2012-04-29 22:51:28

第216回_大志が新たな時代を切り開く

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「大志を抱けば、天下何ものか恐るるに足らず」

吉田茂(戦後の復興を成し遂げた内閣総理大臣)



吉田茂は戦後の占領下にあった日本を優れた政治判断と強いリーダーシップを発揮して、日本の復興の礎を築いた最大の功労者の一人といえるだろう。しかしそんな吉田も明治維新を成し遂げた先輩政治家には敬意を表する。


そのことを私は吉田茂の著書「回想10年」の始めに出てくる文章で垣間見ることが出来ると思う。

「明治維新当時の先輩政治家たちは、国歩艱難(かんなん)裡に国政に当り、よく興国の大業を成し遂げたのであるが、その苦心経営の跡は、今日よりこれを顧みるに歴々たるものがある」このように吉田は述べている。 


明治の政治家は実に立派であったと思うが、私は立派だったのは何も政治家だけではなかったと思う。


明治47月、明治政府は中央集権化を進めるため、全国の藩を廃止して府県を置くという大改革を行った。いわゆる明治維新における最大の改革といわれる廃藩置県(はいはんちけん)である。いわば藩主のみならず、江戸時代の主役ともいえる武士階級を一挙に廃絶する改革であるので、今考えると良くこれだけの大改革が出来たものだと思うのだが、この時のことを当時まだ20歳にも満たない青年が次のような文章で書き残している。


「世の中の政治変化にともなって私の精神も完全に切り替わった・・・まだ領主への忠誠心は持ち続けていたが、それよりも愛国心の方が強かったので、領主がその地位を辞したときは残念というよりもむしろ嬉しかった」


この文章は、後に日露戦争を外務大臣として日本を勝利に導く小村寿太郎(こむら・じゅたろう)が書いたものであるが、この観察は知的階級の一般的な反応として実に貴重な歴史的証言だと思う。文章にこそ残さなくともこのような志を持った若者が日本の全国各地にいたことが、明治維新を成功させ近代国家への仲間入りが出きた大きな要因ではなかったかと思う。


明治時代は近代の日本でもっとも躍動感があった時代だと思うが、国の活力というのは民衆の志の大きさに比例するのかもしれない。


海外をみても例えばアメリカが最も活力のあった時代に西部開拓時代があったと思うが、この新たな時代が始まる直前にスコットランドで生まれ一家で移民としてアメリカのピッツバーグに渡るが、父が事業に失敗したため、12歳にして紡績工場の糸巻きの仕事をして、家計を助けることになった少年がいる。この少年のこの時の志がふるっている。


「私は最初、12歳のときに紡績工場の糸巻き小僧に雇われた。そのとき私が決心したのは、よし、世界一の糸巻き小僧になってやれ、ということだった」


この少年は後に鉄鋼王となるアンドリュー・カーネギーである。小村は貧乏藩士の家の生まれであり、カーネギーも貧乏のどん底を経験し12歳にして家計を支えるため働かざるをえなかった。小村は極貧の中、勉学に励み名外交官としてその名を日本の外交史に残した。そして、カーネギーは周知の通り鉄鋼王としてその名を世界に残したが、二人ともお金や人脈がある恵まれた家に生まれたわけではない。持っていたのは志だけである。


少し乱暴かもしれないが、仮に人を志しのある人間と、ない人間の二つに大別するならば、新しく歴史をつくっていくのは間違いなく後者の志のある人間といえるであろう。


何時の時代も小村やカーネギーのように志のある人間が歴史をつくっていく。アメリカの思想家のエマーソンが「成功とは何か。それは立志の別名である」と言ったが名言だと思う。


そう考えると、誰もかれもが大きな志を持つのは難しいしその必要もないかもしれないが、小さくてもいいから目標を持つことが大切かもしれない。目標を持って日々過ごすのとそうでないのとでは将来大きく違ってくるのではないだろうか。小さくても目標を持つと人は日々の働きや生活に張りがでてくる。何よりも目標を持っている人は顔つきが違う。


ということで私はGW中、今年の目標、5年後、10年後の目標というものを改めて考えてみようと思う。


関連サイト

吉田茂語録 http://bit.ly/xWrhju

小村寿太郎語録 http://bit.ly/JEq21I

アンドリュー・カーネギー語録 http://bit.ly/HD8ffc

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2012-04-11 22:31:45

第215回_その道のエキスパートを目指せ

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「下足番(げそくばん)を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」阪急グループ創業者 小林一三(いちぞう)


大正元年、原安三郎(はらやすさぶろう)という男が早稲田大学商学部を首席で卒業した後、日本化薬の前身である日本火薬製造会社に入社した。化学会社に就職したのに、配属された先が飯場の炊事係であった。思ってもなかった職場であるが原という男は腐らず逆に徹底的に勉強した。米の仕入れ一つにしても「どこの米がうまいか」「米の値段にどういう違いがあるのか」「品質の違いとどう関係があるのか」「どういう流通経路で来るのか」「肥料には何をつかっているのか」等々、調べる気になれば勉強する材料はいっぱいあった。そして、勉強していくと、次から次へと、また勉強の材料が出てくる。最初はつまらないと思っていた日々の仕事にもはりが出てきたという。


この原という男は後に日本化薬の社長になり会長になるまでの38年間社長を務めるというレコード記録をつくり、また幾多の経営不振の会社を再建し、「会社更生の名医」とも賞賛された人物である。


4月になり毎年の光景ではあるが、この時期に電車や街中でまだ着慣れないスーツを身にまとった、いかにも新入社員と思われる人達に出くわす。彼らの初々しい姿を見るといつも思い出すのがこの原安三郎のエピソードである。


相変わらず新人の離職率が高く新卒者の3割は3年以内に会社を辞めてしまうという。このことは非常にもったいないことに見えてならない。女性で結婚したら仕事を辞めるというのであれば別であるが、この先40年、50年、働こうと思うのであれば、どんなにつまらないと思える仕事であっても、どうせやるならその道のエキスパートを目指して最低でも3年、5年くらいは徹底的に打ち込んでいくほうが、将来道が開けるのではないかと思う。


そのことはわれわれの先輩達の生き様をみていくと自ずと頷けることだと思う。このブログでも会社を辞めずにエキスパートを目指し成功した人物を何人も取り上げたが、そういった事例は数限りなくある。


旭化成中興の祖といわれた宮崎輝(みやざきかがやき)は東京帝大(現・東大)法学部を卒業して旭化成に入社したが、配属先は子会社の庶務課であった。仕事はソロバンであったが、学生時代に法律書しか読んでいなかった宮崎は、ソロバンは不慣れであった。廻りは商業学校出の即戦力となる人達ばかり。東大出は宮崎一人だけ。「東大出の法学士なのに仕事は何も出来ない」と皆に馬鹿にされ、会社を辞めようと何度も思うが宮崎は思いとどまり「得意の法律を勉強して、会社で一番の法律通になって、まわりを見返してやる」と逆に奮起した。仕事が終わってから遊ぶ同僚を横目に民事、刑事、特許の出願手続など猛勉強をはじめた。3年も勉強を続けると社内で「若いけれど法律をよく知っている、恐らく会社で1、2の法律通だ」と評価する人が出てくる。そしてこの努力が意外に早く報われる時がきた。同社が開発した「旭ダイヤライザー」というカセイソーダの回収装置をめぐって帝人と特許紛争がおき、この交渉の責任者に宮崎が抜擢された。ここから大きく道が開けていった。

詳細参照 http://amba.to/oGmP96


また、ホテルの清掃員として雇われた人が支配人に大抜擢されたケースもある。詳細参照 http://amba.to/hT35p7


東芝本社の部長であった岩田弍夫(いわたかずお)は上司と激しい口論となり子会社の副部長に左遷させられたことがあった。廻りからは再起不能と見られていたが、岩田は腐らなかった。元々得意であった経理、財務のスキルを東芝で誰にも負けないぐらいになろうと徹底的に磨いた。それから数年が経つと東芝本体が一時財政危機に陥る。すると今度はこの危機を救えるのは岩田しかいないということになり、急に本社に呼び戻され財務部長に抜擢される。その後、岩田は社長になる。


会社を辞め転職して成功したケースもあることは知っているが、今までの先輩達の事例をみる限り、やはり辞めずに頑張って道が開けたケースの方が圧倒的に多いだろう。


そして最初の小林一三の名言と類似の言葉を残した先人が多くいるので幾つか紹介して終わりたい。


「一芸は万芸に通づる」世阿弥


「その道の第一人者になれ」

平岩外四(経団連第7代会長)


「与えられた仕事の分野では、世界一になるんだという意気込みを持て」

賀来龍三郎(キヤノン名誉会長)


「なにか一つをマスターすることが大切だ。技術屋なら製造技術とか設計技術とか、事務屋なら人事でも経理でも。その職種では社内はもちろん、業界全体でも『これならあの人』と評価されるくらい一つの職種を極めるべきだ」

石原俊(日産自動車元社長)


関連サイト

小林一三(阪急グループ創業者)語録集(仕事編)

http://bit.ly/yMvvrW

宮崎輝(旭化成元社長)語録

http://bit.ly/z5EX3r

石原俊(日産自動車元社長)語録

http://bit.ly/pek7lV

平岩外四(東京電力元社長)語録(教育編)

http://bit.ly/A9bYCz

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