慢性腎不全

使った例は少ない(30例程度)のですが、この漢方薬を試してから、他の治療にと思えるほど、この漢方薬に対する成績は非常によいです。

腎不全のクレアチン値で困っているかた、ぜひ漢方薬をお試しください。かなりの確率でクレアチンの値が下がります。あきらめないで、挑戦してみてください。

それは、漢方薬の黄耆(おうぎ)を主たる構成薬の漢方薬です。京都と名古屋の先生が、おのおの発表しています。

また、別の医師も、その黄耆をつかい、良い結果を得ています。以下のその例がありますので、参考にしてください。

安井廣迪先生の発表例:

患者さんは73歳の女性。4年前と半年前に脳梗塞を発症し、左上肢の軽い運動麻痺と構音障害が残りました。入院中に腎機能の低下を発見され、慢性腎不全の診断を受けています。この頃血清クレアチニン値は2.0mg/dl前後でしたが、その後ゆっくりと上昇を続け、半年後には3.53mg/dlとなり、また血清K値も6.0mg/dlまで上がったため、人工透析の準備に入る旨を通告されました。このまま悪化して人工透析に移行するのを嫌い、漢方治療を希望して来院されました。来院時の尿素窒素は34.2mg/dl、Cr3.48mg/dl、血清K値5.8mEq/lでした。

そこで、高血圧と高コレステロール血証、および脳梗塞の再梗塞予防のために用いられている薬剤はそのまま継続とし、腎不全の改善を目的として漢方薬を用いました。軽症でしたのでエキス製剤である釣藤散7.5gに黄耆末3.0gをプラスする形で投与しました。

1週間後に来院され、一般状態は良好で、検査データも尿素窒素35.3mg/dl、クレアチニン2.95mg/dl、血清Kカリウム 4.9mEq/lと軽快していましたので、同処方を継続し続け、1ヶ月後には表情も明るくなり、4ヶ月後には言葉がはっきりと聞き取れるようになってきて、ほがらかになり、笑顔が見られるようになりました。

10ヶ月後には、尿素窒素は29.0?32.0mg/dl、クレアチニンは2.39?2.48mg/dl、血清K値も安定していました。食事は当初カリウム制限などの制限を設けていましたが、生活への意欲がなくなりQOLが低下するため、本人の希望通りのものを食べてもらうようにしました。それでも検査所見の悪化は見られませんでした。

その後、クレアチニンはやや上昇し、貧血が進行したため、エリスロポエチンの投与を行っていましたが、治療開始後から2年9ヶ月後、突然脳出血を発症し、緊急入院となりました。1ヶ月後に退院されましたが、要素窒素は83.7mg/dl、クレアチニンは5.34mg/dlと悪化していました。

この場合、もはやエキス剤では対応できませんので、煎じ薬(養腎降濁湯加減)の投与に踏み切りました。処方内容は以下の如くでした。

黄耆10g 芍薬5g 山帰来10g 半夏6g 竹茹3g ?楼仁4g 貝母4g 益母草10g 白朮8g 猪苓4g 茯苓8g 車前子4g 甘草2g ??4g 丹參5g

2ヶ月後には、尿素窒素mg/dl、クレアチニン3.73mg/dl、血清カリウム3.64mEq/lと改善しましたので、再びエキス剤(釣藤散)に黄耆末を加えて投与しました。

その後、心不全のために胸水が貯留してきたので、エキス剤を真武湯に変更し、胸水が去った後は、食欲改善のために四君子湯に黄耆末を合わせて投与しています。尿素窒素とクレアチニンの数値はほぼ横ばい状態です。

 

当漢方薬局での例は→http://www.kigusuri.com/shop/teramachi-kanpou/topic/tags/%E8%85%8E%E4%B8%8D%E5%85%A8/