「雑草という草はないんですよ。どの草にも名前はあるんです。どの植物にも名前があって、それぞれ自分の好きな場所を選んで生を営んでいるんです」昭和天皇
先日、『宮中侍従物語』(入江相政編)という本を読んだ。この本は侍従から見た昭和天皇のエピソードが満載である
その中の一つに昭和天皇のお人柄やお心の広さが垣間見れる、強烈に印象に残るエピソードがあった
9月中旬、両陛下が那須の御用邸に行かれている間に、田中直(なおる)という侍従が、両陛下が普段、住んでおられる皇居内の吹上御所の庭をきれいにするため雑草を刈った
両陛下が戻られ、田中侍従は庭をきれいにしたのだから褒められると思ったが、昭和天皇は珍しく語気を強めてこのような内容で叱責したという
「どんな植物でも、みな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方でこれを雑草としてきめつけてしまうのはいけない。注意するように」
アメリカの19世紀最大の思想家、エマーソンは
「雑草とは何か?それはその美点がまだ発見されていない植物である」
と言ったが、昭和天皇もこれと同じようなお考えであったのであろう
このエピソードで昭和天皇のお人柄が垣間見れると思ったのは、このことは人間の世界にもあてはまると思ったからである
この世に生まれてきた人は、どんな人であれ、何かしらの役割があり無駄な人は一人もいない。昭和天皇はこのような広いお心を持っていたのではなかろうか
このエピソードを知って、思い出されるのが、経営の神様、松下幸之助(パナソニック創業者)である
松下幸之助は
「この世に存在するものは一切不要なものはない。どのような悪人でも、毒物でも、使い方によっては全部役に立つ」
と語り、無口で物凄く暗い社員を葬儀担当に抜擢したという話を聞いたことがある
松下幸之助は人事の天才でもあった
関連サイト
昭和天皇語録http://meigennooukoku.net/blog-entry-347.html
松下幸之助語録http://meigennooukoku.net/blog-entry-59.html
名言の王国(収録人数3776人 収録語録数19612
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