コーチMのブログ

バスケのコーチングに関して大学院やその他で学んだこと、アメリカ留学での日常をつらつら書いていきます。


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こんばんは!
今回は「なぜNBAでは3Pとゴール下、フリースローにこだわるのか」です。

NBAに限った話ではありませんが、高いレベルのチームでチームコンセプトとしてよく用いられているのが、

「フリーのスリーポイントシュート、もしくはゴール下のシュート、フリースローをできるだけ多く打つ」

というオフェンスコンセプトです。

極端な例では、これ以外のシュート、例えばステップバックジャンパーやミドルレンジショットは要らないから、スリーかゴール下、もしくはファールをもらってフリースローに持ち込もう、というチームもあるようです。

なぜこのような考えになるのか、それは「期待値」という値を元にして考えると分かります。

このバスケにおける「期待値」(数学で習った人もいると思います)を簡単に説明すると、

「1回そのシュートを打った際に得られるであろう点数」となります。

例を出してみましょう。

もしゴール下のシュートが60%で決まり続けるとしたら、1回決まれば2点で、60%の確率で決まるため、

期待値=2×0.6=1.2 となります。


つまり1回ゴール下のシュートを打ったら、1.2点が取れる計算になります。


同様にスリーポイントが35%で決まるとしたら、1回決まれば3点で、35%の確率で決まるため、

期待値=3×0.35=1.05 となります。


つまり、期待値=(1回のシュートの点数)×(そのシュートの確率)で求まります。

この数値が高いほど、そのシュートの価値が高い、すなわち良いシュートになります。


この数値をもとにして考えると、レベルの高いチームだと多くの場合、価値の高いシュートが

スリーのキャッチアンドシュート
ゴール下のシュート(レイアップを含む)
フリースロー

となるのです。



実際の例を見てみましょう。

以下がHouston Rocketsのプレーオフのシューティングスタッツです。(NBA OFFICIAL SITE)

()内は全体のオフェンスの中で、どれだけそのシュートを打っているかです。

3m(10フィート)以下 56.4% (54.5%)
期待値=2×0.564=1.128


3m以上の2点シュートの、キャッチアンドショット 11.1% (2.1%)
期待値=2×0.111=0.222

3m以上の2点シュートの、プルアップ        37.0% (12.6%)
期待値=2×0.37=0.74

スリーの、キャッチアンドショット 40.0% (21.0%)
期待値=3×0.4=1.2

スリーの、プルアップ       24.4% (9.6%)
期待値=3×0.244=0.732


となります。

期待値を見て頂ければ

スリーのキャッチアンドショットが1.2と1番高く、

3m以下、つまりゴール下のシュートが1.128と2番目に高いことが分かります。


つまりこれらのシュートを多く打つことで、それ以外のミドルプルアップやミドルショット、またスリーのプルアップに比べて、より得点が取れる計算になるのです。


カッコ内を見て頂ければ、実際にロケッツがそれらのシュートを多く打っていることが分かります。(ゴール下が全体のアテンプトの54.5%、キャッチアンドシュートのスリーが21.0%)

またRocketsのシーズンフリースロー率は71.5%なので、フリースローをもらえれば

期待値=1×0.715+1×0.715=1.43 となります。
(1&1が無ければ必ず2本、もしくはそれ以上のフリースローがもらえるため)

従ってロケッツにとっては

➀フリースローをもらう(期待値 1.43)
②キャッチアンドシュートのスリー (期待値 1.2)
③ゴール下(3m以内)のシュート (期待値 1.128)

の順にベストオプションとなります。


このように、期待値に沿ってシュートを分析していけば、そのチームにとってどれが良いシュートなのかが分かります。

自チームにとって期待値の高いシュートを、数多く打つことによって、効率のよいオフェンスを目指せます。



しかし、この優先順位はチームによって変わります

例えばスリーが入らないチームだとキャッチアンドシュートの期待値はそれほど高くないでしょうし、小さいチームにとってゴール下シュートの確率、期待値がそれほど高いとも限りません。

またこれは相手によっても変わります。

分かりやすい例だと、高校の試合で相手に2m級がいるケースなどは、特にがらりと確率が変わります。

またプレスからのレイアップ頼みも、スティールからレイアップが量産できればかなりゴール下シュートの期待値が高くなるでしょうが、スティールできなくなるとそもそもそのシュートを多く打つことができません。

このように、チームによって、また相手によって大きく値が変わるため、そもそも「目標とするレベルでの期待値」を元にチームオフェンスを考える必要があります。

県大会優勝を目指すチームが、県の1回戦のシュート確率をもとに期待値を考えても、相手のレベルが上がると確率が大きく変わるためあてになりません。

「目標とするレベルを相手にした時」を元に、考えることを強くお勧めします。

ともあれ、この「期待値」、どのオプションが良いのか迷った時にかなり使える指標です。


自チームにとって期待値の高いシュートを、数多く打つことで、効率のよいオフェンスを目指すことができます。


何かの形で皆様の参考になればと思います!
では!
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