2010-11-10 09:30:02

第133回_世界の成功者が誰も言わなかった雨宮敬次郎の名言

テーマ:鉄道
「君は熱心に通ってくるが僕から聞くばかりだ。僕だけが君に知恵をあげるというのは可笑しいじゃないか。君も僕の役に立つ話を持ってきなさい。そうでなければ訪ねてくる理由はないよ」

 
明治の人は善くも悪くも豪快な人が多かった。甲州財閥の一人、雨宮敬次郎(あめのみやけいじろう)も天下の雨敬(あめけい)と呼ばれ暴れん坊の実業家だった。鉄道、製鉄、製粉、鉱山、電力とあらゆる近代産業を興していったが、鉄道事業にいたっては前代未耳の離れ技?をやってのけた。後の国鉄の線路を生家のある山梨県塩山市の裏庭のわずか200メートルの至近距離まで引っ張り込むことにちゃっかり成功させている。計画を実現するためあらゆる策を弄する。親交のあった時の宰相・伊藤博文に頼み込んだのである。「戦争でも始まれば、甲州の山奥から兵隊や物資を動員しなければならないでしょう。そのためにも・・・」時あたかも日露の戦雲がせまっていたが、まさか雨敬(あめけい)の口車だけが全ての理由ではないであろうが結果において実現した。これがわが国初の政治路線といわれる。その痕跡はいまも中央線・勝沼―甲府間を地図で広げてみると、中央線は笹子トンネルを出て、勝沼を過ぎるあたりから、にわかに北へ湾曲し、次の塩山、山梨市を経て、甲府に達している。その凸部分が雨敬の「欲望」の軌跡である。

そんな豪放な雨敬であったが、ある若者に対して実に味のあるアドバイスをしているから面白い。ある若者とは後に日本化薬の会長、東洋火災海上保険株式会社(現・セコム損害保険)初代会長となる原安三郎(はらやすさぶろう)である。

小泉信三(こいずみじんぞう)(慶応義塾長)は「100冊の本を読むより100人の人物に会え」といったがそのことを忠実に実行したのが原であった。さすがは社長業38年のレコードを樹立するだけのことがあり若いころから目の付けどころが違っていた。原は早大に在学しているころから、日曜、休日には弁当を腰に成功した人物を訪ね、その体験談に耳を傾けた。

また「D・カーネギー人生のヒント」という本に出版王となったエドワード・ボックが少年のころ、伝記の本に出てくる人物に「本には出てこない幼年期の頃のことを知りたい」「あなたが昔運河で曳舟の曳き子をしていたのは本当ですか」といった質問の手紙を出し、このころの各界の一流の人と近づいていった話がある。グラント将軍のところにも手紙を出し南北戦争当時のことを問い合わせた。グラント将軍は地図まで書いて教えてくれた上、ある晩ボック少年を自宅に呼んで御馳走し、一晩中相手をしてくれたという。

恐らく、原に会ってくれた成功者も皆グラント将軍のように喜んで自分の成功談を語ったのだろう。しかし雨敬(あめけい)だけは他の成功者とは一味違う話をしていて面白い。
「君は熱心に通ってくるが僕から聞くばかりだ。僕だけが君に知恵をあげるというのは可笑しいじゃないか。君も僕の役に立つ話を持ってきなさい。そうでなければ訪ねてくる理由はないよ」原はびっくりした。成功者である大先輩に聞かせる話などあるものかと思ったが、以後ただ漫然と訪ね歩くのはやめ、この相手にはこういう話をしたら参考になるんじゃないかと事前に調べ勉強していくようになった。米のことや産地の名産のことなど調べたりして、少しでも土産となる話を持っていくように努力した。

世界中の成功者でもこんな味のあるアドバイスをするのは雨敬だけであろう。あっぱれである。  


参考文献
伊藤 肇 「現代の帝王学」 PHP文庫 
伊藤 肇 「瀬戸際で問われる経営者の倫理」ごま書房
内橋克人 「破天荒企業人列伝」 新潮文庫
城山三郎 「サラリーマンの一生 対談」 角川文庫
D・カーネギー 「人生のヒント」 三笠書房
日本経済新聞社 「私の履歴書 経済人2」日本経済新聞社
AD
いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)
2010-08-15 00:00:00

第100回_小林一三_一芸に秀でよ

テーマ:鉄道

「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」これは阪急グループの創業者、小林一三の言葉である。私はこの言葉を生きるうえでも仕事をするうえでも指針としており最も好きなフレーズである。




明治、大正、昭和の創業者、経営者、政治家に学ぶをテーマにコラムを書き今回が第100回になる。日本、世界のあらゆる創業者、経営者、政治家、歴史上の人物の生涯や生き方、仕事の取り組み方を調べてきたが、仕事をするうえで大切なことは何かと問われれば小林一三のこの言葉にいきあたります。




元東京電力、経団連の会長の平岩外四は「その道の第一人者になれと」言いました。日産自動車の元社長の石原俊は「技術屋なら製造技術とか設計技術とか、事務屋なら人事でも経理でも。その職種なら社内はもちろん、業界全体でも「これならあの人」と評価されるくらい一つの職種を極めるべきだ。」と言いました。世阿弥は「一芸は万芸に通づる」と説いた。表現は違えども言っていることは同じである。




100回を書き上げたことを機に今一度原点に立返り自分にしか出来ないものを磨き上げていきたいと思う。




文責 田宮 卓



小林一三の名言→  http://bit.ly/nLLc3k











AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2009-04-26 00:51:01

第36回_小林一三_チャンスに備えて準備をする。

テーマ:鉄道

先日、4月に大学を卒業し大手企業に入社したばかりの新入社員の人が転職をしたいと相談に来ました。まだ入社して1月もしないのに何故?と思いますが、やりたいと思っていた仕事と違うので早めに方向転換をした方が良いのではないかと思ったようです。



安易に転職を考える前に、まずは今いるところで腰を据えて仕事を覚え、その職場で認めてもらえるだけの人物になり、その間しっかりと次に向けての準備をしていけばよいのではないかと思いますが、私は20世紀の激動を生抜いたある先人の言葉を思い出しました。新入社員や 始めて職就する人に出世の秘訣を聞かれた時によく言っていた言葉だそうです。



私は平凡主義ということを言っております。平凡な事を課してそれが完全に実行されるならば、将来見込ありと考えております。例えば勤務時間より30分早く出勤せよといいます。9時に始まるなら8時半に8時に始まるのなら7時半に出勤する。これは一見平凡のようにみえますが、1万人の中でこれを実行できる人はほとんどいないと言って良いくらいです。しかしこの30分早めの出勤がどういう結果を生むか? まず30分早めに家を出れば、よくある電車の停電とか故障になどに遭ってもけしてまごつかない。そして勤め先に着いたならばまず自分の机を掃除し、硯箱のふたをとり水差しに水がなかったなら水を入れ、いつでも仕事が始められるようにして同僚や先輩の出勤を待つことができる。その間新聞、雑誌を読むことが出来るし誰よりも早く仕事にとりかかることが出来る。



これに反して、始業時間きっかりに出勤した場合は、電車の停電などにぶつかるとすぐに遅刻をする。慌てると事務も完全に出来ない。しかもこういう時に限って、急用ができて社長が来たり、課長が来たりして「まだ出勤せぬか」と言って、怠けているわけでもないのに怠けているように見られる。こんな場合は、30分早く出勤していれば他の人の仕事まで引き受けてやり、「あれはなかなか用の立つ男だ」ということになって思わぬところで認められるようになるのである。ざっといってみればこのような訳で、わずか30分早めの出勤が、どれほどその人を価値づける事になるかわかりませんが、これを1年間続ければ必ず上役の目に留まるし、上役でなくても何処かで認められて出世の糸口をつかむ事になるでしょう。



この言葉は阪急グループの創業者、小林一三がよく言っていたことで、実際に若い人に30分前出勤を実践するように促していたそうです。ところが面白い事に、小林一三といえば自分自身は、慶応大学を卒業後、三井銀行に入社し、30歳前半まで勤務しますが、その間「だめサラリーマン」、「万年平社員」と言われ、けして優秀なサラリーマンではありませんでした。実家から仕送りしてもらったお金で女遊びをしていたとも言われ、凡そ、若い人に向けて言っていた平凡主義というのとは自分自身は全く似ても似つかないサラリーマンだったはずです。



そういう人が平凡主義を奨励するのだから逆に変に説得力があるように私は思います。



また、先人の言葉で私が常に心がけ実践しようとしていることがあります。



「私は機会の到来に備えて学び、いつでも仕事にかかれる態勢を整えている」 アメリカの第16代大統領 リンカーン



「わが人生の成功のことごとくは、いかなる場合にもかならず15分前に到着したおかげである。」

         イギリス海軍の英雄 ネルソン



新入社員の人が転職相談に来てくれたお陰で、私は今一度初心に帰り頑張ろうという気持になりました。                      







    文責 田宮 卓



























AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

相互フォロー大歓迎!リフォロー率99% follow me Twitter
ツイッタータイムラインブログパーツ Taku Tamiya

バナーを作成

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。