学級崩壊について


次に、学級崩壊について、です。

今回の質問は、ある中学校の学級崩壊に関してです。この学校ではほぼ全校レベルで学級崩壊が進み、正常な授業ができなくなりました。今もその状態にあります。以下、PTA役員や複数の父兄、生徒などに聞き取りをしてまとめた、起きている現象をお伝えします。



l 授業中の私語、立ち歩きが頻出。教師は無視せざるを得ない状態。教室のうしろで騒ぐ、携帯を鳴らす、他クラスの生徒が出入りしたり、空いた席に座って遊んだり等

l 12月に校長名で、父兄の特別授業参観を求め、事態の鎮静化を図ったが今でも混乱は続いてる

l 2月だけでも2件の暴力事件。今年度になってから3名の教師が療養休暇、中には精神的なものからという人もいるやに聞きます

l 近隣からは学校に度々苦情が申し込まれ、校長や教師は生徒に「今度は警察沙汰だ」と繰り返し警告。

l 受験への影響が出たと父兄も生徒も受け止めており、不安心理を持っている人も相当いる様子

l 2年生以下では生徒、父兄とも来年以降の受験への影響を心配する声が日に日に高まっている。



いまでもPTA役員の父兄や現場教師は、日々苦しみながら、なんとか年度の変わる新学期以降の学校再生を期待し、頑張っています。その声を受けて私は質問していますので、まじめな生徒や父兄の期待にこたえる回答をお願いします。曖昧な答弁や一般論ではなく、ただちに有効な具体策が取られることを願って、以下質問いたします。





1. 学級崩壊は、生徒全体の勉学意欲や学力低下のみならず、生徒の不良化いじめなど多くの問題をひきおこす、あってはならない危機的状況だと考えますが、教育長ならびに教育委員会としてはどのようにお考えか、お答え下さい。

Ø 答弁:定義、把握困難

² 本当はトップである教育長に答えてもらいたかったのですが、今回は見送ります。

² 答弁ですが、なぜ「判断は困難」なのか。その理由がわからない。文科省による具体的な定義があるのに、それに当てはまるかどうかの判別が「極めて困難」に、どうしてなるのか?? 普通に考えたら全く理解できません。

² 学級崩壊はあってはならない危機ですが、それに対処するためにも、まず勇気を持ってその事実を認めることから、ではないでしょうか?



2. 関連してお尋ねします。学級崩壊は、本市の他の学校でも起こっていると聞きます。まず、何校で起こっているのか、小・中学別に、数値でお答え下さい。

Ø 答弁:調査してない

² どこでどれだけ起こっているのか、それ自体を把握しないで、どうして対処策が打てるのでしょうか? 先の答弁で「児童生徒の人間形成に大きな影響」とのことですが、これは「悪影響」のことですよね? であるなら、いますぐの対処策が必要で、そのためには状況把握するのは当然ではないでしょうか? 耳を疑います。


3. 重ねてお聞きします。学級崩壊の数すら把握できていないのは、危機管理として問題があると思うが、いかがでしょうか?

Ø 答弁:把握のためにやっていること

² 問題の有無を聞いているのに、実情把握活動について答弁されるということは、つまり「十分把握をしていて問題がない」という認識ですね。

² しかし数すら答えられないのに、本当に危機管理ができていると、一般常識からして、言えるのでしょうか。私には認識が甘過ぎると思えてなりません。

² 答弁をお聞きしていると、どうも本市での「学級崩壊」の存在自体を認めたくない印象です。私が「学級崩壊」を質問項目にすること自体が「厳しい」と委員会で受け止められているようですが、事実を直視しないで、どうして対処ができるのでしょう。


4. より詳細にお尋ねします。この問題を具体的に把握する体制はどうなっているのか? また具体的にどのような手が打たれるのか。この当該中学の事例で、具体的に説明をしていただきたい。またその効果に対する評価は?

Ø 答弁:対策、評価

² いくつかの対策はわかりました。しかし「現時点での評価は難しい」は、全く危機認識の欠如と言わざるを得ません。現場はもう何か月も、苦しんでいるのです。

² 当該中学への委員会による対策について、私が調べた限りでの現場からの評価を、以下申し上げますと、

l 現場指導:学校長をはじめ現場の指導力不足が現在の状況を招いている。学校長及びスタッフの交代無しに現場に任せているのでは何も手が打たれていないことになる。父兄も生徒も、現在の校長及びスタッフに解決能力があるとは思っていない。昨年夏以来の実績が証明している

l 教員の増員:休職職員の代替え以外には、保健体育教師1名が派遣されているが、効果にはなっていない。

l 外部職員によるパトロール:2月14日に開始したが、2月末までのところ、効果が出ていない。PTA役員、父兄、生徒ともその存在を認識していない。

² ということです。


5. 冒頭述べたように、学級崩壊の状態はいまだに収まっておりません。子供も親も追い詰められているとの報告を受けております。そこで質問ですが、新学期に向けてはどのような対策が用意されているか、お聞かせ下さい。

Ø 答弁:保護者地域と信頼

² いまは保護者や地域との信頼関係は、私の知る限り、築けていません。どうかぜひこの厳しい状況を、認識してください。


6. 一番聞きたいことをお尋ねします。先の答弁で「関係者が対策を共有するのが重要」とのことですが、そのためには校長のリーダーシップが非常に重要と考えます。現校長は今年退任と聞きます。このような場合、新任の校長には、どのような方が相応しいと考えるか、当該中学でもそれは適応されるのか、お答えください。

Ø 答弁:学校改善に向けて積極的に尽力できる校長を配置

² 「学校改善に向けて」「積極的に尽力」とのご答弁は、かなり委員会としては踏み込んだ答弁と理解しました。どうかぜひとも、よろしくお願いします。本当にお願いします。

² 総じての所感と要望ですが、委員会は学級崩壊について、事実を直視し、もっと危機認識を持ってもらいたいと思います。もちろん解決の主体は学校現場ですし、また委員会の対策も否定はしませんが、姿勢としてあまりにも危機感に欠けている。現場の状態が見えていないのか、あるいは官僚主義的体質で思い切った対策が打てないのか、両方なのか… どちらにせよ、根深い問題であるように思われました。
とにかく現場が困っていることを、ご理解頂きたいと思います。


7. 最後は提案です。学級崩壊を起こす問題児の多くは、家庭教育に問題があるそうです。かつてと異なり、モンスターペアレンツなど、いまや家庭は学校に混乱を持ち込む存在になりました。それが学校現場を疲弊させ、児童生徒に目が届かなくなっているのではないでしょうか。
そこで家庭の役割を定め、啓蒙する「千葉市教育憲章」を制定するのはいかがでしょう。学級崩壊防止などの共通した理念のもとに、教育行政機関、学校、家庭、地域社会、それぞれの役割を定めた「千葉市教育憲章」を制定し、家庭や地域の役割に関する社会的な規範作りをすることが有効と考えますが、ご見解をお尋ねします。

Ø 答弁:他市を検討しつつ必要性から判断

² 期待しております。