晴耕雨読 -田野 登-

大阪のマチを歩いてて、空を見上げる。モクモク沸き立つ雲。
そんなとき、空の片隅にみつけた高い空。透けた雲、そっと走る風。
ふとよぎる何かの予感。内なる小宇宙から外なる広い世界に向けて。


テーマ:

◇大阪出身の国文学者・折口信夫は
 自らの故郷・大阪の暮らしを
 「野性を帯びた都会生活」と述べている。
 東京は、
 趣味の洗練・粋を誇り、
 三代住めば江戸っ子というのに対して、
 大阪は、
 二代目、三代目で家が絶え、
 つねに新興の気分を持ち、
 洗練されない趣味を持ち続けているとも述べている。
 折口にとっての故郷は
 まことに野暮ったい都会だったようである。
 その大阪では、
 今も地蔵盆が盛んに行われ、
 その晩、
 お地蔵さんの前で、
 町内の人々がよく踊る。
 天王寺区上本町の将軍地蔵尊の地蔵盆は、
 将軍地蔵尊保存会主催で

  盛大に繰り広げられる。(中略)
 ここでもまた踊る。
 両日とも子供が夕方の六時半から九時まで踊り、
 九時からは大人の時間である。
 大人たちは揃いの浴衣で踊る。

 

この長ったらしい引用は、
恥ずかしながら
拙著『大阪のお地蔵さん』渓水社、1994年、
《序章 暮らしに生きるお地蔵さん》の
冒頭であります。

 

今から23年前、
ボクは「イチダイ」(大阪市立大学)国文の
先生の教えに背いて、
こっそり折口を読んでいたのですネ。
地蔵盆踊りでの野暮ったさは、
大正区千島の子育地蔵尊の盆踊りでは
よりいっそうのことです。
再び、拙著を引用します。

◇…あるお婆ちゃんから次のことを聞いた。
 「昭和二五、六年頃の地蔵盆は、
 夜通しで地蔵の番をした。
 一人のお婆ちゃんが三味線を弾いて、
 一軒前にひとりは出て、
 地蔵さんの前の道路で踊った。
 『トッテラチンチン、それ来たチンチン、
 凧揚げて…焼き茄子…』と歌いながら踊った。
 最終日の二四日は変装して踊った。
 うどん屋の奥さんがお白粉を塗って男役をし、
 私は女役だった。
 大人達男女、へそを出して踊った・・・」

 手拭いを首に団扇を持って踊るのは、

 どこにでも見掛ける光景ではあるが、

 ここでは女性が男装もしたのである。

 このお婆ちゃんなら、さぞかし、

 往年は男装の麗人であっただろうに。

 この性の倒錯は、

 地蔵盆の晩だけのことである。

 ハレの時にだけに許される

 乱痴気騒ぎなのである。

 

ボクが話せば、やっぱり民俗っぽくなりそうです。

9月10日(日)14:00~16:30
大阪ガス実験集合住宅NEXT21における
上町台地・今昔フォーラムにて
大阪のお地蔵さんの歴史・民俗を基調講演します。
写真図 チラシ

参加問い合わせは、
CEL弘本さん☎06-6205-3518まで。

 

究会代表 
『大阪春秋』編集委員
                   田野 登

 

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