2007-09-29 15:13:51

第13回_高橋是清_内部統制担当者の心構え

テーマ:政治家

2008年度から上場企業では内部統制報告書の提出が義務づけられることから、早い企業では数年前から、ほとんどの企業では今年から内部統制の体制作りに取組んでおります。


私は上場企業の内部統制担当者と何十人とお話する機会がありましたが本当に内部統制は大丈夫か不安を感じます。



何故かと言えばほとんどの担当者が内部統制を監査法人や外部のコンサル会社に丸投げしてそれで済ませようと思っているからです。


内部統制担当者は会社で不祥事が起きないようにするために当然、経営者や、役員、従業員に耳の痛くなることや嫌がられることを言っていかなければいけない立場にあるはずです。 



それなのに全て他人任せで本当に不祥事を防ぐことが出来るのでしょうか? サラリーマンである以上、周囲に合わせることや、上役の指示に従うのは当然のことですが、内部統制担当者は役職柄、上役の話をよく聞くサラリーマンではいけないはずです。こんな根性で本当に役目を果たせるのか疑問に思います。



では内部統制担当者にとっての大事な心構えとは何か、私はある偉大な先人の一人を通じて考えてみたいと思います。 


金融の番人といわれる日本銀行の歴代の総裁で唯一その肖像が日本銀行券に使用された人物がいます。昭和25年から昭和32年にかけて発行された50円札がそれで、その肖像の 人物とは第20代内閣総理大臣も勤めた高橋是清(コレキヨ)という人です。


高橋は安政元年(1854年)に生まれ昭和11年(1936年)に亡くなりますが、その83年の生涯は実に波乱万丈で、芸者の箱屋(三味線運び)、アメリカでの奴隷から総理大臣にいたるまで、最下層から最上層に及ぶまで経験し、普通の人間ならば二度と立ち上がれないドン底に転げ落ちてもまた立ち上がる人でした。



七転び八起きという言葉がありますがまさに彼のために出来た言葉ともいえるでしょう。


この偉大なる先人から学ぶべきことは沢山あると思いますがここでは高橋が公職に付く時にどのような心構えであったかを記してみたい。


明治22年、高橋は36歳の時、初代特許局長に任命されましたが、その時、当時の農商務次官に南米ペルーのカラワクラ銀山が未採骨のまま捨ててあるが、純銀に近い良鉱であって、おおいに有望だという話を持ち込まれました。



高橋は最初この話を断わっておりましたが無理やり口説かれ結局日本代表として現地に行かされることになりました。


ところがこれがインチキで、山は廃山で事業は完全に失敗してしまいました。命からがら引き上げてきた彼は、もともと責任はなかったのに家屋敷を売り払い、債務の弁償をすることになりました。一家はその屋敷裏の汚い長屋に引越し生活苦に直面してしまいます。


事情を知る人は同情して、高橋の就職口を探してくれ、県知事や郡長などの口を紹介しますが高橋は全て断りました。


断りの理由はこうです「衣食のために官途にはつかぬ。食うに困って役人になったのでは、上官のいうことが間違っていても従わねばならないから」というのである。


高橋は結局、数々の官途の要職を断わり、新築中の日銀建築事務所の事務主任に雇ってもらいますが、その後、高橋は日銀副総裁、日銀総裁、大蔵大臣、総理大臣と道を切開いていきます。


内部統制担当者も公職と同じでただ周囲の言うことを聞いていれば良い分けではないはずです。パブリックカンパニーである上場企業の不祥事は即、資本市場の信用失墜に直結します。内部統制担当者はそのことを自覚して取組んでいただきたいものです。



間違えがあれば勇気を持って進言が出来る、そんなプロの内部統制担当者が日本で出てくることを私は期待したいと思います。


文責 田宮 卓


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2007-09-15 15:07:43

第12回_高畑誠一_国家と企業の理念共有

テーマ:商社

以前私は国策(国益)と企業(産業)の向かう方向が一致する時その企業(産業)は発展すると述べましたが理念についても同じことが言えると思います。


ここではかつて商社マンとして貿易立国日本に貢献した人物、高畑誠一氏を通してそのことを述べてみたいと思います。



高畑誠一氏は明治20年、愛媛県の内小町で13代続いた商家の長男として生まれ、西条中学を卒業後、神戸高等商業学校(現・神戸大学)に進学し卒業後、当時、新興商社であった神戸の鈴木商店に入社します。



彼は直ちに頭角を現し、その名を広く知られるようになったのは25歳のときにロンドン支店に赴任してからです。当時のロンドンは世界の貿易、商業、金融の中心であり世界中から精鋭が集まっていましたが、その中でも高畑の活躍は郡を抜いていました。



日本の最大手の三井・三菱が二の足を踏む中、第一次世界大戦が勃発したと見るや、得意な語学力と独自の調査網を駆使して食料や鋼材を買い付け大英帝国はじめヨーロッパ列強に売り付けました。大英帝国に売込んだ小麦粉は500万袋、満州小麦50万トンというケタ外れの取引を次々に成立させました。



この活躍が認められ高畑は20代の若さで支店長に就任します。その時にはほとんど無名に近かった鈴木商店は売上げ日本一の商社になっていました。


また高畑は本国を介さない三国間貿易を日本人として最初に始めた商社マンとしても知られています。



その後投機的事業が源だっと鈴木商店は昭和2年の金融恐慌で倒産しますが、翌年高畑は「日商」を設立し、昭和43年には現双日の前進である日商岩井を誕生させ再び大手商社の仲間入りを果たすことになります。



商社マンとしてこれだけの活躍をした高畑が何時も思っていたことが「貿易立国日本」貿易が国を栄えさせるという信念です。「資源のない日本が世界に伍していくためには、工業と貿易の興隆が不可欠。それは日本にとっても海外諸国にとってもメリットがある」というのが彼の揺ぎない信念でした。


ここで注目したいのは貿易立国というのは明治以来の日本の政府の政策であったということです。



明治12年に貿易の振興と取引の円滑化、そして堅実な現金(当時の言葉で「正金」)金融を趣旨に、横浜正金銀行(現在の三菱東京UFJ銀行の前進となる東京銀行の前進)が中央銀行である日本銀行よりも1年早く設立されますが、このことからも政府がいかに貿易に力を入れていたかが伺えます。


企業の理念と国家の理念が一致する時に企業も国も栄えるという一つの例です。

しかし今最大の問題は日本の国に国家目標、ビジョンがないことです。明治政府には「不平等条約の改正」、「領事裁判権の撤廃」、「貿易立国」とい明確な国家目標がありました。戦後は経済の復興が国家目標でした。


しかし世界第2位の経済大国になることで目標を成し遂げた日本にとって新たな目標が無くなってしまいました。それはそのはずで今までは欧米の真似をして追従していればそれで良かったのですが、今はお手本とする国がありません。日本は過去一度たりとも世界戦略などを行なった経験もノウハウもなければ考えたこともありません。ですから次なる目標、ビジョンといっても今更軍事大国になる訳にもいかないし、何をどうすればよいのか分からないのでしょう。



だので企業の経営者もどの方向に舵をとればいいのか分からなくなっているはずです。国が方向性を示さなければ真に企業の発展、経済の発展はありえないと思います。



安倍総理が突然辞意を表明しましたので次の内閣では明確な国家目標、ビジョンを示してもらいたいが恐らく期待出来ないでしょう。


であるならば私は今その構想を持っていますので一つ一つ行動に移していきたいと思います。



文責 田宮 卓





















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2007-09-10 15:03:31

第11回_豊田佐吉_経営者の納税に対する考え方、哲学

テーマ:自動車

何故会社の経営を行なうのか、どういう気持ちで会社の経営を行っているか、それが顕著に現れるのが経営者の納税に対する考え方ではないでしょうか?



それは経営者の納税に対する考え方、哲学にその経営者の国家観、歴史観が最も現れるからです。



以前私は国策(国益)と企業(産業)の向かう方向が一致する時その企業(産業)は発展すると述べましたが納税に対する考え方でもこれは言えると思います。



売上高、利益共に国内ナンバー1にトヨタ自動車という会社がありますが、この会社に創業一族の豊田家の初代豊田佐吉翁の精神や言動を明文化して制定した豊田綱領というものがあります。   



この豊田綱領の第一に「上下一致、至誠業務に服し、産業報告の実を挙ぐるべし」というのがきます。「産業報告」とは、産業を興して国に報いるために企業の利益を社会に還元せよ、そういう意味になります。



企業を経営させていただいているのも国からの恩恵によって支えられているのだから、納税の義務をきちっと果たすことによって国の貢献に寄与していくという佐吉翁の精神が「豊田綱領」の筆頭にきていますが、佐吉翁の納税に対する考え方でありこの精神にのっとりトヨタグループも発展して来たと言えます。きちっと国に税金を納めるというのが創業から受継がれてきたトヨタ主義です。



また松下電器の創業者松下幸之助翁も生前「産業報告」という気持ちを強烈に持っていた経営者の一人です。松下翁は赤字の会社は社会にとって悪、税金を納めて初めて社会貢献をしたといえると言っておられましたが松下翁の納税にたいする考え方が垣間見ることができます。



これは当たり前といえば当たり前の考えで、会社の経営を行なううえで国の公共施設やインフラを使わない会社はありません。会社の規模が大きくなればなるほどそうです。



逆に国は国民の血税を有効に使ってくれなくては困ります。税金の横領や着服は言語道断です。こういう役人は厳しく追及すべきでしょう。



ここで私が言いたいのは経営者は納税にたいする考え方、哲学を持てということなのですが何も「産業報告」の精神がない経営者はだめだと言っているわけではりません。



様々な考え方があっていいと思います。以前、そりゃ松下やトヨタみたいに儲かれば幾らでも税金を納めますよとそういうふうに言う経営者がいました、あるいは税金を払うよりも従業員や株主にまずは給与や配当で還元をしたいとそういう経営者もいます。



皆、考え方は様々でいいと思いますが一番困るのは何の考えも哲学もなくただ単に税金は払いたくないと思っている経営者です。



少なくとも税金をきちっと納めようという意思は持ってもらわなければ困ります。



こういう会社に不正が起こりがちなのではないかと思います。以前、食品会社で偽装表示をし国から補助金を騙し取るケースがありましたが税金をきちっと納めるという意思があればこんなことは考えないはずです。



非上場企業はともかくパブリックカンパニーである上場企業の経営者は少なくともきちっとした納税に対する考え方、哲学を持ってもらわなければいけません。2008年度から内部統制報告書提出が義務付けられましたが、経営者が納税にたいするきちっとした考え方、哲学、法令遵守の精神があれば大抵の不正は防げるのではないでしょうか?




文責 田宮 卓

 

 

 


































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