GCSEリーグテーブルの新評価、プログレス8とアテインメント8 | 鉄火のマキ@London イギリス教育事情一番乗り

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 義務教育終了試験であるGCSEの成績にもとづいてイングランドの学校を順位化した最新のリーグテーブルが発表されています。これまでは5科目でグレードA*-Cを取った生徒数の割合が使われていましたが、これですと学校の教育力より成績の良い子供の集まるグラマースクールや裕福な地域の学校に優位に働いてしまうため、プログレス8と呼ばれる新システムが導入されることになりました。新方式では試験の点数を問わず、生徒一人の11歳時の成績から16歳のGCSEの伸び率が評価対象となります。

  イングランド教育省:プログレス8によるリーグテーブル
  イングランド教育省:アテインメント8によるリーグテーブル

 この伸び率を表す新方式による学校ランキングの上位に来る中学校のタイプがすっかり様変わりしていて面白いのです。英語を母国語としない子が多いであろうイスラム教のフリースクールや、小学校の間は勉強させないことで知られるシュタイナースクールがトップ10入りしていることから「伸びしろ」が評価されているのが分かります。

この「プログレス8」の見方ですが、生徒の受けたGCSEから英語と数学を含む8科目を取り出し、平均基準を0として良ければプラス、悪ければマイナスで表します。要するにプラスの学校とマイナスの学校は同数ということですね。




 大部分の学校が-1から+1の間に収まり、例えば16歳時のGCSEグレードの伸びが予想通りのBであったら「0」で、+1の学校の学校は予想より本番でグレード1つアップしたB→Aという平均を大きく上回る伸びの最優秀校ということ。残念ながら平均をかなり下回る-0.5以下になってしまった中学校については厳しい指導が入るとのことです。

プログレス8が学校評価に使われるの対し、もう一つの「アテインメント8」は生徒個人のグレードを示すものとなります。9科目以上GCSEを取った子は成績の良かったトップ8つの科目を選びますが、この中で必須の数学と英語は2倍の重きが置かれ、さらに主要科目の理科・社会・外国語系から3科目を含まなければなりません。プログレス8のスコアは「伸び」ではなく「個人の16歳時の成績」であり、各学校の平均ポイントは公開されますが、学校評価のリーグテーブルには使われません。

アテインメント8は80点満点で今年の全国公立校の平均点は50点前後。上位は有名どころのグラマースクーがル並んでいますがここで70点台ということは生徒がほとんどA*/Aの完璧なグレードを取っているということになります。実質的な成績で学校を比較したい場合は、プログレス8ではなくアテインメント8の方に注目すべきということになります。

「伸びしろの大きな子ども達が集まり学校の教育力が発揮されやすい学校が上位に来るプログレス8」と、「実質的な高得点を取る旧来型の進学校が上に来るアテインメント8」、それぞれの特徴を理解しお子様に合う学校選びの参考にされてください。

 →Aレベル リーグテーブル、高校ランキング 
 →イングランドの小学校リーグテーブル