資料 201130 首相の懐、お先に回復 政治資金、「政権投げ出し」から倍増  | 黄昏れて独り

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 6年ぶりに再登板を果たした安倍晋三首相の政治団体の集金額が伸びている。


29日までに公開された政治資金収支報告書によると、


安倍氏の六つの関連政治団体が2012年に集めた政治資金は2億1939万円で、


06年の前回首相就任時の1億8567万円を上回った。


首相を辞任した07年は1億6万円と、過去最低に落ち込んでいた。▼1面参照


 団体間のやりとりと安倍氏本人からの寄付を除いて集計した。


 集金額を押し上げた要因は、12年に二つの団体が計5回開いた政治資金パーティーだ。


東京都内のホテルなどで開き、全収入の56%を占める1億2259万円のパーティー券を売った。


07年は「『政権投げ出し』との批判もあり、


とてもパーティーを開ける状況じゃなかった」(安倍氏の側近議員)といい、


パーティーなどによる事業収入は482万円しかなかった。

 12年は業界政治団体からの献金額も増え、前年の6・2倍の2496万円に。


自民党の政権復帰が予想される中、


9月の総裁選で勝利した安倍氏に各業界から資金提供が相次いでいた。

 

朝日新聞は06年、


安倍氏が初当選した1991~05年の収支報告書に記載された582の献金者


(個人、企業・団体)を調べた。


さらに今回は、06~12年に記載された697の献金者をあわせて分析した。


 首相に就任した両年を比べると、


06年は安倍氏の父・晋太郎氏の時代からの献金者は66で1786万円あったが、


12年は32で568万円に減少。


ただ、この長年の献金者は07年の首相辞任後も毎年献金を続けており、


苦しい時期の安倍氏を支えていた。


 一方、07年以降に新たに献金を始めた109の献金者には、


東京など都市部の企業経営者や自営業者のほか、


保守色の強い安倍氏の考え方に近い支援者らが目立つ。

 (中村信義)


 ■献金者戻り、総裁選前後から「先行投資」 後援会入会申し込みも増加


 安倍氏側への献金者は、07年の「政権投げ出し」で一気に離れた。


しかし、昨年9月の党総裁選で返り咲きを果たす前後から、再び群がり始めた。


 総裁選を2カ月後に控えた昨年7月31日。


安倍氏は東京都港区のホテルで昼食会形式の政治資金パーティーを開いた。


会場には数百人が詰めかけ、ほぼ満席。


2万円を払って参加した都内のIT関連会社の男性社長(44)は、


用意された弁当が品切れになるほどの盛況ぶりに驚いた。


クールビズ姿の安倍氏の周囲には、一緒に記念撮影を求める参加者の長い列ができた。

 

安倍氏は当時まだ総裁選出馬を表明していなかった。ただ、パーティーに初参加した社長は


「早晩、自民党が政権に戻ると思っていた。安倍さんへの先行投資のつもりだった」と語る。

 

 安倍氏は昨年、パーティーを3回開催。


参加者は回を追うごとに増え、党総裁に就任後、


衆院解散・総選挙が視野に入った11月のパーティーでは790人が券を購入。


主催した安倍氏の政治団体は4183万円の収入を得た。


献金額も伸びた。


昨年から献金を始めた個人や法人は少なくとも28件で、献金総額1126万円。


特に総裁に就任した9月以降の献金が目立った。


 07年の首相辞任や09年の野党転落で勢いを失っていた各地の後援会も息を吹き返している。

 

 安倍氏が官房長官だった05年に中部地方の企業などが結成した「中晋会」は


翌年の首相就任時には会員数が約70に膨らんだ。


しかし首相辞任に追い込まれた07年からは退会が相次ぎ、会員は約20にまで減った。

 流れが変わったのは、首相に再登板した昨年末だ。

 

中晋会への入会の申し込みは再び増加。


同会会長で物流会社会長の伊藤秀雄さん(71)は「業種は様々で若手経営者からの入会希望が多い。


アベノミクスへの期待もあるのでは」と話す。


 安倍晋三事務所は、政治献金についての朝日新聞の取材に対し「政治資金規正法にのっとり、


適正に処理しています。


個別の問題についてはお答えできません」とコメントしている。(原知恵子、明楽麻子)


 ■「復活期待し支援」


 安倍氏を支える献金者の顔ぶれは多彩だ。


自民党が政権から転落した09年から、安倍氏の考え方に共鳴し、


復権を期待して支援を始めた人も少なくない。


 09年から献金を始めた評論家の金美齢さん(79)は、12年までに計300万円を寄付。


金さんは献金した理由について「下野した苦しい時期に支える人がいることが力になる。


日本のために絶対必要な人。復活に期待した」と話す。


 12年の自民党総裁選の際、

金さんと安倍氏に出馬を要請した作曲家のすぎやまこういち氏も


11~12年に夫婦で計310万円を寄付している。


 財界では、

ゲーム・パチンコ機器大手セガサミーホールディングスと里見治会長兼社長が


09年に各50万円を寄付。


12年には、富士フイルムが100万円分のパーティー券を購入。


同社の持ち株会社の古森重隆会長は、


第1次安倍内閣時の07年にNHK経営委員長に就くなど、


安倍氏に近い財界人として知られる。


 九州の男性医師は安倍氏に共鳴し、初当選した20年前からパーティーに参加している。


08年にも50万円を献金。「一番つらいときほど応援したかった」と語る。

 (須藤龍也)