2011-11-21 20:22:50

第205回_オリンパスと大王製紙から学ぶ教訓

テーマ:家電

大王製紙の会長が連結子会社から100億円を超える巨額の借り入れをしていたことが分かった。使途も不明なまま、そのことによって会長職を先日辞任した。また今度は名門光学メーカーのオリンパスが証券投資の巨額損失を隠していたことが発覚し問題になっている。上場企業の不祥事、それも業界最大手といわれる企業の不祥事が続いている。



大王製紙については同社の特別調査委員会が井川一族の影響力が強く「前会長に逆らったり、異論をとなえられる空気がなかった」という趣旨のことを報告している。またオリンパスでは一部役員で買収価格が高いと指摘した役員はいたみたいだが、結果的には不正に会計処理がされているのを止めることはできなかった。



オリンパスにいたっては日本の資本市場そのものに対する信頼を傷つけたという点で極めて責任は重いと思う。今回、監査法人が何故、不正な経理操作を止められなかったのかということも検証する必要があるだろう。



不祥事が起きるたびにより厳しくチェックする制度が必要だとされ、今まで金融庁主導で度々改善が行われてきた。制度面の改善は必要とは思うが、やはり企業はトップいかんで決まる。どんな制度をつくっても抜け道はいくらでもある。トップたる経営者がより企業は公器な存在であることを自覚して、法令を遵守することを意識しないかぎりこういった不祥事はなくならないであろう。



今回の一連の大企業の不祥事は、種類は違うが社内で誰も止めることが出来なかったという点で共通しているように思う。だからといってもちろん社内の人が悪いわけではない。責任はトップたる経営者に全てあることはいうまでもないが、今回の不祥事で教えられる教訓としては、経営者にとって側近の意見に耳を傾けなくなるということは、自殺行為に等しいということである。側近が悪い情報を社長に上げづらい、進言がしにくい、こういった雰囲気が出来た時点でアウトかもしれない。



大きな会社になればなるほど、経営者はいよいよ謙虚になって側近に限らず人の意見に耳を傾けることが必要になると思う。



一連の不祥事を見ていて思い出されるのが、名門意識からくる奢りから、経営が傾いていた東芝の再建を頼まれ、社長に就任した土光敏夫(どこうとしお)である。



まず土光が社長に就任して行ったことは7時出社である。会社の始業時間は、9時からであるが、朝の7時から始業時間の9時までは「誰でも自由に俺の部屋に入って来い」といって社長室をオープンにした。実際に役職のない平社員でも来れば大真面目に話し合った。風通しが良くなったことは言うまでもない。



そしてその当時(昭和41年)、雑誌「財界」の創業者、三鬼陽之助(みきようのすけ)が「東芝の悲劇」という本を出版しベストセラーになった。無配転落になった東芝の起源から調べ、競合の日立、三菱、松下と比較し、石坂会長・岩下社長の確執がもたらした経営陣の内紛、時機を逸した設備投資、重電、軽電の派閥抗争、甘い販売政策、仕入れ政策、外国技術偏重など名門といわれた東芝の病根となる原因をあらゆる角度から分析した内容の著書である。



私も何度となく読んだが、この本に書かれている東芝の病根となっていた要因は、今の大手企業の大企業病にも十分当てはまるものだと思う。



そして出版社「経済界」の創業者、佐藤正忠(さとうせいちゅう)が土光の鶴見(横浜市)の自宅を訪ねて、この本の感想を聞いたことがある。ちょっと意地悪な質問にも思えるが、土光から返って来た返事はこうだ「うちの連中に、読めといってるんだよ。反省すべきところは、大いに反省しろといっているんだよ・・・」そしてまた「いや、あれだけ調べて書いてくれた三鬼君に、感謝しているんだよ」これが土光の感想であったという。当たり前のことであろうが、弁解したり、損失や都合の悪いことを隠そうなどとは微塵も考えない。むしろ積極的に悪い情報や至らぬ部分を謙虚にあらゆる人から聞いて吸い上げていき改善していく。これこそが経営者が本来とるべき正しい道ではないかと思う。ご承知の通り東芝は土光が経営にあたることにより見事に蘇った。



大きな企業になればなるほど経営者に求められる器量は人の意見に耳を傾ける謙虚さではなかろうか。



この気持ちが無くなるといかに恐ろしい事になるか教えられた気がする。




関連サイト

偉人の名言格言ブログ

井川伊勢吉(大王製紙創業者)語録

http://p.tl/i2oS

大王製紙井川家 家系図(家族・親族)

http://p.tl/qehC

大王製紙から学ぶ教訓

http://p.tl/FkOb

土光敏夫語録集(率先垂範編)

http://bit.ly/qN4vdU

土光敏夫語録集(経営編)

http://bit.ly/reMlal





文責 田宮 卓
































AD
いいね!した人  |  コメント(38)  |  リブログ(0)
2011-11-11 18:05:30

第204回_大王製紙から学ぶ教訓

テーマ:パルプ・紙

総合製紙国内3位の大王製紙(東証1部)の創業家出身の前会長の井川意高(いかわもとたか)氏(47歳)が連結子会社から100億円を超える巨額の借り入れをしていたことが分かった。使途はいまでに不明であり上場企業の現職会長が使途不明金に絡んで辞任したのは極めて異例といえるだろう。


私が井川前会長のことを初めて知ったのは、4年ぐらい前の日経新聞の朝刊に42歳の若さで社長に就任という記事を見た時である。業界最大手の企業で随分、若い人が社長になったなあということで記憶しているが、それ以上の関心は特になかった。もちろん面識もない。それまで井川家の名前すら知らなかった。というのも、私は多くの創業家の事を調べてきたと思っているが、いまだに大王製紙の創業者について書かれている本を見たことがない。業界3位の大手企業なのに創業者のことや創業にまつわるエピソードなどの情報がここまでないのも実に珍しいといえる。


大王製紙は井川前会長の祖父、井川伊勢吉(いかわいせきち)が愛媛県で製紙原料から身を興し、地場産業の和紙工業を経て、洋紙生産を始めたことに始まるらしい。


それはさておき、一連のニュースを見ていて思い出される人物がいる。一代で日産コンツェルン(日産、日立グループの創業者)をきづき上げた鮎川義介(あゆかわよしすけ)である。


鮎川が日本青年会議所で講師として招かれ講演をした時に、ある名門企業の社長から質問されたのだが、それに対する答えが思い出される。


「われわれ先代からの余慶で、きわめて恵まれた環境にありますが、今後、この環境を土台にして、さらに飛躍発展するためには、どうしたらいいでしょうか」


鮎川は即座に答えた。「君たちが、今の立場を恵まれた環境だなと思い込んでいたら、それはとんでもない錯覚だ。ありていにいえば、恵まれた環境ではなくて、甘やかされた環境なのだ。そういうところからは経営の厳しさは生まれてこない。第一、親爺が遺した仕事にしがみついて、二代も三代も、その仕事から利益を絞りとろうという考え方自体間違っている」鮎川だからこそ言える言葉であろう。


鮎川は母親が維新の元勲井上馨(いのうえかおる、三井財閥顧問)侯の姪という恵まれた家系ではあったが、この男が凄いのはコネを使わず、自力で道を切り開くことである。大叔父の井上馨から「将来お前は技術畑に進み、エンジニアになれ」と勧められ東京帝国大学(現東京大学)の機械工学科に進学する。4番という優秀な成績で卒業して鮎川が就職先に選んだのは、現在の東芝の前身の芝浦製作所であるが、何と一介の見習い職工として雇われたのである。親戚のコネを使えば財閥系でもどんな企業にも入れたろうに。それも帝国大学工学科卒を隠しての職工としての入社であった。一職工になった理由を鮎川は「いずれは自分で経営をしたい。そのためには現場を知りたいので、一から出発したほうが良い」と考えたというのだ。


鮎川は職工をやりながら休日になると当時の技術水準、企業経営、工場管理のことを徹底的に研究するため東京周辺の工場を見学して歩いた。約2年間、工場の実態を見学し、調査を続けて得られた結論は「日本の機械技術は欧米からの輸入で、殆ど独自のものはない。だから日本で勉強しても、最新の機械技術に接することはできない」ということであった。そして彼は思うだけでなく実行に移しアメリカに渡る。実地に新しい技術を学ぶためである。


しかし鮎川はここでもコネは使わない。井上の顔を利用すれば政府出先機関や三井関係事業所もあり、容易に留学ができたはずなのだが、ここでも鋳物(いもの)工場で週休5ドルの見習工になった。そこで現地の大男に混じって鋳物の湯運びをするのである。大変な重労働である。火傷をすることも一度や二度ではなかったであろう。そこで約2年間職工生活をして当時の最新鋳物技術であった可鍛鋳鉄(かたんちゅうてつ)を習得して帰国する。そして日本初の可鍛鋳鉄会社、戸畑鋳物(とばたいもの)を設立する。この会社が現在の日立金属の前身となる会社であるが、この時は井上候に資金的な協力はしてもらっている。


井川前会長は東大を卒業して直ぐに大王製紙で働きはじめた。ここがいけなかったかもしれない。大王製紙の役員が「前会長は東大を出て直ぐに大王製紙に入った。他人の飯を食った経験がない。無菌状態で純粋培養できてしまったのがいけなかったのではないか」と述べていた。報道によれば小会社から借りたお金をカジノに注ぎ込んだともされるが、これを聞いて一番呆れたのは従業員ではなかろうか。恐らく井川前会長には従業員が現場で泥臭く営業していることも、その気持ちも分からないのであろう。


逆境、苦労、恵まれない境遇はその人の心がけ次第では、最大の教師となり自分を飛躍的に成長させることが出来るが、どんなに恵まれた環境もその人の心がけ次第では、甘やかされた環境となり自己の成長が止まる、人の気持ちも分からなくなる、物の善悪もつかなくなる。これは実に恐ろしいことだ。


人間どのような境遇であろうとも、その人の心がけ次第で教師ともなれば自分を潰す環境ともなりえる。井川前会長も47歳とまだ若い。反省すべきは反省し罪を償い、一から出直すことを期待したい。


関連サイト

偉人の名言格言ブログ

http://p.tl/6yLR

文責 田宮 卓




















































AD
いいね!した人  |  コメント(44)  |  リブログ(0)

AD

相互フォロー大歓迎!リフォロー率99% follow me Twitter
ツイッタータイムラインブログパーツ Taku Tamiya

バナーを作成

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。