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2013-05-23 15:18:54

タクシーちょっといいはなし 4

テーマ:ブログ
 今回は、副題があります。

 『タクシードライバー無名人語録』です。 敢えて、無名人なんて付ける必要はないのですが、名言は

得てして、市井の人の中から生まれることがあります。 お名前を書きたくてもいつ・どこで・どなたにお話を

聞いたのか、もうわからなくなっているという話もありますが。
 
 とにかくスタートです。
 

「お客さんは、時間を買ってくれているんだ」

あるベテラン・ドライバーさんの言葉です。時間と一口に言っても、人によって様々。
急いでいる人・眠りたい人・話したい人・ちょっと贅沢したい人・etc・・・
ただ、目的地まで行きたいだけではないのです。だって、他に移動手段はいくらでもあるのですから。


「毎日、違う人生ドラマを観ているんだよ」

タクシーは不特定多数の人が利用します。職業も様々なら、老若男女も問いません。車中でのやりとりも
取り留めのない世間話から、商談・恋愛トーク・人生相談・痴話げんかまで多岐にわたります。プロとしての
最低限の節度を守ることは大前提として、人生ドラマの舞台に、黒子として関わることができるのです。


「だって、お客さんの通りたい道があるでしょうが」

ある新人ドライバーさんが、ベテランドライバーさんに「カーナビに頼ってばかりいたら失敗した」という話を
した時、言われていた言葉です。この辺りが、人間相手の仕事の深いところです。カーナビは、必ずしも
最短経路を示すわけではありませんし、春には、桜の咲いている土手を観ながら帰りたいというお客さんも
いるのです。何気ない言葉で、ヒアリングの重要性も説いています。


「もうこんな時間?いつもこんな感じ」

タクシードライバーの仕事は、一勤務の拘束時間が隔日勤務の場合、20時間近くと、大変に長いです。
ですが、売り上げがトップクラスの人ほど総じて同じようなことを言います。夢中になってやっている時、
人は時間を忘れます。感覚として、アッという間に過ぎていくのです。考えて車を流している人は、時間が
足りないくらいだと言います。何となくわかる気がしますね。


 言葉は、いきものです。 メモにとらなくても、頭の中に残っている言葉こそ、名言たりえるのだと思いま

す。 私は、プライベートでタクシーを利用した際も、ドライバーさんとよく話をします。 凄い経歴の人も

いますし、紆余曲折を経て、今に至ったという苦労人もいます。 意味のない人生などないように、聞いて

活きない体験談はありません。 タクシーの車中は、出会いの宝庫でもあり、人生の教科書の書庫でも

あるのです。





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2013-05-22 14:52:32

タクシーちょっといいはなし 3

テーマ:ブログ
 今回で3回目になりますが、意外と地味な話が多いと思われるかもしれません。 業界紙等から抜粋する

のもありですが、この連載のテーマのひとつが『リアル』です。 派手な面白い話ならいくらでも作れます

が、なるたけ自分がドライバーさんご本人から聞いた話、そうでなくても知っている方から聞いた話を紹介し

ていきたいと思います。 ですが、事実は小説よりなんとやらで、「まさか!」という話も今後、出てくるかもし

れません。 とはいえ、派手な脚色はしませんので、そこはご容赦いただきたいと思います。


 さて、今回はベテランドライバーさんに関してです。 何年やったらベテランさんになるのか・・・明確な定義

があるわけではありませんが、「この人は、長いんだろうなぁ」と思わせるような、よい意味で老獪な接客を

するドライバーさんがいらっしゃいます。 そういう人は、ここ!という時に、実によい仕事をさりげなくやって

くれるものです。 この『さりげなく』という部分が大切なのですが、象徴的な歌があります。 粋な接客を

するタクシードライバーさんの様子をこんな感じで歌っています。 

【傷心の女性がタクシーを利用する。よほどイヤなことがあったのか、かなりヤケッパチになっている様子。

ドライバーさんは、詮索するでも、干渉するでもなく、今日の天気はどうだったとか、ラジオで聴いていたで

あろう野球の話、つまりその女性にとって、差し障りのない話を何度も繰り返す】

 暗に、「わたしゃ、なにも見ていませんぜ」感を出しながら、気にかけている、自分も苦労人だからこそ

人を思いやれるドライバーさんのことを歌っています。

 
 実際に、そんなタクシードライバーさんはいらっしゃいます。 あるドライバーさんから聞きました。 顔中

アザとキズだらけの女性(何があったかはわかりません)をお乗せして、敢えて何も聞かずにいたら、その

女性から訥々と語ってくれ、最終的には人助けになったそうです。ともすれば、警察沙汰にしなければいけ

ないこともあるかもしれませんが、ここで肝要なことは、雰囲気を察知して、相手の方から話していただく

ことかと思います。 気持ちを無視して、勇み足になってもいけませんし、看過し過ぎてもいけないわけ

です。 かように、タクシードライバーさんとは、どんな状況でも臨機応変に対応する能力と、人の気持ち

を慮るきめ細かさが求められる職業なのです。 だからこそ、様々な経験をしている人、社会経験を積んで

いる人にやってほしいのです。 もちろん、お若い人ならお若い人の気持ちがわかります。 その人なりの

体験もあるはず。 タクシードライバーさんは、『人間力を活かせる』仕事なのです。





 





2013-05-16 13:46:48

タクシーちょっといいはなし 2

テーマ:ブログ
 『忘れもの』

 誰しもありますよね。ご多分にもれず、タクシーの車中に忘れものをされる方も大変に多いです。

 しないための注意点としては、言うまでもないことですが、降車の際、ご自分の座っていた

シートを振り返り、確認することです。 あとは、領収書を受け取った方がよいでしょう。車両を特定

できる番号が記載されているからです。

 さて、日本のタクシーのサービスは、海外からいらっしゃる方にも、大変に定評があります。

 車両、車中の清潔さはもちろんですが、ドライバーさんの親切さも当然、そこに含まれます。

 「んな、ことねぇだろ?」

 なんて言わないでください。確かに全てが同レベルではないのでしょうが、それでも、海外でタクシーを

利用されたことのある方は、合点のいくこともあるかと思います。

 海外から日本に旅行でいらっしゃった方が、こんなことを言っていました。

 「タクシーに忘れたものが、手元に戻ってきた!奇跡だよ!これは!!」

 ちょっとオーバーですね。とはいえ、日本人には当たり前のことでも、外国に置き換えた場合、決してそう

ではない例は他にいくらでもあります。


 金額云々ではないかもしれませんが、こんな話がありました。2012年・シンガポールでのことです。

 車内に110万シンガポールドル(約7.300万円)が入った紙袋の忘れものがありました。ドライバーさんは

 そのまま、会社へと戻り、社内の遺失物取扱所に報告し、結果、すぐに持ち主の手元に戻りました。 

 そのドライバーさんには 、称賛の声が多く寄せられたそうです。素晴らしい!でも、日本人は、あまり

驚かないかもしれませんね。そして、驚かないというその感覚を大切にしたいものです。永久に。 

 「だって、人様のもんだぜ」っていう、その感覚。


 私の知っているタクシードライバーさんは、忘れものを届けて差し上げて、感謝の手紙をいただいていまし

た。 足の不自由なご年配のお客さまだったそうですが、そのような方は、そうそう受け取りに行くこともでき

ません。規則や効率の問題もあるのでしょうが、人間対人間の仕事です。そこに血が通っていてよいはず。

 「プロフェッショナルなんだから当然でしょ」と、言われたらそれもそうなのでしょうが、それだけ・・・の世の

中では身も蓋もないです。 感謝の言葉も、働く人の原動力になるのですから。


 ここで言いたいことは、『見ている人はちゃんとも見ている』ということです。 タクシードライバー

さんは、クレームだけではありません。 感謝されることだって、たくさんあるのです。 こういうことが

表に出ることは、ほとんどありません。 敢えて、うちの方で今後もクローズアップしていきたいと思います。





 

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