なさん、はじめまして


今回原子力発電の影響についてデータに基づいたまとめをしました。


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主要なデータの提供元は以下のとおりです。

平成22年度国内外における発電所などからの温排水による環境影響に係る調査業務
http://www.env.go.jp/policy/assess/4-1report/file/h22_01a.pdf
(財団法人・海洋生物環境研究所 / 日本エヌ・ユー・エス株式会社)
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近年、多くの話題に上がる「原子力発電所」ですがその仕組みは意外とシンプルです。



一般的な原子力発電の仕組みは以下の画像をごらんください。






ウランやプルトニウムが核分裂を起こす際に発生する大量の熱を利用して水を蒸発させます。
発生した水蒸気はその圧力によってタービンを回転させて発電しています。
2010年時点で日本に54基の原子力発電所が存在しています。



原子力発電がどれくらいすごいかというと
その年間発電量は279,800,000,000kWh(2798億kWh)でした。
この発電量をわかりやすく言い換えます。



最新のエアコンを6畳のお部屋で使うと仮定します。
これだと1時間あたり0.7kWほどの消費電力になります。
100kWを基準に考えると
100kW÷0.7kW=約143時間(約6日)
100kWで約6日エアコンを回せるということになります。



残りの電力を計算すると
6日(/100kW)×279,800,000,000kW=1,678,800,000日
1,678,800,000日÷365日=4,599,452年
現時点でわかったのは、1人の人間がエアコンを約460万年間つけっ放しにできるほどの電力を日本の原子力発電所が発電しているということです。



さらに人数で考えていくと2人で使えば半分、3人で使えば3分の1になります。
10万人が使用したとすると
4,599,452年÷100,000人=約46年
100万人が使用したとすると
4,599,452年÷1,000,000人=約4.6年
このように100万人が毎日エアコンを付けっ放しにしても約4年半は電力を供給できるほどの電気を原子力発電所が発電しています。
エネルギーとしては申し分ないものだといえるでしょう。



また原子力発電の電力比率は全体の29.3%でした。
これは火力、水力、風力など全ての発電施設から発電している電力のうち3割程度を原子力に頼っているということです。


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【ここまでの参考ページ】
Wikipedia-原子力発電
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB
エアコンの電気代・消費電力
http://electric-facilities.jp/denki1/aircon.html
ガベージニュース【エアコン世帯普及率9割】
http://www.garbagenews.net/archives/1927132.html
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しかし、みなさん既に御存知の通り原子力発電所ではデメリットも多く存在します。
有名なのは
・海水温の上昇
・汚染水の漏出

ですが、他にも多くの影響が危険視されているのをご存知ですか?


原子力発電所では核分裂によって発生した熱で水を沸騰させています。
その水蒸気は発電タービンを回転させて電気を起こしますが、その後その水は海には排出されていません。発生した水蒸気を再び水に戻して炉心に誘導し、再び蒸発させることで、水を循環させてタービンを回しているのです。



この時水蒸気を冷却しなければ水蒸気は水に戻ることができないので、ここで海水を使用しています。もちろん海水と放射能を浴びている水を混ぜるのではなく間接的に海水で冷却を行っています。大量の海水プールの中をパイプなどを通して冷却することで水蒸気は再び水に戻ることができます。



この時に海水は100度以上になっている水蒸気を冷却して水にするので当然海水の温度が上昇します。この時の温度上昇は、環境のことも考えて7度以下になるように定められています。




原子力発電を行う前の時点で環境配慮はされているのですが、7度という大幅な温度変化を仕方がないものとして原子力発電所は運営されていました。
この温排水が海に排出されることで起こるのは「環境と生態系の変化」が最も大きいでしょう。
自宅で飼っているアカヒレやネオンテトラなどの熱帯魚の水槽の温度が7度上がったら、熱帯魚は9割死んでしまいます。
お風呂の温度が7度も上昇したら子どもならばやけどをしてしまうほど熱いでしょう。




実際には温排水の排出されている周辺は2度ほど水温上昇が発生していると報告されています。大量の7度の水でも非常に多くの海水に流しこむことで更に冷却されていきますが、それでも非常に広い範囲の水温を2度も上昇させています。




これら非常に大きな影響を与えるであろうことを、原子力発電所の温排水は、稼働中ずっと行っていたのです。




東日本大震災ではその地震や津波などの影響で、核分裂に触れて汚染水となった炉内の水が海水に漏れ出てしまったり外部の環境に漏れてしまうという事態になり、今でもその問題は解決されていません。



これ以外にも海水にはフジツボや稚魚、イソギンチャクなどの幼生といった様々な小さい生き物たちが生息しています。これらの生き物が温排水によって受ける影響は大きく、死んでしまうものもいれば生き残れるものもいます。



しかし、施設内に入り込んだ貝類がパイプの内壁などを埋めてしまうと冷却効率が落ちるということで以下のような薬品が塗料として内部に利用されています。

・亜酸化銅系塗料(銅イオンを放出させている)
・シリコン系塗料(撥水性で微生物の付着を防ぐ)

さらに、塩素(次亜塩素酸ナトリウム)を検出限界値(オルトトリジン法 0.01mg/L または DPD 法 0.05mg/L)未満となるように海水に注入していました。

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※オルトトリジン法:塩素測定法の一つ。発がん性があるとされ、有毒。公定法では禁止されている方法。よって上記の記載はあくまでオルトトリジン法で検査した場合の濃度という表現であり、実際にオルトトリジン法を用いたという記述ではありません。
※DPD法:試料に硫酸N,N-ジエチル-p-フェニレンジアンモニウム(DPD)を加え、残留塩素との反応で生じる桃色から桃赤色を、残留塩素標準比色液と比較して定量する方法。同じく発がん性が疑われる物質。上記同様目安である。と願いたい。
(参考:http://www.shse.u-hyogo.ac.jp/kumagai/eac/4_13.htm)
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一部の方はわかっていらっしゃると思いますが、水、塩素、高温が重なればトリハロメタンなどが発生します。

以下転載で失礼します。
【塩素注入による副生成物トリハロメタンとしては、臭素との化合物であるブロモホルムが大半を占める。わが国よりも高濃度で塩素利用を行っているフランスの発電所における実測例によると、温排水中のブロロホルム濃度は 0.003~0.019mg/L であり68、71)、生物へ影響する濃度72~75)(無影響濃度は 4.8mg/L72)と推定されている)と比べて十分低い。なお、トリハロメタン(クロロフォルムとブロモジクロロメタン)の発がん性への懸念から、わが国の水道水では 0.1mg/L 以下が基準(水道法に基づく水質基準に関する省令)とされている。】
と記載がありました。



事実として、影響の有無に関係なくトリハロメタンの種類はブロモホルムが0.003~0.019mg/L程度温排水に混ざった状態で海に直接排出されています。
これは火力発電所でも全く同じです。


この点、ご存知でしたか?



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【ここまでの参考】
発電所を困らせる水の生き物たち
http://criepi.denken.or.jp/jp/env/seika/ikimono.pdf
ダイキハイクロレーター
http://www.hitachizosen.co.jp/products/business/processor/sterilization/index.html
平成22年度国内外における発電所などからの温排水による環境影響に係る調査業務
http://www.env.go.jp/policy/assess/4-1report/file/h22_01a.pdf
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【まとめ】
・原子力発電はエネルギーとしては申し分ない
・周辺域の海水温度を2度以上上昇させる
・塩素、トリハロメタン、ブロモホルムの放出がある





長くなりましたが、簡単に原子力発電所が稼働していることで発生する影響をまとめさせていただきました。




※1 間違った記載があればご指摘いただければ幸いです。
※2 まとめの動機:原子力発電による影響を知らないでいる方が多く見受けられた
※3 筆者:山梨大学工学部生命工学科卒。
   高分子、化学、生物学、物理学、量子力学、情報工学に通じる勉強好き。
※4 参考データ、出典元は上記記載の一部です。
   詳細はご自身で調べていただければと思います。
※5 立場:原子力発電所に対して中立の立場でまとめを書いております。
   批判も推奨もしていません。
※6 リツイート・シェアしていただければ幸いです。
   本物のデータに基づいた分析とまとめですがシェアなどはご自身の責任でお願いします。
※7 エアコンの消費電力は最新の装置を利用した場合のものです。
   利用温度などで大きく変化します。
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