たまき雄一郎ブログ

衆議院議員玉木雄一郎のオフィシャルブログです。


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政府・自民党が打ち出している「農業・農村所得倍増戦略」について疑問を感じたので、6月19日の農林水産委員会で農水大臣をはじめ政府に質問しました。


現在3兆円の農業所得を10年間で6兆円に拡大するとの計画ですが、農水省の事前説明によれば、3兆円の増加分は、「1兆円の農業所得の増加」と「6次産業化による2兆円の増加」で成り立つとの説明を受けたので、

①農業所得の1兆円増加の根拠と、

②6次産業化の柱である農林水産物の輸出倍増計画

の二つを中心に質問しました。


質疑の概要は以下のとおりです。



【個々の農業者の所得が倍増するのか】


たまき雄一郎の挑戦記「世界の中心で政策をさけぶ」


(玉木)農家の所得が増えると期待しておられる方が多いと思われるが、そもそも、この倍増戦略は、個々の農業者の所得を倍増させることを意図したものではなく、広く農業、農村全体の所得の倍増計画であることをまず確認したい。


たまき雄一郎の挑戦記「世界の中心で政策をさけぶ」


(林大臣)おっしゃるとおりだ。


(玉木)そうであるなら、誤解を与える表現になっていると思う。また、自民党の部会でまとめた10カ年戦略には「担い手の所得が倍増」と明確に書き込まれているが、では、少なくとも担い手の所得は倍になるのか。


(林大臣)農業(全体)の所得は3兆円から4兆円になるというのが我々の計算。(担い手の所得増について言及なし。)



【所得倍増の根拠は何か】


(玉木)3兆から4兆に増える根拠は。


(林大臣)政府が目指している(実質)経済成長2%の前提で単純に推計すると、10年後に1.22倍になるので3.66兆円。その上に、規模拡大、農地集積、流通合理化などの施策総動員による生産性の向上分も足して、4兆円の農業所得を見込んでいる。


(玉木)全く機械的な計算であり根拠に乏しい。そもそも、内閣府による実質2%成長という計算には、バブル期の生産性向上を前提にしているという数字のトリックがある。農業に従事する労働力が減っていく中で、かなりの生産性向上がないと4兆円にはならない。今、農家の皆さんは、本当にどうなるんだという不安の中にある。単に数字遊びをするのではなくて、コメや野菜、畜産物など品目ごとの生産額の伸びやコスト減をもっと正確に計算して、国民の皆さんにお示しするのが誠実なやり方ではないか。


(玉木)私は、一人当たりの農家所得を倍にするという目標であれば現実性があると考えている。GDPに占める農業の生産額の割合を変えずに、農地集約が進むことで担い手がある程度集約されることで、一人当たりの取り分を増やすことは政策的な整合性を持ってできると考える。例えばイスラエルの農業生産性は日本の4~5倍もあるが、もっと革新的な農業技術を入れれば、日本の農業の生産性を高めることも可能だ。



【輸出倍増計画の中身について】


(玉木)農業・農村所得倍増計画のうち2兆円分は6次産業化による所得の増とされているが、その6次産業化の一貫として、現在5,000億程度の農林水産品輸出額を1兆円規模に倍増するとしているが、増加分の太宗を、みそ、しょうゆ、菓子類、清涼飲料水などの「加工食品」が占める計算になっている。しかし、例えば、100%輸入大豆でつくられたみその輸出も、ここでいう輸出の増加にカウントされるのか確認しておきたい。



たまき雄一郎の挑戦記「世界の中心で政策をさけぶ」


(長島政務官)輸入原料を使用しても農林水産物の輸出増にカウントするとしている。加工メーカーが農村地域に存在し、地域の雇用を創出する場合は、「農村」の所得向上に貢献する。


(玉木)これも誤解を与える中身だ。今、農家の皆さんが関心があるのは、自分たちの所得がどう増えるかということであり、輸入原料を使った加工食品が増えても国内農家の所得は増えない。香川県の例をあげれば、100%ASW、つまり、オーストラリア産の輸入小麦で讃岐うどんをつくっても、国内農家の所得向上にはつながらない。単なる数字遊びや絵に描いた餅ではなく、国内農家の所得が実際に増加するような目標設定や施策推進を大臣にお願いしたい。


(林大臣)大変大事な指摘をいただいた。(6次産業化による農業・農村の所得増分である)2兆のうち、農村への還元分が幾らかを試算して、それをいかに増やしていくかが大きなポイントだと考えている。




なお、本委員会における同僚議員の大串議員からの質問で、この農業所得倍増戦略は、TPPによる農業生産額の減少を全く加味せずに計算していることも明らかになった。TPPに加入すれば農業生産額が3兆円減少すると同じ農林水産省が発表しており、整合性のない不誠実な中身だと言わざるを得ない。選挙目的の誇大広告と言われても仕方のない内容だ。


我々は、具体的で現実的な所得増加の目標と政策を示していくべきだと考える。民主党は、政権時代に実施してきた(そしてバラマキだと批判しながら自民党政権も引き継いでいる)戸別所得補償制度を安定的に実施するための法律を通常国会に既に提出している。与野党を超えて建設的な議論を深め、制度の安定と「猫の目農政」からの脱却を図りたい。


以下、本質疑に関する新聞報道やチラシもご覧下さい。

http://www.tamakinet.jp/news/newspaper/entry-126.html#contentstop




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