2013年11月15日(金) 曇り→雨
11月12日から来年台湾に貸し出す予定の「観楓図屏風」が展示されているので、
国宝室に見に行きました。
屏風の左側に陣取って紅葉見物をしながら躍っている陽気な表情がなんとものどか。
左上には寺に続く雪道が描かれていて、冬がそこまで忍び寄っていること感じさせる。
飛んでいる白い鳥は鷺?
対比するように描かれた右側の鳥の群れは雁?
右側に陣取って紅葉見物しているのは女性グループ。
お乳を赤ん坊にふくませている女性もいるわ。
観光地の露天商はこの時代から、もういたのね。
客の男性客が手にしている椀には何が入っているの? 蕎麦?
え、でも、この露天商は茶筅をふっているようにみえるけど。
天秤棒の左側には括りつけられているのは、風炉に見えるけど。
えっ、でも、天秤棒で風炉を運ぶ???
て、ことはこの露天商は、“野点サービス”のお茶屋さん?
そばや天ぷらの屋台は時代劇によく出てくるけど、お茶の屋台って聞いたことなかったわ。
この絵が描かれたいた時代って、利休はもういたんだっけ?
庶民の紅葉狩りにお茶屋が出没するほど、茶道がブームだったの?
絵を眺めて、横の解説文を見たところ、ほぼ、私が感じたことが書かれていた。
露天商はやはり茶売りらしい。
しかし、去年も「観楓図屏風」を見たのに、絵の詳細まではまったく見れてなかった。
一年も美術館や博物館通いを続けていれば、少しは観賞眼も培われるのだろうか。
それにしても、天秤棒の“野点サービス”とは面白い。
庶民もこうしてお手前を楽しんでいたとは。
茶道文化の足跡はこんなところにも残されていて、現代にも茶道は脈々と継承されているから、
さほど素養のない現代人でも、この絵に描かれているのが茶筅と風炉だと分る。
文化って、そうやって受け入れられ、残され、継承されていくものなのだな~としみじみ感じました。
このあと、ちょっと本館をぶらぶらしていたら、狩野永徳の絵を見つけました。
さりげに永徳や重文が展示されているところがトーハクの魅力。
重要文化財
「許由巣父図(きょゆうそうほず) 狩野永徳(1543~1590)筆 紙本墨画 安土桃山時代・16世紀
聖帝尭(ぎょう)の天下を譲るという申し出を聞いた許由は、耳が穢れたと水で耳を洗い、
巣父は、その穢れた水を牛に飲ませず、牛を牽いて帰ったという。
高い位を嫌う理想の高士のたとえ。
永徳は狩野一門の棟梁として天下人・織田信長、豊臣秀吉に仕えた。