クリスマスって、なんだっけ? | 樹のブログ|実験台モルモット

クリスマスって、なんだっけ?

はいどうも、メリークリスマス。

いやあ、クリスマスですよ。
みなさん元気ですか?
赤とか緑色してますか?
靴下ぶら下げてますか?
リア充の皆さんは爆発してますか?
俺はミニスカサンタが大好きなんでウキウキです(ぇ


ま、クリスマスですよ、なんていいつつ今日はイブなんですけどね。
なんか最近はすっかりクリスマス、って言うとイブが本番で
当日は意外とちょっとテンションダウンみたいな風潮がありますけど何なんでしょうね。


さてさて、クリスマスって言えばまあ、ケーキとかチキンとかサンタクロースとか
なんかまあ、そういうイメージが強いんですけど、今日の主役は、その辺の赤とか緑の連中じゃなくて
このお祭り騒ぎの本来の主役である、あの人について


そう、ジーザス・クライスト・スーパースターこと、ナザレのイエスさん。


忘れがち・・・とは言いませんが霞みがちなキリスト教のシンボルであるイエス・キリストさん。
この人が生まれたので、お祝いしましょうね、というのが本来のクリスマス。
まあ、さすがにこの人を知らないって人はあまり居ないと思うんですが
基本的に宗教とは縁の薄い日本人の間では、意外とイエス様って何者なの?
って事はそんなに浸透してなかったりする、ちょっと謎めいた人物だったりもします。


という事で、まずは問題です。

Q.「イエス・キリストは何教徒?」
(制限時間30秒)























はい、時間切れー

答えは「ユダヤ教徒」でした。

どうでしょう、正解しましたか?もしかして意外だった、って人も居るんじゃないでしょうか。
ついつい「イエス・キリストなんだからキリスト教徒に決まってんだろ」なんて思ってしまいません?

まあ、キリスト教ってのは、イエスさんが言ったりやったりした事をお手本に作られた宗教ですから
実際には、というか、何というか魂的にはほぼ「イエス=キリスト教」で間違いじゃないんです

ただ、そもそもキリスト教というのは、キリストの12人の弟子たちが
キリストの死後にその言行録をまとめて作り上げた物なので
キリストの生前に「キリスト教」というのは論理的には存在しないわけです。

なので、イエスキリストはユダヤ教徒。



はい、ここでまた「え、でもなんでユダヤ教?」って思った人も居るかもしれません。

実は、ユダヤ教というのは、キリスト教の前身でして
キリスト教でいう「天にまします我らの父」ことザ・GODと
ユダヤ教でいうところの「アドナイ」や「ヤーヴェ」(主)は、元々同じなんです。
ついでに言うと、イスラムで言う「アッラー」も同じ存在。

聖書の一番最初で「光あれ」って言ったあの人です。


つまり、2000年ぐらい前までは、ここいらの人達はみんなユダヤ教を信じてた人達なんですね
ユダヤ教ってじゃあどんな宗教?って話は、詳しくするとクソ長くなるんで
気になる人は各自で調べていただくとして、とりあえず、一言で言うと
「旧約聖書が聖典である人達」です。

だから、我々でもよく知ってるキリスト教の有名な伝説
ノアの洪水のお話とか、海を割ったモーセさんとか、カインとアベルの兄弟げんかとか
その辺のお話は、ユダヤ教の聖典である旧約聖書(ユダヤ教ではただ聖典と呼びますが)
にもしっかり書かれてるわけですね。


で、この旧約聖書的世界観の中で、重要な思想のひとつに「メシア思想」というのがあります。
まあ、これは要するに「苦しみに満ちたこの世界に現れ、我ら人の子を救ってくれる神の使い」
みたいな存在で、それの出現を待望する、というのが大本のユダヤ教において大きな思想の一つだったわけです

この辺の思想の背景には、当時エジプトや地中海世界で迫害されてきたヘブライ人の歴史とも
密接な関係があるんでしょうが、まあそれはとりあえずおいといてですね
そんなこんなで「メシアまだかな~」って暮らしてたヘブライ(ユダヤ)人の皆さん

すると、2000年ほど前に「メシア来たー!!!」って言い出す人達が現れます。
まあ、具体的に言うとヤコブとかヨハネとかアンデレとかあのへんの人達ですね。
その辺の人達が中心になって「イエスさんマジでパねぇから!ぜってーメシア!!」
って言い出して、それが各地に伝わって、一大勢力になります。

これが、キリスト教です。


さて、キリストをメシアと信じてついてった人達は
「メシア来たーひゃっほーい!!」と大騒ぎしてるんですけど
それを冷めた目で見て「いや、アレがメシアとかwwwwただの新興宗教じゃんwwww」
って言って相手にもせず、頑なに古き良きユダヤ教を信じ続けてる人達も沢山居ました。


そんなこんなでやっぱり「メシアまだかな~」って暮らしてたヘブライ(ユダヤ)人の皆さん
その中から、数百年たってまた「メシア来たー!!!」って言い出す人達が現れます。
「ムハンマドさんマジでパねぇから!ぜってーメシア!!」とテンション爆超の状態です。
ただ、メシアには既にヨーロッパ方面で確固たる地盤を築いているキリスト先輩が居ます。
そんな中、二番煎じで後発だとちょっとインパクトが足りませんね。

そこで、プロモーションのかけかたにちょっと工夫をこらします
「つーか今までもメシア(預言者)いっぱい来てたんだよ、イエス先輩もマジリスペクトだし
 モーセさんとかソロモンさんとかもメシアの大先輩っすよ
 ただ、ムハンマドさんは、同じメシアでも"最後にして最大"のメシアだから!!
 もうこれから先ぜってーメシア出てこないから!マジそこんとこよろしく!!」

という事で、"最後の預言者"ムハンマドを開祖として広がった宗教
これが、イスラム教です。


そして、2000年たった今も相変わらず
「え?イエス?ムハンマド?あいつらただの新興宗教の開祖だろ?
 馬鹿な事言ってないで毎日お祈りしてメシア来るのまてよ」
って言い続けてるのがユダヤ教のみなさん。




話がだいぶ脱線したのでクリスマスに戻しましょうか


そんなこんなで「現存するヨーロッパ最古の新興宗教」の開祖であるナザレのイエスさん。
この人の盛大な誕生日会が、クリスマスです。
あ、ちなみに「現存するアジア最古の新興宗教」の開祖はシッダルダ先生です。
最近じゃこの二人は仲良く立川で休暇をとっているなんて噂もありますねwww


で、このナザレのイエスさんの聖誕ですが、さすが神の子と呼ばれるだけあって
その生涯も伝説だらけなんですけど、誕生の時点でもう普通じゃありません。

まず、受胎からして処女懐胎。
ナザレの地で大工のヨセフさんと結婚してウキウキのマリアさんですが
新婚初夜よりも先に大天使ガブリエルが現れて
「あ、お前、神の子デキてっからよろしく」
って言われて、ヨセフさんと一度も致さぬまま妊婦にジョブチェンジ。

これにビックリしたのは大工のヨセフ
何しろ、まだ指一本触っても無いのに、大事な新妻が妊娠したって言われたら
「おいテメー俺が何もしてないのにドコの馬の骨と火遊びしやがった」
って話になるところなんですが、そこでも現れて
「大丈夫大丈夫、浮気とかじゃないから、神の子だからwwww」
で家庭内争議をなんとか収めるガブリエルさん。

大天使なのに妙にやる事のスケールが小さいのはご愛嬌。


そして、臨月が近くなったところで、なぜかベツレヘムに移動するヨセフとマリア。
一説によれば住民登録のために本籍地であるベツレヘムに行く必要があったためだとか何とか。
きっと本来の明るい家族計画では、子供作る前にそういう手続きはすませておくつもりが
ガブリエルのお節介のせいで色々計画が狂ったんでしょうね。

ところが、年末の忙しい時期の事、ベツレヘムの宿屋はどこもいっぱい。
仕方なく二人は宿屋の主人に頼み込んで、馬小屋の一角に泊まらせてもらう事にします。

日本でもよくクリスマスイブの夜にホテルがいっぱいで仕方なくその辺の駐車場で(以下略)
なんて光景が見受けられますが、そういう事情はこの頃から変わらなかったようです
(注:違います)

そして、よりによって馬小屋で狙いすましたかのように産まれて来るナザレのイエスさん。
大物はやっぱり違います。そういえば日本でも馬小屋で生まれた聖徳太子なんて人が居ましたが
馬小屋ってのはこの頃のスーパースターの登竜門としてはメジャーだったんでしょうかね?


というわけで、いきなり馬小屋スタートという人生ハードモードのイエスさんですが
生まれたと同時にいきなり生命の危機にさらされます。

ユダヤの王様であるヘロデさんが「ユダヤの新たな王が現れる」という噂を聞きつけて
「やべ、有力な若手はさっさと潰しておかなきゃ」って思ったヘロデさんが
「あー、2歳以下のヤツ、ちょっと皆殺しにしといて」って言ったためユダヤは大混乱。
幼子イエスの生死やいかに!?といった状況だったんですが
ここでもガブリエルさんが出しゃばってきます
「あのね、これから幼児大虐殺始まるからさっさと逃げた方がいいよ」
って言われて、慌ててヨセフとマリアはベツレヘムを旅立って
幼子イエスは危機一髪をかいくぐり、なんとか無事に育つ事ができましたとさ、めでたしめでたし。

ちなみに、他の家の子供たちにはガブリエルさん、何もしてあげなかったので
無事ヘロデ王に皆殺しにされましたとさ、めでたくなしめでたくなし。
いやあ、もうちょっと他の人も気にかけてあげればいいのに、ガブリエルさん。


ところで、ここで一つ疑問がありますよね。
なんでヘロデ王はキリストの生誕を知ってたんでしょう?

ここで出てくるのが「東方の三賢者」と呼ばれる人達です。
この三賢者と呼ばれる人達ですが「東方」というのがどこの事なのかは分かってません。
いくら東方とは言っても多分中国とかでは無いと思います。
この頃の中国は、劉邦の作った前漢がもう崩壊寸前のグダグダで大変な事になってますから
呑気に占い師が大陸横断して他人の子供の誕生日祝ってる状況じゃないでしょう。


ま、ともかく、この三賢者たち、おそらく占星術師じゃないかと言われてますが
この人達が「あ、なんか見たことない星がある。これアレだわ、メシア生まれるわ」
と言って、はるばるローマ帝国の一角にあるユダヤ地区まで出かけます。

そして、ヘロデ王さんに
「なあなあ、新しい王様が生まれたって聞いたけど、ドコにいる?」
って聞いたわけです。
賢者という割にはちょっと考えが足りない気もしますね。
聞く相手や聞き方ってモノをもうちょっと考えた方がよかったと思います。

結局ヘロデ王は何も知らなかったので、もっかい星占いして
「どうやらベツレヘムに居るみたいだ」ってんでベツレヘムに向かった呑気な三賢者
星占いで分かるんだったら最初からそうしなさいよ。

というわけで、自分らのせいでヘロデ王さんがいまごろ幼児虐殺計画を立ててるなんて
夢にも思わず、無事に生まれたばかりのイエスさんに会ってプレゼントとか渡します。
その内容は「乳香、没薬、黄金」

乳香というのは、カンラン科の木の樹液が固まった樹脂で、まあ言ってみれば香料です。
古代エジプトから神事に炊く習慣があったとかで、まあ神聖なお香だったんでしょう。
日本で言えば高級な線香ってトコでしょうか。

没薬は、これまたカンラン科の樹脂で、やっぱり香料なんですが
殺菌効果があって、古代エジプトではミイラを作る時に防腐剤として使われました。
やはり神聖な意味があったようで、日本で言えば・・・やっぱり線香かなあ。

そして、黄金はまあ、わかりやすいですね。
一番実用的でまともなプレゼントです。
地獄の沙汰も金次第、という事情は2000年前でも変わりませんから
何かと役に立った事でしょう。

というわけで、よくわからないプレゼントを渡した三賢者は
「これで任務は完了」とばかりに意気揚々と引き上げていきます。
うーん、なんともはた迷惑な賢者たちですね。

ちなみに、今でもカトリックのミサではこの乳香と没薬を教会内で炊いて行います。
やっぱりコレ、線香だわ。



とまあ、波瀾万丈の人生の幕開けをしたナザレのイエスさん。
その後も、空気を読まない事を言って大人たちを怒らせたり
30歳越えてから「俺、メシアデビューするわ」とか言い出したり
とにかくさすがのスーパースターなんですけど、クライマックスは当然ゴルゴタですね。

キリスト教のシンボルでもある十字架。
コイツに磔の刑にされて死亡・・・・と思いきや復活という離れ業をやってのけます。
いやあ、人間は死んだら生き返らない、という大原則から覆すんですからそりゃもう反則ですよ。
多分、それまで「キリスト?うーん、どうかなー」なんて言ってた人達も
さすがに度肝を抜かれた事でしょう。
ちなみに、今でもキリスト教ではイエスが復活した日を復活祭(イースター)として
クリスマス以上に重要な祭日としています。
日本ではまだあまり馴染みがありませんが、最近某ネズミの国で盛んにイベント打ってますので
ハロウィン同様何年かすると浸透してきて、ウサギや卵に絡めた商売が流行するかもしれませんね。

それにしても、死刑台を宗教のシンボルにしちゃう、というのもよく考えるとすごい話です。
まあ、そのくらいインパクトのある奇跡だったんでしょうけど。




さて、このゴルゴタの丘の磔刑から復活までのお話というのはまあまあ皆さんご存じでしょう。
では、問題その2。

Q.復活したイエスは、その後どうしたでしょうか?












A.40日後に天に昇り、神の右の座に着いた。

「なんやそれ」と思った人、挙手。

はい。俺です。

聖書やキリストの生涯を分かりやすく解説したお話というのは沢山あるんですけどね
どうも復活の後の話についてはなんだか歯切れが悪いんですよね。

いや、分かりますよ。神の子ですし。なんかこう、天にまします感じ。
厨二的に言えば、磔刑から復活を経て人間の殻を脱ぎ捨てたイエスは
高次の存在として現世に顕現したものの、その本質は天上界にあり云々、とか。

それにしてもさあ・・・・なんかこう、どうなのその展開。
もちろんね、クライマックスのゴルゴタ終わって、もうあとは後日談だし
「死ぬまで幸せに暮らしました」ってわけにも行かないし
万人が納得するようなオチを付けるのは難しいのは分かるんですけどね
なんかこうエンディングだけしっくり来ないんですよね。

まあ、この辺がフィクションとノンフィクションの辻褄を合わせる事の難しさなんでしょうかね・・・



とまあ、長々と書いて来ましたが、今日はこの辺にしておこうと思います。
せっかくのクリスマスなので、まあたまには
主役であるイエス・キリストさんの事も思い出してみてはいかがでしょう?


では皆さん、メリークリスマス。


※なお、この記事内で書いた聖書その他の内容については、かなり色々な派閥の色々な解釈を
 都合の良いように引用していますので、あくまで「ざっくりとした解説」だと思って
 決して正確性を求めたりしないで下さい(笑)