数字で評価することの難しさ | AKB48、とある地方ファンの呟き

AKB48、とある地方ファンの呟き

とあるきっかけからAKB48のファンになりました。地方ファンの立場からいろいろと思ったことを綴っていきます。

おはようございます。
最近、朝晩が冷え込んできて、日中との気温差も大きいのでなかなか身体が慣れないです。
ともかく風邪を引かないように気をつけたいと思います。

さて、38thシングルの申込みが始まりました。
今回は5日間で、(抽選で当たればですが)サイン会もあるみたいで(一部対象外のメンバーもいますが)、37thシングルで急遽サイン会を行いましたが、その反応を見て決めた感があります。
ファンとしてはサインが貰えるのは嬉しいことでしょうが、メンバーの皆さんの負担を考えるとやや複雑な気持ちです。
劇場盤握手会の日数も最近は4日~5日が定番となりつつあります。

CDの売り上げを上げるために握手会の日数を増やすというのは確かに効果がありますが、ただそれに過度に頼り過ぎるのもやはりメンバーの負担を強いることになります。
実際に握手会に行って、疲れてる様子のメンバーを見た経験のある方は多いと思いますが、何とも言えない気分になります。前日遅くまで撮影だったり、リハーサルや公演があったりと、多忙なスケジュールの合間に行われる握手会なので致し方ない部分はあると思いつつ、もう少しなんとかならないものでしょうか。

劇場盤が出ると必ずといって話題になる各メンバーの部数と完売数ですが、メンバーの人気の指標となっているともいえます。運営からすれば完売数の多いメンバーはそれだけ売り上げに貢献してくれるいわゆる”ドル箱”ですし、ファン側からも人気の有無を数字として見て取れるので、いろんな場所でこの数字が用いられるのもわかります。中止になりましたが、先月まで行われていたペナントレースでも使われていました。

数字で評価するというのは、学生ならばテストの点数がまさにそうですし、社会人だと人事評価制度を導入している職場がそれに当たります。評価に何より求められるのは公平性と客観性ですが、それを担保するためのデータとして数字を用いるのはよくあることです。
数字という裏付けがあることで評価の信用性を保つということもあります。
ただここで一つ疑問が湧きます。はたして数字で表れるものが全てなのか、世の中には単純に数字で表せないものがたくさんあります。目に見える数字に囚われて、数字に表れない大事なものを見過ごしていないかということです。

握手会での完売数にしても、1人が100枚買ったのと100人が1枚ずつ買ったのとでは、見た目の数字(売り上げ)としては一緒ですが、意味合いはかなり違ってきます。
長い目で見た時に、たくさん買ってくれるけど移り気ですぐに推し変してしまうファンと、買ってくれる枚数は少なくても、根気づよくずっと応援してくれるファンとでは、どちらがメンバーにとって有益なのか考えてみてください。人気というのははっきりしているようでけっこう曖昧な部分もあり、それも永久に続くという保障はない、実に流動的な要素といえます。

新曲の発売の度に取り上げられるので、正直「またか」という思いですが、メンバー個人の話題になる時に必ずといっていいほど、選挙の順位や握手会の部数で格付ける傾向があります。それはそれで仕方ない部分もありますが、そういう目に見える数字だけで、メンバーの価値を決めつけてしまうことにはやはり少し抵抗を感じてしまいます。
もちろん良識のあるファンの方は、そういう数字だけでメンバーの優劣をつけないでしょうし、自分の推しているメンバーに対する愛情をお持ちのはずです。前述したのは概ねネット上で見る意見ですが、ろくに公演も見ず、メンバー自身を深く掘り下げて見ることもせず、すぐにわかる数字のみで価値を決めるというのは、視聴率だけで番組の善し悪しを決めるようなもので、本質を見失う可能性があります。

38thシングルでは選抜メンバーが歌う標題曲の他に、カップリングの曲が何曲が収録されています。選ばれたメンバーを見て、改めてAKB48のシングルとはAKB48グループのシングルなんだなと思います。一部のファンから「他のグループは単独で出しているのに、なぜAKBだけは単独ではないのか」という意見があがるのもわかるような気がします。選抜メンバーは全体数から見ても少数なのでまだしも、カップリング曲を含めてどこにも入っていないというのはメンバー側からするとやはり気にしているようで、一昨日くらいのGoogle+で何人かの投稿を見てその事実を知りましたが、いたたまれない気持ちになりました。

私個人の感想ですが、選ばれたメンバーと比較して決して彼女たちが劣っているとは思いませんし、むしろその逆に当てはまるメンバーもいます。アイドルは人気商売ですし、ビジネスと割り切れば仕方ない部分もあるでしょうが、公演でも手を抜かず、努力を怠っているわけでもないメンバーが必ずしも報われないというのは大人数のグループならではの悲哀であり、光さえ当ててもらえず肩身の狭い思いをしている姿はファンとしてもいい気分はしません。

ここ数年のAKB48グループはずっと拡大路線でグループや人数を増やしてきて、今年はさらにチーム8やバイトAKBなどスポンサー絡みの企画でさらに拍車がかかっています。人数を増やすこと自体はいろいろな狙いがあると思うので一概に否定はしませんが、無秩序に人数を増やす一方で、今居るメンバーのケアが疎かになってしまっているのではないかという心配があります。
AKB48はアイドルグループであると同時に”学校”という側面もあると考えます。それぞれの夢があって、その通過点としてAKB48に所属しているというのが元々のコンセプトであり、所属している間に将来に繋がるスキルを身につけるというのが大前提だと思うのです。
「メンバーの成長を見守る」というのがファンとしての本来の楽しみですが、最近では「総選挙で上位に入ること」「選抜メンバーに入ること」「楽曲でセンターを獲得すること」がしきりに取り上げられているのを見るに付け、ファンとして応援しがいというか、楽しみ方としてはありなのかもしれませんが、そればかりに固執していて肝心な「メンバーの成長」という部分が蔑ろにされないかという心配があります。グループ内で覇権争いもいいのですが、そこから一歩前進して、AKB48を卒業した後の進路というのも考えて、そのために今どういうことを学んでおかなければならないのかということを頭の片隅に入れておいて欲しいです。今はAKB48というブランドでちやほやされていても、いざその肩書きがなくなると途端に見向きもされなくなるということは大いにあり得ることなので、肩書きに頼らない個人としての能力をどう磨くか、目先のことに囚われるのではなく、先を見据えた活動が長い目で見れば大事ではないでしょうか。

ひとつ例をあげると、先月行われたミュージカル「AKB49」はメンバーにとって貴重な経験となっただろうし、その後の公演でのパフォーマンスにその成果が如実に現れたメンバーもいます。こういう数値化されない部分は普段から見ていないとなかなかわかりにくいのですが、これもAKB48というグループの本質であり、もっと多くの人に気づいて欲しい部分です。自分はAKBのファンになって約3年半になりますが、まだまだ見切れていませんし、目を養うことの必要性を日々感じています。成長が必要なのはメンバーだけでなくファンにも当てはまるのかもしれませんね。そうなることでより成熟したグループとなるかと思います。