リコー杯女流王座戦二次予選第11局、清水市代VS香川愛生の対局は、
128手で後手の香川愛生が勝ち本戦に駒を進めました。

先手清水市代いつもの居飛車に対し、後手香川愛生ゴキゲン中飛車に
出ます。
先手が超速銀で迎えると後手も銀を繰り出します。先手は矢倉、後手は
穴熊に囲い、先手は9七に角を上げて中央からの攻撃を狙います。
対する後手は角を当てて交換。このタイミングで先手から2筋の歩の交換、
飛車が前進します。

後手は3筋を攻めて先手の桂馬を釣り上げ、飛車の後退を阻止し、
さらに先手銀も押し下げ、後手銀が前進することで先手の飛車を
捕獲します。
飛車が危うしとなった先手は端攻撃から、あえて飛車を香車の真ん前に
移動。穴熊玉頭からチャンスがあれば一気に攻める構えを見せます。

これにはうかつに飛車を取ることも出来ず、後手は銀を推し進め、
銀金交換から飛車が前進、先手玉頭を狙います。
無事に先手飛車は逃げきり、そのまま端攻撃。駒の交換から
後手玉を引っ張り出し、玉のこびんの飛車当たりの角打ち。
ここは飛車を犠牲にして9筋にと金を作り、先手玉に迫る後手です。

後手はと金と先手の守り駒の銀を交換、角成りも果たして先手玉に
迫り、さらに金打ちで先手の飛車に当てます。飛車が手に入れば
先手玉に詰めろがかかる形。
ここで先手は飛車の打ち込みで横から王手。これを金打ちで受け、
2枚の飛車がどちらも金当たりで1枚は確実に取られることに。
もっとも金を使ったので、飛車を手にしても詰めろにはならない模様。

両当たりの先手は飛車が銀取りで移動。もっとも両当たりはまだ
継続中。後手は竜の方を取って逃げ道を広げます。
歩成りで桂馬があがり、その頭に飛車が回り込んでとりあえず
飛車は無事に。しかし手番が後手に回り、桂馬張りの挟撃態勢
作りから飛車の打ち込みで攻撃開始。

後手香川愛生が詰めろをかけるのに対し、先手清水市代も
詰めろ逃れの詰めろをかけかえします。
即詰みを見いだせない後手は受けに回りますが、一手違いと
読んだ先手は詰めろの継続。相手の打ちたいところに打つ原則で
守ろうとする後手。もし駒が手に入って手番が回れば後手の勝ちは
間違いないところ。

先手は玉に迫れど打ち歩詰めに。やむなく飛車切りで打ち歩詰め
回避。しかし継続手があるのか。
すべての持ち駒を使い切っても後手玉を捕まえきれない先手は
ここでやむなしの投了。きわどい戦いを制した香川愛生が本戦進出を
はたしました。