晴耕雨読 -田野 登-

大阪のマチを歩いてて、空を見上げる。モクモク沸き立つ雲。
そんなとき、空の片隅にみつけた高い空。透けた雲、そっと走る風。
ふとよぎる何かの予感。内なる小宇宙から外なる広い世界に向けて。


テーマ:

 『折口信夫全集』16、中央公論社、1996年の
「第二部 日本文学の戸籍 第二章 上代歌謡」
「三、難波方(ルビ:ナニハガタ)」にある
「本 難波潟。潮満ち来れば、あまごろも
 末 あまごろも 田簔の島に、鶴(ルビ:タヅ)たち渡る」の
「あまごろも」の吟味に
「海人は、もと海人部(ルビ:アマベ)の民を言ひ、
 普通の旧日本種族と部族が違つてゐた」とありました。

 

折口の脳裏には
太平洋の島々に住まう民族がよぎり、
「田簔の島」の民の解釈に
重ね合わせたのではないでしょうか?

 

参考までに平安文学研究の泰斗の*片桐洋一は
1998年『古今和歌集全評釈(下)』講談社に
「あま衣」の語釈に
「「田蓑」という物と語が当時あったかのかどうか、
その例を知らない」としている。

 

そうとなれば、

「田に出る時に着る農夫の蓑」というモノの
存在自体が怪しくなってきます。
「蓑」では駄目なのでしょうか?

 

早稲田大学図書館所蔵

*『和名類聚抄』1-5 / 源順 撰の
第四冊に「蓑」と「雨衣」の記事があります。
  *『和名類聚抄』:
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/ho02/ho02_00399/ho02_00399_0004/ho02_00399_0004.pdf

 ◇蓑 〈半角割注:(中略)和名 美能〉雨衣也(以下略)
 ◇雨衣 唐式云*三品以上若遇雨着雨衣 

  *三品:蓑・笠・簦

 

「蓑」「雨衣」は雨に遭った時、着る物とあります。
平安時代の漢和辞典『和名類聚抄』に
「田簔」「田蓑」は見当たりません。
ことさら「田蓑」という物を拵え、語を挙げることもなさそうです。

 

「田簔の島」は歌枕には
もちろん存在し、
折口信夫は「田簔の島」の民に
農夫と異なる「海人」を想像しました。
それは歌枕の世界と
現実の世界はいかなる関係において
取り結ばれているのでしょうか?

 

ボクの興味は
今日、「田蓑」を冠する場所が
いかなる情報を発信し、
地域の歴史を語っているのかにあります。

 

究会代表 田野 登

 

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