先月末、登別・室蘭方面で大規模な停電があったことは全国的なニュースでみなさんご存知だと思いますが、そのときの対応がなぜ遅れたか?という後の報道には、呆れるような言い訳がありました。
そのことにあらためて言及したいわけではなく、被害に遭われた住民のインタビューの中で、とっても温かい話があったことを、忘れずに書き留めておきたくなりました。
そのインタビューも全国放送でしたが、インタビュアーは行政の対応の遅れや不備の話ばかりで、立場上、一人暮らしのお年寄りがいかにこういう時、大変かという話に注目を集めたかったのだろうということはわかりましたが、私はなんの反応もなく流された70代位のおばあちゃんの回答のひとつに、とても感動しました。
停電になって、携帯を持っていないおばあちゃんは電話も使えず、ただひとりじっと耐えていました。
そんなときに近所の方が、「おばさん、これ使いな」と電池式のポータブルの灯油ストーブを持って来てくれたということ。
停電になって寒いのは、そのお家の人たちだって同じはず。
その方たち用のポータブルストーブが他にもあったのかなかったのかということまでは、わかりませんが、あったとしても、その状況で近所の他人を思いやれるその心の美しさ・あたたかさに感動しました。
行政の不備云々より、この地域の人たちにはまだご近所の助け合い精神があり、実際に行動に移してくれる人がいるなんて、なんて素敵な地域なんだろうと。
私がそのおばあちゃんの娘だったとしたら、後で報道で母の不便さを知り、やはり携帯を持たせたほうがいいんじゃないかとか、ひとり暮らしをさせてることを申し訳なく思ったりしたと思います。
でもそのご近所さんからの親切を知ったら、心からお礼を言いたく、すぐに駆けつけるとまではいかなくとも、母を助けて頂いたお礼をし、あぁ自分の母はここに住んでいて大丈夫だ。と安心したと思います。
歳を重ねれば重ねるほど、住み慣れた土地を離れて暮らすのは大きなストレスになると言いますから、こちらにしてみれば良かれと思っても、本人にとってはひとり暮らしでも今の土地を離れたくないこともあるでしょう。
かく言ううちの事情でも、どんな土地で暮らすことにも頓着のない私や姉は、不便な場所にある老朽化した実家にこだわらず、もう少し何かあってもすぐに対処できる便利な土地に引っ越すことを母と兄に何年も提案してきましたが、不便でも古くても今の家がいい。という2人を説得するのはもうほとんど諦めています。
そこよりも便利なほうがいいんじゃないか?というのも、いざという時すぐに助けられるところに居てほしいと思うのも、こちらの勝手な価値観と願いですからね。
今はお互いの価値観を尊重できているからこそ、円満なわけですし、それ以外の暮らし方でもよほど健康に支障をきたす限度を超えない限り、口を出さないようにしています。
昔はそれができなくて、姉も私も口やかましいと思われていたわけですが、いくら相手のことを想っての言動でも、伝わらなければ迷惑でしかなく、喧嘩になったり疎まれたりと真逆の事態になるんですよね。
話が脱線しましたが、私がインタビュアーなら、ご近所の方に助けていただいたおばあちゃんからストーブの話を聞いたら、ぜひその貸し出してくださった方の家にも取材に行くくらい、お年寄りの一人暮らしは心配なことも多いが、この地域の方たちにはまだこんな温かい助け合いの精神があることを全国に伝えたいと思うんだけどな。と、朝出勤前の情報番組を見て違和感を感じた。という話でした。
そして先日、旭川の実家のエリアも22時過ぎに原因不明の停電が起きてると姉から連絡があり、何ができるか?と肝を冷やしたのでした。
室蘭・登別エリアは、北海道と言っても雪もほとんど積もらない道内では「あたたかい」と言われるエリアです。
しかし旭川は日本の最低気温記録保持地域です。
すでに今シーズンも-15℃まで下がったりしているのに、停電なんて!!
まずは姉の家に避難しては?と伝えたところ、兄は布団をかぶって凌いでるから出かける気がなく、母だけ寒がっていると。
ああだこうだと何度かアドバイスをしているうちに、復旧し「お騒がせしました」と連絡がきて終わったのですが、今度実家に帰った時に(ポータブルのガスコンロはあるので)湯たんぽを買って帰る。と姉に伝えると、姉はカイロを買い込んでおく。と。
これには参ったな、カイロ最強だわ。と笑って終わりました。
旭川は災害が少ないので油断しがちですが、うちの実家には室蘭のおばあちゃんのようにポータブルストーブを持って来てくれるご近所さんはいないということもわかったので(苦笑)、離れて暮らしてる分、いざという時の備えは手伝わねばと思いました。
カイロは自分の分も買っておこうっと。