Glycymerisのブログ 日本とNZの貝類蒐集

Glycymerisのブログ 日本とNZの貝類蒐集

Glycymerisとはタマキガイ属(二枚貝)の学名です。
貝類と化石が大好き人間です。
ニュージーランドの海岸で採集した貝類も掲載します。

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こんにちは。まだ見てくれている方がいるか分かりませんが、私Glycymerisは最近TwitterとiNaturalistで毎日アクティブです。最近はカギムシがバズりました。
良ければリンクをご覧ください。
このブログの方は昔のお恥ずかしい投稿が多いため、現在はほとんどほかのプラットフォームを使用しています。
主にユーザー名Invertebratistとして活動しています。よろしくお願いいたします。良いお年を (2022・Dec)  

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こんにちは。久しぶりの更新です。

多忙のため、アメーバブログの更新は、これをもって無期限休止させていただきます。

SNSの方での発信は続けているので、よろしくお願いいたします。貝の画像ばかりですが…笑

 

また、日本ではあまり知られていませんが、カリフォルニア大学のInaturalistというプロジェクトでは、生物の画像を観察地・日付付きで投稿すると、数百万人いる同定者が同定してくれます。標本台帳の補完としても役立つため、とてもお勧めです。自分は最近管理者権限を取得したので、データベースに追加してほしい種などがあればご連絡ください。

 

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こんにちは、Glycymerisです。

今日は、昨日ニュージーランドのリーという場所で打ち上げ採集した貝類を載せます。半年ほどずっと採集したかった貝が採集できました。

 

 

アッキガイ科 Prototyphis eos  South of Cape Rodney, New Zealand   Washed up among gravel, 8 March 2019. 

Size 24.8×10.90 mm.

 

岩礁の間の礫主体の浜で打ち上げ採集しました。深場に居る貝なので、めったに採集できません。新鮮なうちは明るいピンク(パパラチャサファイアのような色)なのですが、これは打ち上げ採集なので、ほとんど白色です。 日本のカラスキのような感じの貝で、120°ごとに現れる板状の肋が特徴です。念願の貝だったので、非常にうれしいです。いままで採集した貝の中で、ベスト10には入ると思っています。

 

Glycymeris

 

新年明けましておめでとうございます。

今回は、2020年初拾いで採集した貝類を載せます。今回載せる個体は、今年の初の貝ではないですが、嬉しい発見でした。

 

Trivia merces ミナミノシラタマガイ

Spirits Bay, Far North, New Zealand  4 January 2020, 打ち上げ採集 12.75×9.36 mm.

ここでは珍しい種類で、ずっと探していたので見つけたときにはとても驚きました。ニュージーランド本土で見つかる2種のシラタマガイのうちの1つです。すこし磨耗してしまっていますが、赤い斑紋が残っていて美しいです。日本で見つかるシラタマガイ類よりも大型で、オーストラリアでは普通種のようです。

ちなみに、ニュージーランドではホシキヌタとウミナシジダカラがごく稀に採集されるようですが、まだ一欠けらも見つけていません。

 

残念ながら、殻頂には穴が開いてしまっていますが、大きめの個体です。

 

初拾いでは、他にもたくさんの貝砂(5-10kg)や微小貝、大型の巻貝などが採集できました。

 

今年もよろしくおね貝いたします。貝屋さんやビーチコーマーの方々もいい拾い物があるといいですね。

 

Glycymeris

こんにちは、Glycymerisです。久しぶりの更新です。Yahooブログがもうすぐ終了するので、残念ですが、Amebaブログに移動された方もいて、うれしく思っています。

本日は、ニュージーランド産のジュラ紀の化石を載せます。

この化石を採集した場所は、海岸の石や海岸沿いの崖などからベレムナイトが多産することで有名です。ベレムナイトは、イカやタコなどの仲間1の頭足類で、一般的に化石で見つかるのは甲の部分です(コウイカの甲に相当します)。 ベレムナイトは、白亜紀の終わりに、恐竜やアンモナイトと共に絶滅しました。

 

Hibolithes kaimangoensis (ベレムナイトの一種)

Puti point,Kawhia(Near Hamilton),North island,New Zealand.  Jurassic period

この場所のベレムナイト化石は方解石化していてもろく、ほぼ全てに亀裂が入っています。(2番目の画像は断面です)

この化石も、すべていくつものパーツに分かれてしまったものを接着しましたが、一部の標本は破片をなくしてしまい、残念な状態になってしまいました。画像の一番長い標本は、家で、持ち帰った岩を割っていたら出てきたので、破片もなくさずにきれいにクリーニングできました。この種類は、一般的なベレムナイトよりも先端がロケットのように尖っているのが特徴です。

Puti pointで採集された化石が本種の模式標本になっていたので、この化石は模式産地で採集したことになります。

同定にはこの論文を参考にしました→。https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/00288306.1996.9514706

 

エビの脱皮殻の破片?

最初はアンモナイトの欠片かと思いましたが、エビの一部のようです。

 

Glycymeris

 

 

 

 

 

こんばんは,Glycymerisです。久しぶりの更新です。

今回は青い浮遊貝を載せます。

 

個体1

 

個体2

Janthina cf. exigua ヒメルリガイ(?) 

Huia,NZ 打ち上げ 殻高15mm

 

初めて見ました。イトカケガイ類に近縁な仲間で,フクロイトカケやウスイトカケなどに似ています。

調べたところ、この貝の学名Janthina exiguaは日本名にするとヒメルリガイのようです。ヒメルリガイは日本でも採集できるようです。しかし,調べてみたところ違和感を感じました。

1.(日本で見られている)ヒメルリガイの大きさは5mm程度で,かなり小さいという記述が多かったのですが,個体1は13mmあり、個体2は15mm ありました。これは大きさがかなり違いおかしいと思いました。

2.大きさが違い,なにかおかしいと思い,よく観察したところ、殻表の成長線(縦の細肋)が日本のヒメルリガイよりかなり粗いです。個体2ではかなり粗い成長線が見られます。

調べた限りでは日本のヒメルリガイにはこのような個体は見つかりませんでした。

 

同種の変異内なのかもしれませんが、よく分かりません、別種のような気もしています。

 

さらに調べたところ,日本のヒメルリガイの学名はJanthina exiguaとJanthina umbilicataが両方使われているようです。Janthina exiguaを調べると今回の貝のような種が出てきますが、Janthina umbilicataを調べると日本で採集されているような小型で殻表が平滑な種が出てきます。

原記載論文を見ていないのではっきりは分かりませんが,日本のヒメルリガイにはJanthina umbilicataの方をあてはめるのだと思いました。まだ確実ではありませんが,この貝の学名はJanthina exiguaではありますが,「ヒメルリガイ」ではないのかな、と思ったりしています。

なにかご意見がある方は教えていただけると助かります。

 

ちなみにNZの貝類の同定にはこのサイト↓がとても役に立ちました。画像も多く,とても分かりやすいページです。http://www.mollusca.co.nz/index.php

(※このサイトにはNZの”Janthina umbilicata”が載っていますが,よく分かりません)

 

落ちていたときの様子です。突然鮮やかな青が目に入って驚きました。いつもなら拾い上げてしまうところですが,今回は打ち上げられている状態の画像を撮影しました。残念ながら,”泡の筏”は無く、殻だけの状態でした。 

この海岸では、トグロコウイカもかなりの数を拾うことができました。

 

Glycymeris

 

今日は久しぶりに石の記事です。以前に載せた標本を再度掲載します(写真以外は新たに書きました)。

 


(先端部)

化学式:SiO₂  二酸化ケイ素

和名:石英(曲がり水晶)

産地:静岡県 静岡市 安倍川 中流(石英脈の転石)

 

Glycymerisの,とても気に入っている標本です。 (画像は数年前に撮影したのでピンボケしてしまっています。)

結晶が30度ほどなめらかに曲がっています。

安倍川の中流~下流では,1.5cm以上の水晶の結晶を見つけることは困難です。15mm以下の水晶なら,数はかなり少ないですが,石英の白い脈が入った石を割って探すと見つけられることがあります。しかし,最近は数mmのものしか見つけられなくなってしまいました。

この水晶は,長さ約13mmですが,スレンダーなので小さめに見えます。

これが出た石はボロボロで,あまり水晶が出ないように見える石だったのですが,割ってみたら「ぐにゃり」と曲がっている水晶が出てきてびっくりしました。「!!ニコニコ

「曲がり水晶」と検索するとたくさんの画像を見ることができますが,殆どのものは,結晶が途中で折れてまた曲がったまま繋がったようなものです。この標本のように,角ばった曲がり方をせずに,曲線を描いているものは,少ないように思いました。

おそらくこの結晶は,結晶が育っている隙間の壁に何度もぶつかり,曲がりながら,ゆっくりと避けながら成長した結果,このような形になったのかなと思っています。

最近気付いたのですが,実は安倍川では,もう1つ10mmほどの曲がり水晶をとっていました。結晶が集合している中にあったので,気付かなかったようです。その結晶は,結晶が途中で折れてまた曲がったまま繋がったようなものでした。

曲がり水晶はかなり珍しいなどとよく書いてありますが,小さいものなら,見つけやすいかもしれません。

 

Glycymeris

 

今日2つ目の記事です。

(写真は数年前に撮影したものなので,向きやピントが変な箇所があります,すみません)

今回は,日本でよく見られる淡水巻貝です。

 

Semisulcospira (Semisulcospila) libertina カワニナ カワニナ科

静岡県 静岡市 葵区 

水路 礫泥底 2016年

左の標本で,殻高:29.2mm 殻径:11.49mm

分布:東アジアの亜熱帯域、温帯域

おそらくこの個体はないと思いますが,表面の褐色の層(殻皮)が取れると,白黒の縞模様がある個体もあります。

タニシ科の貝と混同されていることが多いですが,カワニナはタニシの仲間より細長い(殻高が高い)ことで区別ができます。また,タニシ科やカワニナ科などの貝の蓋をよく見ると螺旋を描いています。その中心(核といいます)が,タニシ類では中央やや左上にあるのに対して,カワニナでは左下にあることでも,区別できます。カワニナの仲間(カワニナ科)には,他にも複数種類がありますが,このカワニナは全国的に分布している最も普通に見られる種だと思います。

 

Glycymeris

こんにちは,Glycymerisです。(先ほど、少しブログの題名などを変更しました)

今日は茨城県の小貝です。

静岡県で採集することが多いGlycymerisにとっては,珍しく感じますが,北日本では多い種類のようです。

 

Homalopoma amussitatum エゾサンショウ

茨城県 ひたちなか市 平磯海岸

打ち上げ 2015,8,12

下段の個体で殻高:6.68mm 殻幅:6.25mm

打ち上げ採集で採集した標本です。北日本の岩礁では,普通種です。

(画像は数年前に撮ったもので,今見直したら変な向きに殻が置いてあることに気が付きました,向きがずれているので正面斜め上から見たように写っています)

この種類は,和名に「エゾ」(蝦夷,北海道の意)が付くので寒い海にいる種類だということが分かり易いです。このような北方系の貝はあまり採集できていません。この標本は,茨城県に行く機会があり採集することができました。

和名は蝦夷山椒貝という意味です。殻は赤褐色で,熟した山椒に似ています。大きさも近く,なかなかいい和名だと思います。

 

Glycymeris

ニュージーランドは羊が有名ですが,今日は羊の角にそっくりの,トグロコウイカの殻を載せます。

ちなみに,トグロコウイカの殻はアンモナイトにもそっくりですが,アンモナイトの名前の由来は,アンモーン神は羊の角を持ち、アンモナイトがその角に似ていることによるようです。
アンモナイト・トグロコウイカは巻貝に似ていますが,共にイカやオウムガイなどの仲間(頭足類)です。
この貝殻は、コウイカの甲のようなもので,トグロコウイカの体内に入っています。殻は空気が入っていて軽いので,トグロコウイカの死後も殻が海を漂流し,打ち上げられるようです。


Spilura spilura トグロコウイカ Piha Beach,NZ(North island) 打ち上げ 2019.5.26 殻幅:約20mm

この貝殻は,この場所で数百個以上打ちあがっていました。
この貝を見たのは初めてです。大量の打ち上げで驚きました。
NZの外海の海岸では,多い種のようです。
NZ近海には,生体は生息していない(?)と思われますが,フィリピン近海などの熱帯に生息する種なので,そのような場所から流れてくると思われます。遠くから漂流してくるので,表面にカルエボシ(フジツボ,カニの仲間の甲殻類.付着生物)の仲間が付着しているものもありました。
トグロコウイカの殻は非常に脆くて,すぐに折れてしまいます。
いらない個体を潰してみたところ,殻が薄いようで粉々になり,ほとんど無くなってしまいました。
殻の巻き方は変異があり,緩いものや密なものがあります。
今回載せた個体はNZ産ですが,日本でもごく稀に打ち上げられるようなので,探してみたいです。

Glycymeris