こんにちは。コーチ&キャリアカウンセラーの小田美奈子です。
キャリア・インタビュー企画をお届けします。
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■ 「転職&天職で輝く女性に学ぶ~幸せキャリアのレシピ」
キャリア・インタビュー Vol.12
映像制作、出版プロデューサー 大前みどりさん 前編
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このキャリア・インタビュー企画は、転職など様々な転機を経て、自分らしく幸せに働いている女性の道のりをたどることで、自分に合った仕事を見つけるため、仕事での充実感をより感じるための"幸せなキャリアのヒント"を学ぼうというものです。
第12回は、出版プロデューサーであり、企業のビジョンムービーの制作も手掛けている大前みどりさんにご協力いただきました。
■ 大前 みどりさん(おおまえ みどり)プロフィール
1972年生まれ。印刷会社の制作部門での英文、和文テクニカルライターを経て、(株)アントレプレナーセンターに転職。これまで20万人への講演や数千 人の起業家育成をしてきた福島正伸氏の秘書を務める傍ら、氏の書籍をプロデュースし、累計23万部のベストセラーを生み出す。また、会社案内の「感動ムー ビー」制作では、大手企業からの依頼が相次ぎ、1年待ちという状態に。
2009年4月独立。イーファイブ・プランニング代表として、出版プロデュースや映像制作を行っている。その他ライフワークとして、人を幸せにする経営の研究、個の可能性を発揮できるような対話の場づくりなどの活動をしている。
2009年11月、心を開き、聴いて語る、対話の文化を広めるための「ワールド・カフェ・ウィーク2009」において実行委員会の代表を務める。趣味は読書で、本に埋もれながら暮らすことが何よりの幸せ。
TOEIC935点、産業カウンセラー、男児2児の母。
サイト:想いを形にする「イーファイブ・プランニング」
http://efive.jp/
ブログ:大前みどりの「フローに生きる技術」
http://ameblo.jp/quotations/
日経IT Pro「ヤマト運輸、全員参加の経営理念研修に感動体験ムービー導入」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20090828/336163/?ST=cio
ワールド・カフェ・ウィーク 公式WEBサイト
http://world-cafe.net/
前号では、大前さんが様々な仕事や出会いを経て、現在の仕事にたどり着くまでのキャリアストーリーを伺いました。インタビューの前編はこちら
http://ameblo.jp/tencafe/entry-10426593903.html
今回の後編では、身につけておくとよいスキルやこれからの夢、やりたいことについて伺いました。
↓後編はこちらから
Q:小田 美奈子
A:大前 みどりさん
◆ 英語でセルフイメージが上がる
Q:これまでで役に立ったスキルについて教えてください。
A:英語は、テクニカルライターの仕事で役に立ちましたが、それ以上にセルフイメージがすごく上がったことがよかったです。今まで資格を一つも持っていなかったので、自分は何もできないと思っていましたが、とりあえず社会的な基準になるものを一つでも持っていると、自信にもなります。TOEICは何回か挑戦して、935点で受けるのをやめました。
この体験で、自分が苦手なことにも取り組もうと思うようになりました。何もできないと、「どうせ私なんて…」と思ったりもしますが、ちょっと頑張ればできるという成功体験を一回積んでいるので。
◆ 誰かの思いを伝える「通訳」の仕事
Q:通訳になりたいという夢は、今はいかがですか?
A:まだあきらめていないですが、通訳といっても同時通訳という形だけではないと最近思っています。感動ムービーは、だれかの体験を短いエピソードに編集してメッセージを伝える方法なので、誰かの気持ちや思いを伝えること、つまり通訳に近い仕事はもうできているなと、先日気づきました。
福島さんのお手伝いをしていたときは、同僚が私の仕事を「翻訳」と呼んでいましたが、福島さんがこうしたいという荒削りの原型があって、それをどう伝えるか、どう届けたらいいのかなどメッセージを発する人の手助けをすることが自分の仕事だったと思っているので、それも大きくとらえたら通訳だと思っています。
つまり、誰かの媒介役をすることが、私自身のやりたいことだったのではないかと、後付けですが思っています。
◆ 相手と同じ世界を共有する
Q:英語以外で身につけてよかったスキルはありますか?
A:鮒谷さんや福島さんのお手伝いをしていたときなどに特に意識していたことなのですが、どうしたら相手に近づけるかと考えました。同じものを共有するには、似たような体験をすることが一番ですが、似ている体験がなかったら、体験に近いものをインプットする必要がある。
なので、相手が読んでいる本や影響を受けたという本をお聞きし、それらを読むことで、少しでも考えに近づきたいなあと思っていました。その人の語彙は、独自に編み出しているものではなく、これまでの体験や知識から出てくるものなので、そこを共有するには、自分もその人に近い経験をするか、知識を入れるかしかない。経験はすぐにできなくても、本はすぐに手にとれますからね。
そうやって本を読んでいくと、相手の方が自分の話についてきてくれると思って、さらにたくさん話してくれるようになります。自分が教えてあげた本をすぐに読むという行為は、上の人からみると嬉しいと思ってもらえるようで、次々に色々なことを教えてくれます。もちろん、見返りを求めてやっているわけではありませんが、そうやって相手の見てきた世界を少しでも見ようとすることが大切なのではないかと思います。これをスキルと言ってよいのかはわかりませんが。
◆ ブログで「フロー」を発信
Q:勉強になりますね。相手と同じ世界を共有する力というのでしょうか。
A:今年(2009年)に入ってからの大きな変化のきっかけは、ブログに「フローに生きることをしていきたい」と書いたことです。「フロー」というのは心理学博士のチクセントミハイ氏が提唱している理論で、時間や自我の感覚を忘れ行為に没頭している状態のことです。
仕事もこうやって没頭してできたら、仕事がやりがいのある楽しいものでしかなくなるのではないかと思い2年くらい個人的に研究をしていました。この「フロー」という言葉をブログに出した瞬間に、フローに興味がある、関係する人と不思議とつながっていくようになりました。
2009年の頭に独立すると決めたとき、自分はこれから何をやっていきたいのだろうととことん考えました。まずは自分自身がフローに生きたいし、フローに生きられる人が増えていったらいいと思いました。そこで、とりあえずフローの本をブログに載せて、私の座右の書ですと書くことにしました。
それに興味を持っている人が、たまたまブログを見た時に、大前さんはフローに興味がある人なんだと目をとめてくれて、それに関連する会に誘ってもらえるようになりました。
2年間は一人で勝手に思っていただけなんです。でも自分一人で「フロー、フロー」と思っていても、周りの人はわからないですもんね(笑)。ブログで本を紹介した途端、すごいスピードで人とつながっていき、フロー研究会という会も始めました。
経営者やコンサルタントの方々で集まって「人と幸せにする経営」についてディスカッションをし、それを実際に現場で活かしていくという勉強会です。その他にも、フローな状態をいつでも再現できるように各々のフロー体験をシェアしながら、それらをビジネスの現場にどう活かしていくかというHEROESプロジェクトでは、小田さんとご一緒させていただいていますよね。
◆ フロー~座右の書との出会い
Q:HEROESプロジェクトは、大前さんのおかげでありがたい出会いと学びの時間をいただいています。そもそも、そのフローの本に出会ったのは?
A:こちらも4~5年前だったかと思いますが、アタッカーズ・ビジネス・スクールの運営会社が「アゴリア」というSNSを提供し始め、SNS内のコミュニティを活発化するために、色々なプロジェクトが立ち上がりました。私は「輪読会」というコミュニティを立ち上げたのですが、その一回目の課題図書がダニエル・ピンクの『ハイコンセプト』で、その中の「生きがい」という章で、『フロー体験 喜びの現象学』(M.チクセントミハイ 著、今村 浩明 訳)が紹介されていました。
『フロー体験 喜びの現象学』読んだ時、うわーと思って。自分のこれまで本当に夢中になって仕事をしていたときの体験がこれで説明できると思いました。それが文字になって言い表してあったので。何とも言えない喜びを感じました。本を読んでいること自体が喜びでした。
Q:まさに「フロー」な体験、今の大前さんをつくった運命的な出会いですね。ブログで書こうと思ったのは、どんなきっかけですか?
A: 30歳の時は将来が不安だったので、これからやっていきたいこととこれまでずっとやってきたことは何だろう?と考えて、英語というキーワードが出てきました。そこでまず英語を勉強したことが、その後のキャリアにつながっていきました。
2009年に独立をすると決めた時も、将来の不安、これからやりたいこと、これまでやってきたことは何だろうと集中して考えました。どんな事業になるのか形はわからないけれど、自分はずっとフローに生きていきたいし、フローに生きていく人が増えることが、自分が他の人の役に立てることだと思ったので、明確なビジョンはないままですが、とりあえずフローについて発信をしていこうと思い、ブログに書いていくことにしました。
◆ 生きている喜びを実感する
Q:そうしたら思わぬ出会いにつながっていったんですね。
では、改めてこれからやりたいことについてお聞かせください。
A:自分なりに定義しているのは、フローに生きるというのは、いつも充実感ややりがいを感じながら、ライフワークバランスとか関係なく、仕事でもプライベートでも、生きている喜びを実感していることだと思うんですね。
生きている喜びって言葉で言うと簡単ですが、結構自分の深いところに向き合ったり、目標に向かって努力したり、人間関係をよくしたりといった、たくさんの意味が含まれています。何か特別なことが必要なのではなく、本当に本人次第なのですが、今はまだあまり実感できていないという人のために、そのためのステップを「こういうプロセスがあるよ、頑張ってね」と紹介するのがやりたいことです。抽象的ですね(笑)
◆ フローのモデルを作りたい
Q:フローへのステップ、たくさんありそうですね。まさに翻訳することですね。
A:産業カウンセラーの資格はとりましたが、一人一人のコーチングやカウンセリングをするのではなくて、こうなるとフローな社会、つまり一人ひとりがいきいきと暮らしている社会だよねというのを一人ではなく、色々な人の力を合わせてつくりたいと思っています。その取り組みが先ほどお話したフロー研究会だったり、HEROESプロジェクトです。
今は、自分としっかり向き合って自分の使命に従って活動する人が増えているので、明治維新みたいなことが起こっていると思います。そういう人たちの流れが、しっかりつながっていくように、その部分、部分で活動していけたらいいなと。結果的に完成形というか、人がいきいきと暮らしている社会や組織のモデルができればいいなと思っています。それももちろんゴールではなく、時代が流れていく中でのプロセスの一点でしかないですが、私はその一点で満たされると思うのです。
◆ 何か一つを頑張ること
Q:流れをつなげる人。フローには流れという意味もありますね。
最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
A:自分の体験ですが、何か一つをすごく頑張ることをおすすめします。成果が出るというよりは、自分で自分を頑張ったと思えると、セルフイメージが上がり、もっと上の挑戦ができます。
ただ、自分一人でやっていてもそうは思えなくて、私は何かを頑張るときは、この人に認められたいという人がいました。英語をやっていたときは、TOEIC満点(990点)の友人がいて、こまめに報告をしながら勉強を進めていました。その友人から頑張ったねと言われると頑張れました。そういうモデルになる人がいるといいと思います。
ただ、こういう人になりたいと思っても、逆になれていない自分を責めることがあります。そういうときは、人と自分を比べるのではなく、この人のこの部分に近づきたい!と思ってそこに集中して、他が全然できていなくても、落ち込まないことが大切です。
私が女性として尊敬するのは、アル・ゴアの『不都合な真実』の翻訳などを手掛けた枝廣淳子さんです。枝廣さんはご主人の都合でアメリカに住んでいる2年間で通訳になろうと、小さなお子さんを育てながら英語の勉強をされ、現在は同時通訳や翻訳、環境ジャーナリストとして活躍をされています。自分は小さな子どもがいるのは一緒だけど、他は何もないと思っている状態で普通に比べてしまうと落ち込みますよね(笑)
なので、現実の自分のできていないところに意識を向けるのではなく、この人のどんなところがすごいと思うんだろう?どんな部分で近づきたいんだろう?と、その近づきたい部分だけを見るようにしています。
あと、スティーブ・ジョブズ(※1)のスピーチを聞いた時は、自分のキャリアは自分で決めてつくっていっていいんだと、勇気をもらいました。ぜひスピーチを聞いてみてください。
※1:アップルコンピュータCEO、スティーブ・ジョブズが、2005年6月に行われたスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチ
http://www.youtube.com/watch?v=DE8HrWmnLwA
Q:これは私もお気に入りです。素敵なお話をありがとうございました。
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★★ 大前みどりさんから学ぶ、幸せキャリアのレシピ ★★
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(レシピ56)レシピ:相手と同じ世界を共有する
大前さんは相手と同じ世界を共有するために、相手と近い経験をするか、知識を入れるかのいずれかを考えました。大前さんは、自分が好きなことでもある、相手と同じ本を読むことで、相手からより多くの知識を教えてもらえるという流れができていました。
同じ本を読むことは、その人と同じ世界を共有することになりますね。そしてすぐに実行するフットワークの軽さも大切と改めて思いました。
(レシピ57)レシピ:今日を一生懸命生きると、明日につながる
大前さんの好きな言葉の一つとして、下記を紹介していただきました。
"You are younger today than you will ever be again. Make use of it for the sake of tomorrow." ―Norman Cousins, editor
大前さんのキャリアは、明確な目標があって目指していったのではなく、目の前に起こっていることに集中して取り組んだ結果、現在の仕事にたどり着きました。その中でも、自分がこうしたいという意図、憧れの人に近づくのはどうしたらよいかという思いを持って歩んでいます。
思いを持って今に集中して生きる、フローな生き方をすることが、充実感ややりがいにつながっていると思います。
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インタビューは、大前さんの活動拠点である新丸ビル「東京21cクラブ」で行われました。大前さんのお話は、共感することが多く、とても心豊かな時間を過ごすことができました。
ご多忙の中、この企画のためにお時間を作っていただいた大前さんに改めて感謝申し上げます。
今回のインタビューを通じて、大前さんのメッセージが多くの方に伝わることを願っています。
<ご感想のご紹介>
yikuko-coachさんより、大前みどりさんのキャリアインタビュー前編のご感想をいただきました。
掲載の許可をいただきましたので、ご紹介します。
【今号のメールマガジン面白かったです!
大前さんのインタビューで、
手探りのキャリアづくりからスペシャリストになっていく様子…
その道筋が、メルマガとか起業塾とか、福島さんとの出会いとか
具体的に示されていて
「私も大前さんのようになりたい!」
という意欲をかきたてられました。
インタビュー後半も楽しみにしてます!】
yikuko-coachさんのブログ
「これから生きる時間の話をしよう」コーチングブログ
http://ameblo.jp/yikuko-coach/
1/5のブログでは、このメルマガについても紹介いただきました。
http://ameblo.jp/yikuko-coach/entry-10427210197.html
素敵なご紹介、ありがとうございました。
★ インタビューのご感想、大前さんへのメッセージはこちらまでお寄せください。
nakocafe @ nifty.com
キャリア・インタビュー企画をお届けします。
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■ 「転職&天職で輝く女性に学ぶ~幸せキャリアのレシピ」
キャリア・インタビュー Vol.12
映像制作、出版プロデューサー 大前みどりさん 前編
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このキャリア・インタビュー企画は、転職など様々な転機を経て、自分らしく幸せに働いている女性の道のりをたどることで、自分に合った仕事を見つけるため、仕事での充実感をより感じるための"幸せなキャリアのヒント"を学ぼうというものです。
第12回は、出版プロデューサーであり、企業のビジョンムービーの制作も手掛けている大前みどりさんにご協力いただきました。
■ 大前 みどりさん(おおまえ みどり)プロフィール
1972年生まれ。印刷会社の制作部門での英文、和文テクニカルライターを経て、(株)アントレプレナーセンターに転職。これまで20万人への講演や数千 人の起業家育成をしてきた福島正伸氏の秘書を務める傍ら、氏の書籍をプロデュースし、累計23万部のベストセラーを生み出す。また、会社案内の「感動ムー ビー」制作では、大手企業からの依頼が相次ぎ、1年待ちという状態に。
2009年4月独立。イーファイブ・プランニング代表として、出版プロデュースや映像制作を行っている。その他ライフワークとして、人を幸せにする経営の研究、個の可能性を発揮できるような対話の場づくりなどの活動をしている。
2009年11月、心を開き、聴いて語る、対話の文化を広めるための「ワールド・カフェ・ウィーク2009」において実行委員会の代表を務める。趣味は読書で、本に埋もれながら暮らすことが何よりの幸せ。
TOEIC935点、産業カウンセラー、男児2児の母。
サイト:想いを形にする「イーファイブ・プランニング」
http://efive.jp/
ブログ:大前みどりの「フローに生きる技術」
http://ameblo.jp/quotations/
日経IT Pro「ヤマト運輸、全員参加の経営理念研修に感動体験ムービー導入」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20090828/336163/?ST=cio
ワールド・カフェ・ウィーク 公式WEBサイト
http://world-cafe.net/
前号では、大前さんが様々な仕事や出会いを経て、現在の仕事にたどり着くまでのキャリアストーリーを伺いました。インタビューの前編はこちら
http://ameblo.jp/tencafe/entry-10426593903.html
今回の後編では、身につけておくとよいスキルやこれからの夢、やりたいことについて伺いました。
↓後編はこちらから
Q:小田 美奈子
A:大前 みどりさん
◆ 英語でセルフイメージが上がる
Q:これまでで役に立ったスキルについて教えてください。
A:英語は、テクニカルライターの仕事で役に立ちましたが、それ以上にセルフイメージがすごく上がったことがよかったです。今まで資格を一つも持っていなかったので、自分は何もできないと思っていましたが、とりあえず社会的な基準になるものを一つでも持っていると、自信にもなります。TOEICは何回か挑戦して、935点で受けるのをやめました。
この体験で、自分が苦手なことにも取り組もうと思うようになりました。何もできないと、「どうせ私なんて…」と思ったりもしますが、ちょっと頑張ればできるという成功体験を一回積んでいるので。
◆ 誰かの思いを伝える「通訳」の仕事
Q:通訳になりたいという夢は、今はいかがですか?
A:まだあきらめていないですが、通訳といっても同時通訳という形だけではないと最近思っています。感動ムービーは、だれかの体験を短いエピソードに編集してメッセージを伝える方法なので、誰かの気持ちや思いを伝えること、つまり通訳に近い仕事はもうできているなと、先日気づきました。
福島さんのお手伝いをしていたときは、同僚が私の仕事を「翻訳」と呼んでいましたが、福島さんがこうしたいという荒削りの原型があって、それをどう伝えるか、どう届けたらいいのかなどメッセージを発する人の手助けをすることが自分の仕事だったと思っているので、それも大きくとらえたら通訳だと思っています。
つまり、誰かの媒介役をすることが、私自身のやりたいことだったのではないかと、後付けですが思っています。
◆ 相手と同じ世界を共有する
Q:英語以外で身につけてよかったスキルはありますか?
A:鮒谷さんや福島さんのお手伝いをしていたときなどに特に意識していたことなのですが、どうしたら相手に近づけるかと考えました。同じものを共有するには、似たような体験をすることが一番ですが、似ている体験がなかったら、体験に近いものをインプットする必要がある。
なので、相手が読んでいる本や影響を受けたという本をお聞きし、それらを読むことで、少しでも考えに近づきたいなあと思っていました。その人の語彙は、独自に編み出しているものではなく、これまでの体験や知識から出てくるものなので、そこを共有するには、自分もその人に近い経験をするか、知識を入れるかしかない。経験はすぐにできなくても、本はすぐに手にとれますからね。
そうやって本を読んでいくと、相手の方が自分の話についてきてくれると思って、さらにたくさん話してくれるようになります。自分が教えてあげた本をすぐに読むという行為は、上の人からみると嬉しいと思ってもらえるようで、次々に色々なことを教えてくれます。もちろん、見返りを求めてやっているわけではありませんが、そうやって相手の見てきた世界を少しでも見ようとすることが大切なのではないかと思います。これをスキルと言ってよいのかはわかりませんが。
◆ ブログで「フロー」を発信
Q:勉強になりますね。相手と同じ世界を共有する力というのでしょうか。
A:今年(2009年)に入ってからの大きな変化のきっかけは、ブログに「フローに生きることをしていきたい」と書いたことです。「フロー」というのは心理学博士のチクセントミハイ氏が提唱している理論で、時間や自我の感覚を忘れ行為に没頭している状態のことです。
仕事もこうやって没頭してできたら、仕事がやりがいのある楽しいものでしかなくなるのではないかと思い2年くらい個人的に研究をしていました。この「フロー」という言葉をブログに出した瞬間に、フローに興味がある、関係する人と不思議とつながっていくようになりました。
2009年の頭に独立すると決めたとき、自分はこれから何をやっていきたいのだろうととことん考えました。まずは自分自身がフローに生きたいし、フローに生きられる人が増えていったらいいと思いました。そこで、とりあえずフローの本をブログに載せて、私の座右の書ですと書くことにしました。
それに興味を持っている人が、たまたまブログを見た時に、大前さんはフローに興味がある人なんだと目をとめてくれて、それに関連する会に誘ってもらえるようになりました。
2年間は一人で勝手に思っていただけなんです。でも自分一人で「フロー、フロー」と思っていても、周りの人はわからないですもんね(笑)。ブログで本を紹介した途端、すごいスピードで人とつながっていき、フロー研究会という会も始めました。
経営者やコンサルタントの方々で集まって「人と幸せにする経営」についてディスカッションをし、それを実際に現場で活かしていくという勉強会です。その他にも、フローな状態をいつでも再現できるように各々のフロー体験をシェアしながら、それらをビジネスの現場にどう活かしていくかというHEROESプロジェクトでは、小田さんとご一緒させていただいていますよね。
◆ フロー~座右の書との出会い
Q:HEROESプロジェクトは、大前さんのおかげでありがたい出会いと学びの時間をいただいています。そもそも、そのフローの本に出会ったのは?
A:こちらも4~5年前だったかと思いますが、アタッカーズ・ビジネス・スクールの運営会社が「アゴリア」というSNSを提供し始め、SNS内のコミュニティを活発化するために、色々なプロジェクトが立ち上がりました。私は「輪読会」というコミュニティを立ち上げたのですが、その一回目の課題図書がダニエル・ピンクの『ハイコンセプト』で、その中の「生きがい」という章で、『フロー体験 喜びの現象学』(M.チクセントミハイ 著、今村 浩明 訳)が紹介されていました。
『フロー体験 喜びの現象学』読んだ時、うわーと思って。自分のこれまで本当に夢中になって仕事をしていたときの体験がこれで説明できると思いました。それが文字になって言い表してあったので。何とも言えない喜びを感じました。本を読んでいること自体が喜びでした。
Q:まさに「フロー」な体験、今の大前さんをつくった運命的な出会いですね。ブログで書こうと思ったのは、どんなきっかけですか?
A: 30歳の時は将来が不安だったので、これからやっていきたいこととこれまでずっとやってきたことは何だろう?と考えて、英語というキーワードが出てきました。そこでまず英語を勉強したことが、その後のキャリアにつながっていきました。
2009年に独立をすると決めた時も、将来の不安、これからやりたいこと、これまでやってきたことは何だろうと集中して考えました。どんな事業になるのか形はわからないけれど、自分はずっとフローに生きていきたいし、フローに生きていく人が増えることが、自分が他の人の役に立てることだと思ったので、明確なビジョンはないままですが、とりあえずフローについて発信をしていこうと思い、ブログに書いていくことにしました。
◆ 生きている喜びを実感する
Q:そうしたら思わぬ出会いにつながっていったんですね。
では、改めてこれからやりたいことについてお聞かせください。
A:自分なりに定義しているのは、フローに生きるというのは、いつも充実感ややりがいを感じながら、ライフワークバランスとか関係なく、仕事でもプライベートでも、生きている喜びを実感していることだと思うんですね。
生きている喜びって言葉で言うと簡単ですが、結構自分の深いところに向き合ったり、目標に向かって努力したり、人間関係をよくしたりといった、たくさんの意味が含まれています。何か特別なことが必要なのではなく、本当に本人次第なのですが、今はまだあまり実感できていないという人のために、そのためのステップを「こういうプロセスがあるよ、頑張ってね」と紹介するのがやりたいことです。抽象的ですね(笑)
◆ フローのモデルを作りたい
Q:フローへのステップ、たくさんありそうですね。まさに翻訳することですね。
A:産業カウンセラーの資格はとりましたが、一人一人のコーチングやカウンセリングをするのではなくて、こうなるとフローな社会、つまり一人ひとりがいきいきと暮らしている社会だよねというのを一人ではなく、色々な人の力を合わせてつくりたいと思っています。その取り組みが先ほどお話したフロー研究会だったり、HEROESプロジェクトです。
今は、自分としっかり向き合って自分の使命に従って活動する人が増えているので、明治維新みたいなことが起こっていると思います。そういう人たちの流れが、しっかりつながっていくように、その部分、部分で活動していけたらいいなと。結果的に完成形というか、人がいきいきと暮らしている社会や組織のモデルができればいいなと思っています。それももちろんゴールではなく、時代が流れていく中でのプロセスの一点でしかないですが、私はその一点で満たされると思うのです。
◆ 何か一つを頑張ること
Q:流れをつなげる人。フローには流れという意味もありますね。
最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
A:自分の体験ですが、何か一つをすごく頑張ることをおすすめします。成果が出るというよりは、自分で自分を頑張ったと思えると、セルフイメージが上がり、もっと上の挑戦ができます。
ただ、自分一人でやっていてもそうは思えなくて、私は何かを頑張るときは、この人に認められたいという人がいました。英語をやっていたときは、TOEIC満点(990点)の友人がいて、こまめに報告をしながら勉強を進めていました。その友人から頑張ったねと言われると頑張れました。そういうモデルになる人がいるといいと思います。
ただ、こういう人になりたいと思っても、逆になれていない自分を責めることがあります。そういうときは、人と自分を比べるのではなく、この人のこの部分に近づきたい!と思ってそこに集中して、他が全然できていなくても、落ち込まないことが大切です。
私が女性として尊敬するのは、アル・ゴアの『不都合な真実』の翻訳などを手掛けた枝廣淳子さんです。枝廣さんはご主人の都合でアメリカに住んでいる2年間で通訳になろうと、小さなお子さんを育てながら英語の勉強をされ、現在は同時通訳や翻訳、環境ジャーナリストとして活躍をされています。自分は小さな子どもがいるのは一緒だけど、他は何もないと思っている状態で普通に比べてしまうと落ち込みますよね(笑)
なので、現実の自分のできていないところに意識を向けるのではなく、この人のどんなところがすごいと思うんだろう?どんな部分で近づきたいんだろう?と、その近づきたい部分だけを見るようにしています。
あと、スティーブ・ジョブズ(※1)のスピーチを聞いた時は、自分のキャリアは自分で決めてつくっていっていいんだと、勇気をもらいました。ぜひスピーチを聞いてみてください。
※1:アップルコンピュータCEO、スティーブ・ジョブズが、2005年6月に行われたスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチ
http://www.youtube.com/watch?v=DE8HrWmnLwA
Q:これは私もお気に入りです。素敵なお話をありがとうございました。
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★★ 大前みどりさんから学ぶ、幸せキャリアのレシピ ★★
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(レシピ56)レシピ:相手と同じ世界を共有する
大前さんは相手と同じ世界を共有するために、相手と近い経験をするか、知識を入れるかのいずれかを考えました。大前さんは、自分が好きなことでもある、相手と同じ本を読むことで、相手からより多くの知識を教えてもらえるという流れができていました。
同じ本を読むことは、その人と同じ世界を共有することになりますね。そしてすぐに実行するフットワークの軽さも大切と改めて思いました。
(レシピ57)レシピ:今日を一生懸命生きると、明日につながる
大前さんの好きな言葉の一つとして、下記を紹介していただきました。
"You are younger today than you will ever be again. Make use of it for the sake of tomorrow." ―Norman Cousins, editor
大前さんのキャリアは、明確な目標があって目指していったのではなく、目の前に起こっていることに集中して取り組んだ結果、現在の仕事にたどり着きました。その中でも、自分がこうしたいという意図、憧れの人に近づくのはどうしたらよいかという思いを持って歩んでいます。
思いを持って今に集中して生きる、フローな生き方をすることが、充実感ややりがいにつながっていると思います。
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インタビューは、大前さんの活動拠点である新丸ビル「東京21cクラブ」で行われました。大前さんのお話は、共感することが多く、とても心豊かな時間を過ごすことができました。
ご多忙の中、この企画のためにお時間を作っていただいた大前さんに改めて感謝申し上げます。
今回のインタビューを通じて、大前さんのメッセージが多くの方に伝わることを願っています。
<ご感想のご紹介>
yikuko-coachさんより、大前みどりさんのキャリアインタビュー前編のご感想をいただきました。
掲載の許可をいただきましたので、ご紹介します。
【今号のメールマガジン面白かったです!
大前さんのインタビューで、
手探りのキャリアづくりからスペシャリストになっていく様子…
その道筋が、メルマガとか起業塾とか、福島さんとの出会いとか
具体的に示されていて
「私も大前さんのようになりたい!」
という意欲をかきたてられました。
インタビュー後半も楽しみにしてます!】
yikuko-coachさんのブログ
「これから生きる時間の話をしよう」コーチングブログ
http://ameblo.jp/yikuko-coach/
1/5のブログでは、このメルマガについても紹介いただきました。
http://ameblo.jp/yikuko-coach/entry-10427210197.html
素敵なご紹介、ありがとうございました。
★ インタビューのご感想、大前さんへのメッセージはこちらまでお寄せください。
nakocafe @ nifty.com
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