【橋下府政ウオッチ】

 大阪府が財政難に陥っていることは、よく知られているが「大阪府にはいくらの借金があるのか」という問いに答えられる人は何人いるだろうか。実は、借金の額は見方によって何通りもある。

 橋下徹知事の説明によると、3兆8200億円。これは、実質府債残高という府独自の考え方に基づく計算によるものだ。この数値でいうと「大阪府の借金は減っている」という。

 しかし、一般的に府債残高はいくらかというと、今度は、5兆2千億円にまでふくれあがってしまう。この数値は、年々増えている。しかも、これは一般会計の数字だけ。特別会計などもあわせると、6兆1千億円になる。知事の説明と最大の金額には、2兆円以上の差がある。なぜ、そんなことが起きるのか。

 担当部局によると、行政の借金にもいろいろな性質のものがあるからだという。例えば、平成22年度予算で3200億円の借金として発行された臨時財政対策債は本来は国が出すはずのお金だが、国の財源がないために発行されたという趣旨のものだという。国側の説明は「とりあえず大阪府名義で借金してください。返済するときは、国が地方交付税という形で面倒をみますから」ということらしい。

 知事からすると、この借金は、国の都合で決められたもの。しかも国が返済する予定になっている。だから知事がした借金だといわれるのは心外だ、ということになる。そこで府独自の指標、実質府債残高では、こうした借金は除いて考えることにしたという。

 妥当な例えかどうかは分からないが、大学生の子供の学費を調達するために、親が子供名義でローンを組んだというようなものだろうか。大阪府の言い分は、子供が「お父さんが学費ローンを返済するといったんだから、お父さんが払ってよ」というものかもしれない。

 いずれにしても、大阪府名義の借金ということには変わりない。橋下知事には「国の政策でできた借金まで、府知事の借金といわれたくはない」という思いがあるのだろう。財政再建は進んでいるとは思うが、収入が激しく落ち込んでおり、財政的なピンチは続いている。きちんとした危機感を持つためにも、府の借金は減っているのか、増えているのか、という問いには「増えている」と答えるのが正解だと思う。

(河居貴司)

【橋下府政ウオッチ】

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