たまき雄一郎ブログ

衆議院議員玉木雄一郎のオフィシャルブログです。


テーマ:

私はかつて、大蔵省から外務省に出向し、ヨルダンやパレスチナといったアラブ地域を担当していた。和平の推進や経済の発展のために、アラブ地域を何度も訪問した経験がある。


だから、我が国の総理が、中東各国を訪問し、貧困対策や民生支援のための援助を表明することには賛成だ。


遠く離れた地域だからといって、当該地域の安定のために日本が無関心であってはならない。その意味では、安倍総理が、イスラエルを訪問すると同時に、エジプト、ヨルダン、パレスチナなどのアラブ地域を歴訪し各国首脳と親交を深めていることは高く評価できる。


したがって私は、今回の人質事件があったからといって2億ドルの対中東支援を止めろという意見には与しない。政策変更を行うことは、それこそテロリストの思うつぼだからである。


しかし政府は、今回の安倍総理の中東訪問の計画をたてる際、どの程度、イスラム国に対する影響を考慮に入れていたのかについては疑問を感じている。


昨年末には、後藤さんの拘束と身代金要求を把握していたと言われている。もしそうだとしたら、今回のような事態の発生は、可能性の一つとして当然検討されたはずだ。


政治的に大変デリケートな地域である。何らかの関与をするには常に細心の注意が必要であることは言うまでもない。


例えば一例だが、


エジプトでの総理の演説内容(※)について、もう少し配慮が必要だったと思う。※http://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me1/eg/page24_000392.html


私が担当していた頃からそうであるように、我が国の対中東支援は非軍事的なものであり、その方針はこれからも変わらないだろう。


しかし、この演説の中で「地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」


という表現を使ったために、イスラム国(ISIL)と「闘う(contend)」国々(those countries contending with ISIL)を、軍事的“にも”支援するかのように受け取られる余地を与えてしまった。


イスラム国は、まさにこの表現を悪用している。


これまで人道支援を中心に民生支援を行ってきた日本の中東支援のイメージが、イスラム国の宣伝によって捻じ曲げられてしまうとしたら、これほど残念なことはない。


人命がかかる中、とにかく今は、人質の救出に最大限の力を注ぐべきだ。これまでの人質事件の例も踏まえれば、部族の有力者や宗教関係者に依頼して、信頼できる仲介ルートを開いていくことが有効だろう。


また、ヨルダンのアブドラ国王に依頼して彼らの諜報機関に協力してもらうことも有効だと思う。彼は諜報機関には強いはずだ。既にこのルートで動いていることを願う。あわせてトルコの役割も重要だ。


今日午後、身代金支払いの期限が到来すると言われているが、政府には人質解放に向けた粘り強い努力を求めたい。

いいね!した人  |  リブログ(0)