2009-11-21 09:16:40

第66回_松谷義範_歴史、古典、哲学に通暁したリーダー

テーマ:卸売

松谷義範が東邦薬品(現東邦ホールディングス)を創業したのは1948年(昭和23年)若干37歳の時であった。資本金30万円、従業員7名、資金もない、経験もない、何も知らない。ただ松谷個人を信じて集まった人達でスタートした。


薬品卸業で後発の東邦薬品が優良企業まで発展したのは松谷社長の手腕に他ならないが、他の経営者と何処か違うか点あげるとすれば、創業以来、毎朝朝礼で行われた松谷社長の訓話であろう。


学者か宗教指導者を目指したこともある松谷社長は、幼小の頃から、歴史書、哲学書、宗教書を読み漁っていた。マルチン・ルターやジョン・カルビンの原書を読み、またカール・バルトを学ぶためラテン語、ギリシャ語の勉強をし、東京大学文学部西洋哲学科を卒業した後に、自ら「神学的人間の思考」、「三位一体論序説」等の哲学書を出版したほどである。


松谷社長の毎朝の社長訓話は聖書、仏教、孔子、偉人の言葉等、多岐に渡るが人の生き方に迫る心を動かすものであった。メーカのセールスマンが打ち合わせに東邦薬品にやってくるが、彼らの中で朝礼に混じって訓話を聞くものもいた。感動したセールスマンが自分の会社に帰って報告し、その会社の中でも話題になった。夏場になると、クーラーのない事務所は朝から窓を開けられていた。初めは隣家の人が自宅の窓を閉めて苦情を言ってきた。ところがいつの間にか自宅の窓は開かれて聴講する隣人が現れる。近所同士の挨拶代わりに松谷社長の訓話が話題になる。


東邦薬品の社員が、俺は東邦薬品の近くに住でる者だが、この間の社長の訓話はとても感激したと声をかけてくる。何人もの社員がこのような声を耳にするようになり、こうした信頼できる社長の下で働けることに誇りを感じたという。


故・城山三郎の名著「男子の本懐」は第1次世界大戦以降の不況から脱出するために、多くの反対を受けながらも果敢に金解禁を実行した浜口雄幸首相と井上準之助大蔵大臣の話だが、この中で城山は井上元大蔵大臣の言葉として次のような文句を引用している。


「常識を養うに読書の必要はいらぬかもしれぬ。そしてまた日常の事務を処理して行くのにも読書の必要はない。しかし、人をリードしていくにはどうしても読書をしなければならぬ。明日起こってくる問題を知るには、どうしても読書をしなくてはならぬ」人を引っ張っていくには万巻の読書が不可欠と言っている。またオックスフォード大学やケンブリッジ大学で教えるのは、ラテン語、ギリシャ語、歴史、古典である。人の上に立ち、社会を率いていく人間には歴史、古典に精通することが必須といいます。


松谷社長は歴史、古典、哲学に通暁したリーダーであり東邦薬品の特徴である東邦システム、班長制度も確固たる哲学にもとづいた手法であった。


週に一度位は朝の長礼等で訓話をする経営者はいるだろうが、松谷社長のように毎日人の心を打つ訓話をやれる人はそうはいないでしょう。それも30代後半の若い頃から毎朝語りかけていたというのだから驚きである。 



文責 田宮 卓










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