アメリカ・K-12の教育政策・最先端レポート -データ分析の観点から

アメリカのK-12(小学1年から高校3年)に関する教育政策、膨大なお金がうごめく教育産業、教育政策を支える教育研究機関の動向を(勝手気ままに)述べるブログです。アメリカの教育政策に直接携わる立場から、分かり易くレポートしていきたいと思います。


テーマ:

2014年までにアメリカ全生徒が英語・数学において熟達レベルに達することを義務化しているNo Child Left Behind法のWaiveを遂にオバマ政権が容認するに至った、というニュース。


Obama Administraton Sets Rules for NCLB Waivers


Obama to Waive Parts of No Child Left Behind Law 'Beginning of the End' Seen for No Child Left Behind


GOP Denounces Obama's Education Changes


遂に、オバマ大統領からNo Child Left Behind法をWaive(断念・撤回)する決断が下されました(オバマ政権が公式に発言したのは先週木曜日)。先週はアメリカの教育関連のニュースはほぼ全てこれがメインだったのではないでしょうか?


さらなる教育改革を推し進める目的で行った教育予算獲得競争・Race to the Topや全米共通学力基準・Common Core State Standardなどを行っている一方、前ブッシュ政権が可決したNo Child Left Behind法をどうするのか?とずーと議論されてきました。


<No Child Left Behindの問題点>


この決断の背景要因ですが、この法律の最大の問題点は(このブログでも何度もお伝えしてますが)、


the 2014 deadline that all students be proficient in math and language arts


2014年までに、全生徒が数学と英語においてProficient(習熟レベル)に達すること


学力の低い生徒が多いアメリカにおいて、全くあり得ない、とてつもなく厳しい法律!!学力が一向に上がらないアメリカ連邦政府が前ブッシュ政権時(2002年)に取り決めましたが、無茶苦茶でも連邦法は連邦法。各州政府、学校関係者は遵守しなければいけませんでした。


とはいえ、全ての生徒が習熟度レベルに達するとは極めて困難で、法律の撤回を求められ続け、今回遂に決断に踏み切った、と事の次第です。


<オバマ政権のWaiverプラン>


では、オバマ政権はどのような柔軟あるプロセスでこの法律の放棄を行おうとしてるのか?というと、


1.states can request flexibility from specific NCLB mandates


州政府はNCLB法に関する特定の取り決めに関して柔軟な処置を要求できる


これは言い換えれば、


left it to the states to determine their own set of standards and accountability measures

各州政府は学力基準、アカウンタビリティ(説明責任)Measureを独自に定めることができる


という意味です。例えば、学力基準1つをとっても、学力基準を州政府が独自に設定できるため、Proficiencyレベルに達する生徒の割合が州によってバラバラ、と専門家から批判され、基準の統一を巡る議論がなされていました。


が、結局Waiver(撤回・放棄)プランでは州政府が独自に行うという権限は保持されることになっています


州政府に対してこのような柔軟ある権限を残しておく代わりに条件としたのが、


2.transitioning students, teachers, and schools to a system with college- and career-ready standards for all students


生徒、先生、学校が全生徒を対象としたCollege/Career-ready Standards(←全米共通学力基準のこと)を取り得れたシステムに移行すること


つまり、全米共通学力基準を採用することを義務づけた訳です。


さらに重要な条件として


3.developing built-in accountability that reports the lowest performing 5 percent of schools and the 10 percent with the largest achievement gaps


学力の低い下位5%の学校、学力差が極めて大きい10%の学校を報告するアカウンタビリティシステム(説明責任)を導入&徹底させること


学力が低い学校は一体誰(又は団体)のせいでそうなったのか?、学力差が大きい学校はなぜどうなったのか?という原因とその責任の所在の徹底させることを義務づけています。


4.teacher and principal evaluations that include student performance


生徒の学力を考慮した、教員・校長先生の評価システムの導入


何度もお伝えしている教員評価システム。この政策を推し進めることは首尾一貫しています。


<今回の変更案の問題点と各州政府の反応>


では、各州政府はこの決断にどう反応してるのか?というと、早速いつくつかの州政府(コロラド、ケンタッキー、ジョージア、ウィスコンシン州など)はWaive(撤回・放棄)を早速行う準備が出来ている、と既に報道されています。


もしこのWaiverに申し込むと、来年早々には審議され、早ければ2012-13年度にはその変更案が施行される、と言われています。


他方、この変更案は、問題点もあり、


the waiver plan doesn't set a particular end date


No Child Left Behind法の場合、2014-15年度には全生徒がProficiency(習熟)レベルに達するという明確な締め切りが明記されていましたが、今回の変更案はその辺が全く不明確なのです。


さらに、学力が低い学校は下位5のみが対象になりますが、実際は全体の15%くらいは問題なのでは・・・と5%という数値の低さもそれで良いのか?と言われています。


<総論>

遂に、No Child Left Behind法のWaiver Plan(放棄・撤回プラン)が始まったオバマ政権。共和党ががっつりと怒濤の改革を行い、民主党がその修正を行う・・・・・というアメリカ外交と同じ様なことが教育でも起こっている・・・とアメリカの教育政策をチェックしてしみじみ実感しました・・・が、さーどうなることやら??というのが本音です。
AD
いいね!した人  |  コメント(3)  |  リブログ(0)

リアクション大魔王さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。