ライブ前夜?と世界一の愚行 | 谷修(Tanisyu)のブログ

ライブ前夜?と世界一の愚行

ただ今、朝の4時35分。

今日は第3回ねりうた発表会の日です。

「早く寝ろよ。」

と複数人の声が飛んできそうな感じではありますが、
どうしても書かなければいけないブログがあります。
今日のライブのために。

あ、最初にお断りしておきますが、
楽器を扱う方は決してこの先は読まないでくださいね。
いや、ほんとに。

1年前の7月8日のことでした。

新しいアルバム「谷原交差点にて」が完成して
7月7日からツアーを始めたばかり。
新しく生まれた楽曲達を皆さんに広めるわけですから、
それはもう最高の気分でした。

7日のライブを楽しく終えて、8日はリハーサル。
事故は起きました。

いえ、

事故を起こしました。

今思ってみても疲れていたんだと思います。

リハーサルを終えて、駐車場に戻り、
ギターを車に立てかけて、荷物を整理して搬入。

そして、車を発進させました。
車を動かして間もなく

バキッ!

って音がしました。
全身から血の気が引きましたね。

ギターを車に立てかけたまま車を発進させてしまったんです。

ギターの入ったギターケースが前輪の下にありました。

慌てて(たぶん慌てていたはずです。記憶はありません。)
ギターケースを開けて、少しだけ中身を見て、絶望的な状況を確認しました。

それから半年間、ギターケースを開けることはありませんでした。
ツアーも始まったばかりだし、亘理町での大きなプロジェクトも控えていたし、
このことはお客さんには一切関係のないことで、何よりケースを開けると
心が折れるであろう自己防衛からの判断です。

自分の命の次に大切な物を愛車でぶっ壊した。言葉が非常に悪いですが、
殺してしまった。

アルバム「谷原交差点にて」の中の全楽曲をこのギターで作り、
さあ、一緒に世に発信していこうというところでした。

おそらくこの気持ちは誰にもわからないでしょうね。
だって、そんな世界一の愚行を誰もしないでしょう(笑)

ツアー、練馬文化センターライブ、亘理町での舞台を無事に終えて、
半年間目を背け続けてきたことと向き合う覚悟をしました。

ケースを開けて出した時の写真です。


とある楽器修理店での一枚です。

店員さんの目もはばからず、
そりゃ泣きましたとも。号泣レベルでしたね。
36のおっさんが(笑)

その姿を見せてしまったせいもあるでしょう、
店長さん
「直せないとは言わない。預かります。」

と言って、預かってくださいました。

この間、私はずっと泣いてましたけど、
この一言を聞いてから、
流している涙の質が
悲しくて冷たいものから、何か温かいものに変わった記憶があります。

ただ、ここからが一番つらい日々でしたね。

「直りません。」

と言われてしまったらどうしていいかわからなかったからです。

数ヶ月後


「直ります。」


と電話をいただきました。


入手困難な仮面ライダーのベルトをクリスマスにもらった小学生の200倍ぐらい
はしゃいで喜びました。

ただ、そこに涙はありませんでした。
すぐに恐怖に変わりました。

一度殺しかけた相手をどんな形で迎え入れたらいい?

という気持ちが一気に沸き上がってきたからです。

ギターとの対面。

震える手でギターを持ってみて見ると
ギターは驚くほど奇麗に元通りになっていました。

ギターは木です。
演奏しながら、「あ、こいつ本当に生きてるな。」
って思う瞬間が何度もありました。
語りかけてくれる瞬間があったからです。

そういう意味ではその時手にしたギターは
何の返事もしてくれませんでした。

それ以降、今日に至るまで、
やはりギターがこっちを向いてくれないのか、
私が完全に遠慮してしまっているのか、
噛み合わない日々でした。

こんな状態では一向にライブに出ることは出来ないのですが、
今年の練馬文化センターのライブではどんな形でも一緒にやろう。
そして、それまで毎日のように触ろう。と決めていました。

と、思っていたら、今日のライブで使うギターが壊れました。

他にもギターは何本かあるのですが、
1日悩みに悩んだ結果、
「これはこれで運命なのかな。」
と思って今日のライブに出ることに決めました。

ライブ前日にはリハーサルはあまりしないのですが、
さすがにそうも言ってられず、0時までみっちりスタジオで
一緒に練習してきました。

そこでなんと、2回鼓動を打ってくれました。

さて、ながーーーーーーーーーーーくなりましたが、
話を戻します。

なぜこれを書かないと今日のライブが出来ないのか、
理由は2つあります。

1つは、こうやって書いて気持ちをある程度出しておかないと、
今日のライブの1曲目に歌う「カゲミのワルツ」の

♩悲しいことは

のフレーズあたりで、確実に泣いてしまうと思ったからです。
1曲目でええ歳こいたおっさんにいきなり泣かれたら
お客さんもどうしていいかわからないですよね(笑)

もう1つの理由はそれでも1曲目で泣いてしまったとして、
いきなり驚かせてしまったお客さんに対して、
これだけの理由を説明している間にライブが終わってしまうと
思ったからです(笑)

これなら泣いてしまったとしても、

「ブログ見て下さい~。」

って言えますしね(笑)

おっと、5時半だ。
今からちょうど12時間後に私は2回鼓動を打ってくれた

この相棒

と一緒にライブ会場にいます。

今日のライブは私にとって、そして相棒にとって、
特別な日になりそうです。

このブログに関するコメントは一切ご容赦ください。

おやすみなさい♩