東洋経済オンラインに記事を寄稿しました。

 

ご笑覧頂けましたら幸いです。

 

「英語の習得」とプログラミングの意外な関係

http://toyokeizai.net/articles/-/169817

 

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 英語をプログラムを解析するように読むという時、それは英語を「形式」の面から考えるということになります。

 

 その言い方にすると、実はそれは、「受験英語の巨星」(江利川春雄)とされ、特に1970年代から1990年代にかけて日本の受験英語界に大きな影響を与えた、故・伊藤和夫先生(1997年没)が、1977年刊行の『英文解釈教室』(研究社)などで広く明らかにして、展開して来られたことにとても近くなります。「筆者が本書で試みたのは、英語を形から考える練習、つまり、英語を読んでいるかぎり決してそこから離れることができない基本的な約束を明らかにすることから出発し、その原則に基づいて英語の構造を分析し、読者とともに考えることを通して、英語を読む際に具体的に頭はどのように働くのか、また働くべきなのかを解明することである。」

(伊藤和夫『英文解釈教室』研究社1977年、はしがき)。

 

また、プログラミングから見た英語という問題意識も、次のようなくだりを読むと、伊藤先生もやはり十分に意識されていたことがわかります。

 

「現在の私の教授法の基礎をなしているのは、テキストの英文を生徒の目で見て、かりにそこで自分が迷うか間違えるかした場合に自分が一瞬にするはずのことを、思い切って速度を落としてゆっくりゆっくりやってみせることであり、そしてそういう修正を可能にしている英語の基本的な約束を、その授業を通じて明らかにしようとする姿勢であると言えるかと思います。」

 

「あるセンテンスを読む前に我々の頭は白紙のはずなのに、それが読むに従ってわかり、ピリオドにいたって(※注:返り読みすることなく)すべてが明らかになるというプロセスは、当然、一本の線をいくつかの単位に分割し、単位相互の間に種々の関係を認めるという作業を含みます。センテンスを構成する単語の中で、何がそういう区切りに参加するのか、ピリオド以外の何が我々にセンテンスが終了したと感じさせるのかという問題もあります。・・・コンピューターによる翻訳のためには以上の分析が不可欠である以上、それはすでに行われはじめていると思います。そして、そのような現象分析の上に立った教え方こそ、我々の英語教育に新しい道を開くものと、私は信じたいのです。」

(伊藤和夫「私の英語教授法」『駿台フォーラム』第6号(1988年)、伊藤和夫『予備校の英語』研究社1997年所収)(※注は筆者)

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 思えば、私は中学1年の時に初めて英語をちゃんと学び始めた頃から、「英語だって言葉なんだから、単語を一語一語話している間に意味は成立しているはずで、一文全部聴き終わってから、初めてそれに対応する意味がわかる、なんてことはありえない」と思っていたのでした。

 

 しかし、学校の授業はそのように英語を理解したいと思う私に納得のいく説明を与えてくれず、また、例えば、文法の説明でも、

1.

a) no more than ~=only ~ (たったの~)

b) not more than ~=at most ~ (多くてもせいぜい~)

c) no less than ~=as many as ~;as much as ~(~も)

d) not less than ~=at least ~(少なくとも~)

 

2.

have + O(人) + 原形

have + O(物) + p.p.

 

とか、なぜそうなるのかの理由を説明せず丸暗記させようとしたりしていたのでした。

しかも、この場合の2.の方は説明が間違っていたりします。

 

 高校生の私にとっては、学校の英語の授業の中で教えられる、日本人が考えた説明の中には、本来ネイティブはそのような理屈で英語を使っていないというような間違っているものさえかなりあるので、あまり信用できないと思って、自分で書店や図書館で文献を漁ったり、ネイティブの人に聞いたり、自分で英語の勉強を模索したりしていたのでした。

 

 そうこうするうちに、坂本龍一さんが『Seldom Illegal 時には違法』という本に収められることになった、見城徹さんが編集長時代の『月刊カドカワ』の連載で、マーク・ピーターセン先生の『日本人の英語』という岩波新書が面白いと言及していたので、買って読んでみて、英語の納得のいく説明に渇望していた私の気持ちは少し満たされたのでした。

 

 が、それでもまだ、英語全体についてなかなか理解した気にならず、また解釈の仕方もこの文章の冒頭に書いたように、納得のいくものではなかったため、引き続き、いろんな参考書や英語の勉強の仕方の本を渉猟しているうちに、山口俊治先生の『英文法講義の実況中継』と、東京SIM外語研究所の教材、そして、伊藤和夫先生の『英文解釈教室』に出会い、かなり自分なりの英語の習得法を確立できた気がしたのでした。

 

 そして、社会人になって、プログラマ・SEを5年やった後、再度、英語をブラッシュアップして、TOEIC990(満点)を取り、英語を処理している時に、自分の脳内で起こっていることを考えていたところ、頭の中で、意味を、「いる時にいる分だけ取る」、ということで、トヨタ生産方式と同じことをしている!というイメージが浮かび、その習得法を「ジャストインタイムリーディング®」と名付けたのでした。

 

※以前、中1レベルから、TOEIC990を取るまでの参考教材について書いたものがあるので、そちらも、よろしければ、ご笑覧頂ければと思います。

 

http://tapestry7.seesaa.net/article/401172433.html

 

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 映画『ブレードランナー』(1982年)(原作はフィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(1968年))は、SF映画の金字塔として、サイバーパンクの未来のイメージに決定的な影響を与えることになった作品です。ストーリーは、近未来の世界で、遺伝子工学により作り出された、ほとんど人間と見た目が変わらないアンドロイドに、火星などで危険で過酷な重労働をさせていたところ、6体のアンドロイド(レプリカント)が反乱を起こし、地球に侵入したため、特捜(ブレードランナー)の主人公が、アンドロイドを探し出して、「退役させる(処分する)」というものです。その時、人間とほとんど見た目も、機能も変わらないアンドロイドを見分けるために、フォークト・カンプフ法というテストを行うのですが、C言語でのコンピュータのプログラマ経験が5年ある私から見ると、それは「人工知能は、英語の意味内容を理解できるか?」ということを問うテストのように思えます。つまり、人工知能は、そのテストの英語が意味する深い意味内容を理解し、適切な感情を湧き上がらせることができるかを問われるのですが、感情の反応を表現することが人間よりわずかに遅れることにより、アンドロイドだと検知されてしまうのです。アンドロイドは、英語のシンタックス(統語法)の機械的な理解は人間と同様に瞬時にできるのですが、与えられた状況描写の意味内容とそれに対する適切な感情を導き出すためには、その文章の単語・概念の膨大なビッグデータを走査しなければならず、その処理に少し時間がかかってしまうためです。

 

 私はプログラマを5年経験したのち、TOEIC L&Rテストで805点の状態から1か月で955点と150点アップさせ、その6か月後に990点と7か月で満点を取り、現在、英語を教えています。自分の経験から導いたノウハウを元に、他の方に対しての英語指導を始めてみると、社内公用語が英語だという企業に勤める私の受講者の方たちも、TOEIC L&Rで、1人目は3か月で115点アップ、2人目は2か月で125点アップ、3人目は40日(実に1か月と10日)で185点アップとどんどん短期間で800点超えを達成するというように成果を上げ始めました。教えている過程で、私の英語の習得法の有効な点とその理由を見つめ直してみると、私がかつて約5年間のC言語のプログラミング経験があったことで、英語をプログラミングから見るという新鮮な観点で見つめ直すことができたからではないかと思うようになりました。これからしばらく、そのようなプログラミングの観点からの英語習得アプローチということについて書いてみたいと思います。短期間で英語力をアップさせたいとお考えの方たちのご参考にでもなればと思います。

 

>トヨタ式英文解釈=ジャストインタイムリーディングとは?

 

https://www.youtube.com/watch?v=qgz6jFxMpyk