晴耕雨読 -田野 登-

大阪のマチを歩いてて、空を見上げる。モクモク沸き立つ雲。
そんなとき、空の片隅にみつけた高い空。透けた雲、そっと走る風。
ふとよぎる何かの予感。内なる小宇宙から外なる広い世界に向けて。


テーマ:

 

先週末のセミナー第2講は
佛教大学研究員 濱田時実氏による
「「まつり」の再考」を話していただきました。
早速、参加者されていた浅埜彰三さんに
レポートをお願いしましたところ、メールが届きました。

 

◇(上略)私は毎年、夏に墓参のため
 近鉄南大阪線喜志駅付近を車で通過していますが
 駅東ロータリーで、だんじりの「しゃくり」をやり、
 盛り上がっているとは夢にも思いませんでした。(中略)
 動画の「しゃくり」を見ていると、
 パワフルとエネルギシュに魅了されました。
 あのパワーは一面、ネガティブに思われる側面もありますが、
 ポジティブに考えると「強く、たくましく、したたかに、愉快に」
 生きる力になっているのではないかと思います。

 

以下、田野による書き込み。
浅埜彰三レポートでは、
駅東ロータリーでのだんじりの
パフォーマンス「しゃくり」を捉え、
パワフルでエネルギシュな動きに
「強く、たくましく、したたかに、愉快に
 生きる力」を感じ取られています。
今回の講座のハイライトを的確に表現されていると思います。

濱田氏は
美具久留御魂神社秋季大祭を対象に
神輿渡御あり、稚児の社参あり、
だんじりの「しゃくり」、奉納俄と
盛り沢山な今日的な総花的な「まつり」の現況を開陳されました。

 

ボクは、民俗学の真骨頂は、
今日みられるさまざまな事象が絡み合いながら
いかにして
発生し変容していったのかの
通時的な追究にあると思います。

 

そこで、不図、「まつり」研究の古典について
考えてしまいました。
柳田・折口に立ち返りました。
*柳田につきましては
《阪俗研セミナーに「お祭り好き人間集合!」(2) 》に
引きました。
「神事から祭礼へ」の道筋をおよそ
次のように記述していました。
 *柳田:柳田國男「祭のさまざま」青空文庫版
http://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/54830_49770.html

◇舞台を人が舁き、
 又は車を附けて曳きあるくやうになつたのは(中略)
 氏子の者が出演するやうになつたのと共に、
 新らしい出来事と云つてよい。

 

配付資料には
つぶさに調査に基づき
美具久留御魂神社秋季大祭における
神事・祭礼の現況を記述されています。
このままでは、勿体ない。
年表でも書いて時系列に整理されると
事象間の関連を読み解く中で
神事・祭礼の変遷が見えてくるでしょう。

 

配付資料に次の記述があります。
◇だんじりが出るこの祭りをどのように捉えればよいか。
 例えば、京都祇園祭は京の都において悪霊を祓うための祭りであり、
 都における明らかに都市祭礼だ。
 だが美具久留御魂神社秋季大祭も同じことが言えようか。
 それを紐解く鍵となるのが山鉾とだんじりとの関係だ。

 

「山鉾とだんじりとの関係」については
折口信夫「髯籠の話」に次の記述があります。
  折口信夫「髯籠の話」:
折口信夫「髯籠の話」青空文庫版
www.aozora.gr.jp/cards/000933/files/18393_22337.html

◇標山などは、(中略)天つ神を招ぎ依せるのが本意で(中略)
 山車(ルビ:ダシ)や地車(ルビ:ダンジリ)などを
 産土神に見せまゐらせ、
 神慮を勇め奉る為だとする
 近世の祭礼の練りものゝ形式になる。

 

いつもの折口でして、
「産土神に見せまゐらせ」など
神を人格化していますが、
折口にとりましては、
「山鉾」と「だんじり」は連続するモノであり、
「近世の祭礼の練りもの」を
「神慮を勇め奉る為
」と読み取られます。
これは、濱田氏の云う「宗教的意義」に通じるでしょう。

 

「「まつり」の再考」のためには
民俗学の古典を
批判的に再読することもまた、
一考かと思います。

 

究会代表 田野 登

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

 

今秋の阪俗研セミナーも
第3講が最終です。
11月19日(土)pm7:00~
会場は、いつもの福島区民センターにて
岸田史生氏(日本民俗学会会員)による
「幕末大坂の原風景」です。
資料代等は500円です。

 

お城といえば、どこも観光名所です。
先日のニュースでも
震災で被災した熊本城の痛ましい映像のいっぽうで
彦根城のヒコニャンが10周年のパレードをしたとか・・・
話題に事欠かないのが「お城」です。

 

民俗学で「お城」?
日本各地に「城下町」があり、
「都市民俗学」はなやかなりし時代、
研究の対象ともなりました。

 

講師の岸田史生氏からメッセージが届きました。
◇幕末大坂の原風景―民俗学と図像資料―に寄せて
 民俗学は民間伝承の学ともよばれていることから、
 口頭伝承による聞き書き調査を中心としたものと思われていますが、
 伝承は聞き書きの世界だけではありません。
 今回、幕末の大坂城を主題とした画帖
   (大坂町絵師の玉手棠洲・玉手梅洲親子の作品)を取り上げ、
 そこに描かれる庶民の生活世界を紹介したいと思っています。
 図像資料から読み取ることが出来る城下町には、
 人々のどのような生活があったのでしょうか。

 

今、大阪でもお城に目が注がれています。
大坂城は「真田丸」で人気沸騰中です。
その「大坂城」を
幕末の絵師による画集を読み解くことによって
「庶民の生活世界」が明らかになります。
お城でたこ揚げ(この地では「いかのぼり」)をしたり、
船遊びをしたり・・・・。
大坂に暮らす人にとっての憩いの場でした。

 

ちょっと、違ったアングルから大坂城を眺めませんか?
貴重な資料・画像により解明されます。
「お城大好き人間集合!」

参加表明は、ブログ「田野 登/晴耕雨読」トップの
阪俗研tano@folklore-osaka.org まで。


究会代表 田野 登

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

 

秋祭りたけなわの今、
今夕の
阪俗研セミナー「シニアのための民俗学入門」で
河内の「芸能目的型地車」の話が聴けます。

 

第2講:10月15日 午後7時から9時まで
 濱田時実氏(佛教大学研究員)「「「まつり」再考」が
それです。
場所は福島区民センターです。
    ↓ここをクリック
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000016603.html

資料代として500円いただきます。

 

対象とする美具久留御魂神社(富田林市)秋季大祭は、
神輿もダンジリも繰り出す大祭です。
神輿とダンジリは、どない違うのン?

 

濱田氏作成の「配付資料」を、引用しますと
ダンジリは2種類に分類されるようです。
◇だんじりは、摂河泉地域に見られるものだ。
 大阪ではだんじりに「地車」「檀尻」「楽車」などと文字を当てている。
 だんじりには、
 舞台で芸能を披露することを目的とする「芸能目的型地車」と、
 曳行を目的とする「曳行目的型地車」の二つに分類されている(森田・二〇一五)。
 前者は河内や播磨地方に見られ、
 後者はもっぱら岸和田に見られるものだ。
    森田・二〇一五:森田玲『日本の祭と神賑』二〇一五年・創元社

 

この神社のダンジリは
「奉納俄」もすれば
貴志駅前でのイベントでは
シャクリと称するパフォーマンスもするとあります。

◇宮入りをする際、
 子どもだんじり・大人だんじり共に
 鳥居下までの道や東高野街道で、
 激しく上下・左右に揺さぶったり
 前進後進を繰り返すシャクリをする。
 鳥居前で何度も行なうのは鳥居をくぐると、
 俄を奉納するまで戻ることができないためである。

 

いったい「おまつり」とは何なんでしょう。
美具久留御魂神社のダンジリをめぐる行為は、
神事やのン?
それとも見物人のための祭礼やのン?
それとも・・・・。
ここから先が《まつり」再考》「の真骨頂です。
本番でのお話を聴いてください。

ダンジリを擁する祭礼の
宗教的意義について
PowerPointの動画を使って
具体的に説明されます。
「お祭り大好き人間集合!」だけではございません。
ダンジリの情報に詳しい方々も
ご集合下さい。

 

究会代表 田野 登

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

今回も引き続き
*青空文庫版の柳田國男「祭のさまざま」を
引用します。
 *青空文庫版「祭のさまざま」:
 
http://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/54830_49770.html
 底本の親本:「祭日考」小山書店
    1946(昭和21)年12月


前回引用の次節の次の記述に
ボクは

「神事から祭礼へ」の道筋を
読み取ります。
●神の降臨はたゞの人の眼には見えず、
 殊に其夜中の暗闇のうちに、
 御出でになるといふ祭も少なくは無い。
 それを日中の照り輝く路を、
 渡御なされるやうにしたのは
 中古からの変化で、
 その為に特に
 道中を花やかにするやうな、
 動く舞台といふものが
 考へ出されたのだつた。


発明された「動く舞台」が
祭りを華やかにする仕掛けのように
柳田は考えたのでしょう。
この仕掛けが祭礼を成立させる
要因だったのではないでしょうか?


折口信夫「髯籠(ひげこ)の話」に
つい手を延ばしたくなるのを
今回は堪えることにします。


はたして、
今回の10月15日(土)pm7:00~
濱田時実氏(佛教大学研究員)による
「「まつり」再考」では
どのような提案がなされるのでしょうか?
興味津々です。


だんじりに蘊蓄のある方々、
ただただ、お祭りが好きな方々、
地域史に飽き足りず
民俗学の発想に興味をお持ちの方々の
セミナーへの参加者を募ります。


問い合わせ、申込みは
ブログトップの阪俗研
tano@folklore-osaka.org まで。


究会代表 田野 登

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

*青空文庫版
柳田國男「祭のさまざま」に

次の記述があります。
 *青空文庫版「祭のさまざま」:
 
http://www.aozora.gr.jp/cards/001566/files/54830_49770.html

柳田の故郷播州の鎮守の
秋の大祭の近い時季の記事です。
●秋は農家の最も心楽しい季節である。
 凶作でも無い限りは、
 早くから用意をして、
 家々では鯖の鮓をしこみ、
 甘酒の香が到る処にたゞよひ、
 子供は飽きるほど物を食べて、
 静かに大織の秋風にはためく音を聴いた。


「鯖の鮓をしこみ」は
食欲をそそります。
「甘酒の香」、

「大織の秋風にはためく音」など
柳田の回想は
嗅覚、聴覚で以て
祭りの近きを記述しているのです。

柳田の民俗学には
忘れかけた感性を
気づかせるところがあります。


引用文の続きを載せます。
●当日になると各部落から屋台が出る。
 又だんじりといふ車を
 曳いて出る小村もあつた。


「だんじり」の記事です。
今日の泉州
「岸和田だんじり祭り」と
どのように繋がり
どのように切れているのでしょう。
そもそも動く楽車「だんじり」という
代物はいったい何なのでしょう?
「神輿」と、どう異なるのでしょう。

引用文の続きを載せます。
●神の御幸とも
 御出とも謂つて、
 神輿が里中を巡つて行かれる時刻には、
 老人でも家の中にゐる者は無かつた。
 小さい者などは一日中、
 太鼓の音に附いてまはつてゐた。


「老人でも
 家の中にゐる者は無かつた」とあります。
都会だけではありません。
柳田の故郷の村でも
祭りの見物人はいるのですから、
村でも祭礼が
繰り広げられていたことになります。

明らかなことは
柳田は
神事と祭礼を分かち
祭りの時代による変化を
見てとったことです。

次回に
柳田の記述から
「神事から祭礼へ」の道筋を
ボクなりに辿ることにします。


阪俗研2016秋セミナー第2講
10月15日(土)pm7:00~
濱田時実氏(佛教大学研究員)による
「「まつり」再考」が
待ち遠しいことです。


究会代表 田野 登

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。