晴耕雨読 -田野 登-

大阪のマチを歩いてて、空を見上げる。モクモク沸き立つ雲。
そんなとき、空の片隅にみつけた高い空。透けた雲、そっと走る風。
ふとよぎる何かの予感。内なる小宇宙から外なる広い世界に向けて。


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今回は大正14(1925)年版の「實地踏測大阪市街圖」  
記事を取り上げます。
前回取り上げました「實地踏測大阪市街圖」の
15年後の地図です。


まず「實地踏測大阪市街全圖」の
書誌情報を国際日本文化研究センター所蔵地図の
*電子情報から抄出して記します。
 *
http://tois.nichibun.ac.jp/chizu/santoshi_1203.html  

内題:實地踏測大阪市街圖  
内容年代(和暦): 大正14  
作成主体又は絵師: 日下伊兵衛(大阪、著作印刷兼発行者)
内容年代(西暦): 1925   版本者: 日下伊兵衛(大阪、著作印刷兼発行者)、
                 和楽路屋(大阪、発行所)
成立年代(和暦): 大正14  成立年代(西暦): 1925  


この地図も西区新町で営業していました

「わらじや」さんの版です。
該図の図書館周辺を読図しましたところ、
東から西へ次の施設の表記があります。
公会堂、
(図書館)、
豊国社、市役所、日銀支店
中央郵便局、朝日新聞社


豊国社の場所が15年前から変わっています。
図書館と市役所の間になっています。
*ウィキペディア「中之島公園」には
次のように記されています。
 *ウィキペディア・・・:最終更新 2015年3月3日 (火) 08:26
●大正期には、中之島公会堂の建設に伴って
 豊國神社は図書館西側へ移転。
 その西側に大阪市庁舎(3代目)が完成する頃には
 上述の浚渫が行われ、
 公園も西洋庭園に生まれ変わった。


現代の*大阪市中央公会堂(中之島公会堂)が開業するのは
大正7(1918)年のことです。
 *大阪市中央公会堂・・・:大阪市中央公会堂公式HP

豊國神社は*昭和36(1961)年、大阪城内に奉遷されました。
 *昭和36(1961)年・・・:豊國神社HP
        
http://www.apsara.ne.jp/houkoku/yuisho.htm

図書館西側の場所は、現在、
大阪市役所の建物の東部分に当たります。


本題の該書裏面の「中ノ島」の記述を記します。
●図書館には
 数万の書冊を
 公開しては
 閲覧者を待つ
 東隣なる公会堂は
 岩本氏の義挙によりて成りしもの
 日本銀行支店
 大阪市役所共に
 市内有数の建築也
 豊国神社には
 秀吉を祭る


図書館を筆頭に、
公会堂、日本銀行支店、大阪市役所を
挙げて「市内有数の建築」と讃えています。


15年前の版(以下「明治44年版」)と校合しましょう。
郵便本局と大阪朝日新聞社が
地図にも記されていながら記事では消え、
新たに豊国神社が挙げられています。
豊国神社記事には「秀吉を祭る」とあります。

人物を取り上げているのは
公会堂の記事もそうです。

明治44年版が「時々種々の催会あり」に対して
大正14年版には

「岩本氏の義挙によりて成りしもの」とあります。
「岩本氏の義挙」とは

新たに設けられた公会堂が岩本栄之助による
義捐金に拠ることを讃える記事です。

写真図1 大阪市中央公会堂





前出の「大阪市中央公会堂公式HP」の
「公会堂の歴史」には

次の記述がみえます。
●かつて、その誕生のために莫大な私財を投じながら、
 完成を待つことなくこの世を去った人物がいた。
 それが、「義侠の相場師」ともいわれた株式仲買人、
 岩本栄之助である。.


大正14年版の「岩本氏の義挙」は

「義侠の相場師」と
通底する思いからの表現であります。


図書館につきましては
明治44年版が
「数万の図書を備へ
 昼夜公開して閲覧者を待つ」と
ありますので変わりありません。
いかに揺るぎのない
学術文化の殿堂であったかを物語ります。

写真図2 大阪府立中之島図書館




明日4月1日からの再開が
いかほど待ち遠しかったことでしょう。


次回は
昭和10(1935)年版「最新大大阪市街地図」の
記事を取り上げます。
はたして、
この時代、図書館の記述や如何?


究会代表 田野 登

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昨日、住職から葉書が届きました。
4月4日の浦江塾の案内です。


写真図1 4月4日の浦江塾の案内はがき




毎回、浦江塾の仕掛け人であるボクは
住職からの案内の葉書を楽しみにしています。

以下、葉書の文面を記します。

郷土誌を見直す『浦江塾』のご案内
今年は大阪の陣より400年の歳です。戦国の世が終わり
世は天下泰平を迎え、城郭は郷土のシンボルと化しました。
大阪にその情景を描いていた町の絵師親子がいたのです。
今その絵は幕末の大阪を描いた世相史として注目を集め
ています。垣間見る江戸時代の庶民生活に注目です。
    
 日時 4月4日(土曜日)午後7時より9時迄
 場所 妙壽寺(福島区鷺洲2-15-10)駐車可
 『幕末大阪世相史夜話
    描かれた大阪城と庶民生活』
日本民俗学会会員 岸田史生氏

終了後、情報交換等の雑談を行います。ご参加下さい。

以下、田野による書き込み。
浦江塾では初めて
幕末の大阪を描いた世相史が聴かれます。

「幕末」と云えば「戦国」と並んで
人気の「時代」です。

ボクの子供の頃は映画の時代劇の黄金期で
母に連れられて海老江の阪神松竹まで
新撰組の立ち回りを見に連れられて行ったことがあります。
今ならNHKの大河ドラマでしょうが、
世に疎くて、なかなかついてゆけません。
ついて行く気が始めからないのかも知れませんが・・・・。


そんなボクに岸田史生氏は
何を話してくださるのでしょう。
岸田氏とは近畿民俗学会で
若い時代から面識があり、
図書館でお目にかかったとき
「阪俗研」をお誘いしたのがご縁で
2月上旬、京都民俗学会でのご論考複写
「玉手棠洲『華城八景』の民俗書誌論的考察」が郵送されてきました。

それは、今回、話されるもとの素材である
大阪城をめぐる情景を画帖について
整理されたものです。


写真図2 大阪城と砲兵工廠跡
     撮影:2015年2月15日




民俗学研究者が話される世相史とは
おもしろそうですね。
その切り口からは
きっとマスメディアの捉えきれなかった
「幕末の世相史」が見えてくるでしょう。


かつて柳田國男は「明治大正世相篇」を
弟子に書かせながらも著しましたが、
民俗学では「幕末」や「維新」なんぞの
「政変」によって分節されない
変わらない暮らしぶりを追究するのが
常のことでした。
今回は「幕末」といった傾斜する時代に
いかなる世相を解き明かすことになるでしょう。


そうそう大阪市は
大阪市解体をめぐり
「維新」と云った勇ましい人たちの喧伝によって
「幕末」ならぬ
「既存の都市の末期」を迎えているのでしょうか?
府下に住み投票権のない
ボクは物騒な御時世にやきもきするばかりです。


ともあれ「幕末」とはおもしろい。
「世相」とはおもしろい。
鍔迫り合いのお好きな方々も是非お越し下さい。

時代の狭間で
絵師の親子がいかに生き、
いかに大阪城をめぐる情景を描き続けたか?

はたまた
どこまで「物語」に仕立て上げなさるかは
岸田氏の才能と誠実さによります。
乞うご期待!


究会代表 田野 登

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今回は
明治44(1911)年版「實地踏測大阪市街全圖」の
記事を取り上げます。


まず「實地踏測大阪市街全圖」の
書誌情報を国際日本文化研究センター所蔵地図の
*電子情報から抄出して記します。
 *
http://tois.nichibun.ac.jp/chizu/santoshi_1203.html  


内題:實地踏測大阪市街全圖 、
外題:實地踏測大阪市街全圖神戸市圖
内容年代(和暦): 明治44  
作成主体又は絵師: 日下伊兵衛(大阪、著作印刷兼発行者)
内容年代(西暦): 1911  
版本者: 日下伊兵衛(大阪、著作印刷兼発行者)、
    和楽路屋(大阪、発行所)
成立年代(和暦): 明治44  


該図の図書館周辺を読図しましたところ、
東から西へ次の施設の表記があります。


豊国社、公会堂、
(図書館)、
公園、日銀支店、中央郵便局、朝日新聞


写真図 日銀支店




裏面の「中の島」の記事は次のとおりです。


適当に改行しています。

●公園内なる図書館には
 数万の図書を備へ
 昼夜公開して閲覧者を待つ
 東隣の公会堂には
 時々種々の催会あり
 日本銀行支店は
 市内第一の建築と云可く
 郵便本局に並て
 東洋第一の大阪朝日新聞社有


堂々、図書館が筆頭に挙げられています。
いかにも「昼夜公開して閲覧者を待つ」とは
100年を経た今日も変わりございません。

いっぽう公会堂は「催会」が行われる施設です。
図書館とは機能・役割を異にします。


日本銀行支店について
*HP「日本銀行大阪支店旧館+新館/辰野金吾」に
次の記述があります。
●御堂筋沿いに残る旧館は
 ベルギー国立銀行をモデルに、
 島原藩蔵屋敷跡に1903年竣工。
 外壁や頂上部の鉄骨ドーム等は保存・改修されているが、
 内部は建て替え済。


「市内第一の建築」と讃えられる
日本銀行大阪支店の建物は
蔵屋敷跡地に建った近代建築の粋の一つです。
「1903年竣工」とは明治36年竣工。

図書館開館が明治37年でしたね。
軌を一にしてのことです。

日本が近代化を成し遂げる過程に
このように後世の遺産となる
堂々たる造形物群を樹立したのです。

往時のエネルギーの横溢を感じさせる
中之島に
図書館は知性の府として
今日なお屹立しています。


究会代表 田野 登

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本ブログ《明治期名所独案内「中の島」》 に
国際日本文化研究センター所蔵地図の*電子情報にある
http://tois.nichibun.ac.jp/chizu/santoshi_1203.html
明治28(1895)年版「大阪市明細地図」
裏面に印刷された「大阪市明細地図及名所独案内」を
紹介しました。


ところが同地図には図書館の記事は見当たりません。
それもそのはずで
現存する大阪府立中之島図書館の開館は
*同館HP「中之島図書館の略年表」によりますと
明治37(1904) 2月 25日、開館式と読み取られます。
*同館HP:
http://www.library.pref.osaka.jp/site/nakato/rekishi.html

明治28(1895)年の時点では未だ
存在していなかったのです。


今回から、中之島のうち、中之島図書館周辺として
中之島一丁目、二丁目(一部三丁目)を対象に
同センター所蔵地図の裏面記載の観光案内の記事を
取り上げます。


これらの中之島記事に図書館を据えて、
「中之島にとっての図書館」、あるいは
「図書館にとっての中之島」を考える材料とします。


写真図 中之島にある図書館



大阪市役所の背後に
大阪府立中之島図書館が見えます。
堂島川に水晶橋が架かっています。
これを「ダム」と称してました。


同センター所蔵の地図裏面に
明治28(1895)年版「大阪市明細地図」以降、
観光案内記事は
4点挙げられています。
同じ版をしばしば使っています。
その場合、初版のみを挙げています。
取り上げます記事は以下のとおりです。


(1)實地踏測大阪市街全圖 明治44(1911)年
(2)實地踏測大阪市街圖  大正14(1925)年
(3)最新大大阪市街地図  昭和10(1935)年
(4)大阪全図 昭和18(1943)年


次回は
明治44(1911)年版「實地踏測大阪市街全圖」の
記事を取り上げます。


究会代表 田野 登

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この4月から
阪俗研は生まれ変わります。

今まで同様
大阪を中心としたフィールドにおける
人びとの暮らしを研究します。


何が変わるのか?
ちゃんとした会組織にします。
役員と相談しながら
会を運営します。


何を主催するのか?
セミナーやツァーと云った
座学や見学会を行います。


今春のセミナーは
次の写真を材料に
3回連続で講義します。
写真図1 表紙写真





中央に川が流れています。
建物は屋根ばかりで
四角いビルがほとんど見えません。
橋が何本も架かっていて
小舟が浮かんでいます。
川の岸には材木がギッシリと並んでいます。
対岸の幅の広い道路には並木が植えられ
電信柱が等間隔に立っています。
自動車がほとんど見えません。
四角い乗物は路面電車です。


この写真の撮影年は
昭和12(1938)年頃です。
大阪の四ツ橋にあった電気科学館屋上より
西向きに撮った写真です。

真ん中の川は長堀川です。
写真左(南)は堀江、右(北)は新町です。

出典は伊勢戸佐一郎『埋もれた西区の川と橋』
(大阪中部ライオンズクラブ1990年出版)です。
大阪中部ライオンズクラブの許可を得て
本ブログに掲載しております。


写真図2 表紙




今回のセミナーの標題は
「堀江の子供の民俗空間」です。
宮本又次という経済学者の
子供時代を材料に話します。
もっとも宮本又次は
明治40(1907)年の生まれですので
写真の時代より20年ぐらい前に
堀江で子供時代を
過ごしていたことになります。


副題は「近代町家での暮らし」です。
大正時代の町の子は
いったい、どこで何をして遊んでいたのでしょう。
写真に見えます浜で
大人は何をしていたのでしょう。
それを眺めるのもまた楽しかったようです。


大正時代の町の子の1年は
何に始まり何に終わるのでしょう。
堀江と云えば
西横堀を渡ればすぐ南の繁華街です。
商家に育った子供の
正月早々の行事は十日戎です。


セミナーの日時場所は

4月25日(土)pm7時から

福島区民センターです。

   ↓ここをクリック

http://loco.yahoo.co.jp/place/g-z26RRBgFl2I/map/?utm_source=dd_spot


今回のセミナーから資料代等の1000円は
年会費2000円を支払われた正会員には
半額です。

正会員の方は、以後、阪俗研主催の
有料の行事、イベントの参加費は
毎回半額です。


今回だけの参加の方も

至急、ブログのトップのアドレスまで

メールを下さい。

今回も予定人数は10名です。

お早めに!


生まれ変わった阪俗研は
今、新しいイベントを企画中です。
「阪俗研便り」(無料メール)を
希望の方は「会友」として
送信します。
ブログのトップをご覧下さい。


究会代表 田野 登

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