今年で65歳、完全リタイア シニア市場100兆、団塊商戦再び
今年で65歳、完全リタイア シニア市場100兆、団塊商戦再び
◆名画や名盤…専門書店も
「シニア世代」向けの商戦が活発になってきた。団塊の世代の先駆けに当たる昭和22年生まれが今年、定年延長の満期で完全リタイアとなる65歳を迎えるためだ。5年前の「満60歳」時の商戦は空振りに終わったが、60歳以上の消費額は昨年に100兆円を突破。高齢者の購買力が急速に存在感を高めるなか、各企業は“リベンジ”とばかりに対応を急いでいる。(藤沢志穂子)
DVD、CDレンタル店「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は昨年12月、東京・代官山にシニア層向け1号店となる「代官山 蔦屋書店」を開業した。音楽、映像のレンタル・販売と書店、カフェが一体となった店舗で、趣味の本や名画、名盤をそろえ、各分野に専門のコンシェルジュを置く。
「洋画、邦画の名作や、ジャズの名盤などが出ている」(同店のコンシェルジュ)と人気は上々。施設内にはファミリーマートが初めて出店した「シニア向けコンビニ」もあり、輸入葉巻など「通好み」の品や、有機食材を使った高級弁当が並ぶ。
中古品販売のブックオフコーポレーションも1月からシニア向けの販売促進活動を始めた。司馬遼太郎ら時代小説作家の目録や、分かりやすい店舗の利用案内を置いたところ、「郊外店でシニア層の夫婦連れが増えた」(担当者)。
◆旅行業界も期待
旅行業界にも期待が広がる。JTBは60歳以上の販売割合を、平成23年度の10%から24年度は15%に引き上げる目標を掲げる。日本旅行は欧州旅行や豪華客船クルーズなど団塊世代向けの新商品を増やし、大幅な販売増を目指す。
女性向け商戦も活発化。サントリー酒類は、50~60代以上の女性をターゲットとする缶チューハイ「こだわり果樹園のお酒」を21日から全国発売する。この世代の女性は「安心・安全」意識が高く、原料を国内の指定農園産に限り、飲み切りやすい小容量の250ミリリットルサイズとした。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストの試算では、昨年の60歳以上の消費支出額は前年比2・4%増の約101兆円。消費全体に占める比率は44%に達した。65歳以上のシニア層は約3千万人に達し、60歳以上でみれば約1500兆円とされる個人金融資産の約6割を保有する。
5年前の商戦では働き続ける人が多かったうえ、リーマン・ショックも重なり、消費は期待外れに終わったが、今年は完全リタイアとなるだけに、退職金を狙う各社の鼻息は荒い。
◆退職金が貯蓄に
ただ、シニア層の金融資産は株や投資信託も多く、「欧州債務危機による株価下落が消費を冷やす」(熊野氏)との懸念もある。また、金融広報中央委員会などの調査によると高齢者の8割が老後の不安を感じている。理由は金融資産や年金・保険が十分でないため。不安が解消する気配はなく、退職金が貯蓄に向かう可能性もある。2度目の挑戦が期待通り進むかどうかは、各社がいかにシニア層の消費意欲を刺激できるかどうかにかかっている。【上記ヤフーニュースより】
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