能面 面打 新井達矢の制作日記

日本の面に向かう日々

東京は西の外れ羽村市にて面などを打っています。

面の制作と木彫教室、お囃子以外やることがない小生ですので、気の向くまま適当に書いております。

たまに覘いて頂けたら幸いです。

以下は私の連絡先です。

mitsuya-arai@s6.dion.ne.jp


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10月下旬のこと、目的を作って大阪と京都の福知山まで参りました。                                                   
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数年前に取材して頂いた「和風総本家」をご覧になり電話を下さった師の奥様、
弾む声に懐かしい大阪言葉、お元気な様子に安堵。
お訪ねしなければと思いながらグズグズして時は過ぎました。
先生より20歳お若いので当時は「おばちゃん」のイメージが強かったですが昭和7年のお生まれで84歳になられています。

大阪市内の大きな神社が近い某駅で待ち合わせ、
食事をご馳走になってからお宅へ。

積る思い出話、、、当時は触れて下さらなかった個人的なこと。
現在のご趣味など、絶え間ないおしゃべりはお元気そのものでした。




初めて撮って頂いたツーショット写真。

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これは先生の個展会場で撮られたもの、
奥様も父も若い、92年4月なので私は9歳です。

どれも撮影は奥様の弟さん。
数枚しかない先生や奥様との写真、
折にふれ使わせて頂く有り難いものです。




この裸婦像と上の天女像は共に奥様のコレクションです。
ご自身もお若い頃は木彫をされていたので、近代作家を中心に木彫作品を購入されていました。

献身的に還暦以降の先生を支えられ、世に押し上げた蔭の立役者、内助の功。
個展会場で奥様が声を掛けて下さらなかったら、氏春先生の元に通うこともできなかったでしょう。



これは氏春先生作の般若!
掛け値なしに素晴らしいと思います。



生反りを用いた面裏。
洞白とも違いますが、惚れ惚れします。
紐を外させて頂けば良かった。
とても真似が出来ません・・・



アルバムも見せて頂きお宝写真が続々と。

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 左から2人目は氏春先生、そのお隣は石倉耕春先生、右端は堀安右衛門先生。

かつて「面生会」という能面研究グループ?がありました。研究者の中村保雄先生を中心に長澤氏春、北澤如意、石倉耕春、堀安右衛門の諸師をはじめとする能面師が会員だったようです。
各地の能面調査や能面展を開催していたそうで、現代ではあまり無い集まりのようですね。

 

 


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左は列中央は堀先生、右列中央は北澤如意先生、手前は石倉先生。
今や天下の先生が若者ですね!!

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左から北澤先生、石倉先生、中村保雄先生、堀先生。

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右列中央が北澤先生、奥が氏春先生。お二人が並んだ写真は初めて見ました。
ほぼ同い年(明治44年と大正元年)で親交が深かったそう。

芸者さんを上げて??今では考えられない贅沢な時代という印象です。

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なんと軍隊時代のお写真まで!
後列左から2人目だと思われます。

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上と左下の写真はテレビ番組「極める・日本の美と心」でも紹介されていました。

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私が父と通わせて頂いた伊豆高原のお宅と、下はたぶん城ヶ﨑。
もう伺えないので寂しいです。

他にもまだまだありますが、多くなり過ぎますので・・・


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翌日は大阪から特急に乗り福知山へ。
余りの遠さと車窓の田園風景に唖然、、いや見惚れて。

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福知山城。
 

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写真撮影が許可されていたので沢山撮らせて頂きました。
ご本に掲載されていない面が幾つもあり、楽しく拝見。


 









痩女や姥、般若の類まで入れれば半分が女面ではなかったかという印象。
女面ほど難しくのめり込むモノは無いのです。

その日に帰らなければならなかったので後ろ髪を引かれる思いで会場を後にして大阪に戻りました。
こちらでは大先輩の工房におじゃましてご教示を頂き、お寿司をご馳走になってお酒まで頂き、満腹ほろ酔いで終電近い新幹線にて無事帰宅しました。

諸先輩方にも優しくして頂き、ご厄介をお掛けしておりますが、
他人様に恵まれてきたのだと感謝の念に堪えません。



【合同展 工燈】

お陰さまで第9回展が無事終了、まだ公表できませんが10回に向けての目標を掲げました。
以下は今回の出品作です。



小面



増女



般若



恵比須

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全員ではありませんが珍しい集合写真。
撮影 山口宏子氏

【型紙・切型】
 

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最近は本面(手本面の意味)から直接型や寸法を取り写しを打たせて頂く機会が増えました。
面型(正面の輪郭)や縦型(側面の輪郭)はじめ、このように横断面の型を多く取ると左右の歪みを写す手助けになります。
しかし全てを寸分たがわずピタリと当てるのは不可能に近く、何箇所も作るのは安心感というか自己満足かもしれません。
おそらくズレたから駄目ということではなく生きた表情になるかが全てなのでしょう。
写しであっても舞台で生かされる彫刻作品としての生命感を忘れてはならないのだと思います。

有り難いことに市販の型紙が増えました。
印刷の都合かわかりませんが変形し、それらを利用すると半分以上合いません。無理に合わせて作るとマトモナ顔になってくれないのです。
そもそもは他人の手で作られたもの。
採取する場所や癖、個々の当て方の微妙な違いを熟知しないと使いこなせません。

型紙なんて一枚もなくても作れるんだ!
と言えるような造形力を持ち合わせた上で使用する型紙であることが理想ですね。



 

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中秋の名月を背景に。。上手く撮れず残念。

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本年11月10日から11月14日まで東京巣鴨とげぬき地蔵さん隣の「高岩寺会館」で恒例のグループ展『工燈』(こうとう)を致します。
読みは恐れ多いですが”燈のようなささやかな工人の集まり”という意味で名付けています。

詳しくは画像をご覧頂きたいのですが、ピントがわるいですね。
小生は13日(日)以外は在廊予定です。

今年で9回目となり、年齢だけは平等に増えました。

皆様のお出ましをお待ちしております。



検索ワードを確認すると「般若彫り方」「般若面」の類が多いことに驚きます。
他には「狐面」ですが・・
従いまして以前の「般若連続写真」という記事だけアクセス数が多いようですね。


残念ながら今回は狂言面の「恵比須」「夷」です。

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面裏となる面に鉋を掛けて面型を写し輪郭を描き、
表に返して鉈で左右を割り、”はつって”整えたのが上の画像。

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鋸で四隅を落とします。
直角に切るのは意外と難しい。。
 

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突き鑿などで輪郭として描いた線が消えたギリギリの所まで面裏の面に対して直角に削り出します。
線が残る程度だと少し大きくなり、この先の工程で型紙が入らなかったり、肥えた印象の面に仕上るので要注意です。

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周囲を適当に叩き鑿で落とし、鼻下と鼻の付け根の位置に鋸を入れます。

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縦型(横顔の輪郭を表す型紙)を合わせザックリと荒彫り。
 


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狂言面なので型紙は少ししか取りませんでしたが、額、鼻、上口、下口などで確認しながら具体的な骨格を出し始めたところ。
前の画像からの変化の過程をこまめに撮れば良かったのですが、つい忘れます。
それはお見せ出来ないような恥ずかしい様子だからです・・・

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中彫完了?でしょうか。
目鼻口の位置は決まり表情は出てきましたが、微妙な絞り具合はまだまだです。

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口を彫ると一気に表情が出て楽しくなります。。


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表の彫刻がほぼ完成しました。
型紙は少ないし、真面目に写し過ぎるのもつまらないと思い進めたので余り似てませんね。
何故か写真に撮ると肉眼で比べるより欠点が解り易くなるようですが・・・・
これから手を入れるべき箇所がわかってきました。

この恵比寿面は教室の生徒さんに彫って頂いたら良いかも、縁起物ですし。

右側の面は手本としているものですが、ヤフオクで購入しました。
出品されているのは2、3回見ましたが、少ない方ですね。
東京国立博物館に所蔵されている恵比寿(後ろの本左ページ)によく似ていますが若干大きいようです。

パッと見は木彫の面に見える程に確りした真面目な彫刻です。
原型を木彫で作り樹脂で型抜きし、手作業で彩色しているよう。
胡粉ではないのか、表面をコーティングしているのか耐水性です。

この類を出品者は樹脂製だと気づかずに「木彫」と書いて出品していたので、届いてから気付いてガッカリした方がいらっしゃるかも。。

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ちなみに東博面の裏には「次郎兵衛打 写□」と書かれているようです。
「面目利書」や「仮面譜」に名工 児玉近江の弟子として記載がある「梅岡次(治)郎兵衛」の作?またはそれを写したものかも?と思い、能面ではその作例を知らないので興味深いです。

ヤフオクや骨董市で樹脂や桐塑製とみられる数種類の面を見るのですが何時の時代に作られたものか・・・?

昭和35年出版の”わ○や書店”さんの本に『プラスチク能面』なるモノの宣伝がありますので、その類でしょうか。

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これもやはり樹脂製の面。
古面から精巧に型取りされていて驚きます!
10代の頃、父に無理を言って氏春先生から譲って頂きました。
原型は春画の展示会で賑わせた東京の某美術館ご所蔵と思われます。

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裏は「出目庸久」友水の焼印や鉋目だけでなく木目や表面に書かれた漆の文字までも鮮明に出ています。


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一見酷い塗りでガラクタのようですが「天下一近江」の焼印のある原型からの樹脂面で、上記の般若と同じコレクションではと。。。裏に書かれた整理番号の形式や筆跡などが似ています。
これも最近ヤフオクで安ーく落札することができました。

一般の方向けの装飾品としては彩色が無くては売り物にならないのでしょうが、
我々にとって中途半端な塗りは邪魔でしかありません。

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耐水性のある塗料で塗られているため水に浸けても落ちないので小刀で少しづつ剝していますが本当に大変です。
アセトンでは溶かせるかもしれませんが樹脂の方にダメージがあっては本末転倒なので。

江戸時代の面から作られた精巧なレプリカ(若干縮んでおりますが)がいつ頃どのような目的で作られたのか?正式に出回っていたのか・・・・・?

こちらの美術館?ご所蔵のレプリカ能面は他の種類もあるのですが、未だ手に入れることができていませんので、詳細は伏せます。ライバルが増えるのは困りますので・・・

仏像はナントカ科学さんから正式に?沢山のレプリカが販売されていますが、能面の類は少ないです。人気がないからですね・・





他には「痩男」

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素晴らしい面から沢山の型紙を採取。

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荒彫り。

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中彫り

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表はだいたい彫り上がりました。



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7月のことですが、憚りながら歴史ある【能楽タイムズ】様の対談に参加させて頂きました。
お相手は近隣のあきるの市在住の中所宜夫先生。
10年以上前から拙作を度々お舞台でお使い頂き、活動の場を広げて下さったおシテ方の一人です。
 

何度も見直しをさせて頂いたのですが、後悔する発言も多く大いに反省。
しかし能楽関係者なら誰もが知る超有名誌!生涯の記念となりました。


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適当に書き足していきます。

 

 

 

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今月3日、横浜市にある久良岐阜能舞台での催しに伺いました。


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館ご所蔵の能装束の虫干しを兼ねた展示と刺繍家・染色家で大学教授の岡田宣世先生のご講演。小生作の能狂言面の展示とインタビュー形式の講演という内容でした。





朝6時に当方宅を出発、運転手は愛弟子ドタキャンにつき木彫刻師の宮本裕太君にお願いしたところご快諾、彼の作品も素敵です。


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到着早々展示の準備。
ご近所の岩崎久人先生が駆け付けて下さいました。

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書面等で何かと物議を醸す先生ですが、ご自分の想いに真っすぐで人情の厚く思いやりのある方だと皆様に申し上げます。


以下展示会場の様子をザックリと。

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制作工程と11月に開催する合同展の案内状も置いてさり気無く宣伝。。今年で第9回目。


そして心配の種だった講演。

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館の黒岩氏とインタビュー?対談?形式でさせて頂きました。

さほど緊張していたわけではないのですが、頭が回らず答えに窮することが多いのは毎回のこと。今回はぶっつけ本番だったのでそれに拍車を掛けました。


方々で耳にする文言に
「能面師にはプロとアマの境が明確では無いのですよね」
というのがあります。

また来たか!と思いつつ
「難しい問題なんですよね」
と口癖で答え多様な気がします。


これについての本来の私なりの思いは・・・

過去に某大学の博物館で全国の面打、能面作家の合同展が行われましたが、その際の調査で
玄人とされる面打は20人余りという結果が出ました。

しかしその後の少しの経験を経ての実感は5人いるかどうかではと・・・


日本国には職業選択の自由がありますから、ご自分が能面師と仰るのであれば否定する気は毛頭ありません(私もまだまだその段階でしょう)
お免状(公のもの)や免許があるわけではないですし・・・

そんな中でもお仕事をしながら5、6年能面教室に通ってある程度の技術を身につけ、玄人を名乗り教室を始めた方と、
様々なモノを犠牲にしながら何十年と辛酸を舐めながら修行してきた面打と同じ筈がないと思うのです。


上手く言えませんが信用信頼があり、仕事を沢山受けているかどうかが明確な違いではと・・・


玄人のおシテ方の先生からのご依頼による古面の写しや新規の制作と、最も重要な古面の修復。
更には創作面制作や玄人先生の舞台使用の貸し出し。
これらを受けている大先輩は現在数人しかいらっしゃらないようですが、この方達こそ“真の玄人”であると信じます。

多くの方々とは決定的に違いますよ!

そうなりたいなぁと憧れの存在。
代々守られてきた古面の修復は、多くの場合は自宅に持ち帰っての作業になりますので、相当な信頼関係が築かれていないと実現するものではありません。

語弊がありますが、上期のような発言は“不敬”だと感じるのが正直なところ。


私のような若造は教室の生徒さんに“クン付け”で呼ばれる程の段階ですから、その想いをグッと噛み殺しますが・・・・・













曲見
骨は天下一近江印の面を直に写させて頂きました。
彩色は完全な塗り替えでしたので、今までに用いたこと無い技法や材料で実験的な彩色を施しています。



増女
骨は天下一是閑印の面から取らせて頂いた型紙や資料をもとに制作。
横に置いて打ったのではないので写しとは申しません。
完成後に本面と比べさせて頂きましたが、似ても似つかない仕上がりでした(涙)
次また頑張ります。





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閉会後、能舞台の庭の池に現れたカワセミさん。
自然は理屈抜きにも美しいです。


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                             「増女」


暑~い京都へ行って参りました。

面の勉強と魅力的な皆様にお会いするため。




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いつものようにご当地の仏師、櫻井覺山氏が声を掛けて下さり顔を合わせることができました。

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少しでも良い仕事を残したいと願う作者。
ただこの中に面打が私一人なのが複雑ですね・・・

古典的な木彫に携わる職人の中で、最も歴史があり尊いのは間違いなく仏師さんでしょう。

能楽草創期は仏師が片手間に作っていたと思われる面ですが、桃山期から面打を専業とするものが現れ、世襲家まで確立されて幕末まで継承されたのは何故でしょうか。

小型で顔半面しかなく、細かな模様など描く必要の無い一見淡白な顔面彫刻、
材料費も掛からず短期間に完成しそうですよね。
立体彫刻の合間に軽く挟めそうだと考える方は少なくないわけですが。。

専門家が生まれた歴史があるのです。

モヤモヤ・・・・

次回は東京で開催予定?






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翌日は念願の片山家の展示会に伺いました、
大好きな女面が殆ど並ぶ様は壮観そのもの。

古作の小姫、大和作の小面、増女、節木増、是閑作の深井など・・・・
名工が打った名品が現役で使われ続けているのですから、生き生きとしています。
片山九郎右衛門先生や見市泰男先生の解説を拝聴しながら閉場時間まで入り浸ってしまいました。

装束のことは詳しくは存じませんが、オリジナルと写しが並べて展示されていたのが興味深く、時代を経た風合いは得難いものですね。




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時期が中途半端ですが師匠の長澤氏春先生のお墓参りに伺いました。
炎天下ご挨拶や報告をブツブツ・・・
早いもので13回忌、どれだけ成長できたでしょうか・・・



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舞楽だけの演奏会ということもあり、「雅楽 十二音会」さんの演奏会に伺いました。
お陰さまで玄人さんの舞台で面を使って頂く機会は増えたのですが、プログラムなどに明記して下さる機会はごく少ないです。
面を単なる小道具としてでは無く、重い存在として認めて頂けたようで感慨深くお舞台を拝見しました。

その後の食事会では親しく接して下さる楽師の先生方、
田舎ものは緊張しきりでした。







この子が旅立って寂しくなった。
大きな木曽檜もあるし、再び作りたいが気の遠くなる工程が待っているのです。

[制作色々]

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型が異なる2面の増女と曲見。

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ヤニ出し、裏塗り、表面への捨て膠を経て下地塗りに入ります。


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女面でも3面同時に研ぐのは骨が折れます。



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珍しい形の「獅子口」

素晴らしい面との出会いがあれば、いや無くとも?
仕事以外でも多くの面を作りなさいとのご助言を頂きます。
素描のような荒彫りで直に見た感覚を記憶したり、半分だけ完成形に近く彫りあげたりと、時間が無い中で貴重な面を残そうと努力します。



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これが最もお伝えすべき情報かもしれませんが、横浜の久良岐能舞台で一日だけの個展とインタビュー形式の講演?を致します。

平成22年以来2回目で、面の展示数は15点、講演のテーマは決まっていません。

話は面白くありませんし下手ですので、その点お含み頂きご容赦下さい。
  

前回の催し終了後、回収されたアンケートを館の方が送って下さいました。

「話がつまらない」「もっと面白く話ができる人を呼んで欲しい」などと少なからず書かれいて一定期間鬱っぽくなったことがあります。
好意的なご意見もあったのですが、無記名でこういうことを書かれると流石に凹みます・・・・

眠くならない話をお求めの方はどうぞ寄席へでも行って下さい。

頭と口が上手く回ったら、面打などという引き籠り同然のことはしないでしょう。
再びその恐怖が蘇えりつつあります。。



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武蔵村山市八津熊野神社例大祭の一コマ、
衣装がラフ過ぎてごめんなさい。

面打大先輩I先生から呑みの席などで度々謡や仕舞のお稽古をするべきだとご助言頂きます。
声を出すのは苦手だし運動神経は悪過ぎ、暗記ものは最も苦手。
唯一好きなのが器楽演奏で特に笛関係。
子供の頃から篠笛は勿論、ケーナや尺八竹笛モドキを手作りして適当に演奏して自己満足するのが好きで現在も継続中です。

能楽関係のお稽古で憧れるのは能管ですが、お謡同様に貧民の趣味ではないですからね。。
ヤフオクで買ったプラ管を吹くの精々の楽しみです。

https://m.youtube.com/watch?v=xCNR66lptXA
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梅雨らしくなく暑い日が何日か続いています。
12歳半を過ぎてシニア感が増してきましたが足腰は丈夫で散歩は大好き。




最も制作数の多い小面、素晴らしい面を拝借したので写しを制作しました。


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先ずは荒彫り、
女面は特に寸法きっちりを心掛けます。

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大体目鼻がついて

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中彫完了後、口から当たりをつけます

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目を切ります。眼球に被さった瞼の厚みを彫り出すわけですが、単にキレイに彫るだけでは目にならないので薄皮を剥ぐような攻め方で形を求めます。

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目、鼻、口、を開けて裏も彫り進めます。
鼻の穴は勿論大切ですが、それに至るまでの豊な変化が更に重要だと考えています。
口も上唇と歯、口角と頬や顎など繋がりや成り立ちを十分に意識して肉感的な彫刻を目指しますが・・

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更に進んでほぼ彫刻が完了した段階。


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ヤニ出しと面裏の漆塗りを経て、下地から上塗り。


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本面をよく観察して使われている色をボンヤリと想像。
この色ならいけるか?と皿に絵具を出して調合し極薄い色から重ねて研いで肌作り。
髪は墨で塗りつぶすので古色は施さず地色(上塗り・髪だけ打彩色)のまま。


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目と歯に墨、鼻の穴に濃い古色、唇に赤口朱を施したところ。
肌の質感と不調和で不快な色味。
ここから手を尽くしまして・・・・

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眉は松煙を擦りつけ当たりとし、薄墨をタンポで暈かたりして微妙な濃淡を作ります。
想像以上に難しいのが眉描きで、形状はもとより暈し加減や濃度に個人の感性や巧拙が如実に表れます。

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最終的には剥落させる紐穴周辺を残して髪全体を墨で真っ黒に塗りつぶします。
そして次に進める毛筋の線を下描きしています。


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墨の表面を印刀や剣先刀などで削って、毛筋を表すための白地を出していきます。
そのままでは古色の付いた地肌とは合わないので、毛筋にも古色を入れますが、一番上の筋だけそれを施した状態です。





前回からの工程が大幅に抜けていますが、段階の分けようがない微妙な変化の重なりの結果完成となりました。




「雪の小面」「金春小面」とも呼ばれる型の多くに写されている彩色の貫入?やヒビ、染みもある程度入れてみました。
アップすると上瞼、鼻先、口角上下などに見えると思いますが、
小刀の先で髪の毛よりも細い線を彫って黒系の古色を入れいき、はみ出たところは濡れた面相筆で洗うという工程を繰り返しました。



本物に直に接すると手の届きそうにない怪しげな雰囲気に引き込まれるのですが、可愛いだけになり乖離する拙作。。



角度や色味で印象が変化するので無駄に多い画像を出しました。
PCでは丁度よく見えるように画像の調整をしたのですが、アイフォンで見ると真っ黒で暗過ぎます。何故でしょうか・・・・




裏も本面の鉋目を真似たいところですが、どうしても現代人の仕事になる悲しさ・・
古の工人に憧れ神の如く崇敬するからこそ「古い感じ」が出したいのです。




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師匠が伊東市にお住まいでしたので伊豆地域は度々訪れていたのですが、三島市は初めて伺いました。
菩提寺の副住職様は当地の龍澤寺様で修行されたそうなので、ご縁が無いわけでもないのです。

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刀剣のコレクションで有名な佐野美術館で沢山の能面を拝見しました。
名品がザクザクで正に目の保養。

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最終日には有名な鰻屋さんで先生方と食事。
ご当地ビールというのでしょうか。

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5000円弱の鰻重、こんなスゴイの何年ぶりに食べただろうか。



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最後に何回か掲載してきた拙教室の生徒、孝治君の大蛇面はやっと彫り上がりそう。
2作目でこの出来なので褒めても良いでしょうね。

手が込んでいるので作り上げるのは根気が勝負。
しかしながら小面に代表される能の女面の難しさとは対極に位置する誰が見ても立派と感じるわかり易い面。

神楽面の目に金具を嵌めることは少ないと思うのですが、今回は技法の勉強も兼ねて金具を作っています。
銅板を叩き出して眼球の形に添わせるのですが、これをどのように金色に変えるかがちょっと問題で、
金箔を漆で貼るか、水銀を使って鍍金を施すか・・・
簡易メッキという手もありますが、漆で貼るのは意外と難しく水銀と聞くと怖がってしまう。
自分で判断しましょうね。

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