音なので、これらを使うと急に機能和声論が顔を出し、どこかで聞いたことのあるようなサウンドになります。

では純粋な四度(?)だけの三和音を作ってみましょう。
C-F-Bb
C-F-B
C-F#-B
の三種類だけです。
そう、これだけじゃ何もできなさそう感バリバリなわけです。

また、機能和声論がベースになっている場合、四度和音の低音はルートにはならない、としなければなりません。C△はcを基音にして第三倍音、第五倍音を用いて作ることができる、と考えることができます。ゆえにcがルート、根音になる、というのです。
しかしc-fとなると上記の自然倍音を用いた理屈上は、fを基音とした時にcが第三倍音になるわけですから、c-fという和音のルートはfということになってしまいます。
つまりc-f-bのcはルートにならない、としなければならなくなるので、コードネーム表記で表現ができなくなります。コードネーム表記はルートが定まらないと書き表せません。
(この辺が機能和声論の限界ともなり得るでしょう)

Csus4って??cがルートで表記するじゃん!

Csus4=c-f-gなので、c-gがあるから、ということなのでしょうが、であれば、C7sus4(9)omit5はどうなるのでしょう。
C7sus4(9)omit5=c-f-b♭-dです。こういうボイシングは絶対できないのでしょうか。もちろんそんなことはないですよね。ゆえに機能和声の「根音がなければならない」という発想をまずすっ飛ばさないといけなくなります。

というか、そもそも音楽をやるのにそんな理屈は先々必要なくなります。
でも必要なくなってくる過程から先、の音楽性を初期の学習時に見据えることをさせないために、どうしても一方的な吸収学習になってしまう、というのが音楽理論学習の問題点だと思います。

そこで不定調性論ではそうした「何もいらなくなる境地」を目指した学習法に特化しています。
私自身未熟ですから、あくまでそうあるべきだという観念の部分を徹底追及しています。毎年それらを更新し少しずつビルドアップしています。

この低音優先という伝統も、それを破壊しないように、根音優先主義と高音優先主義を二つ平等に確立しました。
低音が安定するのはベースという概念。高音が安定するのはメロディという概念、という二極を作る、という考え方です。

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1;C-F-Bb
2;C-F-B
3;C-F#-B
において1;をC4(4)、2;をC4(+4)、3;C+4(4)とでも適当に表記しましょう。
ではこのC4(+4)は一体いつ機能するのでしょう。
そこでダイアトニックスケールから四度和音を作ってみましょう。

c-d-e-f-g-a-b

から四度系和音を順に抜き出してみます。

c-f-b(-e-a-d-g)
d-g-c(-f-b-e-a)
e-a-d(-g-c-f-b)
f-b-e(-a-d-g-c)
g-c-f(-b)
a-d-g(-c-f-b-e)
b-f-

となります。これをコードネームに表記すれば、

Csus4(M7)omit5=C4-M7
D7sus4系=D4-7
E7sus4系=E4-7
Falt(M7)omit3=F4-M7
G7sus4omit5系=G4-7
A7sus4系=A4-7

です。表記は臨時で作りました。
では四度和音系のコード進行を作ってみましょう。

C4-M7 |E4-7 |D4-7 |G4-7 |

これはC|Em|Dm|G |的ですね。では、

C4-7 |A4-7 |D4-7 |G4-7 |

あれば、C|Am|Dm|G|的です。

こういう感じから四度和音の響きに慣れてみてください。

<Let It BEを四度系和音で>
http://gakufu.gakki.me/m/data/YK00249.html
こちらをご覧いただき、歌の部分のコードを四度系和音にして歌ってみましょう。

______Csus4___________Gsus4
When I find myself in times of trouble

Asus4_________F6sus4
Mother Mary comes to me

Asus4______________Gsus4________Fsus4____ Bbsus4(9)
Speaking words of wisdom, let it be

これによって音楽的クオリアが見えてくるような方であれば、色々できそうですね。

====
こういうことに慣れたら、
C4(+4) |D+4(4) |F#4(+4) |G#+4(4) |
みたいな進行でメロディを乗せて行けば良いでしょう。

とにかく、あなた自身が聴いて、あ、これいける、と思ったらどんどん使ってみてください。
やりたい!と思うことは、人生一度きりなので、少なくとも芸術、という範疇でやってしまいましょうよ。

<二度和音はどうか>
同様です。長二度と短二度を用います。
c(長二度)d(長二度)e
c(長二度)d(短二度)e♭
c(短二度)d♭(長二度)e♭
c(短二度)d♭(短二度)d

これはもうギターではうまく弾けません。ピアノ音楽用ですね。いわゆるクラスター(房和音)になります。もはや不協和音の美の領域。

同様に+2はm3rdですから、ここでも使えません。

C2(-2) |D-2(2) |F#2(-2) |G#-2(2) |

ピアノがある人はこれをコード進行だと思って弾いてみてください。声部進行はできる限りなめらかな進行を作るようにしてください。
あえて単純に”ごちゃっ”と弾いた和音は全て二度和音の系統で説明できそうな気がしますが、あえてコード進行、ポピュラー和声連鎖として扱うにはピンとこないなぁ、と感じざるをえません。しかしこうした進行だってポピュラー音楽が今後できるかもしれませんね。

機能和声論による和音を紡ぎながら、自在に四度和音、二度和音を入れられるような方法論が欲しい、不定調性論はその点も発案時に考えました。下記の進行を弾いてみてください。

|:CM7 |EbM7 |FM7 |AbM7 :|

どうでしょう、音楽的に感じますか?では、そのイメージを持って、下記にトライしてください。

|:C7sus4 |Eb7sus4 |F7sus4 |Ab7sus4 :|

少し開放感のある柔らかい進行感を感じる方はいませんか?私は感じます。
さらに、

|:C7sus4(9) |Eb7sus4(9) |F7sus4(9) |Ab7sus4(9) :|

はどうでしょう。四和音的ですね。機能和声で培った進行感がそのまま生きているのではないか、と思います。この手のサウンドはかのユーミン氏も使っています(M-Bankユーミンレポート参照)。

ここからボイシングをいじってみましょう。C7sus4(9)を低音から、c-f-b♭-dとしましょう。これを不定調性論で言う所の「掛留概念の拡張」を用いて移動させてみます。

c-f-b♭-d =ほぼC7sus4(9)

d-f-b♭-e =ほぼBb(b5)/D

f-b♭-c-e =ほぼFsus4(M7)

e-b♭-c#-g# =ほぼEalt6)

右に書いた和声記号は無理くり近い和音のサウンド名で書いたものです。ルートの存在意義をなくすことでサウンドは浮遊しますが、浮遊するからといって全く成り立たないかというとそうではなく、"浮遊は浮遊なりの安定感"を感じる方もおられるでしょう。

この進行は、サウンドを聴きながらイメージに沿わせて作ったものです。
こうしたサウンドイメージに対する音楽的ストーリーを確実に作成していくことで、機能論ではない音楽要素を組み込むことができます。

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ジャズの普及により、楽曲は個人が自由にアレンジできるものとなりました。
もうその曲のその部分にはこのコードしかありえない!ということがなくなったわけです。

既存の曲を耳コピした時、全員違うコードイメージで聞き取り、個々で自由に演奏して良い、ということでもあります。そう聞こえているのだから仕方ありません。また優れた耳を持つ友達のコードがかっこよく見えるかもしれません。それぞれに良さがあるはずです。だからそういう解釈の自由度の効く方法論があっても良いのではないか、と拙論を作りました。
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